Polycam

Polycam導入ガイド:現場スキャンからBIM連携まで

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Polycam導入判断とプラン比較(機能・機材)

導入前は目的(納品形式・精度)と運用(頻度・人数)を先に決めてください。Polycamの機能やプラン名は変動する可能性があるため、最終的には公式ドキュメントで対応状況を確認してください(参照: Polycam公式ヘルプ)。

導入判断のポイント

導入可否を判断するための主要な観点を示します。

  • 納品フォーマット(点群 / メッシュ / テクスチャ)と精度要件を明確にすること。
  • スキャン対象の大きさ(室内 / ファサード / 構造物)で最適なワークフローが変わること。
  • チーム運用やクラウド処理の優先度で有料プランの必要性を見積もること。

プラン比較(目安)

主要な利用パターン別に、Free / Pro / Businessの一般的な違いをまとめます。実際の対応フォーマットや容量制限は変更されるため、必ず公式情報で最新を確認してください。

プラン例 主な利点(想定) 実務上の目安
Free 簡易スキャン、プレビュー テスト・小規模案件向け
Pro 高解像度エクスポート、点群形式対応 中規模案件、個人事業者向け
Business 大容量処理、チーム管理、ジオリファレンス機能 企業/継続案件向け

※ 表は一般的な目安です。機能やエクスポート形式の対応状況は変動します。Polycam公式ヘルプで最新情報を確認してください。

推奨機材と周辺機器

実務で安定した成果を出すための機材と備品例です。

  • LiDAR搭載端末: iPad Pro / iPhone Proシリーズ(機種差あり)。
  • 写真撮影用: 高画素のミラーレス/一眼や高性能スマホ(フォトモード主体)。
  • 三脚・延長ポール・ジンバル: 安定した視点の確保に有効。
  • ターゲット(反射シートなど)、レーザー距離計、メジャー: スケール確保やGCP設置に必須。
  • 予備バッテリー、外部SSD/大容量ストレージ: 長時間運用・大容量保存を考慮。

(Android端末は機種による差が大きいので事前検証を推奨します)

Polycamの基本操作と推奨設定(キャプチャ・エクスポート)

アプリ操作は言語・バージョンでUI表記が変わる場合があります。ここでは代表的な操作手順と設定例を示します。各手順の呼称は画面表示に合わせて読み替えてください。

キャプチャモードと基本操作

キャプチャ開始から終了までの基本的な流れと推奨設定を示します。

  1. アプリを起動してスキャン開始(画面下の「Capture」や「Scan」系ボタンを選択)。
  2. モード選択で「LiDAR」または「Photo(写真)」を選びます。ハイブリッド運用(LiDARで大局、写真でテクスチャ)を現場で切り替えると効率的です。
  3. LiDAR撮影の推奨操作: センサから対象までの距離は0.5〜5.0 mを目安にします。移動速度は0.2〜0.6 m/sで安定して動かします。高さは実務では約1.2〜1.7 mで一定にすると良いです。
  4. Photo撮影の推奨操作: 画像の重複率は水平・垂直ともに60〜80%を目安に撮影します。露出とホワイトバランスは固定(AE/AFロック)して撮るとテクスチャムラが減ります。
  5. 屋外では直射日光の影響に注意し、曇天や朝夕の時間帯、または影の少ない時間を選ぶと再構成が安定します。

エクスポート手順(アプリとWeb)

スキャンをエクスポートする際の代表的な手順です。アプリ内の表記はバージョンで変わる可能性があります。

  1. スキャン一覧から該当プロジェクトを選択します。
  2. 画面右上の共有(Share)やメニューから「Export」を選びます。
  3. フォーマットを選択(OBJ/FBX/GLTF/PLY/E57/LAZなど)。
  4. エクスポートオプションで「Texture size(例: 4096/2048/1024)」「Decimate(トライアングル数または割合)」「Include point colors」等を指定します。
  5. 「Save to Files」や「Share link」「Upload to cloud」などを選択して出力します。
  6. Webダッシュボード(公式サイトにログイン)からプロジェクトをダウンロードできる場合もあります。

(UI表記はアプリの言語設定やバージョンで変わるため、最新の表示は公式ヘルプを参照してください)

推奨エクスポート値(用途別)

