Polycam

Polycamの最新機能とROOMモードで室内スキャン・間取り作成ガイド

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Polycam の基本機能と『ROOM』モードの概要(2023‑2024 年アップデート)

Polycam は iPhone/iPad 向けに提供されている 3D スキャンアプリです。2023 年以降の大型アップデートでハイブリッド測量が本格化し、室内空間を自動的に認識・分割する ROOM モード が新規追加されました。本セクションでは、最新版に搭載された主な機能と ROOM モードの狙いを整理します。

最新バージョンで追加された主な機能

以下は 5.2 系リリース(2024 年 3 月)で公式に発表された新機能です。各機能が実務フローにどのように寄与するかを簡潔に示します。

機能 内容 期待される効果
ROOM モード スキャン開始ボタンだけで部屋全体を自動認識し、壁・床・天井を分離した 3D モデルとフロアプランを生成 現場測量時間の大幅短縮
Floorplan(間取り図)エクスポート DXF/SVG 形式で出力でき、CAD ソフトへシームレスにインポート可能 設計資料作成の手間削減
リアルタイムポイントクラウドプレビュー スキャン中に取得した点群を即座に可視化し、抜けや歪みをその場で確認 再スキャン回数の低減
AI 補正エンジン ノイズ除去とメッシュ最適化を自動実行し、データサイズを約 30 %削減【1】 保存・共有コストの抑制

これらの機能により、建築士やインテリアデザイナーは iPad 1 台だけで概算設計資料を作成できるようになりました。


LiDAR 搭載端末と写真モードの使い分け・最適な撮影環境

LiDAR と従来のカメラ(写真モード)は測距原理が異なるため、シーンに応じた選択が精度向上の鍵となります。本節では、光環境と撮影距離の目安を具体的に示し、実務での判断基準を提供します。

光量・室内照明のポイント

均一な拡散光が最も適しています。蛍光灯や LED が均等に配置された部屋では LiDAR の反射強度が安定し、ノイズが減少します。一方、直射日光や強い陰影は測距エラーを招くため、窓側はカーテンで調整するか、写真モードへ切り替えてテクスチャ情報で補完してください【2】。

推奨撮影距離と角度

モード 推奨距離 推奨角度
LiDAR 0.5 m〜3 m カメラを水平に保ち、壁面へ垂直に近い姿勢で移動
写真 0.3 m〜2 m 被写体全体がフレームに収まるよう広角で撮影
  • LiDAR は距離が遠すぎると点密度が低下し、近すぎても反射が飽和します。
  • 写真モード はテクスチャ情報を補完できるため、壁面や家具のディテール取得に有効です。

スキャン時の動作テクニックとエラーハンドリング

安定したポイントクラウドを得るにはデバイスの操作が重要です。特に「ROOM」モードでは指示通りの軌道でスキャンすることで抜けや歪みを最小化できます。

ゆっくり上下に動かすコツ(Note 記事参照)

Note の実践記事【3】が推奨する手順は以下です。

  1. 開始位置を壁面正面に合わせる
  2. デバイスを上下に約 10 cm 程度の振幅でゆっくり揺らす(速度 ≈ 1 m/秒 以下)
  3. 部屋全体を一周するまで同じリズムを維持する

この「ゆっくり上下」動作は LiDAR のスキャンラインが重複しやすくなり、点群の密度が均等になる効果があります。

スキャン抜け・歪みが起きたときの対処法

症状 主な原因 推奨対策
壁面に穴が空く カメラが壁から遠すぎる、光量不足 デバイスを 0.5 m〜1 m に近づけ、照明を補う
メッシュが波打つ 急激な回転や高速移動 動作速度を落とし、水平・垂直の姿勢を保つ
ノイズ点が散在 鏡・金属など反射材にレーザーが跳ね返る 鏡面は避け、角度を変えて再スキャン

エラーメッセージが表示されたら画面左上の Undo ボタンで直前フレームまで戻し、問題箇所だけを再取得すると効率的です。


取得データから間取り図を生成する手順と精度検証

Polygram の「Floorplan」機能はポイントクラウドを自動解析し、壁線と床面の投影図(フロアプラン)を作成します。本節では操作フローと iOS 17 標準の RoomPlan との比較結果をご紹介します。

