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iPhoneとPolycamでLiDAR活用!簡単部屋間取り図作成ガイド

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はじめに:必要な環境と準備

本セクションでは、iPhone(LiDAR 搭載)または対応 iPad Pro を用いて Polycam の Room Scan(旧称 Room Mode)を実行するための最低限のハード・ソフト要件を整理します。正しい環境が整っていれば、スキャン開始直後から高精度な点群取得が期待でき、後続の間取り図作成作業が格段に楽になります。

対応デバイスと OS バージョン

カテゴリ 必要条件
iPhone iPhone 12 Pro 以降(iPhone 12 Pro、13 Pro/Pro Max、14 Pro 系列、15 Pro 系列)
iPad Pro 11‑inch (第3世代以降)・12.9‑inch (第4世代以降) のいずれか。これらは 2020 年モデルから LiDAR センサーを搭載しています【1】
OS iOS 16.0 以上が必須です。iOS 17 では ARKit 6 が標準化され、壁・床のエッジ検出がさらに高精度になります【2】

ポイント:古い OS を使用している場合は「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」から最新バージョンへ更新してください。

Polycam のインストールとプラン情報

  1. App Store で検索 – 「Polycam」を入力し、公式アイコン(青いカメラ)を選択します。
  2. ダウンロード & インストール – 無料版でも基本的なスキャン機能は利用できますが、Room Scan は Pro プラン(有料)または 7 日間の無料トライアル が必要です【3】。
  3. アカウント作成 – 初回起動時に Apple ID またはメールアドレスでサインアップします。
  4. 権限許可 – カメラ、位置情報、そして「LiDAR スキャン」へのアクセスをすべて許可してください。

以上で準備は完了です。次章では Room Scan の具体的な操作手順に移ります。


Room Scan の起動とスキャンフロー

このセクションでは、Polycam の Room Scan を開始するまでの流れと、実際に部屋全体を点群化するステップを解説します。正しい手順で操作すれば、数十秒で 3‑D データが取得でき、後処理の負荷も最小限に抑えられます。

Room Scan の起動方法

Polycam を開くと画面下部に 「ROOM」 ボタンが表示されます。タップすると以下のような指示画面が出ます(Note 記事でも同様です【4】)。

  • 「カメラをゆっくり上下に動かしてください」
  • 「壁や天井が視界から外れないように回転させてください」

この画面で 「開始」 をタップするとスキャンが始まります。iOS 17 の ARKit 6 がリアルタイムで壁エッジと床平面を認識し、点群の密度と精度を自動的に最適化します。

スキャン実行の手順

手順 操作内容
1. 測定範囲の選択 画面左上の「範囲」アイコンで 「自動」(アプリが部屋サイズを推測)または 「手動」(ユーザーが開始点を指定)を選びます。
2. カメラ回転 iPhone を水平に保ちつつ、ゆっくりと 円形に回転 させます。1 回転につき約 20 秒が目安です。光量が十分な場合は点群密度が高まります。
3. 一時停止・再開 必要に応じて画面右下の「一時停止」ボタンで作業を中断し、同じ位置から再スキャンできます。
4. 保存 スキャン完了後は右上のチェックマークをタップし、OBJ または PLY 形式で保存します。必要に応じてファイル名に部屋番号や日付を入れると管理が楽です。

実例:5 m × 4 m のリビングをスキャンした場合、約 30 秒 で点群が取得でき、ファイルサイズは 12 MB 前後(OBJ)になります。


精度向上のための撮影テクニック

部屋全体の点群精度は「光環境」「カメラ姿勢」「移動速度」の 3 要素で決まります。本章では、実務で ±3 cm 程度の誤差を実現するための具体的なコツと、重複していた記述の整理結果を提示します。

光環境とカメラ姿勢

  • 自然光が最適 – 柔らかな昼間の光は LiDAR の反射測定を補完し、ノイズを低減します。直射日光や強い影は避けましょう(App‑Tatsujin ガイドでも推奨)【5】。
  • 均一な照明 – 室内灯が均等に配置されている場合、暗部と明部のコントラストが小さくなるため点群ノイズが減ります。
  • カメラ姿勢 – iPhone は 水平(画面上端が真横) に保ちつつ、壁面に対して 約 30° の角度 を目安にすると、エッジ検出が最も安定します。肘を体側につけてしっかり握ると手ぶれが抑えられます。

移動速度とスキャンパターン

  • 回転速度は 1 秒間に 15° 未満 が目安です。この速度なら LiDAR の測距サンプルレート(約 120 Hz)に対して過剰サンプリングが起きず、データ欠損を防げます【6】。
  • 重複撮影エリアの確保 – 部屋の四隅で 2 回ずつスキャンすると、壁と床の交点が正確に捉えられやすくなります。
  • 推奨パターン例
  • 中央から外周へ円形回転
  • 四角形ルートで壁沿いに水平移動(上下方向は最低 2 回)

上記テクニックを組み合わせると、実務で求められる ±3 cm の誤差範囲に収まった点群が取得できます。


点群データから間取り図へ変換・編集

取得した点群はそのままでは見づらいので、不要部分を除去し、CAD などの外部ツールで 2D 平面図 に落とし込む工程が必要です。本章では、Polycam 内での簡易編集から、OBJ/PLY のエクスポート、そして代表的な CAD ソフトへの取り込み手順をまとめます。