用途ごとの目安設定を示します。プロジェクト要件に合わせて調整してください。

用途 解像度/テクスチャ トライアングル数(目安) 備考
Web/AR(軽量) 1024–2048 px 50k–200k モバイル表示向け
プレゼン/ビュー用 2048–4096 px 200k–1M 見た目重視
CAD参照(ReCap/点群) 点群: 1–5M pts 点群(E57/LAZ)で連携推奨
3D編集(リトポ前提) 4096 px 1–3M 高精細編集用

※ 実際の最適値は納品要件とハードウェアに依存します。

現場準備と法令・安全(チェックリスト)

現場の許可や安全対策、プライバシー対応を事前に整備するとトラブルを大幅に減らせます。以下は実務で使える具体的な手順と注意点です。

現場チェックリスト

作業前に確認・準備すべき項目の簡潔なリストです。

  • 現場権原者(オーナー)からの撮影許可(可能なら書面)。
  • 現場での安全教育・保護具(ヘルメット、反射ベスト、ハーネス等)。
  • バッテリー・予備端末・ストレージの確認。
  • ターゲット/GCP設置計画(位置と番号の記録)。
  • 通行者対応・通行規制の有無確認と必要な看板や誘導員の手配。
  • 天候確認と照明対策(夕方/曇天の検討)。

ドローン撮影と許可取得の具体手順

ドローンを用いる場合の一般的な準備手順を記します。国や地域の法令に従ってください。

  • 地域の航空規制(国土交通省/地方自治体、または該当地域の航空当局)を確認します。
  • 飛行禁止区域や高度制限を確認し、必要に応じて飛行許可を申請します。
  • 飛行計画(フライトパス・高度・離着陸地点)を作成し、現地責任者と共有します。
  • 保険加入、第三者損害対策、NOTAM等の確認を行います。
  • GCPや地上標識を用いて地上データとドローン写真の整合を取りやすくします。

個人情報とプライバシー対応

撮影時のプライバシー保護の具体的な留意点です。

  • 住民や通行人の顔や自動車のナンバー等は基本的に撮影・公開を避けます。必要なら事前同意を取得します。
  • 公開用データでは顔や個人情報をぼかす処理を行います。
  • データ保管はアクセス制御(パスワード・権限管理)で行います。
  • データ保存期間と削除ポリシーを明確に運用します。

実務スキャン手順(室内・外観・ドローン)

ここでは、室内と外観での効率的なスキャンフローを具体手順で示します。短時間で精度を確保するコツを中心にまとめます。

室内スキャンの実務手順

室内の代表的な動線と注意点を順番に示します。

  1. 部屋の概況を把握し、スキャンルートを設計します。入口→周囲を一周→内側を詰める流れが基本です。
  2. 大空間は区画して複数プロジェクトに分けます。各区画でターゲットや既知寸法を配置します。
  3. 壁際は約0.5–1.5 mの距離を保ちつつ、角や開口部は複数方向から撮影します。
  4. 天井と床も一度は撮影し、視点の高さを変えることで穴埋めがしやすくなります。
  5. 狭所は三脚や短いポールで安定させると良い結果が得られます。
  6. 仕上げに試しスキャンを行い、アプリの処理後に重要寸法を現場で確認します。

外観・屋外・ドローンとの統合

外観スキャンは光条件とスキャン距離の管理が精度に直結します。

  • 建物外観は複数高さのパスを地上で撮影し、必要ならドローン写真で上部を補完します。
  • ドローンフォトの重複率(前方重複: 70–85%、横方向: 60–75%)を目安に飛行計画を立てます。
  • 反射面(ガラス・鏡)は布で一時遮蔽するか、角度をずらして撮影して反射ノイズを減らします。
  • 地上スキャンとドローン写真を統合する場合は、GCPを共通に配置して後処理で整合させます。

スキャン後の編集・エクスポート、BIM/CAD連携と精度評価(実例・FAQ)

スキャン後はバックアップと初期チェックを優先します。ここでは品質担保、BIM連携、誤差検証の手順と実例を示します。用語は末尾に解説を付けます。

品質管理とスケール確保

最初に行うべき確認とスケール合わせの方法です。

  • 元データのバックアップを必ず作成します(端末内とクラウドの二重保存推奨)。
  • メタデータ(タイムスタンプ、ジオタグ)と主要寸法を確認します。
  • スケール調整: 既知長(ドア幅等)を入力する簡易スケール合わせか、GCPを用いた高精度ジオリファレンスがあります。
  • ノイズ除去: 不要領域をトリミングし、統計的外れ値除去でノイズを削減します。
  • メッシュ化後は穴埋めと最小限の平滑化を行い、用途に合わせてデシメーション(LOD)を作成します。

