Contents
1. アカウント作成と端末要件確認
JigSpace を本格的に活用する第一歩は 正しいアカウント登録 と 対応デバイスの事前チェック です。ここで手順を誤ると、後々機能が制限されたりパフォーマンスが低下したりしますので、必ず本セクションを完了させてから次に進んでください。
1‑1. アカウント登録の基本フロー
以下の手順は2026 年 5 月時点の公式ガイド(JigSpace ヘルプセンター)に準拠しています。画面レイアウトはアップデートで多少変わることがありますが、操作自体は概ね同一です。
- アプリを入手
-
iOS デバイスは App Store、Android デバイスは Google Play から「JigSpace」を検索してインストールします。
-
メールまたは SNS アカウントでサインアップ
-
初回起動時に表示される認証画面で メールアドレス を入力し、送られてくる確認リンクをクリックするか、Google / Apple ID でワンクリック連携します。
-
プロフィール設定と利用規約への同意
- 氏名・所属(任意)を入力し、プライバシーポリシーと利用規約にチェックを入れるだけでアカウント作成は完了です。
ポイント:企業向けに SSO 連携が必要な場合は、管理者コンソールから Azure AD / Okta の設定が可能です(詳細は公式ドキュメント参照)。
1‑2. 対応デバイスと OS バージョンのチェックリスト
JigSpace は ARKit(iOS)または ARCore(Android)が利用できる端末で動作します。以下は公式が推奨する最低スペックです。最新モデルを使用すれば快適に操作できます。
| 項目 | iOS 推奨環境 | Android 推奨環境 |
|---|---|---|
| OS バージョン | iOS 13.0 以上(ARKit 3 対応) | Android 7.0(Nougat)以上(ARCore 1.24+) |
| CPU | A12 Bionic 以降、または同等クアッドコア | Snapdragon 845 以降、または同等プロセッサ |
| GPU | Apple GPU (Metal 対応) | Adreno 630 以上、もしくは Vulkan 対応 |
| RAM | 4 GB 以上推奨 | 4 GB 以上推奨 |
| 空きストレージ | 500 MB 以上(アプリ本体+キャッシュ) | 500 MB 以上 |
| AR フレームワーク | ARKit (最新バージョン) | ARCore (最新バージョン) |
注意:iPad Pro(M1/M2)や Android タブレットでも同様に動作確認が可能です。PC の Web 版は Chrome/Edge の最新ビルドであれば利用できますが、AR 機能はモバイル端末に依存します。
2. プラン比較と選び方
JigSpace は 無料プラン と 有料プラン(Pro・Enterprise) を提供しています。料金や機能を正確に把握したうえで、利用シーンに最適なプランを選定してください。
2‑1. 料金プランと主な機能比較
2026 年 5 月時点の公式価格は以下の通りです(為替変動やキャンペーンにより変更される可能性があります)。最新情報は必ず公式サイトの「Pricing」ページをご確認ください。
| プラン | 月額料金 (税抜) | 主な利用制限 | サポート体制 |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | 作成可能 Jig 数:最大 5 件 モデルサイズ上限:10 MB/件 |
コミュニティフォーラムのみ |
| Pro | ¥5,000(約 $45) | 無制限の Jig 作成・モデルインポート(STEP/IGES 対応) タイムライン編集、複数ユーザー同時コラボ |
平日 9:00‑17:00 のメールサポート |
| Enterprise | カスタム見積もり | 組織単位のロール管理・SSO SDK 提供・オンプレミスデプロイ可 |
専任カスタマーサクセスマネージャー + 24/7 電話サポート |
2‑2. ビジネスシーン別プラン選定ポイント
| シナリオ | 推奨プラン | 理由 |
|---|---|---|
| 製造業・PoC(部品組立) | Pro | CAD データの直接インポートと高精度アニメが必須。無料版はモデルサイズや Jig 数に制限があります。 |
| 大規模社内 AR ポータル | Enterprise | 組織全体でロール管理・シングルサインオンが必要。カスタム API 連携も利用できる点が重要です。 |
| 教育機関(授業用) | Free または Pro(教育割引あり) | 授業で使用する Jig が数件程度なら無料版で十分。予算が許せば Pro の教育割引プランを検討してください。 |
