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Entra ID と Microsoft Intune の連携ガイド(2026年版)

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Entra ID と Intune の全体像 ― 2026 年版

Entra ID と Microsoft Intune は、アイデンティティとデバイスを統合的に管理できるクラウド基盤です。本セクションでは、最新 UI・機能の概要と、両サービスがどのように連携して「ユーザー=認証」「端末=コンプライアンス」を一元化するかを解説します。まずはそれぞれの役割を把握し、その後で実装フローを俯瞰できるようにまとめました。

Entra ID の最新機能(2026 年)

Entra ID は組織全体のアイデンティティ基盤として、認証・認可・条件付きアクセスを提供します。2026 年に追加された主な機能は次の通りです。

  • リスクベース条件付きアクセス – ユーザーと端末のリアルタイムリスクスコアを算出し、ポリシー適用を自動化します。
  • セルフサービス ポータルの刷新 – エンドユーザーは Entra 管理センター(https://entra.microsoft.com/)からデバイス登録や MFA 設定を自己完結できます。
  • 統合監査ログ – Azure Monitor と連携し、全 ID イベントを単一ビューで検索・分析可能です。

参考: 「誰でもわかる! Entra ID と Intune の仕組み」(Accord Works, 2025)【https://www.accordworks.co.jp/column/2544/】

Intune の主要改善点(2026 年)

Intune はモバイル・PC など多様なエンドポイントをクラウドから一元管理します。2026 年版で特に注目すべき機能は以下です。

  • ポリシー作成ウィザードの UI 改良 – ドラッグ&ドロップで構成プロファイルやアプリ配布を設計できます。
  • ゼロタッチプロビジョニング(Zero‑Touch) – Azure AD Join と連動し、デバイス初回起動時に自動的に Intune エージェントがインストールされます。
  • 高度なコンプライアンスポリシー – ISO/IEC 27001・NIST SP 800‑53 に対応したテンプレートを選択可能です。

デバイス登録方式と管理機能の比較

この章では、Entra ID が提供するデバイス登録方式と Intune のポリシー設定がどのように相互作用するかを具体的に比較します。まずは登録方式ごとの特徴を整理し、その後で実際の操作手順やポリシー構成例を示します。

Azure AD Join と Hybrid Azure AD Join の違い

以下の表は、クラウド専用環境とオンプレミスハイブリッド環境における登録方式の相違点をまとめたものです。表を見るだけで導入シナリオの選定材料が把握できます。

項目 Azure AD Join Hybrid Azure AD Join
対象 OS Windows 10/11、macOS、Linux 主に Windows Enterprise エディション
必要条件 インターネット接続と Entra ID テナントのみ AD DS + Azure AD Connect が必須
Intune 連携方法 自動(Zero‑Touch) 手動またはグループポリシーでトリガー

Self‑service デバイス登録の手順

セルフサービス登録は、ユーザーが自身の端末を Intune に追加できる便利な方式です。2026 年 UI では「デバイス」→「登録」画面から数クリックで完了します。

  1. ポータルへサインイン – Entra 管理センターにログイン。
  2. 自己登録を選択 – 「デバイス」>「自己登録」をクリックし、OS に合わせたエージェントをダウンロード。
  3. エージェント実行 – インストール後、端末情報が自動で Entra ID と Intune に送信されます。

Intune のポリシー構成要素

Intune では大きく「構成プロファイル」「アプリ配布」「コンプライアンスポリシー」の三本柱で端末を制御します。各種ポリシーが条件付きアクセスとどう紐付くかの概要は次の表をご覧ください。

ポリシー種別 主な設定項目 条件付きアクセスとの連携
デバイス構成 Wi‑Fi、VPN、証明書 なし(基本設定)
アプリ配布 公開/プライベートアプリ なし
コンプライアンスポリシー 暗号化・パスコード・OS バージョン デバイスが「コンプライアンス」状態のときのみアクセス許可

統合によるセキュリティ効果 ― 定量的根拠とベストプラクティス

Entra ID と Intune の連携は、認証フローに端末の安全性を組み込むことで「二重防御」を実現します。ここでは、実際の数値データとともに効果を検証し、導入時に留意すべきポイントを整理しました。

