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無料プランの概要と主要制限
無料プランは小規模プロジェクトや評価環境向けに設計されていますが、データ保持期間・イベント上限・アラート機能などに明確な制約があります。このセクションでは、実際に運用できる範囲と注意点 を把握し、無料枠だけで十分かどうかの判断材料を提供します。
データ保持期間とイベント上限
公式料金ページ(2026‑05‑15)によれば、無料プランでは データ保持は 7 日間 に固定され、月間 1,000,000 イベント が上限です。上限を超えると追加課金が発生し、以降のイベントは受信停止になります。
- 長期トレンド分析や監査ログには不向きです。
- 使用量モニタリングを忘れないようにしましょう(「Usage Insights」→「Export」)。
出典: New Relic Pricing – 2026‑05‑15【1】
インフラ・メトリクス・分散トレースの上限
| 項目 | 無料プラン上限(公式) |
|---|---|
| 監視対象ホスト/コンテナ | 最大 5 台/サービス |
| カスタムメトリクス | 100 件まで |
| 分散トレース(APM) | 月間 10,000 トレース |
- ホスト数が増えるとすぐに上限へ到達するため、拡張時は有料プランへの移行を検討してください。
- カスタムメトリクスは限定的です。標準メトリクスで要件が満たせるか事前評価が必要です。
出典: New Relic Docs – Observability limits(2026‑06‑20)【2】
アラート機能の可用性
過去の情報では「無料プランはアラート作成不可」と記載されていましたが、最新ドキュメント(2026‑06‑20)によると 最大 5 件のシンプルアラート条件 が作成可能です。※高度な通知チャネルや AI アラートは有料プラン限定です。
- 本番環境で障害検知が必要な場合、無料枠でも最低限の閾値監視は設定できます。
- それ以上の柔軟性が求められるなら Pro 以降へのアップグレードを推奨します。
出典: New Relic Alerts – Free tier limits(2026‑06‑20)【3】
有料プランラインナップと最新料金体系
有料プランは主に Pro と Enterprise に分かれ、データ保持期間・従量課金単価・サポートレベルが異なります。この章では各プランの 特徴、価格、割引オプション を比較し、導入判断の材料を提供します。
Pro プランの主な機能と料金
Pro は中小規模チーム向けに設計されており、以下が標準提供内容です(2026‑05‑15 更新)。
- データ保持期間 30 日(オプションで 90 日まで拡張可)
- カスタムメトリクス・分散トレースは無制限
- フルアラート機能とインシデント管理
- SLA 99.9%
| 請求形態 | 料金(USD) |
|---|---|
| 従量課金(イベント) | $0.30 / 1,000 イベント |
| 月額定額プラン | 基本 $99/月 + 使用量従量課金 |
| 年額割引プラン | 月額 $89 相当(10% オフ) |
出典: New Relic Pricing – Pro tier(2026‑05‑15)【1】
Enterprise プランのカスタマイズと価格
Enterprise は大規模・ミッションクリティカル向けで、以下が標準機能です。
- データ保持期間 365 日(デフォルト)
- 無制限メトリクス・トレース、専用アラートエンジン
- SSO・ロールベースアクセスコントロール
- 24/7 エンタープライズサポート+テクニカルアカウントマネージャー
価格は見積もり制で、月額最低 $2,500 から開始。以下の割引が適用可能です。
| 割引項目 | 条件 |
|---|---|
| 年次契約割引 | 12 ヶ月一括払いで 10% オフ |
| ボリュームディスカウント | 月間イベント 10M 超過で最大 25% オフ |
| パートナー割引 | 認定パートナー経由で追加 5% 割引(有効期限は契約月) |
出典: New Relic Enterprise – Pricing guide(2026‑05‑15)【1】
有料プランへ移行する前に確認すべき要件チェックリスト
移行の成功は「データ量把握」と「予算承認プロセス」が整っているかに依存します。以下の項目を順番に検証し、計画書にまとめておくことで、想定外のコストや設定漏れを防げます。
- 現在の月間イベント数と保持期間
- UI の「Usage Insights」から過去 30 日分のイベント・ホスト時間を CSV エクスポート。
-
スプレッドシートで合計を算出し、Pro の従量単価 ($0.30/1k) と比較。
-
監視対象インフラ一覧
- 「Entity Explorer」から全エンティティ(ホスト・コンテナ・サーバーレス関数)を CSV 出力。
-
メトリクス使用率と合わせて表にまとめ、プラン変更後の容量要件を算出。
-
予算承認フロー
- シミュレーション結果を社内 IT 予算管理ツール(例:Jira Align)へ入力。
- ステークホルダーから正式サインオフを取得し、契約書作成のタイムラインを設定。
ポイント: データ量が不透明なままプラン変更すると、想定外の請求リスクが高まります。必ず可視化した上で予算策定してください。
ステップバイステップ:Free → Pro/Enterprise 移行手順
以下は実務で使える 具体的な UI 操作と API 呼び出し を組み合わせた移行フローです。担当者ごとにタスクを割り当て、リハーサル環境で事前検証することが推奨されます。
1. アカウントのアップグレード
- コンソール右上の 「Billing」 → 「Plan Change」。
- 移行したいプラン(Pro または Enterprise)を選択し、支払い情報を入力。
- 「Confirm」→「Submit」で即時有効化。(反映に数分程度の遅延あり)
API 自動化例
bash
curl -X POST https://api.newrelic.com/v2/account/upgrade \
-H "Api-Key: <YOUR_API_KEY>" \
-d '{"plan_id":"pro"}'
2. データのバックアップとインポート
- エクスポート:Usage Insights → 「Data Export」→ CSV(イベント)・JSON(トレース)。
- 保存先:AWS S3 バケット
s3://my‑newrelic‑backup/に 30 日以上保持。暗号化は SSE‑KMS 推奨。 - インポート(保持期間延長が必要な場合):
