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アカウント作成とプラン選択
Make を本格的に活用するには、まず公式サイトで無料アカウントを取得します。メールアドレスまたは Google アカウントで数クリックだけで登録が完了し、すぐにシナリオの設計画面へ遷移できます。
※ 2026 年時点のプラン内容は公式サイト(make.com/pricing)を随時確認してください。
無料プランや有料プランの実行回数・モジュール上限は、Make が提供する最新情報に基づきます。
Free プランの概要
Free プランは小規模チームや学習目的に最適です。主な制限は以下の通りです。
| 項目 | 上限 |
|---|---|
| 月間実行回数 | 1,000 回 |
| 同時モジュール数 | 5 個 |
| ログ保持期間 | 30 日 |
これらのリソースで Slack の基本的なメッセージ送受信や簡易通知は十分に構築できます。必要に応じて有料プランへアップグレードすれば、実行回数・モジュール上限が大幅に拡張されます。
有料プランへの移行手順
- ダッシュボード右上の 「Upgrade」 をクリック
- 希望するプラン(Standard/Pro)を選択し、月額または年額で支払い情報を入力
- プラン変更が完了すると、実行回数・モジュール上限が自動的に反映されます
公式ドキュメントの 「Billing & Plans」 ページでは、各プランの詳細比較表が掲載されていますので、導入前に必ず目を通してください。
Slack アプリの追加と認証
Slack との連携は OAuth 認証 と Incoming Webhook の二つの方法があります。どちらも管理者権限があれば数分で完了し、シナリオ内で安全にトークンを扱えます。
推奨される OAuth 認証
OAuth はスコープ単位でアクセス権を細かく設定でき、トークンの自動更新もサポートします。これにより、権限不足によるエラーや手動でのトークン再発行作業を最小化できます。
設定手順(概要)
- Make ダッシュボード → Connections → Add a connection
- 「Slack」を検索し Connect をクリック
- Slack の認証画面で必要なスコープ(例:
chat:write,channels:read)を付与 - 認証完了後、Make がトークンを安全に保存します
シンプルな Incoming Webhook
Webhook は特定チャンネルへの一方向通知に向いています。設定は以下の流れです。
- Slack 管理画面で 「Incoming Webhooks」 を有効化
- 送信先チャンネルを選び、生成された URL を取得
- Make のシナリオで HTTP モジュールを追加し、POST リクエストとして URL にペイロードを送信
OAuth が推奨されますが、単発のアラートや外部サービスからの通知だけなら Webhook でも十分です。
シナリオ作成基本フローとモジュール設定
Make のシナリオは「トリガー」→「アクション」の流れで構築します。本節では Slack メッセージ監視 と Google カレンダー新規イベント取得 を組み合わせた実務例を示し、主要モジュールの設定ポイントを解説します。
トリガーの選択と基本設定
トリガーはシナリオ実行の起点です。ここでは二つの代表的なトリガーを紹介します。
1. Slack – Watch Messages
- 目的:指定チャンネルに新しいメッセージが投稿されたときに発火
- 主な設定項目
- 対象チャンネル ID(複数可)
- フィルタ条件(例:特定キーワードを含む場合のみ)
2. Google Calendar – New Event
- 目的:カレンダーに新しい予定が追加された瞬間に発火
- 主な設定項目
- カレンダー ID(組織全体・個人別など)
- 取得期間の範囲(過去 24 時間以内、今後 7 日間など)
アクション:Slack へメッセージ送信
トリガーで取得したデータを加工し、Slack に通知する手順です。
- 使用モジュール:
Slack > Send Message - 必須フィールド
Channel(通知先チャンネル ID)Message(テキストまたは Block Kit JSON)
メッセージ本文の組み立て例
|
1 2 |
{{event.summary}} が追加されました。日時: {{event.start}} |
上記のように、トリガーで取得した変数をダブルブレースで埋め込むだけで動的メッセージが生成できます。
Block Kit を用いたリッチ通知
Slack の Block Kit 形式でカード型メッセージを作成すると、情報が視覚的に整理されます。Make では JSON テキストをそのまま Message フィールドに貼り付けるだけです。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
{ "blocks": [ { "type": "section", "text": { "type": "mrkdwn", "text": "*新しい会議が予約されました* :calendar:" } }, { "type": "context", "elements": [{ "type": "mrkdwn", "text": "{{event.summary}} ({{event.start}})" }] } ] } |
条件分岐(Filters)の活用
不要な通知を除外するには Filter モジュールで条件式を設定します。例として「タイトルに『社内』が含まれる場合のみ送信」の流れです。
Add another module→ Filter を追加- 条件式
{{event.summary}} contains "社内"を入力 - フィルタを通過したデータだけが次の
Send Messageモジュールへ渡る
このように Filter と組み合わせることで、ノイズの少ない実務向けシナリオが完成します。
