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Automation と Trigger の基本と使い分け
Automation と Trigger は「何が起きたら」と「いつ実行するか」という観点で違いがあります。このセクションではそれぞれの特徴を整理し、どちらを選択すべきシーンを明確にします。
Automation の特徴
Automation は時間ベースまたは一定期間が経過した後に発火します。定期的なチェックや期限切れ処理など、遅延が許容できる業務で有効です。
- 実行タイミングは「毎日・毎週」や「条件成立から N 時間後」などスケジュール指定が可能
- 主な利用例:SLA 期限切れの自動リマインダー、古いチケットの一括クローズ、定期レポート作成
Trigger の特徴
Trigger はチケットが 作成・更新された瞬間 に即座に実行されます。リアルタイムでの通知やステータス遷移に対する即応処理に適しています。
- 発火はイベント直後(数秒以内)で、条件が満たされたらすぐにアクションを実行
- 主な利用例:新規チケット受信時の担当者割り当て、ステータス変更時の自動返信、エスカレーションフラグの即時付与
ポイント
Automation は「時間経過型」、Trigger は「イベント駆動型」と覚えておくと、設計時に自然に使い分けられます。
ワークフロー設計のステップとベストプラクティス
自動化ルールは 目的・対象・条件・アクション の 4 要素を整理したうえで構築すると、後々の保守が楽になります。このセクションでは設計プロセス全体像と、実務で役立つチェックリストをご紹介します。
設計プロセス全体像
以下の流れに沿って順番に情報を洗い出すことで、抜け漏れや重複ルールを防げます。
- 目的定義:自動化で解決したい課題を具体的に記述(例:SLA 超過時の即時エスカレーション)
- 対象チケットの特定:適用範囲となるチケットタイプ、組織、ステータスなどを絞り込む
- 条件抽出:トリガーになるフィールドや時間条件を列挙し、論理構造(AND/OR)を検討
- アクション決定:実行したい処理(通知・担当者変更・タグ付与等)とその順序を明確化
ベストプラクティスチェックリスト
設計段階で以下の項目を必ず確認してください。各項目は簡潔にまとめ、コメントやタグで根拠を残すことが推奨されます。
- 重複防止:同一条件・アクションの Automation が複数存在しないか
- 可読性確保:名前と説明は業務担当者が直感的に理解できる文言で記述
- 変更履歴の管理:更新時は必ずコメントでバージョン番号や変更理由を残す
- テスト計画:プレビュー機能またはステージング環境で事前検証を実施
代表的なユースケースと汎用テンプレート例
ここでは実務で頻繁に利用される3つのシナリオを取り上げ、参考になる JSON 形式のテンプレート を提示します。JSON のキー名やアクションタイプは「Zendesk API / Automation」仕様に合わせて適宜変更してください。
ステータス変更時の通知(例:保留 → 担当者・顧客へメール)
このテンプレートはステータスが Pending に変わったときに内部通知と顧客向け自動返信を行います。
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{ "title": "ステータス変更時の通知", "conditions": { "status_changed_to": "pending" }, "actions": [ { "type": "notify_agent", // 実際の API 名は環境に合わせて確認 "template_id": "agent_pending" }, { "type": "email_user", "template_id": "pending_notice" } ] } |
解決済みチケットの自動クローズ(期限切れ)
解決後 30 日 が経過したチケットを自動でクローズし、管理用タグを付与します。日付比較は UTC 基準で行うことが推奨されます。
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{ "title": "期限切れチケットの自動クローズ", "conditions": { "status_is": "solved", "solved_at_older_than_days": 30 // 実装時は「solved_at_before」等、正しいフィールド名を使用 }, "actions": [ { "type": "set_status", "value": "closed" }, { "type": "add_tag", "value": "auto_closed" } ] } |
SLA エスカレーション(危険領域での Slack 通知と優先度変更)
SLA が危機状態になり、かつ現在の優先度が Low の場合に High に引き上げ、Slack にアラートを送ります。
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{ "title": "SLA エスカレーション", "conditions": { "sla_breach": true, "priority_is": "low" }, "actions": [ { "type": "set_priority", "value": "high" }, { "type": "notify_slack", // 実際の連携方法は Zendesk の「外部通知」設定を参照 "channel": "#sla-alerts" } ] } |
注意
上記テンプレートに登場するtype名は一例です。実装前に必ず公式ドキュメントで正確な API パラメータをご確認ください。
