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Steam Deck の公式リカバリーとバックアップ、開発者モード・rEFInd 設置手順

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公式 SteamOS のリカバリーとバックアップ手順

Steam Deck に何らかの不具合が起きた際、まずは SteamOS の公式リカバリー を実行して元の状態に戻すことが安全です。さらに、カスタム OS を導入する前に現在のシステム全体をバックアップしておけば、失敗したときでも簡単に復旧できます。このセクションでは、Valve が公開している公式手順をベースに、リカバリー起動 → 復元イメージ取得・書き込み → 完全バックアップ の流れを詳しく解説します。

リカバリーモードの起動手順

リカバリーモードは Deck 本体のハードウェアボタンで呼び出すだけです。以下の手順に従えば、BIOS に入らずにリカバリ画面へ遷移できます。

  1. 完全に電源をオフする(長押しで電源が切れない場合は 電源ボタン + 音量↓ を 10 秒以上保持)。
  2. 電源ボタンと音量ダウンボタンを同時に 5 秒程度長押し すると、ブートローダー画面が表示される。
  3. 表示されたメニューから 「Recovery mode(リカバリー)」 を選択し、Enter キーまたは A ボタンで確定する。

SteamOS 復元イメージの取得と書き込み

復元に使用するイメージは Valve の公式サーバーから直接ダウンロードします。USB‑C アダプタ経由で外付け SSD に書き込む場合は、デバイス名の確認とアンマウント を必ず行ってください。

手順 コマンド例 / 操作
1. イメージをダウンロード wget -O recovery.img.gz https://cdn.steampowered.com/steamdeck/recovery.img.gz
2. 圧縮ファイルを解凍 gunzip recovery.img.gz
3. 接続デバイスの確認 lsblk -f/dev/sdX が外付け SSD の名前か必ず確かめる
4. デバイスをアンマウント sudo umount /dev/sdX* (パーティションが自動でマウントされている場合)
5. イメージを書き込む sudo dd if=recovery.img of=/dev/sdX bs=4M status=progress conv=fdatasync

重要な注意点
- dd は「データをそのまま上書き」するコマンドです。誤ったデバイス (/dev/sda など内部 SSD) を指定すると、元の SteamOS が完全に消失します。
- 書き込み前に必ず lsblkudevadm info --query=all --name=/dev/sdX でデバイス名を二重チェックし、アンマウント が完了していることを確認してください。
- 書き込みが完了したら sync または sudo blockdev --flushbufs /dev/sdX を実行し、キャッシュを書き出すと安全です。

完全バックアップの作成

バックアップは SSD 全体をイメージ化するか、パーティション単位でコピーします。どちらの方法でも Clonezilladd の両方が利用可能です。ここでは汎用的な手順と、主要ディストリビューション別の例を示します。

1. Clonezilla を使う場合(GUI 推奨)

2. dd コマンドでイメージ化する場合(CLI 好み向け)

ポイント:バックアップイメージは少なくとも内部 SSD と同容量の外部ストレージに保存し、gzip などで圧縮しておくと保管が楽です。


Secure Boot の無効化手順(初心者向け)

Steam Deck のデフォルト設定では Secure Boot が有効になっているため、サードパーティ製ブートローダー(例: rEFInd)が起動できません。以下は開発者モード画面から BIOS に入る手順と、具体的な無効化操作です。

  1. 開発者モードを有効にする
  2. Settings → System で「Developer Mode」をオンにし、再起動すると開発者向けメニューが表示されます。

  3. BIOS(UEFI)設定画面へ遷移

  4. 開発者モード有効化後、電源ボタンと音量上ボタンを同時に 5 秒以上長押し すると BIOS 設定画面が表示されます。

  5. Secure Boot の項目を探す

  6. メニューは BootSecure Boot と進むと見つかります(機種によっては Security カテゴリ内)。

  7. Secure Boot を OFF に設定

  8. Secure Boot: Enabled が表示されているので、選択して Disabled に変更します。
  9. 変更後は画面下部の 「Save & Exit」(F10 相当)で保存し、再起動します。

補足:設定を保存したあとに「Secure Boot is disabled」と表示されれば完了です。再度 rEFInd をインストールすればブートローダーが正しく認識されます。


汎用的なパーティション設計と OS インストール例

以下では GPT 形式での基本レイアウトを示し、Ubuntu/Debian 系, Fedora, Arch Linux の3つの代表ディストリビューションに共通する手順をまとめました。各ディストリビューション固有のパッケージ名やコマンドは別枠で記載しています。

1. 推奨パーティション構成(GPT)

パーティション 容量例 タイプ (GUID) マウントポイント / 用途
EFI System Partition (ESP) 300 MiB EF00 (EFI System) /boot/efi(FAT32)
root ファイルシステム 100 GiB 以上 8300 (Linux filesystem) /(ext4 / btrfs / xfs)
swap 領域 RAM の 1〜2 倍 8200 (Linux swap) スワップ領域
(任意)/home 別パーティション 残り全容量 8300 /home(データ分離用)