| 短期プロジェクト・評価期間 | Free → Pro 移行 | 初期投資を抑えて概念実証(PoC)を行い、効果測定後に有料版へスムーズに切り替えられます。 |
3. 3D 資産のインポートと最適化
AR 体験は モデルの軽量化 が鍵です。ここではポリゴン削減、テクスチャ圧縮、CAD データから AR 用フォーマットへの変換手順を具体的に示します。
3‑1. ポリゴン数削減ベストプラクティス
| 項目 | 推奨上限(モバイル) | 実装手順 |
|---|---|---|
| 単体オブジェクトのポリゴン | 10 k 以下 | 1. Blender の Decimate Modifier を適用 2. 不要なサブディビジョンを削除 3. 法線を再計算して見た目を保持 |
| シーン全体の三角形数 | 50 k 以下 | オブジェクトごとに上記手順を実施し、シーン合計が上限を超えないように管理 |
| 頂点数(LOD) | 必要に応じて 2‑3 段階の LOD を作成 | Unity の LOD Group と同様に、遠距離用・中距離用・近距離用モデルを用意するとロードが高速化 |
3‑2. テクスチャ圧縮指針
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 最大解像度 | モバイル:1024 × 1024 ピクセル タブレット・PC:2048 × 2048 ピクセル |
| 圧縮形式 | iOS は ASTC 6x6、Android は ETC2 推奨(JigSpace が自動的に最適化) |
| ファイルサイズ目安 | 1 テクスチャあたり 500 KB 以下に抑えるとロード時間が短縮 |
| 作業フロー | Blender の UV/Image Editor → Image > Save As... 時に「Compress」チェックを入れる |
3‑3. CAD データから AR 用モデルへの変換フロー
- STEP/IGES を中間フォーマット(OBJ)へエクスポート
- Fusion 360、SolidWorks、Inventor の「Export」機能で OBJ または FBX に出力。
- メッシュのクリーニングとポリゴン削減
- MeshLab か Blender で不要面・内部構造を除去し、上記ベストプラクティスに従って Decimate を適用。
- テクスチャ貼り付けと UV 展開
- Blender の UV Editing ワークスペースで最適な UV マップを作成し、推奨サイズ・圧縮形式で保存。
- glTF(Binary .glb)へ変換
- 「File > Export > glTF 2.0 (.glb)」を選択し、エクスポート設定で「Materials → Export PBR」かつ「Embed Textures」を有効にする。
- JigSpace にインポート
- アプリ内の 「モデル追加」 ボタンから .glb ファイルを選択し、インポート完了後にシーンへドラッグ&ドロップ。
補足:公式が推奨するファイル形式は glTF 2.0(Binary .glb) です。OBJ/FBX はサポートしますが、テクスチャ情報の自動変換に手間がかかります。
4. 基本 UI と主要ツールの操作方法
JigSpace のインターフェイスはシンプルながら強力な機能を備えています。ここでは新規シーン作成からオブジェクト配置、アニメーション設定までの流れを実例付きで解説します。
4‑1. シーン作成と保存の基本フロー
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① アプリ起動 | ホーム画面右下の 「+ 新規シーン」 ボタンをタップ。 |
| ② テンプレート選択 | 「空白シーン」を選ぶか、業種別テンプレート(例:製造・教育)から開始。 |
| ③ シーン名入力 | 例:部品組立 PoC と入力し、保存 をクリック。自動でクラウドにバックアップされます。 |
保存はリアルタイムで行われるため、作業途中のデータ消失リスクが低減します。
4‑2. オブジェクト配置・変形操作
| 操作 | 方法 |
|---|---|
| オブジェクト追加 | ツールバー → 「オブジェクト」 → ファイル選択(.glb 等) |
| 移動 | 1 本指ドラッグで平面上に移動、2 本指ドラッグで上下方向へ。 |
| 回転 | 1 本指長押し+回転アイコンをドラッグ。 |
| スケーリング | ピンチイン/アウトで拡大縮小。数値入力は右側のプロパティパネルから可能。 |
4‑3. アニメーション作成とタイムライン活用
- 対象オブジェクトを選択し 「アニメ」 アイコンをタップ。
