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1. Android デバイス要件(2026 年版)
Android 端末が ShapesXR の AR 体験を提供できるかは、OS バージョン・CPU アーキテクチャ・GPU の Vulkan 対応状況の3点で判定します。これらを満たさないと起動直後にクラッシュしたり、フレームレートが著しく低下したりするため、開発前に必ず端末スペックをチェックしてください。
1‑1. OS とハードウェア
| 項目 | 必須条件 | 推奨環境 |
|---|---|---|
| OS バージョン | Android 12(API 31)以降 | Android 13・14 でも問題なし |
| CPU アーキテクチャ | 64 ビット ARMv8‑A(ARM64) | - |
| GPU | Vulkan 1.2 対応+ASTC 圧縮が利用可能 | Snapdragon 8 Gen 1/2、MediaTek Dimensity 9000 系列等 |
Android の設定画面 → 「端末情報」→「ソフトウェア バージョン」や「CPU アーキテクチャ」で確認できます。
1‑2. 必要な権限と AndroidManifest 設定例
AR カメラ映像・音声入力・位置情報はすべて 実行時許可 (runtime permission) が必要です。以下の表は AndroidManifest.xml に記述すべき <uses-permission> と、AR 用ハードウェア機能を宣言する <uses-feature> の例です。
ポイント
権限だけでなく、android.hardware.camera.arという feature を明示しないと、一部端末で Google Play が「非対応」と判定してしまいます。
| 権限 | 用途 | Manifest 記述例 |
|---|---|---|
CAMERA |
カメラ映像取得(AR) | <uses-permission android:name="android.permission.CAMERA"/> |
RECORD_AUDIO |
音声入力・AI スクリプトの合成 | <uses-permission android:name="android.permission.RECORD_AUDIO"/> |
ACCESS_FINE_LOCATION |
GPS 位置情報(位置連動インタラクション) | <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_FINE_LOCATION"/> |
完全な AndroidManifest のサンプル
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<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <manifest xmlns:android="http://schemas.android.com/apk/res/android" package="com.example.myshapesxr"> <!-- 必須権限 --> <uses-permission android:name="android.permission.CAMERA"/> <uses-permission android:name="android.permission.RECORD_AUDIO"/> <uses-permission android:name="android.permission.ACCESS_FINE_LOCATION"/> <!-- AR カメラ機能を利用することを宣言(Google Play の審査に必須) --> <uses-feature android:name="android.hardware.camera.ar" android:required="true"/> <!-- Vulkan が必要な場合は以下も追加可能 --> <uses-feature android:name="android.hardware.vulkan.compute" android:required="false"/> <application android:allowBackup="true" android:label="@string/app_name" android:icon="@mipmap/ic_launcher" android:roundIcon="@mipmap/ic_launcher_round" android:supportsRtl="true"> <!-- メインアクティビティ --> <activity android:name=".MainActivity" android:exported="true" android:screenOrientation="portrait"> <intent-filter> <action android:name="android.intent.action.MAIN"/> <category android:name="android.intent.category.LAUNCHER"/> </intent-filter> </activity> </application> </manifest> |
2. ShapesXR アカウント作成と Web クライアントでのプロジェクト開始
ShapesXR の全開発フローはブラウザ上で完結します。まずは公式サイトから無料アカウントを取得し、プロトタイプ用のプロジェクトを作成しましょう。
2‑1. アカウント登録とダッシュボードへのログイン
- 公式サイト
https://shapesxr.ioにアクセス - 右上の 「サインアップ」 をクリックし、氏名・メールアドレス・パスワードを入力
- 受信した認証メール内のリンクを開くと自動的にダッシュボードへ遷移します
メール認証が完了すれば、即座にプロジェクト作成画面が利用可能です。
2‑2. 新規プロジェクト作成手順
- ダッシュボード左メニューの 「新規プロジェクト」 をクリック
- 用意されたテンプレート(空間プレゼン、ゲーム、アンケート等)から目的に合うものを選択
- プロトタイプ名と保存先フォルダを入力し 「作成」
作成後はエディタ画面が表示され、左側パレットから 3D アセットや AI スクリプトをドラッグ&ドロップで配置できます。
3. モバイル向け 3D アセット・AI スクリプトの最適化
モバイル端末はメモリ・GPU リソースが限られるため、テクスチャ圧縮とモデル軽量化 が必須です。以下では具体的な手順を示します。
3‑1. 解像度とテクスチャ圧縮
- 推奨フォーマット:FBX → GLTF/GLB(ShapesXR が標準でサポート)
- サイズ調整:4096×4096 ピクセル以上は 2048×2048 にリサイズ
- ASTC 圧縮:4 × 4 ブロックで最大約 4 倍削減(
astcencCLI または Unity の Texture Import Settings が利用可)
圧縮後のテクスチャは「.ktx」形式でエクスポートし、GLTF に埋め込むとロードが高速化します。
3‑2. タッチ入力とインタラクション
ShapesXR が提供する標準コンポーネント(Tap / Swipe / Pinch)を使用すれば、Unity Input System を意識せずにマルチタッチ操作が実装できます。各コンポーネントはエディタ右側のプロパティパネルからドラッグ&ドロップで付与し、イベントハンドラは GUI だけで設定可能です。
