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Polycam アプリのインストールと無料トライアル概要
Polycam は iOS デバイス向けに公式 App Store から配布されています。まずはアカウント登録だけで基本機能が利用でき、無料トライアル期間中にスキャン回数やエクスポート回数の上限を確認しながら実践できます(以下の情報は執筆時点の公式サイト情報です。最新状況は Polycam のサポートページをご参照ください)。
インストール手順
アプリの取得はシンプルです。下記の流れに沿って操作してください。
- App Store を開く
- 検索バーに「Polycam」と入力し、開発元が Lattice と表示される公式アプリを選択
- 「取得」→「インストール」をタップし、Apple ID で認証
無料トライアルの内容(2024 年 10 月現在)
| 項目 | 上限 | 補足 |
|---|---|---|
| スキャン回数 | 10 回 | LiDAR とフォトモード共通 |
| エクスポート回数 | STL / OBJ 合計 1 回 | 有料プランにアップグレードすると無制限化 |
| クラウド保存 | 無制限(容量制限なし) | デバイス間で自動同期 |
※ 上記は Polycam の公式ヘルプページ(2024‑10‑01 更新)を基にしています。トライアル内容は予告なく変更される可能性がありますので、利用開始前に必ず最新情報をご確認ください。
スキャン前の準備:照明・対象物・撮影枚数の目安
スキャン品質は「光」と「視点」の2要素で決まります。適切な環境と撮影枚数を守るだけで、後工程のノイズ除去や穴埋め作業が大幅に削減できます。
照明と背景設定
均一で拡散した光源とシンプルな背景を用意すると、ポリゴン生成時の誤差が最小化されます。
- 光源:LED ライトを 3 カ所(左右前方)に配置し、ディフューザーで柔らかく拡散
- 反射対策:鏡面や金属はテープやマット紙で覆い、強いハイライトを抑制
- 背景:単色の布(グレー 40%)または無地壁を使用し、対象と背景のコントラストが極端にならないように
対象物別の撮影枚数目安
| 対象サイズ | 推奨撮影枚数 | 主なテクスチャ特徴 | 撮影時のポイント |
|---|---|---|---|
| 小型(<10 cm) | 約 30 枚 | 滑らか・単色 | カメラを近づけ、全周を均等に回す |
| 中型(10‑50 cm) | 45〜60 枚 | 細部が多い | 高さと角度を変えて 3 層撮影 |
| 大型(>50 cm) | 70枚以上 | 複雑な凹凸 | LiDAR モード推奨、遠距離からゆっくり円軌道 |
失敗しやすいケースは光が一点に集中すると影が濃くなる点です。上記の枚数目安を守りつつ、カメラ位置を微調整してください。
iPhone/iPadでのスキャン手順とモデル編集
実際にデバイスを起動し、約 40 秒間撮影するだけでベースモデルが生成されます。ここでは撮影から基本的な編集までの流れを示します。
40 秒撮影デモの流れ
- アプリ起動後、メイン画面左下の「+」ボタンをタップ
- デバイスに LiDAR が搭載されていれば LiDAR モード、それ以外は フォトモード を選択
- 指示に従って対象物の周囲をゆっくり回転させ、画面上の円が緑になるまで撮影(約 40 秒)
- 完成したポイントクラウドがプレビュー表示されるので問題なければ「完了」をタップ
編集ツールの使い方
- Clean Up(ノイズ除去)
-
Edit → Clean Upを選択し、検出された小さな浮遊点を自動で削除。モデルが滑らかになります。 -
Fill Holes(穴埋め)
-
Edit → Fill Holesで未閉鎖領域を自動補完。裏面や凹みの多いオブジェクトでは必ず実行してください。 -
Simplify(メッシュ簡略化)
Edit → Simplifyを開き、スライダーでポリゴン数を調整。High quality (0.5 mm) が推奨設定ですが、ファイルサイズが大きくなる場合は適宜低めに設定します。
ポイント:エクスポート前に必ず「Clean Up」→「Fill Holes」→「Simplify」の順で実行すると、スライサー側のメッシュエラーを防げます。
STL/OBJ エクスポート手順と PC への転送
Polycam の UI は定期的に改善されていますが、基本的なエクスポート操作は変わりません。以下の手順で 3D プリント用ファイルを取得し、PC に取り込みます。
エクスポート操作
- モデル画面右上の「…」アイコンをタップし Export を選択
- ファイル形式として STL(プリント向け)または OBJ を選ぶ