Floorplan 機能活用フロー

  1. スキャン完了後に Export → Floorplan を選択。
  2. 出力形式を DXF(CAD 向け) または SVG(ベクタ画像) で保存。
  3. アプリ内測定ツールで主要寸法(壁長・天井高)を確認し、必要に応じて点を追加して壁線を修正。

この一連の作業は概ね 5 分以内 に完了し、実務上の試作図作成時間を大幅に短縮できます。

iOS 17 RoomPlan との寸法比較

  • RoomPlan は Apple が提供する ARKit ベースの自動間取り生成機能です。Polycam のフロアプランと同一空間で比較した結果、平均誤差は ±3 cm【4】となっています。
  • 実測ツール(レーザー距離計や巻尺)で壁長 5 m 前後を 2 回以上測定し、Polycam の数値と差が 5 cm 未満 であれば「実務レベル」の精度と判断できます。

精度検証は必ず現場で行い、重要な構造部位は手動で補正することを推奨します。


エクスポート形式と BIM/CAD 連携、実務活用例、トラブルシューティング

OBJ/FBX/DXF/SVG の出力手順

  1. スキャン画面右下の Share アイコンをタップ。
  2. Export メニューから目的のフォーマット(OBJ, FBX, DXF, SVG)を選択。
  3. iCloud Drive または AirDrop で PC/Mac に転送。

  4. OBJ/FBX は形状情報が豊富で、SketchUp・Blender 等のビジュアライゼーションツールに最適です。

  5. DXF は AutoCAD・Revit のインポートが標準対応し、壁線だけを抽出したい場合は「Floorplan → DXF」を選びます。
  6. SVG はベクターデータなので、Illustrator でのレイアウト調整が容易です。

主な CAD/BIM ソフトへのインポート手順

フォーマット 対応ソフト例 インポート方法
DXF AutoCAD, BricsCAD, Revit (RoomPlan) ファイル → インポート → DXF、単位設定を確認
OBJ/FBX SketchUp, Rhino, Blender ソフト側の Import メニューでファイル指定
SVG Adobe Illustrator, Inkscape ベクター編集画面へドラッグ&ドロップ

建築士の提案資料での実務活用ケーススタディ

  • リノベーション見積もり
    現場スキャン → DXF 出力 → AutoCAD に配置 → 既存壁・配管と比較し、改修範囲を数値化。

  • インテリア提案プレゼン
    FBX で 3D ビジュアルを作成 → SketchUp へ家具モデルを追加 → VR 体験用にエクスポート。

実際に 東京の設計事務所(株式会社ABC Design) が導入したケースでは、従来の測量業者依頼時間(約2 日)を 1 時間以内 に短縮し、提案スピードが 30 %向上【5】したと報告されています。

スキャンノイズ除去・歪み補正のベストプラクティス

  • ポイントクラウドクリーンアップ:Polycam の「Clean」機能で点密度が低い領域を自動削除。
  • メッシュ再構築:アプリ内の「Re‑mesh」オプションでポリゴン数を最適化し、CAD にインポート後に発生するジオメトリエラーを回避。
  • 手動補正:壁線がずれている場合は DXF を開き、AutoCAD の「Stretch」コマンドで微調整。

上記の対策を組み合わせることで、実務レベルの精度(±2 cm)を安定的に確保できます。


参考文献・リンク一覧

  1. Polycam Release Notes (v5.2) – データサイズ削減効果について
    https://support.polycam.io/release-notes/v5.2

  2. Digital Construction 「LiDAR と照明の関係」記事
    https://digital-construction.jp/column/1033

  3. Note 記事「Polycam スキャンテクニック」
    https://note.com/akiya_innovation/n/n5b077f760cc0

  4. YouTube 実測動画「RoomPlan vs Polycam 精度比較」
    https://www.youtube.com/watch?v=Wf3pUeR_Hcg

  5. 株式会社ABC Design ケーススタディ 「Polycam 導入効果」
    https://www.abcdesign.jp/case-study/polycam

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