- 「開始位置」「終了位置」を設定し、キーフレーム を追加(例:フレーム 0 と 60)。
-
タイムライン下部で フレーム数(デフォルト 30 fps)や イージング を調整すると、自然な動きを実現できます。
-
簡易アニメ例:部品 A が X 軸方向に 2 m 移動しながら回転する演出は、開始フレームで位置 (0,0,0) と回転 0°、終了フレームで位置 (2,0,0) と回転 360° を設定すれば完了です。
- プレビューは右上の 再生ボタン で即時確認でき、調整はリアルタイムに反映されます。
5. 初めての AR プレゼン用 Jig 作成実践例
以下では製造業向け PoC シナリオ「部品組立」を題材に、0→完成までの手順と ROI(投資対効果)を簡易的に評価するチェックリストを示します。実務でそのまま流用できるテンプレートとして活用してください。
5‑1. PoC 手順(ステップバイステップ)
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① テンプレート選択 | アプリ内「テンプレート」→ 「製造業・組立」 を選択。 |
| ② 部品モデルのインポート | STEP → glb に変換した 5 個の主要部品(A〜E)を順に追加。 |
| ③ 階層構造の設定 | A をルートオブジェクト、B‑D は子オブジェクトとしてリンク付け。 |
| ④ アニメーション作成 | 各部品が組み込まれるタイミングでキーフレームを設定(0‑30 フレーム:A → B、31‑60 フレーム:C → D)。 |
| ⑤ コメント・注釈追加 | テキストツールで「ねじ締めポイント」や「注意事項」をマーカー表示。 |
| ⑥ プレビューと微調整 | 実機(iPad Pro / Android タブレット)で AR 表示を確認し、スケールやアニメ速度を最適化。 |
5‑2. ROI 評価の簡易チェックリスト
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 導入コスト | 無料版から開始し、必要に応じて Pro(月額 ¥5,000)へアップグレード。 |
| 作成工数 | モデルインポート 30 min、配置・アニメ 45 min の合計約 1.25 時間。 |
| 研修時間削減効果 | 従来の動画教材(≈30 分)に対し、AR プレゼンは実演で ≈10 分。時間削減率は 約 ⅔。 |
| 作業ミス低減 | 手順が可視化されることで、現場エラーが概ね 20% 減少(社内パイロット結果)。 |
| ステークホルダー評価 | デモ実施後のアンケートで「満足度 4/5」以上を目標に設定。 |
注記:上記数値は過去プロジェクトの平均的な指標です。自社環境や対象製品によって変動するため、導入前にパイロットテストで実測データを取得してください。
5‑3. 完成 Jig の共有・配信方法
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① プレビューモード | シーン右上の 「シェア」 アイコンをタップ。 |
| ② リンク生成 | 短縮 URL が自動作成され、クリップボードにコピー可能。 |
| ③ QR コード出力 | 同メニューから QR 画像をダウンロードし、スライドや印刷物に貼り付けられます。 |
| ④ 埋め込みコード取得 | HTML 用 <iframe> タグが提供されるので、社内ポータルや LMS に直接埋め込めます。 |
| ⑤ アクセス権限設定 | 「公開」か「非公開」かを選択し、必要に応じて閲覧可能ユーザーを限定します(Enterprise の場合は SSO 連携が利用可)。 |
重要ポイント:共有先のデバイスが ARKit/ARCore をサポートしていることと、インターネット接続が安定している環境であることを必ず確認してください。
まとめ
本ガイドは以下の流れを網羅しています。
1. アカウント作成 → 正式に利用開始できる環境を整える。
2. 端末要件チェック → AR 体験がスムーズに動作するハードウェアを把握。
3. 料金プラン選定 → ビジネスニーズと予算に合わせて最適なプランへ。
4. 3D 資産の最適化 → ポリゴン削減・テクスチャ圧縮でロード時間を短縮。
5. 基本操作習得 → シーン作成、オブジェクト配置、アニメ設定をマスター。
6. 実務向け PoC 作成例 → ROI 評価チェックリストと共有手順で導入効果を可視化。
これらのステップを順番に実行すれば、製造業・教育現場・営業プレゼンなどさまざまなシーンで JigSpace を即戦力として活用 できるようになります。最新情報や価格改定は必ず公式サイト(jigspace.com)をご確認ください。