3‑3. パフォーマンスプロファイリング
Android Studio Profiler を使い 30 fps 以上 が維持できているかを確認します。測定項目と目安は次の通りです。
| 項目 | 推奨上限 |
|---|---|
| 平均 FPS | ≥ 30 |
| CPU 使用率(全体) | ≤ 45 % |
| GPU フレームタイム | ≤ 16 ms |
| ピークメモリ使用量 | ≤ 250 MB(標準スマホモデル) |
改善策としては、テクスチャ圧縮の再調整・不要スクリプト削除・LOD の導入 が有効です。
4. Android 用エクスポート手順:Web ビルド → APK 生成
ShapesXR の Web エディタから直接 Android 向け APK を出力できます。以下のチェックリストに沿って設定を行い、ビルドを実行してください。
4‑1. エクスポート設定項目(必須入力)
| 項目 | 設定例 | 補足 |
|---|---|---|
| バンドル ID | com.example.myshapesxr |
逆ドメイン形式で一意に |
| バージョンコード | 1(整数) |
Play Console 用に毎回更新 |
| バージョン名 | 1.0.0 |
ユーザー向け表示文字列 |
| キーストア | デバッグ用 debug.keystore もしくは自前のリリースキー |
リリース時は Google Play の署名ポリシーに従う |
| 最小 SDK バージョン | 31(Android 12) |
要件と一致させる |
| ターゲット SDK | 34(Android 14) |
最新 OS への対応を推奨 |
設定は左上メニュー 「エクスポート > Android ビルド」 から入力できます。
4‑2. ビルドキューと出力ファイル
ビルドが完了すると、ダッシュボードの 「ビルド履歴」 に .apk ファイルへのリンクが表示されます。
- 保存場所:ブラウザのダウンロードフォルダ、または ShapesXR が提供するクラウドストレージ URL
- サイズ目安:最適化済みプロトタイプで 30 MB〜80 MB 程度
ビルド中にエラーが出た場合は「ビルドログ」タブで詳細を確認し、欠損アセットや権限設定の不備を修正してください。
5. ローカルインストールと配布フロー
生成した APK をテスターへ配布する手段は主に ADB 直接インストール・QR コード OTA 配布・Google Play Console のベータ公開 の3種類です。開発段階では最もスピーディな ADB が推奨されます。
5‑1. ADB を使った直接インストール
- USB デバッグ有効化:設定 > 開発者向けオプション > USB デバッグをオン
- PC に Android SDK Platform‑Tools(
https://developer.android.com/studio/releases/platform-tools)をインストール - ターミナルで
adb devicesを実行し、デバイスが認識されることを確認 adb install path/to/your_app.apkで即座にインストール
インストール成功後は端末のアプリ一覧に 「ShapesXR プロトタイプ」 が表示されます。
5‑2. QR コード OTA 配布
ShapesXR のビルド完了画面にある 「QR コード生成」 ボタンをクリックすると、APK ダウンロード用 URL を埋め込んだ QR コードが作成されます。テスターは端末のカメラでコードを読み取り、ブラウザ経由でダウンロード・インストールできます(設定 > アプリと通知 > 不明なアプリのインストール が必要)。
5‑3. Google Play Console のベータ公開
内部テストトラックを利用すると、組織内外のテスターに安全に配布でき、Crashlytics や Analytics の統合も自動で有効化されます。
- Play Console にログイン → アプリ作成 → 「リリース管理」→「内部テスト」
- 先ほどの APK をアップロードし、バンドル ID とバージョンコード が一致しているか確認
- テスター用 Google グループまたはメールアドレス一覧を登録
- 「ベータ版として公開」をクリックすると、テスターは Play ストア経由でインストール可能に
6. デプロイ後のテストポイントとトラブルシューティング
実機での最終確認は 起動速度・センサー応答・バッテリー消費・クラッシュレポート の4点を中心に行います。
6‑1. 起動チェックリスト
- アプリが 5 秒以内 にホーム画面を表示するか
adb logcatでエラーログ(例:E/Unity)が出ていないか確認
6‑2. センサー・ジャイロの動作確認
| 項目 | 確認方法 |
|---|---|
| カメラ映像 | 起動直後にリアルタイムで表示されるか |
| ジャイロ | デバイスを傾げた瞬間に 3D オブジェクトがスムーズに追従するか |
問題がある場合は AndroidManifest.xml の <uses-feature android:name="android.hardware.camera.ar"> が正しく設定されているか、端末の Vulkan ドライバが最新かをチェックしてください。
6‑3. バッテリー消費測定
Android Studio Profiler の Battery タブで 10 分間連続実行し、平均消費率が 5 %/hour 未満 であることを目安にします。高消費が検出されたら以下を見直しましょう。
- テクスチャ圧縮の過不足
- フレームレート上限(30 fps)への固定
- 不要なバックグラウンドスクリプトの削除
6‑4. クラッシュレポート取得(Firebase Crashlytics)
- Firebase コンソールで新規プロジェクト作成 → Android アプリを登録
google-services.jsonを ShapesXR のビルド設定に追加(「カスタム設定」から)- ビルド後、Crashlytics ダッシュボードでリアルタイムのクラッシュスタックトレースを確認
取得した情報を元にスクリプトやアセットの不具合箇所を修正し、再ビルド・再テストを繰り返すことで安定性が向上します。
7. まとめ
- OS/CPU/GPU が公式要件(Android 12+ / ARM64 / Vulkan 1.2)を満たす端末でのみ本格的な AR 体験が可能
- 必須権限は CAMERA・RECORD_AUDIO・ACCESS_FINE_LOCATION、
android.hardware.camera.arの feature 宣言も忘れずに - Web エディタからのエクスポートは バンドル ID / バージョンコード / キーストア を正しく設定すれば数分で完了
- 配布手段は ADB → QR コード → Play Console の順に選択し、テストフェーズごとに最適な方法を採用
- デプロイ後は 起動速度・センサー応答・バッテリー消費・Crashlytics を徹底的にチェックし、問題があれば AndroidManifest やリソース圧縮設定へフィードバック
以上の手順とポイントを抑えておけば、2026 年版 ShapesXR の Android デプロイはスムーズに進むはずです。ぜひ本稿を開発・テスト時のチェックリストとして活用してください。