テスト実行とエラーハンドリング
作成したシナリオは本番稼働前に必ずテストし、想定外の例外に備える必要があります。Make にはデバッグ用ツールが標準装備されており、問題箇所を迅速に特定できます。
テスト実行手順
- Run Once ボタンをクリックすると、シナリオが即座に単発実行されます。
- 各モジュールの入力・出力データがリアルタイムで表示され、成功/失敗が色分けされます。
主なエラーメッセージと対処例
| エラーコード | 原因例 | 推奨対策 |
|---|---|---|
invalid_auth |
トークンの期限切れまたはスコープ不足 | Slack アプリ管理画面でトークンを再生成し、Make の接続設定に更新 |
rate_limited |
Slack API のレートリミット超過 | Filter で重複送信を防止し、Retry 回数(最大 3)と間隔を調整 |
channel_not_found |
チャンネル ID が誤っている | 正しいチャンネル ID を再確認し、環境変数やシークレットに保存 |
エラーハンドリングモジュールの組み込み
Make の Error Handler モジュールを使用すると、失敗時に代替フローへ分岐させられます。典型的な構成は次の通りです。
- 失敗しやすいモジュール(例:
Slack > Send Message)に Error Handler を紐付け - エラー発生時は別チャンネルへ「エラー通知」メッセージを送信
- 必要ならば
HTTP > GETで外部監視サービスへ障害情報をPOST
この手順により、運用中のシナリオ停止リスクを最小限に抑えられます。
実務向けユースケース例
以下は Make と Slack を組み合わせた代表的な業務フローです。すべて公式モジュールだけで構築でき、外部サイトへの依存はありません。
1. Google カレンダー予定通知
| フロー | 内容 |
|---|---|
| トリガー | Google Calendar – New Event |
| フィルタ | {{event.summary}} contains "社内会議" |
| アクション | Slack – Send Message(Block Kit でカード表示) |
2. Jira チケット作成時の自動告知
| フロー | 内容 |
|---|---|
| トリガー | Jira – New Issue |
| フィルタ | {{issue.priority}} = "High" AND {{issue.project}} = "DEV" |
| アクション | Slack – Send Message(チケット概要とリンク) |
3. 社内アンケート結果の自動集計・報告
| フロー | 内容 |
|---|---|
| トリガー | Google Forms → Google Sheets の新規行取得 |
| 集計モジュール | Make の「Aggregator」→平均・件数算出 |
| アクション | Slack – Send Message(テキスト+画像) ※ 画像は HTTP > GET で外部グラフ生成サービスから取得 |
これらのシナリオは、業務情報をリアルタイムで社内に共有するだけでなく、手作業削減と意思決定スピード向上にも寄与します。
運用・メンテナンスのベストプラクティス
長期的に安定運用するためには、定期的な見直しと自動化機能の活用が鍵です。以下のポイントをチェックリストとして活用してください。
1. スケジュールと実行タイミング
- バッチ処理はサーバー負荷が低い深夜帯(例:00:05)に設定
- 重要な通知系シナリオは業務開始前の時間帯に実行し、即時対応を可能にする
2. レートリミットと再試行設定
- Slack API のレートリミット(1 分間あたり 50 リクエスト)を超えないよう、Filters で重複送信を除外
- 各モジュールの Retry オプションは最大 3 回、インターバルは 10 秒に設定
3. トークン・シークレット管理
| 作業 | 頻度 |
|---|---|
| トークンローテーション | 半年ごと |
| シークレット更新(API キー等) | 年1回または変更時 |
| アクセス権レビュー | 四半期ごと |
トークンは Slack の「Rotate Tokens」機能で再生成し、Make の接続画面で新しいシークレットに差し替えます。
4. モジュールの自動更新
2026 年に追加された Auto‑update modules 機能を有効化すると、公式モジュールが新バージョンになった際に自動的に適用されます。設定はシナリオ編集画面左下の「Settings」→「Auto‑update modules」でオンにしてください。
5. ログ保管と監査
- Free プランではログ保持期間が 30 日ですが、重要なフローは 外部ロギング(例:Datadog, CloudWatch) に転送して長期保存を推奨
- 定期的にエラーログをレビューし、再発防止策をドキュメント化
まとめ
- 無料プランでも Slack 基本連携はすぐに構築可能。実行回数やモジュール上限は公式料金ページで最新情報を確認してください。
- OAuth 認証が最も安全・柔軟。Webhook は単発通知向けの補助手段として残しておくと便利です。
- トリガー・アクション・Block Kit·Filters の組み合わせで実務シナリオを実装でき、テスト機能とエラーハンドリングで安定運用が可能です。
- Google カレンダー通知、Jira 告知、アンケート集計 などのユースケースは即活用でき、業務効率化に直結します。
- スケジュール管理・レートリミット対策・トークンローテーション・モジュール自動更新 を定期的に実施すれば、長期的な安定運用が実現します。
Make と Slack の連携は、設定さえ正しく行えば「情報の即時共有」「手作業削減」の二重効果を生み出します。ぜひ本ガイドを参考に、自社の業務フローに合わせたシナリオ構築に挑戦してみてください。