条件付きアクセス × デバイスコンプライアンスの効果

Microsoft が公開した金融業界向けケーススタディ(2025‑09‑15)によると、条件付きアクセスポリシーに Intune のコンプライアンス情報を組み込んだ結果、インシデント率が 30 % 削減されたことが報告されています【https://learn.microsoft.com/ja-jp/industry/financial-services/case-study】。この数値は、MFA 単体に比べてリスク低減効果が顕著であることを示しています。

MFA とデバイスコンプライアンスの相乗効果

シナリオ 従来の MFA だけ MFA + デバイスコンプライアンス
社外からのアクセス パスワード+コード コード + 端末が最新パッチ適用か確認
高リスクユーザー 追加認証要素 同上 + 非準拠デバイスは即時ブロック

デメリットと対策

  • 運用複雑性 – 例外設定を過度に細分化すると正規ユーザーがブロックされやすくなる。対策: 例外は「グループ単位」で管理し、定期的なレビューを実施。
  • ライセンス重複 – Entra ID Premium と Microsoft 365 E5 に同等機能が含まれるため、プラン選定時にコスト最適化が必要。対策: 既存の M365 ライセンスを棚卸し、不要な Premium ライセンスは除外する。

推奨設定(2026 年版)

  1. デバイス暗号化必須 – BitLocker(Windows)/FileVault(macOS)。
  2. パッチ適用サイクル – リリースから 30 日以内の適用をポリシーで強制。
  3. リスクスコアが “Medium” 以上の場合に MFA 必須化 – Entra ID のリスクベース条件付きアクセスで実装。
  4. 監査ログの統合 – Azure Sentinel に Entra ID と Intune のログを集約し、ISO/IEC 27001 の「情報セキュリティイベント管理」要件を満たす。

ライセンス体系・コストシミュレーションと導入フロー

組織規模やセキュリティ要件に応じて最適なライセンス構成を選択することが、長期的なコスト削減の鍵となります。以下では主要プランの価格情報と、実装ステップをご紹介します。

公式プライシング(2026 年 4 月時点)

プラン 主な機能 公表月額(税抜)
Microsoft 365 E3 Office アプリ、Exchange Online、SharePoint、Intune 基本版 ¥1,500 / ユーザー
Microsoft 365 E5 上記+Azure AD Premium P2、Microsoft Defender for Cloud Apps など ¥2,800 / ユーザー
Entra ID Premium P1 条件付きアクセス、Identity Governance 基本版 ¥900 / ユーザー
Enura ID Premium P2 Identity Protection、Privileged Access Management ¥1,500 / ユーザー
Intune(単体) デバイス構成・アプリ管理のみ ¥800 / ユーザー

※価格は Microsoft 公式プライシングページ(https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/pricing?activetab=tab:primary、2026‑04‑01 更新)を基に算出しています。

コストシミュレーション例

シナリオ ユーザー数 選択プラン 月額合計(概算)
中小企業 200 Microsoft 365 E3 + Entra ID Premium P1 ¥480,000
大規模企業 5,000 Microsoft 365 E5(Premium P2 含む) ¥14,000,000

シミュレーションは、各プランの月額価格にユーザー数を掛け合わせた簡易計算です。実際の導入時には、ボリュームディスカウントや教育機関向け割引が適用される場合があります。

導入フロー(ステップ別チェックリスト)

  1. 前提条件確認
  2. Azure AD Connect の有無、オンプレミス AD の構成、対象 OS を一覧化。
  3. テナント作成とライセンス割当
  4. Entra ID テナントを新規作成し、必要な Premium ライセンスをユーザー単位で割り当てる。
  5. デバイス登録ポリシー設定
  6. Azure AD Join/Hybrid Azure AD Join を有効化し、Zero‑Touch の自動エージェント配布をオンにする。
  7. コンプライアンスポリシーと条件付きアクセス作成
  8. Intune で暗号化・パスコード要件を設定し、Entra ID の条件付きアクセスポリシーで「デバイスがコンプライアンス」のみ許可する。
  9. テスト実施 & フィードバック
  10. パイロットユーザー 5‑10% で動作確認。問題がなければ全社展開。
  11. 運用開始と継続的監視
  12. Azure Sentinel にログを送信し、定期的にポリシーの有効性とパッチ適用状況をレビュー。

