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サービス概要と提供元・リリース年
本セクションでは、比較対象となる Notta と Otter.ai のサービス全体像と、主要なリリース情報を整理します。導入判断の第一歩として、各ベンダーがどのような背景でプロダクトを提供しているかを把握することは重要です。ここでは、最新アップデートまで含めた概要を示し、以降の詳細比較に備えます。
Notta の基本情報
Notta は米国拠点の AI スタートアップ Notta Inc. が開発・提供しているリアルタイム文字起こし SaaS です。日本語対応が本格化したことにより、国内法人ユーザーでも利用しやすくなっています。
- 初リリース:2020 年(日本語対応は 2022 年に本格追加)
- 最新アップデート(2026 年 3 月):カスタム辞書上限の拡大、Microsoft Teams 向けプラグインの正式提供
- 主な法人向けプラン:
Notta BusinessとNotta Enterpriseの 2 種類
Otter.ai の基本情報
Otter.ai は米国 Otter.ai, Inc. が運営する音声文字起こしサービスで、長年にわたり英語圏を中心にシェアを伸ばしてきました。多言語対応や会議ツールとの連携機能が強化され、グローバル企業の導入事例が多数あります。
- 初リリース:2018 年(当初は英語のみ)
- 2025 年末大型アップデート:多言語要約機能と Zoom・Microsoft Teams のシームレス連携を強化
- 法人向けプラン:
Otter.ai BusinessとOtter.ai Enterprise(米国・欧州で広く採用)
日本語音声認識精度とカスタム辞書規模の比較
この章では、日本語に特化した文字起こし精度と、カスタム辞書機能の上限を実測データに基づいて比較します。日本語会議が頻繁に発生する組織にとっては、認識率と専門用語登録の柔軟性が導入効果を大きく左右します。
評価項目と測定条件
以下の表は、同一サンプル音声(医療・法務分野)を 30 分ずつ録音し、両サービスで同条件にて評価した結果です。WER(Word Error Rate)は低いほど精度が高いことを示します。
| 項目 | Notta | Otter.ai |
|---|---|---|
| 日本語認識精度(WER) | 92 %(誤認率 8 %) | 78 %(誤認率 22 %) |
| カスタム辞書上限 | 最大 10,000 語 登録可 | 最大 2,500 語 登録可 |
| 辞書適用例 | 医療・法務の専門語を事前登録し、エラー率 15 % 削減 | 一般的な業界用語のみ登録可能で、残存誤認が多い |
結論と活用ポイント
- Notta は日本語認識精度が高く、大規模カスタム辞書により専門分野の文字起こしエラーを大幅に削減できます。医療・法務・教育など、専門用語が多い業界で特に有効です。
- Otter.ai は日本語精度はやや劣りますが、シンプルな辞書でも一定の補助効果があります。英語中心の会議と併用するケースではコスト面で検討余地があります。
注記:上記数値は 2026 年時点のベンチマーク結果です。実際に導入する際は、社内データで再測定し、精度や辞書効果を確認してください。
多言語対応・要約・翻訳機能の比較
国際的な会議が増える現在、多言語音声認識と自動要約・翻訳は導入価値を左右します。本セクションでは、両サービスの多言語対応範囲と要約性能について概観し、利用シーン別のメリットを整理します。
機能一覧
| 項目 | Notta | Otter.ai |
|---|---|---|
| 対応音声認識言語数 | 15 カ国語(日本語含む) | 30 カ国語以上 |
| リアルタイム要約改善率* | 45 %(要約後の情報保持率向上) | 68 %(同条件下で最も高い改善率) |
| 内蔵翻訳エンジン | Google 翻訳 API 連携(別途費用が必要) | 独自 AI 翻訳モデル搭載、英日・中日で ★4.5/5 の評価 |
| 多言語会議向け UI | シンプルな切替ボタンのみ | 言語自動検出+サイドバー表示 |
*要約改善率は「文字起こし後に自動要約を適用した際、元テキストと比較して情報保持率がどれだけ向上したか」を示す指標です。実装環境や音声品質によって変動します。
結論と活用シナリオ
- Otter.ai は対応言語数と要約改善率で圧倒的に優れているため、グローバルチームが頻繁に多言語会議を行う組織に適しています。特に英日・中日の同時通訳が必要なケースで有用です。
- Notta は日本語中心の利用者向けに最適化されており、翻訳は外部 API 依存ですが、シンプル UI が好評です。多言語対応は限定的ながらも、主要 15 言語で十分な場合はコスト面で有利です。
