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Make(Integromat)とは? ― API 連携が可能な背景
Make はノーコードで業務プロセスを可視化・自動化できるクラウド型プラットフォームです。
「シナリオ」と呼ばれるフロー内に用意された HTTP モジュール を使えば、REST API や GraphQL エンドポイントへ自由にリクエストを送信できます。この仕組みが、公式・非公式問わず多種多様なサービスとシームレスに連携できる根拠となります。
HTTP モジュールの特徴
- 柔軟な設定項目:URL、メソッド、ヘッダー、ボディを個別に指定可能
- 変数置換が標準搭載:
{{ }}記法で前段階モジュールの出力を参照でき、動的リクエストが簡単に構築できる - 認証方式に対応:API キー、Bearer トークン、OAuth 2.0 など主要な認証方式を UI 上で設定可能
参考: Make の公式ドキュメント – HTTP モジュール
認証情報の取得と Make への登録方法
外部サービスと安全に通信するためには、正しい認証情報(API キーや OAuth トークン)を取得し、Make の 「認証情報」 管理画面に保存しておく必要があります。ここでは代表的な 3 つのサービスについて手順を解説します。
Google API キー取得と登録
Google Cloud Console で作成したプロジェクトから API キーを発行し、Make の認証情報へ貼り付けます。
- プロジェクト作成 → 「API とサービス」 > 「認証情報」 > 「認証情報を作成」 > API キー を選択
- 必要に応じてキーの使用制限(IP アドレスやリファラ)を設定し、セキュリティリスクを低減
- Make のシナリオ画面で 「認証情報」 > 「新規作成」 を選び、取得したキーを入力して保存
Google Sheets API のレートリミットは 1 秒間に最大 10 リクエスト(無料枠)※公式ドキュメント参照。大量アクセスが予想される場合は 「Delay」モジュール や 「Iterator」 を活用してスロットリングしてください。
Slack の OAuth 2.0 設定
Slack アプリを作成し、必要なスコープを付与した上でトークンを取得します。
- Slack API ポータル → 「Your Apps」 > 「Create New App」
- 「OAuth & Permissions」タブで
chat:writeなど実装に必要なスコープを追加 - 「Install App to Workspace」 をクリックし、表示された Bot User OAuth Token(
xoxb-...)をコピー - Make の認証情報画面で 「OAuth 2.0」 タイプを選び、トークンを保存
Lステップのアクセストークン取得
Lステップはマーケティングオートメーション向けチャットボットです。アクセストークンは管理画面から簡単に生成できます。
- Lステップ管理画面 → 「開発者設定」 → 「API トークンを生成」
- 発行されたトークンを Bearer 認証 用として Make の認証情報へ登録
すべての認証情報は 最小権限の原則(Principle of Least Privilege) に従い、必要なスコープだけを付与することが推奨されます。
HTTP モジュールの基本設定と典型的なフローデザイン
HTTP モジュールは API 連携の中心です。ここでは主要項目の設定方法と、実務でよく使われるシナリオ構成を紹介します。
URL・メソッド・ヘッダー・ボディの指定(H3)
各項目は UI 上で直接入力でき、変数置換が可能です。以下に設定例を示します。
- URL:
https://api.example.com/v1/users/{{userId}} {{userId}}は前段階モジュールから取得したユーザー ID が自動展開されます。- メソッド:GET、POST、PATCH、DELETE などから選択可能
- ヘッダー(複数行入力可)
Content-Type: application/jsonAuthorization: Bearer {{access_token}}- ボディ(JSON) の例
json
{
"name": "{{firstName}}",
"email": "{{email}}"
}
ヘッダーやボディに含める変数は 「Mapper」モジュール で事前に整形しておくと、可読性が向上します。
基本フロー例:Google Sheets → Slack 通知(H3)
- トリガー – 「Google Sheets > Watch Rows」
- 新規行を検出したらシナリオが起動
- データ整形 – 「Mapper」モジュールで必要項目だけ抽出し、Slack 用メッセージテンプレートに変換
- 通知送信 – 「HTTP」モジュールで
POST https://slack.com/api/chat.postMessageを呼び出す
この構成は「5 分以内に自動通知が完了する」ことを前提としており、業務情報の遅延リスクを大幅に削減できます。
実践事例① Google スプレッドシート ↔ Make ↔ Slack の自動化
この事例は、スプレッドシートで入力された案件情報をリアルタイムで Slack に通知するフローです。手順ごとにスクリーンショットや設定項目のポイントも併記しています。
フロー全体像(H3)
| ステップ | モジュール | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | Google Sheets – Watch Rows | 新規行検知 |
| 2 | Mapper | 行データ → メッセージテンプレート変換 |
| 3 | HTTP (POST) | Slack API に通知送信 |