BIM/CAD取り込み(Revit / ReCap / SketchUp 等)

Revitなど主要ソフトへ取り込む際の実務的な手順と注意点です。

  • 点群ワークフロー(推奨): PolycamからE57/LAZ等で点群をエクスポートし、Autodesk ReCapで読み込み・クロップしてRCP/RCSを作成します。
  • Revitへの取り込み: Revitの「Insert」→「Point Cloud」機能でRCP/RCSをリンクします。配置方法は「Auto - Center to Center」等を選び、共有座標や単位をプロジェクトに合わせて設定します。
  • メッシュ利用: SketchUpやRhinoではOBJ/FBXを使います。高ポリゴンは動作低下の原因となるため、用途別にLOD(例: 200k–1Mトライアングル)を用意します。
  • 座標系と単位: エクスポート時とBIM側で同一の座標系/単位(メートルかミリ)を合わせることが重要です。GCPで地理座標を紐付けるとBIMでの位置精度が向上します。
  • パフォーマンス最適化: Revitで扱う場合、点群は5M点前後が実務的な目安です。10M点以上は高メモリ環境(32GB以上)を推奨します。

誤差検証・実例・FAQ

誤差評価の定量手順と、実務での代表的な数値例を示します。結果は現場条件によって変動します。

  • 誤差検証手順(CloudCompare等での例):
    1) 参考データ(TLSや測量で得たGCP)を準備。
    2) 座標系を揃えてスキャンデータと参照データをアライメント(粗合わせ→ICPなど)します。
    3) Cloud-to-Cloud(C2C)またはCloud-to-Mesh(C2M)で差分解析を実行します。
    4) 平均誤差、標準偏差、最大偏差を確認し、ヒートマップで可視化します。
  • 実務検証例(代表ケース):
  • 対象: 戸建て住居(1室)
  • 機材: iPhone 13 Pro(LiDAR)+追加写真(スマホ)によるハイブリッドスキャン
  • 撮影時間: 約40分(室内)
  • クラウド処理時間: 約20分(Polycamクラウド、回線・設定で変動)
  • ファイルサイズ: 生データ(写真群)約2.5 GB、エクスポートOBJ(テクスチャ付き)約120 MB、LAZ(点群)約480 MB
  • 誤差評価: TLS参照とのC2M RMS ≒ 0.011 m(11 mm)、最大偏差 ≒ 0.035 m(35 mm)
  • 備考: 上記は良好な照明と十分な重複がある条件での一例です。暗所や反射面、長距離では誤差が拡大します。
  • よくあるQ&A(抜粋):
  • Q: スマホだけで実務図面は作れますか?
    A: 条件と精度要求によります。厳密なミリ精度が必要な場合は測量器やGCPの併用が現実的です。
  • Q: Revitにメッシュを直接使えますか?
    A: メッシュの直接利用は実務的には難しいため、点群参照でトレースする方法が一般的です。
  • Q: ファイルが大きすぎるときの対処は?
    A: 必要範囲のクロップ、サブサンプリング(ボクセル減算)、LODの作成で対応します。

用語解説(簡易)

現場で出てくる専門用語の簡単な説明です。

  • TLS(Terrestrial Laser Scanning): 地上設置型レーザースキャナによる高精度点群取得手法。
  • GCP(Ground Control Point): 写真や点群を地理座標に整合させるための既知座標点。
  • ICP(Iterative Closest Point): 点群同士を精密に合わせるアルゴリズム。
  • LOD(Level of Detail): モデルの詳細レベル。用途に応じてポリゴン数を調整する概念。

まとめ

  • Polycamは現場で迅速に形状取得し、写真でディテールを補完する運用が実務的です。
  • 導入は納品フォーマットと精度要件を先に定め、無料版でワークフローを検証することを推奨します。
  • キャプチャはLiDARで大局、写真でテクスチャを補うハイブリッドが効率的です。
  • エクスポートは用途別にトライアングル数とテクスチャ解像度を設計し、BIM連携は点群(E57/LAZ)中心で行うと実務性が高まります。
  • 精度検証はTLSやGCPと比較してC2C/C2Mで評価し、必要なら局所再撮影やGCP追加でリカバリーします。

参照: Polycam公式ヘルプ(機能や対応フォーマットは変更される可能性がありますので、最新情報は公式ドキュメントでご確認ください)。

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