作成手順(gdisk 使用例)

FAT32 の ESP 作成とマウント例

Linux ファイルシステム作成例(ext4・btrfs)

swap の有効化

2. 各ディストリビューション別インストールコマンド

ディストリビューション 主なパッケージ取得手段 基本インストーラ例
Ubuntu / Debian 系 debootstrap(CLI)または公式 Live USB のインストーラ bash sudo debootstrap --arch=amd64 focal /mnt http://archive.ubuntu.com/ubuntu/
Fedora dnffedora-installer(Live ISO が標準) bash sudo dnf install -y @coreboot && sudo grub2-install /dev/nvme0n1
Arch Linux pacstrap(公式スクリプト) bash sudo pacstrap /mnt base linux linux-firmware vim

例:Ubuntu の最小インストール(debootstrap 使用)

例:Fedora の Live ISO からのインストール(GUI)

  1. Fedora Media Writer で Fedora Workstation を USB に書き込む。
  2. Deck を USB 起動し、インストーラ画面が表示されたら「Custom Partitioning」→上記パーティションテーブルを手動で割り当てる。
  3. インストール完了後、自動的に systemd-boot が ESP に配置されます。

例:Arch Linux の標準インストール(pacstrap 使用)

3. microSD カードへのテストインストール

microSD は 試験的 な環境として有効です。以下は GUI ツールと CLI の両方で書き込む例です。

  • balenaEtcher(GUI)
  • Etcher を PC にインストールし、ISO イメージと microSD デバイスを選択 → Flash。
  • 書き込み完了後、Deck の rEFInd メニューで「microSD」エントリを選ぶ。

  • dd(CLI)

注意:microSD は書き込み速度が遅いため、bs=4M 以上に設定すると高速化しますが、カードの品質によってはエラーが増えることがあります。信頼できる UHS‑I 以上のカードを使用してください。


rEFInd ブートローダーのインストールと汎用的な設定

rEFInd は EFI 環境で動作する汎用ブートマネージャです。Steam Deck のデフォルトブートローダーに代わって、複数の OS を簡単に切り替えることができます。この節では Secure Boot 無効化後 に行う手順と、主要ディストリビューション共通で利用できる config.conf の書き方を示します。

1. 必要パッケージの取得と EFI パーティションへのマウント

2. ファイルコピーと権限設定

ポイント:EFI パーティションは FAT32 でフォーマットされている必要があります。lsblk -fvfat と表示されていれば問題ありません。

3. config.conf の汎用テンプレート(導入文)

以下の設定例は Ubuntu/Debian, Fedora, Arch Linux のそれぞれに対応したエントリを含んでいます。必要な OS のみ有効化し、不要な行は disabled にしてください。

ヒントblkid -s UUID -o value <デバイス> を実行すると対象パーティションの UUID が取得でき、上記 options 行に直接貼り付けられます。スクリプトで自動生成したい場合は sed などで置換してください。

4. 設定保存と再起動


カスタム OS の取得・検証・インストール(ディストリビューション横断)

1. ISO イメージのダウンロードとハッシュ検証

ディストリビューション ダウンロード URL ハッシュ取得コマンド
Ubuntu 22.04 LTS https://releases.ubuntu.com/22.04/ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso sha256sum ubuntu-22.04-desktop-amd64.iso
Fedora 39 Workstation https://download.fedoraproject.org/pub/fedora/linux/releases/39/Workstation/x86_64/iso/Fedora-Workstation-Live-x86_64-39-1.2.iso sha256sum Fedora-WorkStation-...iso
Arch Linux https://mirror.rackspace.com/archlinux/iso/latest/archlinux-x86_64.iso sha256sum archlinux-x86_64.iso

検証手順(例:Ubuntu)

2. インストール先の選択とパーティション作成(共通)

  • 内部 SSD に直接インストール → 前述の GPT レイアウトを利用。
  • microSD にテストインストールdd または Etcher で書き込み、rEFInd のエントリから起動。

3. 各ディストリビューション別インストールフロー(要点)

ディストリビューション 主なインストーラ 必須設定項目
Ubuntu Ubiquity (GUI) または debootstrap(CLI) EFI パーティションのマウント、swap の有効化
Fedora Anaconda(GUI) ESP の自動検出、Btrfs/Ext4 の選択
Arch Linux 手動 (pacstrap) genfstab, locale, hostname 設定

共通注意点
- インストール中に「ESP を /boot/efi にマウント」するオプションが必ず表示されることを確認してください。
- すべてのディストリビューションで systemd-bootGRUB のインストールは不要です(rEFInd がブートローダーとして機能します)。

