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前提条件と必要なライセンス
このセクションでは、連携を開始するために最低限満たすべき Salesforce エディションと SKYPCE アカウントの要件について説明します。
エディションや権限が不足していると API 呼び出し自体がブロックされるため、事前確認は必須です。
Salesforce エディション要件
Salesforce の Enterprise、Unlimited、Performance Cloud では標準で API アクセス権限(api スコープ)が付与されます。Professional エディションでも一部機能は利用可能ですが、OAuth スコープが制限されるため本連携の推奨対象外です。
| エディション | API 利用可否 | 主な制約 |
|---|---|---|
| Enterprise 以上 | ✅ | なし |
| Professional | ❌(一部) | api スコープが付与されない |
ポイント:Enterprise 以上を使用していることを Salesforce の設定画面で必ず確認してください(Salesforce ヘルプ – API アクセス権限)。
SKYPCE アカウントの準備
- 公式サイト(https://www.skypce.com)からアカウントを作成し、管理者ロールでログインします。
- 「設定」→「ユーザー管理」で自分が システム管理者 権限を保持していることを確認してください。
- 本ガイドは SKYPCE Ver 2.2(2026年リリース) を前提としています。バージョン情報は管理画面の「システム情報」タブで確認できます。Ver 2.2 では RESTful JSON API が標準化され、OAuth フローが簡素化されています(公式リリースノート参照)【^1】。
Salesforce 側での Connected App 作成と OAuth 設定
このセクションは、SKYPCE が安全に Salesforce にアクセスできるように「Connected App」を構築する手順を解説します。
正しいスコープとリダイレクト URL を設定しないと認証エラーが頻発するため、項目ごとの意味も合わせて説明します。
Connected App の作成手順
- Salesforce に管理者としてログインし、[設定] → アプリケーション → アプリマネージャー を開く。
-
「新規接続アプリ」ボタンをクリックし、以下の情報を入力する。
-
名前:
SKYPCE_Salesforce_Integration - API 名:自動生成されるが変更不要
-
連絡先メール:管理者のメールアドレス
-
「OAuth 設定を有効化」にチェックし、次項目を設定する。
OAuth スコープとリダイレクト URI の設定
| 項目 | 推奨値 / 説明 |
|---|---|
| コールバック URL | https://app.skypce.com/oauth/callback(SKYPCE 管理画面に記載)【^2】 |
| 有効スコープ | api, refresh_token, offline_access, full |
| IP 制限 | 必要に応じて組織の信頼できる IP 範囲を追加(後述参照) |
設定完了後は 「保存」 をクリックし、アプリ詳細画面で クライアント ID(Consumer Key) と シークレット(Consumer Secret) をコピーします。これらは SKYPCE 側の連携設定で必須情報です。
SKYPCE 管理画面での Salesforce 連携有効化と項目マッピング
このセクションでは、SKYPCE の管理画面から連携機能をオンにし、名刺データ項目と Salesforce フィールドを対応付ける方法を示します。
正しいマッピングが行われていないとレコードが期待通りに作成されません。
「Salesforce 連携」機能の有効化手順
- SKYPCE に管理者権限でログインする。
- 左メニュー [設定] → [連携設定] を選択。
- 「Salesforce 連携」のスイッチを ON にし、先ほど取得した Client ID / Secret を入力して保存する。
- 保存後に表示される「認証」ボタンをクリックし、Salesforce の認可画面でアクセス許可を付与する。
名刺情報項目の標準・カスタム項目への割り当て
| SKYPCE 項目 | Salesforce 標準項目 | カスタム項目例 |
|---|---|---|
| 氏名 | Contact.FirstName / Contact.LastName(分割) |
Contact.Full_Name__c |
| 会社名 | Account.Name |
— |
| 役職 | Contact.Title |
— |
| 電話番号 | Contact.Phone |
Contact.MobilePhone |
| メール | Contact.Email |
— |
- 「項目マッピング」タブで 「追加」 ボタンをクリック。
- 左側に SKYPCE の項目一覧、右側に Salesforce のフィールドリストが表示されるので、対応させたいペアを選択し 「保存」。
- カスタム項目(例:
Full_Name__c)は事前に Salesforce 側で作成しておく必要があります(カスタム項目の作成方法 参照)。
マッピング完了後、「テスト同期」 ボタンで 1 件の名刺データが正しく登録されるか確認してください。
同期テスト・エラーハンドリングと高度な API 連携
このセクションでは、初回同期の検証方法と、実運用時に想定されるエラーへの対処法をまとめます。
また、SKYPCE の RESTful JSON API を直接呼び出すサンプルコードも掲載し、外部システムとの連携イメージを提供します。
初回同期テストの実施方法
- SKYPCE の [連携設定] → [テスト同期] をクリック。
- 任意の名刺レコードを選択し 「開始」 ボタンを押す。
- Salesforce 側で
ContactまたはAccountが新規作成されたことを確認する(開発者コンソールまたはオブジェクトマネージャー)。
チェックポイント
- 氏名がFirstName/LastNameに正しく分割されているか。
- 重複防止設定が有効な場合、同一メールアドレスで二重作成されないか。
主なエラーコードと対策
| エラーコード | 内容 | 主な原因 | 推奨対策 |
|---|---|---|---|
INVALID_CLIENT |
クライアント認証失敗 | Client ID/Secret が誤っている、余計な空白が含まれる | SKYPCE 設定画面で再入力し、コピー時にスペースを除去 |
INVALID_GRANT |
リフレッシュトークン無効 | トークン期限切れまたはユーザーが取り消した | 「認証」ボタンで新しいアクセストークンを取得 |
MAPPING_MISMATCH |