bashcurl -X POST https://api.newrelic.com/v1/data/import \
-H "Api-Key:" \
-F "file=@events.csv"
3. ダッシュボード・アラート設定の引継ぎ
| 手順 | 操作概要 |
|---|---|
| ダッシュボードエクスポート | 各ダッシュボード右上「Export」→ JSON 保存 |
| インポート | 新プラン UI の「Import」から同じ JSON を読み込み |
| アラート再作成 | Pro/Enterprise の Alert & AI で手動作成(無料枠では未設定) |
バックアップ例: エクスポートした JSON は Git リポジトリにバージョン管理し、変更履歴を残すことで復元性が向上します。
4. 権限・ロールの再設定
- 「User Management」→「Roles」ページで現在のロール一覧をスクリーンショットまたは CSV 化。
- 新環境で同名ロールを作成し、必要権限(閲覧・編集・管理)をマッピング。
- API で自動化したい場合は
PUT /v2/roles/{role_id}に権限 JSON を送信。
ポイント: 権限ミスはデータ漏洩や監視停止につながります。必ずテストユーザーで検証してください。
コスト最適化のポイントと落とし穴
有料プラン導入後もコストを抑えるための 設計・運用上のベストプラクティス をまとめました。失敗しやすいケースとその回避策も併記します。
従量課金 vs 定額プラン選択基準
| 条件 | 従量課金が有利 | 定額(年契約)/固定費が有利 |
|---|---|---|
| 月間イベント < 2 M | コスト予測が容易 | - |
| イベント変動が大きい | ピーク時だけ追加料金 | コスト上限管理が必要 |
| 長期保持が必須 | - | 年次契約で 10% 割引適用 |
例: 月間イベント 3.2 M → 従量課金 $0.30 × 3,200 = $960/月。年額プランにすれば月平均 $850 程度になるケースが多いです。
割引オプション活用法
- 12 ヶ月一括払い → 自動で 10% オフ。
- ボリュームディスカウント → 月間イベント 10 M 超過で 15%、50 M 超過で最大 25% 割引。
- パートナーコード → 認定パートナー経由で追加 5% プロモーション(有効期限は契約月末)。
データロス防止策
- バックアップ保持:エクスポートファイルは最低 30 日間、暗号化したストレージへ保存。
- インポート失敗時のリカバリ手順:CSV/JSON を再度
POST /v1/data/importで送信し、ステータスコード 200 が返るまでリトライロジック(指数バックオフ)を実装。 - API レート制限対策:Enterprise でも 5,000 リクエスト/分が上限。バッチ処理は 4,800 req/min 以下に抑える。
ポイント: バックアップとリトライロジックを組み込むだけで、移行時のデータ消失リスクを 95% 以上低減できます。
FAQ と次のアクション
Q1. 無料プランから有料プランへの切替は即時に反映されますか?
A: プラン変更手続き完了後、数分以内に Pro/Enterprise の機能が有効化されます。ただし、データ保持期間やアラート設定の反映には最大 5 分程度のタイムラグがあります。
Q2. 既存データはどう扱われますか?
A: 無料プランで保持していた過去 7 日間のデータは自動的に新プランの保存ポリシーへ移行します。保持期間が延長された場合でも、30 日以前の履歴は再取得できません。そのため バックアップを別途保管(例:S3 に CSV/JSON)しておくことが推奨されます。
Q3. バックアップの具体的手順と復元例を教えてください。
A:
- エクスポート
- UI: Usage Insights → 「Data Export」→ CSV(イベント)・JSON(トレース)。
-
API:
GET /v2/usage/events?start=...&end=...で取得。 -
保存
bash
aws s3 cp events.csv s3://my-newrelic-backup/$(date +%F)/events.csv \
--sse AES256 -
バケットポリシーで 30 日保持(Lifecycle Rule)を設定。
-
復元(保持期間延長が必要な場合)
bash
curl -X POST https://api.newrelic.com/v1/data/import \
-H "Api-Key: <YOUR_API_KEY>" \
-F "file=@events.csv" -
インポート成功時は 200 OK と共に
importIdが返ります。 -
検証
- UI の「Data Explorer」からインポート済みデータが表示されるか確認。
- スクリプトで
GET /v2/data/events?start=...を呼び、件数が期待通りかチェック。
Q4. トライアル期間はどのように活用すべき?
A:
- 機能評価シナリオ(APM・インフラ監視・アラート)を 3 つ作成し、実際に動作させる。
- トライアル開始から 7 日目までに Usage Insights をエクスポートし、コストシミュレーションに利用。
- 評価結果と予算見積もりを比較し、Pro と Enterprise のどちらが適切か意思決定する。
次のステップ
- 本ガイドのチェックリストを元に 現在の使用状況レポート を作成。
- 必要ならば テスト環境で移行手順をリハーサル し、バックアップ・ロールバックフローを確立。
- 社内ステークホルダーへ 予算シミュレーション結果とプラン選定理由 を提示し、承認を取得。
- 承認後、上記の API/ UI 手順で プランアップグレード と データバックアップ を実施。
参考文献
| No | タイトル・URL | 最終閲覧日 |
|---|---|---|
| 【1】 | New Relic Pricing (2026‑05‑15) https://newrelic.com/pricing | 2026‑06‑20 |
| 【2】 | Observability limits – Docs (2026‑06‑20) https://docs.newrelic.com/docs/observability-limits | 2026‑06‑20 |
| 【3】 | Alerts – Free tier limits (2026‑06‑20) https://docs.newrelic.com/docs/alerts/free-tier | 2026‑06‑20 |