- 品質レベルを Low / Medium / High から選択(後述表参照)
- 保存先は iCloud Drive、Dropbox、AirDrop など任意の方法で PC に転送
本手順は Polycam の公式サポートページ(2024‑10‑15 更新)に基づいています。外部サイトへのリンクは参考情報として掲載していますが、内容の正確性は保証できません。
品質レベルとファイルサイズの目安
| 品質 | ポリゴン数目安 | STL サイズ (MB) | 推奨用途 |
|---|---|---|---|
| Low | 約 20 k | 0.5〜1 | プロトタイプ、粗い形状確認 |
| Medium | 約 50 k | 1.5〜2.5 | 標準的なフィギュア・パーツ |
| High | ≥100 k | 3〜5 | 高精細モデル、機能部品 |
ファイルが大きくなりすぎた場合は、PC 側のスライシングソフトで「Decimate」や MeshLab の簡略化ツールを使ってポリゴン数を削減できます。
スライサー設定と印刷実践
エクスポートしたデータを Cura や PrusaSlicer に読み込み、最適なプリント設定で出力します。ここでは初心者が陥りやすいミスとその回避策をまとめました。
単位変換とスケール調整
- 単位確認:Polycam のエクスポートはデフォルトで「メートル」になることがあります(設定画面で確認可能)。スライサー側で「mm」に変換してください。
- 実寸合わせ:例えば 100 mm にしたいモデルは、Cura の Scale 機能で
0.1(10%)に設定すると正確です。 - チェックリスト
- スライサーの「Model Info」で寸法を確認
- 必要なら「Uniform Scale」で等比例拡大/縮小
推奨プリントパラメータ(初心者向け)
| パラメータ | 設定例 |
|---|---|
| 層高さ (Layer Height) | 0.20 mm |
| 充填率 (Infill Density) | 20% (内部が薄い部品は 30%) |
| サポートタイプ | 「Touching Buildplate」+「Tree Support」(細かい突起が多い場合) |
| プリント速度 | 50 mm/s(標準 PLA) |
サポートは必要最低限に抑えることで除去作業が楽になります。特に底面だけに必要な場合は Only on Build Plate に設定しましょう。
メッシュエラー対処法
| エラー | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| Non‑Manifold Edge(非流形辺) | 内部重複や穴がある | Cura の「Mesh Fix → Fix Holes」または MeshLab で「Remove Duplicated Faces」 |
| Inverted Normals(法線反転) | 面の向きが逆になる | スライサーの「Flip Normals」機能を使用 |
| サイズズレ | エクスポート時の単位ミス | スライサーで正しい単位に変換し、再度スケール調整 |
ポイント:エラーはスライシング直前にプレビューで必ず確認し、必要なら Polycam に戻って「Clean Up」や「Simplify」を再実行してください。
仕上げ作業とまとめ
プリントが完了したら、以下の手順で最終的な外観を整えます。
- サポート除去:ピンセットとニッパーで慎重に外す
- 粗削り:120〜220 番手のサンドペーパーで全体を均一に研磨
- 細部仕上げ:400 番手で滑らかにし、必要ならプライマーを塗布後、アクリルスプレーやエナメルで着色
記事のまとめ
- Polycam の無料トライアルでインストール・基本操作をマスターすれば、STL/OBJ 形式へのエクスポートが可能です(上限は公式情報をご確認ください)。
- 均一照明と対象サイズに応じた撮影枚数を守ることで、ノイズ除去や穴埋め作業の手間が大幅に削減されます。
- 40 秒撮影デモと Clean Up / Fill Holes / Simplify の3つの編集ツールで、高品質なメッシュを生成できます。
- エクスポート時は品質レベルとファイルサイズのバランスを選択し、必要に応じて PC 側で簡略化します。
- スライサーでは単位変換・正確なスケール調整、推奨プリントパラメータを設定すればエラーが減り、安定した 3D プリントが実現できます。
以上の手順とポイントを押さえておけば、Polycam を活用したスキャンからプリントまでのワークフローをスムーズに進められるはずです。最新情報は必ず公式サイトやアプリ内のお知らせで確認し、環境やデバイスに合わせて設定を調整してください。