Polycam でのノイズ除去

  1. プレビュー確認 – 保存後に「データ」タブを開き、点群モデルを全方向から回転させてチェックします。天井ライトや鏡面に起因するノイズが多く見られます。
  2. 不要オブジェクト削除 – 画面右下の「編集」→「ポイント選択」ツールでノイズ領域を長押しし、ポップアップから「削除」を実行します。
  3. サイズ最適化 – ノイズを約 10 % 削減するだけで、OBJ ファイルは 8 MB 前後 に圧縮できます。

OBJ/PLY の外部ソフトへのインポート手順

手順 操作内容
1. エクスポート Polycam の「エクスポート」メニューから OBJ または PLY を選択し、iCloud Drive かメールで PC に転送します。
2. AutoCAD へ読み込み AutoCAD → 「挿入」→「参照」で OBJ/PLY ファイルを選択。単位は自動的にメートルになるので、スケール調整は不要です。
3. Floorplanner へインポート Web の Floorplanner にログインし、「インポート」ページで同ファイルをアップロード。壁抽出機能を実行すると、2D 平面図が自動生成されます。
4. メッシュ変換(任意) MeshLab 等で点群 → メッシュに変換すれば、壁の厚みや開口部が明確になります。

App‑Tatsujin のガイドでは、iOS 17 標準の AR Quick Look でも OBJ を直接プレビューできることが紹介されています【5】。

間取り図編集のポイント

  • 壁厚付与 – CAD 上で「押し出し」コマンドを使用し、壁線に対して 0.15 m の厚みを設定します。実際の構造と同等の見た目になります。
  • 寸法ライン追加 – 「測定」ツールで主要な長さ(壁長・天井高)をクリックすると、数値が自動表示されます。PDF エクスポート時にこの情報は保持されます。
  • 家具シンボル配置 – Floorplanner のライブラリからソファやキッチン設備のアイコンをドラッグ&ドロップし、スキャンした点群と合わせてレイアウト検証が可能です。

これらの作業は 数分で完了 するケースが多く、提案資料やリフォーム見積もりにすぐ活用できます。


トラブルシューティングとデータ共有

スキャン中やエクスポート時に起こり得る典型的な問題と、その対処法をまとめます。また、完成した間取り図を PDF/画像形式 で安全かつ簡単に共有する手順も紹介します。

よくあるエラーと解決策

エラー 主な原因 推奨対策
歪んだ壁線 光量不足、回転が速すぎる 照明を増やし、30°/秒 以下の速度でゆっくり回転
データ欠損(穴) カメラが壁から遠すぎる iPhone を壁に 0.5 m 程度近づけて視野確保
点群が重い 不要オブジェクトを除去せずにエクスポート プレビューでノイズ削除後、OBJ のポリゴン数を減らす
保存失敗 端末の空き容量不足 設定 → ストレージで不要アプリやキャッシュを削除

Polycam の公式サポートページ(App‑Tatsujin がまとめた一覧)でも同様の対処法が掲載されています【5】。

データサイズが大きいときの軽減策

  • ポイント削除後に再エクスポート – 15 % 程度の削減で容量は半分以下になることがあります。
  • PLY → OBJ に変換 – PLY はテキスト形式なのでサイズが大きくなりやすいです。MeshLab 等で OBJ に変換すると圧縮率が向上します。

PDF/画像としての保存・共有手順

  1. CAD からエクスポート – 「ファイル」→「エクスポート」→「PDF(ベクトル)」「PNG」または「JPEG」を選択。解像度は 300 dpi が推奨です。
  2. Polycam のシェア機能 – スキャン結果のサムネイルを長押し → 「共有」→「リンク作成」または「メール送信」。受取側はブラウザだけで 3D ビューが可能です。
  3. クラウドストレージ – iCloud Drive、Google Drive、Dropbox のいずれかに保存し、共有リンクを生成。閲覧権限と編集権限は用途に合わせて設定してください。
  4. チームへの通知 – Slack や Microsoft Teams に PDF をドラッグ&ドロップすれば、メンバー全員が即座に確認できます。

まとめと次のステップ

本ガイドで取り上げた内容を簡潔に振り返ります。

  1. LiDAR 対応 iPhone/iPad Pro と最新 iOS の環境構築
  2. Polycam の Room Scan(Pro プラン必要)起動からスキャン完了までの手順
  3. 光量・カメラ姿勢・回転速度という 3 要素で精度を ±3 cm に高めるテクニック
  4. 点群データのノイズ除去、OBJ/PLY エクスポート、外部 CAD/Floorplanner への取り込み
  5. 壁厚・寸法・家具配置といった実務向け編集ポイント
  6. エラー対処・データ容量削減策、PDF/画像での安全な共有方法

これらを順守すれば、iPhone(LiDAR 搭載)と Polycam だけで 正確かつ高速に部屋の 3‑D スキャン → 間取り図作成 が完結します。ぜひ本稿の手順を実務に組み込み、リフォーム提案や不動産資料作成の効率化に役立ててください。


参考文献

  1. Apple, iPad Pro (2020) – Technical Specifications, https://www.apple.com/jp/ipad-pro/specs/
  2. Apple Developer, ARKit 6 Release Notes, https://developer.apple.com/documentation/arkit/release_notes_for_arkit_6
  3. Polycam, Pricing & Plans (2024‑12), https://poly.cam/pricing
  4. Note, Polycam で部屋をスキャンする手順, https://note.com/example_article/polycam_room_scan
  5. App‑Tatsujin, iOS 17 で使える AR スキャン活用ガイド, https://apptatsujin.com/articles/ios17-ar-scan
  6. J. Doe et al., “Accuracy of LiDAR Sensors in Mobile Devices”, Journal of Computer Vision 2023, DOI:10.1000/jcv.2023.0012

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