項目マッピング不一致 | Salesforce 側に対象項目が存在しない、API 名のスペルミス | カスタム項目を事前作成、正確な API 名を確認 |
DUPLICATE_RECORD |
重複レコード検出 | 同一メール/電話で既存レコードあり | 連携設定で「重複チェック」オプションを有効化 |
エラーが発生した場合は、SKYPCE の [ログ] タブで詳細メッセージを確認し、上表の対策を順に試してください。
SKYPCE API エンドポイント(公式)【^3】
| 操作 | HTTP メソッド | エンドポイント |
|---|---|---|
| 名刺一覧取得 | GET |
https://api.skypce.com/v2/cards?status=processed |
| 名刺情報更新 | PATCH |
https://api.skypce.com/v2/cards/{card_id} |
注:上記 URL は公式 API リファレンス(https://docs.skypce.com/api/v2/)に基づくものです。バージョン番号は Ver 2.2 以降で統一されています。
Node.js(Axios)サンプルコード
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 |
const axios = require('axios'); const token = 'YOUR_SKYPCE_ACCESS_TOKEN'; // 名刺一覧取得例 async function fetchCards() { const res = await axios.get( 'https://api.skypce.com/v2/cards?status=processed', { headers: { Authorization: `Bearer ${token}` } } ); console.log(res.data); } // 名刺情報更新例(電話番号変更) async function updateCard(cardId, newPhone) { const res = await axios.patch( `https://api.skypce.com/v2/cards/${cardId}`, { phone: newPhone }, { headers: { Authorization: `Bearer ${token}` } } ); console.log('更新成功', res.data); } fetchCards(); updateCard('12345', '+81-90-1234-5678'); |
取得した JSON データは Apex Callout、Flow、または外部 ETL ツールと組み合わせて自動的にレコードを作成・更新できます。
運用・セキュリティベストプラクティスと UI カスタマイズ
この最終セクションでは、連携運用の安定化とデータ保護の観点から推奨する設定項目や自動化手順をまとめます。
「最小権限」「IP 制限」「監査ログ」の3つの柱で設計すれば、セキュリティインシデントのリスクを大幅に低減できます。
名刺タブ(カスタムオブジェクト)をナビゲーションバーに追加
- [アプリケーションマネージャ] → 対象アプリの「編集」ボタンをクリック。
- 「ナビゲーション項目」セクションで 「名刺(Card__c)」 を検索し、右矢印で選択。
- 保存すると、ユーザーは上部メニューに 「名刺」 タブが表示され、同期ステータスを一目で確認できるようになります。
参考:Salesforce ヘルプ – カスタムタブの追加(https://help.salesforce.com/articleView?id=sf.customtab_create.htm)。
権限設定と IP 制限の具体的手順
| 項目 | 推奨設定例 | 設定場所 |
|---|---|---|
| プロファイル | SKYPCE_Integration_User → API アクセスのみ許可、他オブジェクトは「非表示」 |
[設定] → ユーザー → プロファイル |
| 権限セット | OAuth_Refresh_Token(トークン更新権限)を付与 |
[設定] → 権限セット |
| IP 制限 | 組織固定 IP 例:203.0.113.0/24 を許可 |
Connected App の「信頼できる IP 範囲」欄に追加 |
| 監査ログ | API Login、OAuth Token Refresh を定期的にレビュー |
[設定] → セキュリティ → イベントモニタリング |
ポイント:IP 制限は「組織全体の固定 IP がある場合」にだけ設定し、クラウド環境で頻繁に変わる IP へは VPN 経由のアクセスを推奨します。
自動更新トリガーと定期クレンジング
- 自動更新:Salesforce Flow(レコード作成後)または Process Builder で
Card__c.LastModifiedDateが変化したら、SKYPCE のPATCH /cards/{id}を呼び出す Apex 呼び出しを組み込む。 - データクレンジング:月1回、Salesforce の Duplicate Management 機能で「メールアドレス」または「電話番号」単位の重複レコードを検出・マージする。
実装例(Flow): 「カード更新時」→「外部サービス呼び出し」→「API 呼び出し」ノードに上記 PATCH エンドポイントと認証情報を設定。
まとめ
- ライセンス要件:Salesforce は Enterprise 以上、SKYPCE は管理者ロールかつ Ver 2.2 以上が必要。
- Connected App:正しいスコープ(
api, refresh_token, offline_access, full)と公式リダイレクト URL を設定し、IP 制限は組織の固定 IP のみ許可する。 - マッピング:標準項目とカスタム項目を 1 対 1 に対応させ、テスト同期で動作確認を行う。
- エラーハンドリング:公式ログとコード表を活用し、原因別に迅速な対策を実施する。
- 運用・セキュリティ:最小権限プロファイル、IP 制限、監査ログの3本柱で安全性を確保し、定期的なクレンジングと自動更新フローでデータ品質を維持する。
この手順に沿って設定すれば、SKYPCE の名刺情報がリアルタイムで Salesforce に反映され、営業担当者は手入力の手間から解放されます。ぜひ本ガイドを活用し、スムーズな連携環境を構築してください。
参考文献
[^1]: SKYPCE Release Note(Ver 2.2) – https://www.skypce.com/releases/2.2
[^2]: SKYPCE API 認証ガイド – https://docs.skypce.com/api/v2/authentication/
[^3]: SKYPCE REST API Reference – https://docs.skypce.com/api/v2/