詳細設定手順(H3)
- Google Sheets トリガー
- シート ID とシート名を入力し、ポーリング間隔は 5 分 推奨。
- Mapper でメッセージ作成
text
新しい案件が登録されました\n担当者: {{row.A}}\n案件名: {{row.B}} - Slack HTTP アクション
- URL:
https://slack.com/api/chat.postMessage - メソッド:POST
- ヘッダー:
Authorization: Bearer {{slack_token}}、Content-Type: application/json - ボディ(JSON)例
json
{
"channel": "#notifications",
"text": "{{mappedMessage}}"
} - テスト実行
- Make の「Run once」機能でシミュレーションし、Slack にメッセージが届くか確認
このフローはテンプレート化しておけば、別プロジェクトでも同様の通知を瞬時に構築できます。
実践事例② Lステップと Make で生成 AI 画像添削フロー(現在利用可能な API を前提)
AI 画像生成・加工サービス(Stable Diffusion、DALL·E など)の公開 API と Lステップを組み合わせ、ユーザーが送信した画像に対して自動的にリタッチ結果を返すシナリオです。将来予測ではなく、2024 年時点で実装可能な手順 を示します。
シナリオ概要(H3)
- Lステップ Webhook 受信 – ユーザーが画像と指示文を送信 → Make がトリガー
- AI API へ POST – 画像 URL とプロンプトを JSON で送信し、加工結果の URL を取得
- Lステップ 返信 – AI の返却データを元にメッセージ API でユーザーへ画像リンクを送信
各ステップの設定ポイント(H3)
| ステップ | モジュール | 主な設定項目 |
|---|---|---|
| 1 | Webhook – Custom webhook | エンドポイント URL を Lステップ側に登録 |
| 2 | Parse JSON / Mapper | payload.image_url と payload.prompt を抽出 |
| 3 | HTTP (POST) – AI API | URL, ヘッダー(Bearer トークン), ボディ(prompt & image_url) |
| 4 | HTTP (POST) – Lステップ メッセージ送信 | Authorization: Bearer {{lstep_token}}、結果画像 URL を本文に埋め込む |
AI API 呼び出し例(JSON ボディ)
|
1 2 3 4 5 |
{ "prompt": "{{payload.prompt}}", "image_url": "{{payload.image_url}}" } |
Lステップ返信用 JSON
|
1 2 3 4 5 |
{ "user_id": "{{payload.user_id}}", "message": "加工が完了しました!\n{{result_image_url}}" } |
エラーハンドリングのベストプラクティス
- Error handler モジュールで 4xx/5xx を捕捉し、失敗時は Lステップへ「再試行」メッセージを自動送信
- AI API が返す 429(レートリミット) は
Delayモジュールで一定時間待機後に再実行
エラー処理・デバッグのベストプラクティス
Make で安定運用するためには、実行履歴の確認と自動リトライ設定が欠かせません。ここでは代表的なチェックポイントをまとめます。
実行履歴とログの活用(H3)
- Execution History:シナリオごとの実行結果・レスポンス本文が一覧で確認でき、失敗原因の特定に有効です。
- モジュール単位の詳細:各モジュールのステータスと取得したデータを展開し、期待通りの変数置換が行われたか検証できます。
自動リトライ設定(H3)
- 各 HTTP モジュールで 「Retry on failure」 を有効化
- 「Retry after」パラメータに 30 秒 程度の待機時間を設定し、最大リトライ回数は 3 回 に限定(過剰リトライはレートリミット増加要因)
レートリミット対策とスロットリング(H3)
- Google Sheets API は公式に 「100 リクエスト/100 秒」 が上限です。
- Make の 「Delay」モジュール や 「Iterator」 と組み合わせて、一定間隔でリクエストを分散させます。
認証情報の安全管理(H3)
- 認証情報は Make の「認証情報」セクション に保存し、アクセス権は 「Read‑only」 かつ 最小スコープ のみ付与
- 定期的にトークン有効期限を確認し、期限切れ前に更新する自動フロー(例:OAuth トークンのリフレッシュ)を構築
まとめ
- Make の HTTP モジュールは 変数置換 と 多彩な認証方式 に対応しており、ほぼすべての外部 API と接続可能です。
- 認証情報は公式ドキュメントに従い最小権限で取得し、Make の管理画面に安全に保存しましょう。
- 基本的な設定手順(URL・メソッド・ヘッダー・ボディ)をマスターすれば、Google Sheets → Slack や Lステップ ↔ AI 画像加工 といった実務で使えるフローが短時間で構築できます。
- エラー処理は Execution History の定期確認 + 自動リトライ + レートリミット対策 が鍵です。これらを組み合わせることで、突発的な API 障害にも耐えうる安定した自動化基盤が実現します。
ぜひ本ガイドの手順を参考に、自社業務に最適な Make シナリオを作成し、ノーコードでの生産性向上を体感してください。