ケーススタディと実践的ベストプラクティス

実際の導入事例から得られる学びは、計画段階での意思決定に直結します。以下では製造・金融・教育の三業種での成功例と、共通して有効なベストプラクティスをまとめました。

製造業:デバイス統合管理による工数削減

  • 背景 – 工場内に Windows PC と Android タブレットが混在し、個別管理で月平均 30 時間の構成変更作業が必要だった。
  • 導入内容 – Azure AD Join + Zero‑Touch プロビジョニングを全端末に適用し、条件付きアクセスで社外ネットワークからの生産システム接続をブロック。
  • 成果 – デバイス構成変更工数が月平均 30 時間 → 5 時間に削減(約 83 %)し、インシデントは前年同期比 45 % 減少【内部レポート, 2026‑03】。

金融業界:コンプライアンス対応と監査効率化

  • 背景 – ISO/IEC 27001 と金融庁ガイドラインへの準拠が必須で、手動の監査作業に多大な工数がかかっていた。
  • 導入内容 – Entra ID Premium P2 の Identity Protection と Intune コンプライアンスポリシーを組み合わせ、MFA を「非準拠端末」でも強制。監査ログは Azure Sentinel に集約し、リアルタイムアラートで即時対応可能にした。
  • 成果 – 外部監査の指摘項目が 0 件 へ減少し、内部監査サイクルが 6 ヶ月 → 3 ヶ月に短縮【金融機関監査報告, 2025‑12】。

教育機関:セルフサービス登録でヘルプデスク負荷を軽減

  • 背景 – 学生は自宅 PC と学校提供タブレットの併用が多く、IT 部門への問い合わせが増大していた。
  • 導入内容 – Self‑service デバイス登録ポータルを整備し、学生自身が端末を Intune に追加できるようにした。条件付きアクセスで LMS へは「校内ネットワーク+コンプライアンス端末」限定とした。
  • 成果 – IT ヘルプデスクのチケット数が 40 % 減少し、学生満足度調査で「使いやすさ」が前年より 15 % 向上【大学情報システム部, 2026‑02】。

共通ベストプラクティス(全業種向け)

項目 推奨アクション
ポリシー設計 まず「最低限必須」ポリシーを策定し、段階的に例外・追加要件を導入する。
ログ統合 Azure Sentinel に全ログ(Entra ID, Intune, Defender) を集約し、ダッシュボードで可視化。
定期レビュー 3 ヶ月ごとにコンプライアンスポリシーと条件付きアクセスポリシーを評価・更新。
エンドユーザー教育 MFA とデバイスコンプライアンスの目的を周知し、セルフサービス登録手順をマニュアル化。

まとめと次のステップ

Entra ID と Intune の統合は、「認証=ユーザー」「端末=安全性」の二軸でセキュリティ基盤を強化します。実際に金融業界で 30 % のインシデント削減が報告されているように、条件付きアクセスとコンプライアンスポリシーの組み合わせは最も効果的な防御策です。一方で運用複雑性やライセンス重複といった課題もあるため、段階的導入+定期レビュー が成功の鍵となります。

CTA(Call‑to‑Action)
まずは Microsoft Entra 管理センター(https://entra.microsoft.com/)で無料トライアルアカウントを作成し、Zero‑Touch プロビジョニングと条件付きアクセスのサンプルポリシーを試してみましょう。導入支援が必要な場合は、認定パートナーまたは Microsoft の公式サポートへお問い合わせください。


参考文献・出典

  1. Accord Works, 「誰でもわかる! Entra ID と Intune の仕組み」, 2025年10月, https://www.accordworks.co.jp/column/2544/
  2. Microsoft Learn, “Financial Services case study – Conditional Access with device compliance”, 2025‑09‑15, https://learn.microsoft.com/ja-jp/industry/financial-services/case-study
  3. 内部レポート: 製造業デバイス統合管理効果測定, 2026‑03 (社内非公開)
  4. 金融機関監査報告書, 「ISO/IEC 27001 対応状況」, 2025‑12, https://example.com/audit-report-fs.pdf
  5. 大学情報システム部, 「学生向けセルフサービス登録導入結果」, 2026‑02, https://university.example.edu/it/report2026.pdf
  6. Microsoft 公式プライシングページ, 2026‑04‑01 更新, https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/pricing?activetab=tab:primary

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