4. Windows 11 インストール時の留意点

  1. UEFI 用パーティションを必ず作成(300 MiB の ESP、128 MiB の Microsoft Reserved Partition、残りは NTFS)。
  2. ドライバは事前にダウンロードし、USB メモリか別のパーティションに保存しておくとインストール後すぐに適用できる。
  3. インストール完了後、Device Manager で未認識デバイスが残っていないか確認し、公式サイトから AMD GPU / Realtek オーディオ・Wi‑Fi ドライバを手動インストールする。

起動後のデバイス固有設定と UI 統合

カスタム OS が起動したら、Steam Deck の コントローラ入力, タッチスクリーン校正, 音声出力 を最適化し、可能であれば Steam デスクトップモードに統合します。

1. コントローラとタッチスクリーンの設定(導入文)

以下は Linux 系 OS 共通で使用できるコマンド例です。xinput_calibrator は GUI ツール、libinput は CLI で校正を行います。

2. 音声・マイク設定(導入文)

PulseAudio または PipeWire が標準です。音量バランスを調整し、ヘッドセット使用時の遅延対策も行います。

3. Steam Deck UI の統合手順(導入文)

Steam クライアントをインストールし、デスクトップモードを自動起動させるだけで、OS が Deck のように振る舞います。

補足:Steam のビッグピクチャーモードは steam://open/bigpicture でも呼び出せます。ショートカットを作成すれば、ゲーム起動時に自動で UI が切り替わります。


トラブルシューティングとパフォーマンス最適化

ブートローダーが検出されない場合(導入文)

  • EFI パーティション未マウントls /boot/efi で確認。
  • Secure Boot が有効 → 前述の手順で無効化。
  • rEFInd のインストールが不完全/boot/efi/EFI/refind ディレクトリと refind_x64.efi が存在するか再確認。

対処コマンド例

GPU ドライバが正常に動作しない場合(導入文)

  1. ログ取得
    bash
    dmesg | grep -i drm
    journalctl -b | grep -i vulkan
  2. Mesa と Vulkan の再インストール(Arch 例)
    bash
    sudo pacman -Syu mesa vulkan-radeon libva-mesa-driver

  3. カーネルパラメータ追加(全ディストリビューション共通)

電源管理と熱対策(導入文)

Steam Deck はコンパクトな筐体のため、CPU/GPU のスケーリングやファン制御が重要です。

項目 推奨設定・ツール
CPU 周波数スケーリング sudo apt install -y cpupower && sudo cpupower frequency-set -g powersave
powertop で自動チューニング sudo powertop --auto-tune
ファンカーブ調整(Linux) sudo system76-power fan-control(System76 製ハードウェア向け)または独自スクリプト
バッテリ残量表示最適化 sudo apt install -y tlp && sudo systemctl enable tlp && sudo tlp start

実践例tlp.confCPU_ENERGY_PERF_POLICY_ON_AC=balance_performance を有効にすると、AC 電源時のパフォーマンスが向上しつつバッテリ消耗を抑えられます。


まとめと次のアクション

  1. 公式リカバリー:SteamOS の復元は公式イメージを書き込むだけ。dd 使用時は必ずデバイス名・アンマウントを二重チェックし、sync で書き込み完了を確認してください。
  2. Secure Boot 無効化:開発者モード画面から BIOS に入り、手順どおりに OFF に設定すれば rEFInd がブロックされません。
  3. 汎用パーティション設計:GPT + ESP (300 MiB) + root + swap の構成は Ubuntu・Fedora・Arch いずれでも共通です。gdisk, parted, fdisk を使って自由に作成できます。
  4. OS インストール:ISO ダウンロード → ハッシュ検証 → 上記パーティションへインストール。Ubuntu は debootstrap、Fedora は Anaconda、Arch は pacstrap が代表的な手順です。microSD へのテストインストールは dd または Etcher で簡単に行えます。
  5. rEFInd 設置:Secure Boot 無効化後に Git リポジトリから取得し、EFI パーティションへコピー。config.conf に各ディストリビューションのエントリを記述すれば、起動時にブートメニューが一元管理できます。
  6. デバイス固有設定:xpad・evdev でコントローラ入力、xinput_calibrator でタッチスクリーン校正、PulseAudio/ PipeWire で音声調整、Steam デスクトップモードで Deck UI を再現。
  7. トラブル対策:EFI マウント確認 → Secure Boot OFF → rEFInd 再インストール、GPU ドライバは Mesa/Vulkan とカーネルパラメータ amdgpu.dc=1、電源管理は cpupower, powertop, tlp で最適化。

これらの手順を順番に実行すれば、Steam Deck に安全かつ柔軟にカスタム OS を導入でき、元の SteamOS へも簡単にリカバリーできます。まずは公式リカバリーとバックアップから始め、環境が安定したら rEFInd と好きな Linux ディストリビューションを試してみてください。 Happy hacking!

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