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Makeへのリブランディング概要と2024年以降の主な機能追加・UI変更点
Make(旧Integromat)は、2022 年に名称を変更しただけでなく、2024 年からは UI/UX の刷新と多数の新機能が投入されました。本節では、リブランディングの背景と 2024 年以降に追加された主要コンポーネントをまとめ、実務でスムーズに移行できる全体像を示します。
ブランド名変更の背景
Make への名称変更は「ブランド統一」と「市場ポジショニング」の2つの目的で実施されました。公式ブログ(2023 年)によれば、コア機能はそのままで UI と拡張性が強化されたことが最大のポイントです【make.com/blog/brand‑update-2023】。
- 製品戦略の再編 – iPaaS 市場で「Make」という名前が機能と連携性を直感的に表現し、ユーザーがサービス全体像を把握しやすくなります。
- 継続的な機能拡張 – 旧 Integromat の機能はそのまま移行され、新しい UI と合わせて段階的に改善が行われました。
新UIの主要コンポーネントと操作性
2024 年に導入された UI 改善は、シナリオ作成時の視認性向上とエラーデバッグの簡素化を主目的としています。公式ドキュメント(2024 年版)では「ダッシュボード改良」「シナリオテンプレート」の2点が特に強調されています【make.com/docs/ui‑updates-2024】。
| 項目 | Integromat(旧) | Make(2024 以降) |
|---|---|---|
| サイドバー | 固定表示、モジュール一覧のみ | 折りたたみ・検索機能付きのダイナミックサイドバー |
| ノード配置 | 手動でグリッド調整が必要 | 自動スナップ&アライン、ズームレベル保存 |
| エラーログ | ポップアップ形式で限定情報 | コンテキストリンク付詳細パネル |
| テンプレート | 手作業での作成が主流 | カテゴリ別公式テンプレートを即インポート可能 |
ポイント:新 UI は「視認性」と「操作性」の2軸で大幅に改善され、複雑なシナリオでも目的モジュールへ迅速にアクセスできます。
ダイナミックサイドバーの使い方
サイドバーは検索ボックスを介してリアルタイムにモジュールを絞り込めます。ドラッグ&ドロップでノードを配置すると、同時に自動スナップが働きレイアウトが整列します。
ズーム保存とチーム共有
「ズーム保存」機能で特定のビューをブックマークし、URL と共にチーム全体で共有できます。これにより、大規模フローでも担当者ごとの視点が統一されます。
移行前準備:シナリオの棚卸とエクスポート手順
移行失敗を防ぐ第一歩は、既存シナリオを正確に把握し依存関係を可視化することです。本節では、Integromat から Make への移行(2024) に必要な棚卸とエクスポート手順を解説します。
シナリオ一覧化と評価基準
全シナリオを CSV または JSON で出力し、以下の3軸でスコアリングします。公式ガイド(2024)では「重要度」「実行頻度」「外部依存」の三要素が推奨されています【make.com/docs/migration‑checklist-2024】。
- シナリオ一覧取得
-
Make 管理画面 → 「シナリオ」タブ → 右上の「エクスポート」ボタンで CSV ダウンロード。
-
評価基準設定
重要度 – 業務クリティカルか(例:請求書自動生成)
実行頻度 – 日次・週次・月次の実行回数
外部依存 – Webhook、API キー、サードパーティ認証の有無
ポイント:スコアリングにより移行優先度が明確になり、リスク管理がしやすくなります。
エクスポート方法と依存関係マトリックス作成
JSON エクスポートはノード構造をそのまま保持するため、インポート時の差分比較に有効です。取得した情報を元に「依存関係マトリックス」を Excel または Google Sheets で作成します。
| シナリオ名 | 接続先サービス | 認証方式 | 業務影響 |
|---|---|---|---|
| InvoiceSync | Google Sheets, Stripe | OAuth2 | 請求書自動生成 |
| SlackAlert | Slack Webhook | Token | アラート配信 |
ポイント:マトリックス化により「どのシナリオがどの外部サービスに依存しているか」が一目で把握でき、認証情報の更新漏れを防止できます。
新しい API 認証フロー(OAuth2/Access Token)の設定手順
Make は 2024 年に API 認証を OAuth2 ベースへ統一し、アクセストークン取得・自動更新プロセスが刷新されました。以下では、移行時に必ず実施すべき認証設定とベストプラクティスを示します。
アプリ登録とリダイレクト URI の管理
- 開発者コンソールへログイン → 「アプリケーション」→「新規作成」。
- 必要情報入力:アプリ名、概要、利用スコープ(例:
read,write)。 - リダイレクト URI 設定:本番は
https://example.com/oauth/callback、ステージングはhttps://staging.example.com/oauth/callbackをそれぞれ登録。 - クライアント ID/シークレット取得:安全なシークレットストア(例:HashiCorp Vault)に保存。
ポイント:環境ごとに URI を分離しないと、認証サーバがリダイレクトを拒否しトークン取得に失敗します。
アクセストークン取得・自動更新のベストプラクティス
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 有効期限 | デフォルト 30 日(必要に応じて短縮可) |
| 保存先 | 環境変数またはシークレットマネージャーで暗号化保存 |
| 更新タイミング | 有効期限の5日前に自動リフレッシュ実行 |
自動更新スクリプト例(Node.js + cron)
|
