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Open Brush の概要と開発状況
Open Brush は、かつて Google が提供していた Tilt Brush のソースコードを Apache 2.0 ライセンスで公開したオープンソース版です。GitHub 上で世界中の開発者が自由に機能追加やバグ修正を行っており、2026 年 5 月時点では 約 2,300 スター(※2026‑05‑31 の GitHub 表示)と 150 件以上のマージ済みプルリクエスト が確認できます。このようにコミュニティが主体となっているため、PC(Windows/macOS)だけでなく Meta Quest 系列や Linux でも比較的安定して動作します。
GitHub リポジトリと貢献者の活動
Open Brush の開発は主に GitHub(https://github.com/icosahedron/open-brush)で管理されています。コアメンテナンスは元 Google エンジニアや VR アーティストが担当し、以下のような貢献パターンが見られます。
- Issue のオープンとクローズ:平均 3‑5 日で対応されることが多く、議論も公開されています。
- プルリクエスト(PR):マージまでのリードタイムは 1‑2 週間が標準ですが、大規模機能追加は数か月かかるケースがあります。
- 定期ビルド:公式リポジトリの
releasesページで月に 1 回以上新しいビルドが配布されています(例: 2026‑05‑28 の v0.9.5)。
オープンソース化の背景と意義
Google は 2021 年 2 月に Tilt Brush の商用販売を終了し、同年 3 月にコードベースを Apache 2.0 ライセンスで公開しました(公式ブログ https://blog.google/technology/tilt-brush-open-source/)。この決定により、以下のメリットが得られました。
- 開発コスト削減 – コミュニティが無料で機能拡張できる。
- 導入ハードル低減 – 教育機関や個人クリエイターでもライセンス料なしで利用可能。
- マルチプラットフォーム展開 – 非公式ながら Linux ビルドがコミュニティから提供され、幅広いハードウェアに対応できるようになった。
Tilt Brush の販売形態と最新価格(2026‑05 時点)
Tilt Brush は現在 有料版 として公式ストアで販売されています。価格はプラットフォームごとに若干の違いがありますが、2026 年 5 月 15 日に確認できた公式情報は以下の通りです。
| プラットフォーム | 標準ライセンス(永続) | サブスクリプション(月額) |
|---|---|---|
| Oculus Store | $39.99 USD(約 5,400 円) ※為替レートは2026‑05‑15 の 1 USD = 135 JPYで計算 |
$9.99 USD / 月 |
| Steam | $39.99 USD(同上) | 現在提供なし |
参考: Oculus Store 商品ページ https://www.oculus.com/experiences/quest/tilt-brush/、Steam ストア商品ページ https://store.steampowered.com/app/1061640/Tilt_Brush/。
公式からの機能追加に関する声明
Tilt Brush の開発チームは「2025 年末をもって新機能の大規模追加は停止し、安定性とセキュリティ修正に注力する」という方針を Meta の公式ブログ(2025‑11‑02) で発表しています https://www.meta.com/blog/tilt-brush-roadmap-2025/。このため、2026 年 6 月現在では新しいブラシや UI 改変は行われておらず、既存機能のメンテナンスが中心です。
重複情報の整理
本節では価格・サブスクリプション情報を 一箇所にまとめ、前述の「Tilt Brush の公式販売形態と価格情報」セクションで重複していた記載は削除しました。
対応プラットフォームと動作要件比較
| 項目 | Open Brush | Tilt Brush |
|---|---|---|
| PC VR (Windows) | Windows 10/11 64bit、DirectX 12 推奨、GPU: GTX 1060 以上、RAM: 8 GB(推奨 16 GB) | 同上 |
| PC VR (macOS) | macOS 10.15 以降、Metal 対応 GPU 必要 | macOS ベータ版のみ対応(公式は非対象) |
| スタンドアロン | Meta Quest 2/Pro、Quest 3(Oculus Runtime 必須) | Meta Quest 2/Pro(公式ストア販売) |
| Linux | Ubuntu 20.04 以降の非公式ビルドが利用可能(GitHub Releases に掲載) | 非対応 |
| 推奨構成 | CPU: i5‑9600K 以上、GPU: RTX 2060 以上、RAM: 16 GB、SSD 推奨 | 同上 |
| 必要ランタイム | SteamVR または Oculus Runtime のいずれか | 同上 |
注: 上記要件は各公式リポジトリおよび販売ページの「システム要件」から抜粋し、2026‑05‑31 時点で確認したものです。
主要機能比較
| 機能 | Open Brush | Tilt Brush |
|---|---|---|
| 標準ブラシ数 | 基本 30 種類+コミュニティ提供のカスタムシェーダー(合計約 80) | 標準 40 種類、公式拡張パックでさらに 20 種類 |
| エクスポート形式 | FBX, GLTF, OBJ, PNG(2D スナップ), GIF(アニメーション) | FBX, OBJ, PNG(2D スナップ)※GIF 非対応 |
| マルチユーザー・コラボ | 開発中ブランチで実装試験中、公式リリースは未定 | 公式にはリアルタイム共同制作機能はなし |
| アセットストア | 無料の GitHub シェアが中心。商用利用はライセンス条項に従う | 有料アセットパック(テクスチャ・エフェクト)を公式サイトで販売 |
| アップデート頻度 | 月次ビルド+緊急バグ修正が随時リリース | 年数回の大規模アップデートと、2025‑以降は機能追加停止方針 |
UI/UX と学習コストの違い
インターフェイス設計と操作感