Automation 作成手順と高度な条件式の書き方
Automation を作成する際の UI 操作フローと、複雑なロジックを安全に組むコツを解説します。実務で頻繁に遭遇する「AND/OR の組み合わせ」や「カスタムフィールド同士の比較」についても具体例を交えて説明します。
UI での作成フロー
Zendesk 管理センターから Automation を新規作成する手順です。画面は直感的に設計されているため、初心者でもスムーズに進められます。
- 管理センター → Automation → 新規 Automation をクリック
- 「名前」と「説明」を入力し、検索バーで条件フィールドを選択
- 必要な条件を追加し、右側の「アクション」パネルから実行したい処理を選択
作成途中はサイドバーに リアルタイムバリデーション が表示され、論理エラーや重複条件がある場合に警告してくれます。
AND/OR ロジックとカスタムフィールド比較
Automation ではデフォルトで全条件が AND とみなされます。OR 条件を入れたい場合は「+ OR」ボタンで同レベルのブロックを作成します。
- 例) 「ステータスが Open 且つ優先度が High、またはタグに vip が付いている」
text
(Status = Open AND Priority = High) OR Tags contains vip
カスタムフィールド同士の比較も可能です。演算子は「>」「<」「=」などから選択し、数値や文字列で比較できます。
日付・タイムゾーンに関する注意点
Zendesk の日付は内部的に UTC で保存されます。そのためローカル時間とずれが生じることがあります。安全に比較するポイントは次の通りです。
- UI の「日付」フィールドは自動的にユーザー設定のタイムゾーンに変換して表示されますが、Automation で使用するときは UTC 基準 になる点を意識
- 「N 日前」「N 時間前」など相対表現を使う場合は、
solved_at_older_than_days: Nのように日数単位で指定するとタイムゾーンの影響が最小化されます - 複雑な計算が必要なときは カスタムスクリプト(例:Zendesk アプリ) で前処理してから Automation に渡す方法も検討してください
テスト・デバッグ、衝突回避、最新機能の活用方法
本番環境に適用する前に必ず実施したいテスト手順と、複数の Automation が競合しないように設計するポイントをまとめます。また、2026 年版 UI に期待できる新機能についても注意喚起します。
プレビューと実行履歴の確認
Automation の「プレビュー」ボタンで対象チケットをシミュレートできます。これに加えて実行履歴タブから過去 30 日間の実行結果を確認し、期待通りに動作したかを検証します。
- プレビュー:条件に合致するサンプルチケットを選択し、適用されるアクションを即時表示
- 実行履歴:自動化が走った日時・対象チケット ID・実行結果(成功/失敗)を一覧で取得可能
衝突防止策(タグや優先度の活用)
複数 Automation が同一チケットに対して競合すると、ステータスが予期せぬ形で変わることがあります。以下の手法で衝突リスクを低減できます。
- 固有タグによる除外:Automation の条件に「タグが
auto_sla_escalationを含まない」などと記述し、相互排除を実現 - 優先度フィールド(※公式未発表):2026 年版 UI では「優先度」数値で実行順序を制御できる可能性がありますが、現時点では正式にリリースされていません。将来的に導入された場合は、数値が小さいほど早く実行される仕様になると予想されています。実装前に公式アナウンスをご確認ください
- バージョン管理:変更履歴に「v1.0 – 条件追加」などのコメントを残すことで、ロールバックやレビューが容易になります
2026 年版 UI の留意点(未確定情報)
Zendesk が今後提供する可能性がある機能として以下があります。現時点では公式に発表されていないため、実装計画に組み込む際はリスクを考慮してください。
| 機能 | 現状の位置付け | 想定される利点 |
|---|---|---|
| 優先度(数値)フィールド | 未発表・ベータ段階の可能性あり | Automation の実行順序を明示的に制御でき、衝突回避が容易になる |
| AI アシスト(自動テンプレート提案) | 公式情報なし | 「目的文」から条件・アクションの雛形を生成し、作業工数を大幅削減する期待感 |
実務上の対応
これらの機能が正式に提供された際は、テスト環境で充分に評価したうえで本番へ移行してください。現時点では従来の UI と手動設計フローをベースに構築することが安全です。
まとめ
- Automation と Trigger の違い:時間経過型(Automation) vs イベント駆動型(Trigger)。使い分けで遅延処理と即応処理を最適化
- 設計ステップ:目的 → 対象 → 条件 → アクションの 4 要素を順に洗い出し、チェックリストで抜け漏れ防止
- 代表ユースケース:ステータス通知・期限切れ自動クローズ・SLA エスカレーションのテンプレートは即利用可能(アクション名は環境に合わせて調整)
- 高度な条件式:AND/OR の組み合わせとカスタムフィールド比較で柔軟なロジックを実装、日付比較は UTC 基準で行うことが重要
- テスト・管理・最新機能:プレビューと実行履歴でデバッグ、タグや(将来的に)優先度で衝突回避。AI アシスト等未発表機能は公式情報を確認しつつ導入検討
これらのポイントを踏まえて、貴社の Zendesk 環境に最適な自動化ワークフローを構築してください。継続的なレビューと改善が、長期的な運用成功の鍵となります。