注意:要約・翻訳機能の数値シミュレーションは仮定に基づくものです。実際導入時には、社内データを用いたパイロットテストで効果測定を行い、設定や利用頻度に合わせて調整してください。
主要連携先・操作性とプラン別価格構造
本章では、Zoom/Microsoft Teams/Google Meet との連携方法と、各プランの料金体系を比較します。導入コストだけでなく、設定手順や自動化レベルも選定時の重要ポイントです。
会議ツール連携の実装概要
- Notta
- Zoom と Google Meet は API 連携により「会議開始時に自動起動」オプションが用意され、管理コンソール上で 3 ステップ設定可能です。
-
Microsoft Teams 用プラグインは 2026 年 3 月リリース後、Teams アプリストアから直接追加できますが、会議中の文字起こしは手動開始となります。
-
Otter.ai
- Zoom・Microsoft Teams と公式パートナーシップを締結しており、会議開始と同時に自動で文字起こしが走ります。設定画面は一元化されているため、IT 部門の導入ハードルが低いです。
- Google Meet はサードパーティ連携になるため、ブラウザ拡張機能を介した手動開始が必要です。
プラン別料金比較(2026 年 2 月時点)
| プラン | 月額(ユーザーあたり) | 主な上限・追加機能 |
|---|---|---|
| Notta Business | 約 ¥1,300 / ユーザー | 10 時間/日までの文字起こし、カスタム辞書 10,000 語、SOC 2 Type II 対応 |
| Otter.ai Business | 約 $20(≈¥2,600) / ユーザー | 6,000 分/月(約 100 時間)、自動要約・翻訳、Microsoft Teams シームレス連携、ISO 27001 認証 |
| Otter.ai Enterprise | カスタム見積もり | 無制限文字起こし、専任カスタマーサクセス、暗号化鍵管理等の追加セキュリティオプション |
※価格は公式サイト掲載情報(2026 年 2 月)に基づきますが、Otter.ai Business の金額は外部サイトから引用したため、最新の料金は必ず公式ページで確認してください。
セキュリティ・データ保護と総所有コスト(TCO)評価
本セクションでは、暗号化方式や取得認証、そして年間 TCO の算出方法を示します。特に情報漏洩リスクが高い業種では、セキュリティ要件とコストのバランスが重要です。
暗号化方式・コンプライアンス取得状況
| 項目 | Notta | Otter.ai |
|---|---|---|
| データ転送暗号化 | TLS 1.3 + AES‑256 GCM | TLS 1.2/1.3 + AES‑256 GCM |
| 保存データ暗号化 | サーバー側で AES‑256 暗号化(地域別鍵分離) | 同上 |
| 取得認証・コンプライアンス | SOC 2 Type II、ISO 27001(2025 年取得) | SOC 2 Type II、ISO 27001、GDPR 準拠、個人情報保護法対応 |
| データ保持期間 | 標準 30 日、延長は有料オプション | 標準 90 日、エンタープライズで無期限保存可 |
TCO 計算項目とシミュレーション例
計算対象(年間)
1. ライセンス費用(ユーザー数 × 月額 × 12)
2. 初期導入支援費(ベンダーコンサルティング料、平均 ¥50,000/案件)
3. ストレージ・転送追加料金(Notta は 100 GB 超過で ¥0.10/GB、Otter.ai は $0.02/GB)
4. 管理工数削減効果(文字起こし時間短縮率 × 人件費)
シミュレーション例:中小企業(30 ユーザー)
| プラン | 年間ライセンス費用 | 初期支援費 | 合計 TCO | 予想工数削減効果* | ROI |
|---|---|---|---|---|---|
| Notta Business | ¥468,000 (¥1,300×30×12) | ¥50,000 | ¥518,000 | 年間 2,400 時間 × ¥3,000 = ¥7,200,000 | 約 13 倍 |
| Otter.ai Business | $20×30×12 ≈ ¥936,000 | ¥80,000(Enterprise 向け) | ¥1,016,000 | 年間 2,800 時間 × ¥3,000 = ¥8,400,000 | 約 8 倍 |
*工数削減効果は「会議 1 件あたり平均文字起こし時間が 30 分短縮」した場合の概算です。実際の効果は業務フローや音声品質により変動します。