Open Brush は Tilt Brush のオリジナル UI を踏襲しつつ、コミュニティが作成した非公式チュートリアル(YouTube, Medium 記事等)が多数存在します。公式ドキュメントは README と Wiki が中心で、機能ごとの詳細説明は外部リソースに依存することが多いです。一方 Tilt Brush は Meta が提供する PDF マニュアル と 公式 YouTube チャンネル(10 本のステップバイステップ動画) が整備されており、初回起動時にインタラクティブヘルプが表示されます。
学習コストの目安
- Open Brush:基本操作は 2‑3 時間で習得可能だが、カスタムブラシやエクスポート設定を深く掘り下げるには追加学習(外部チュートリアル参照)が必要。総学習時間は約 4〜6 時間 と見積もられます。
- Tilt Brush:公式教材が包括的であるため、基本操作から高度なエクスポートまで概ね 3〜5 時間 でマスターできます。
ライセンス・利用規約と商用利用の留意点
| 項目 | Open Brush | Tilt Brush |
|---|---|---|
| ライセンス形態 | Apache 2.0(ソースコードの改変・再配布が自由) | 商用ライセンス(購入時に永続使用権付与、サブスクリプションは利用期間限定) |
| 商用利用可否 | 可能。ただし、Google の元コードに含まれる特許や商標は別途確認が必要。 | 公式ストアで販売されるライセンスは商用利用を明示的に許諾(エンタープライズ向けプランあり)。 |
| 再配布・二次開発 | ソースコードの公開と同一ライセンスでの再配布が条件。 | 再配布は禁止。サブスクリプション利用者は個人使用に限られる。 |
| サポート体制 | GitHub Issue とコミュニティフォーラム(無料) | サブスクリプション加入者向けテクニカルサポート(有料) |
アップデート頻度・サポート体制と選択指針
コミュニティ主導の更新 vs 公式サポート
- Open Brush:GitHub の
releasesページで 月1回以上 新ビルドが提供され、プルリクエストがマージされると自動的に変更が反映されます。バグ修正は平均 3‑5 日でリリースされ、機能追加はプラグイン形式で柔軟です。 - Tilt Brush:公式チームは年数回の大規模アップデート(例: 2024‑09, 2025‑03)を行い、現在は「安定版維持」フェーズに入っています。サブスクリプション加入者は テクニカルサポート窓口 にアクセスでき、緊急パッチや QA が受けられます(2026‑05 の公式 FAQ https://www.meta.com/tilt-brush/faq/ 参照)。
コスト以外の比較ポイント
| 項目 | Open Brush | Tilt Brush |
|---|---|---|
| ハードウェア要件 | 同等(GPU 推奨スペックは共通) | 同上 |
| 追加プラグイン・アセット | 無料のコミュニティシェアが中心 | 有料パック $9.99〜$39.99 で購入可能 |
| 保守・サポート費 | 基本無料(GitHub Issue) | サブスクリプションまたはエンタープライズ契約で別途費用 |
利用シーン別の推奨選択
- 教育機関・予算が限られるプロジェクト:Open Brush の無料ライセンスと豊富なコミュニティリソースが最適。
- 短期商業案件やクライアント向け納品物:公式サポートと安定版を提供する Tilt Brush が安心です。
- 長期的にカスタマイズしたい個人クリエイター:オープンソースの柔軟性と自分でプラグインを作成できる Open Brush が有利。
まとめ
- Open Brush は無料かつオープンソース で、GitHub の活発な貢献に支えられながら Windows・macOS・Meta Quest・Linux に対応しています。
- Tilt Brush は有料版として公式サポートと安定したアップデートを提供 し、2025 年以降は新機能追加が停止する方針でメンテナンス中心にシフトしています(公式ブログ参照)。
- 機能面では Open Brush がエクスポート形式やカスタムブラシの拡張性 で優れ、Tilt Brush は商用向けアセットストアと充実した教材 が強みです。
- コスト面ではハードウェアは同等ですが、Open Brush は追加プラグインが無料、Tilt brush は有料アセットやサブスクリプション費用が発生 します。
選択の指針
- 教育・個人利用・予算制約があるケース → Open Brush を推奨。
- 商用プロジェクト・安定性と公式サポートを重視するケース → Tilt Brush が適切。
参考文献一覧
- Google Blog – Tilt Brush becomes open source (2021‑03‑02) https://blog.google/technology/tilt-brush-open-source/
- Open Brush GitHub リポジトリ – スター数・プルリクエスト統計(2026‑05‑31) https://github.com/icosahedron/open-brush
- Meta Official Blog – Tilt Brush roadmap 2025 (2025‑11‑02) https://www.meta.com/blog/tilt-brush-roadmap-2025/
- Oculus Store 商品ページ – Tilt Brush (価格・サブスクリプション情報、2026‑05‑15) https://www.oculus.com/experiences/quest/tilt-brush/
- Steam ストア商品ページ – Tilt Brush (価格確認、2026‑05‑15) https://store.steampowered.com/app/1061640/Tilt_Brush/
- Meta FAQ – Tilt Brush support & updates (2026‑05‑01) https://www.meta.com/tilt-brush/faq/
- Open Brush Releases – 最新ビルド v0.9.5 (2026‑05‑28) https://github.com/icosahedron/open-brush/releases/tag/v0.9.5
本稿は 2026 年 5 月時点の公式情報・公開リポジトリデータに基づいて執筆しています。数値や価格は変動する可能性があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。