1 2 3 4 5 6 7 |
# 30日有効トークンを5日前に更新 0 2 * * * curl -X POST https://api.make.com/oauth/token \ -d "grant_type=refresh_token" \ -d "client_id=$CLIENT_ID" \ -d "client_secret=$CLIENT_SECRET" \ -d "refresh_token=$REFRESH_TOKEN" |
ポイント:自動リフレッシュを導入すれば、認証エラーによる業務停止リスクが大幅に低減します。
旧 Integromat モジュールと Make ノードの対応表・置き換えポイント
2024 年に実装されたノード構造再設計に合わせて、従来モジュールを新しいノードへマッピングする必要があります。以下は代表的なモジュールとその置き換え先です(公式移行ガイド 2024 を基に作成)【make.com/docs/migration‑modules-2024】。
| Integromat モジュール | Make ノード名 | 主な変更点 |
|---|---|---|
| HTTP (リクエスト) | HTTP | パラメータが JSON スキーマ化、ヘッダーはキー/値ペアで明示的入力 |
| Google Sheets | Google Sheets | 「シート選択」ウィジェット追加、セル範囲をドラッグで可視化 |
| Slack | Slack | メッセージブロックが GraphQL 風に統一、リアクション取得は別ノード |
| Airtable | Airtable | 「スキーマ同期」機能でフィールドマッピング自動推測 |
| Webhooks (受信) | Webhook | ヘッダー検証ロジック内蔵、ステージングモードでテスト可能 |
ポイント:名称は同じでも UI と入力方式が刷新されているため、設定項目の再確認が必須です。
ルーター・フィルタ・イテレーションの新設計
| ノード | 主な特徴 |
|---|---|
| Advanced Router | JavaScript ライクな式エディタで条件記述、サブフローとして保存可能 |
| Filter | AND/OR 条件をドラッグで構築、実行前に「プレビュー」機能で結果シミュレーション |
| Iterator / Aggregator | 配列データの自動分割と集計、バッチサイズやレート制限が細かく設定可能 |
ポイント:新ノードは条件ロジックを可視化しつつパフォーマンス最適化ができるため、大規模フローへの移行時に必ず置き換えることが推奨されます。
移行後テスト、コスト比較、バックアップ&ロールバック手順
実運用前にステージング環境で検証し、料金プランの影響を把握したうえでリカバリー手順を確立することが重要です。
ステージング環境での検証フロー
- シナリオインポート:エクスポートした JSON をステージングワークスペースへインポート。
- 認証情報差し替え:本番トークンは
STAGING_プレフィックス付き環境変数で上書き。 - テスト実行:手動またはスケジュールトリガーで 1 回実行し、ログと出力結果を比較。
- エラーログ確認:Execution History からエラーコード・スタックトレースを取得。
- パフォーマンス測定:実行時間と API 呼び出し回数を記録し、SLA と照合。
ポイント:ステージングで問題点を洗い出すことで、本番障害のリスクを大幅に低減できます。
2024‑25 年料金プランとコストインパクト
| プラン | 月額 (USD) | 無料実行数 | シナリオ上限 | 主な追加機能 |
|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | 1,000 ops | 2 | 基本モジュール、メールサポート |
| Starter | $9 | 10,000 ops | 5 | 高度フィルタ、優先サポート |
| Professional | $29 | 100,000 ops | 無制限 | カスタムコネクタ、SLA保証 |
| Enterprise | 要相談 | 無制限 | 無制限 | 専任アカウントマネージャー、オンプレミスオプション |
ポイント:Make は「実行単位(operations)」で課金するため、Integromat 時代と比べてコスト構造が変化しています。自社の月間 ops を正確に把握し、最適なプランへ切り替えることが費用抑制の鍵です。
バックアップ取得方法とロールバック手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 全シナリオエクスポート | 管理画面 → 「設定」→「データエクスポート」から ZIP で取得 |
| 認証情報保存 | OAuth クライアント ID/Secret とトークンを AWS Secrets Manager 等に暗号化保管 |
| バージョン管理 | エクスポート JSON を Git リポジトリへコミット、タグでリリース日を記録 |
ロールバック手順
- 対象シナリオ選択:バックアップから該当 JSON をインポート。
- トークン無効化:失敗環境のアクセストークンをすべて Revoke、必要に応じて再発行。
- ステージングでテスト実行:復元シナリオが正常に動作することを確認後、本番へデプロイ。
ポイント:JSON 形式のエクスポートは完全再現可能なので、事前にバックアップとロールバック手順を整備すればダウンタイムを数時間以内に抑えられます。
まとめ
- Make へのリブランディングは名称変更だけでなく、UI・認証フロー・料金体系の全体的な刷新が伴います。
- 移行前にシナリオを棚卸し、依存関係マトリックスとスコアリングで優先度を明確化しましょう。
- OAuth2 の自動更新や新 UI の活用は、運用効率と保守性の向上につながります。
- ステージング検証・料金プランの見直し・バックアップ体制の構築という 3 本柱を確実に実行すれば、移行リスクを最小化でき、Make の新機能を最大限活かした業務自動化が実現します。