注意:上記シミュレーションは「文字起こし時間短縮率」を仮定して計算しています。導入後は実測データで再評価し、必要に応じてパラメータを調整してください。
結論
- 日本語中心の業務では Notta が低コストかつ高 ROI を示します。
- 多言語会議や Teams 主導の組織は、追加機能による価値向上が TCO に対する効果を相殺しやすくなるため Otter.ai が適しています。
業種別おすすめツール選定フローチャートと導入支援
ここでは、利用目的に応じた意思決定プロセスを視覚化したフローチャートと、実際の導入ステップをご紹介します。段階的に比較・検証することで、導入リスクを最小限に抑えることができます。
ツール選定フローチャート
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flowchart TD A[導入目的の確認] --> B{日本語文字起こし量は多いか?} B -- はい --> C[Notta を推奨] C --> D[カスタム辞書で専門用語登録] B -- いいえ --> E{Microsoft Teams が主要会議ツールか?} E -- はい --> F[Otter.ai を推奨] F --> G[Teams 連携設定(自動起動)] E -- いいえ --> H[両方の無料トライアルで機能比較] |
- 日本語大量文字起こしが必要:Notta の高精度と大規模辞書を活用。医療・法務・教育分野に最適。
- Teams 主導の多言語会議が中心:Otter.ai の自動連携と要約機能で運用効率を向上。
導入支援の標準フロー
- 無料トライアル申し込み(30 日間)
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両サービスの公式サイトからサインアップし、管理者権限で設定画面にアクセス。
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PoC 用データで認識精度測定
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社内会議音声を 5 本程度抽出し、日本語・英語それぞれの WER を比較。
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カスタム辞書/要約テンプレート作成
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専門用語リスト(例:医療コード)を Notta に、要約キーワードを Otter.ai に設定し、社内レビューでフィードバック取得。
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セキュリティ・コンプライアンス確認
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SOC 2/ISO 27001 の監査レポートをベンダーから入手し、情報セキュリティ部門の承認を得る。
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本番環境への移行と運用教育
- ユーザー向けマニュアル作成、定期的な利用状況レビュー(文字起こし時間・エラー率)を実施。
まとめ
- サービス概要:Notta(2020 年リリース)と Otter.ai(2018 年リリース)はともに法人向けプランを提供し、近年は会議ツール連携や要約機能で差別化しています。
- 日本語精度:実測では Notta が 92 % と高く、カスタム辞書上限も最大 10,000 語と大規模です。一方 Otter.ai は 78 % の認識率に留まります。
- 多言語・要約:Otter.ai が対応言語数(30 カ国語以上)とリアルタイム要約改善率(68 %)で優位です。翻訳は両者とも外部 API に依存する点に留意してください。
- 連携と価格:Teams 自動連携は Otter.ai が最もシームレス。一方 Notta Business は ¥1,300/ユーザー/月 とコスト面で有利です。ただし、Otter.ai Business の料金は外部サイトからの引用のため、最新情報は公式ページで必ず確認してください。
- セキュリティ・TCO:両社とも SOC 2 Type II と ISO 27001 を取得しており、暗号化方式も同等です。日本語中心業務では Notta が高 ROI(約 13 倍)を示し、グローバル多言語会議では Otter.ai の追加機能が TCO に対する価値向上につながります。
最終的な選択は、貴社の「日本語文字起こし量」「主要会議ツール」「多言語要件」の3 つの軸で評価し、必要に応じてパイロットテストを実施したうえで決定してください。