Contents
防水規格の基礎知識
防水性能は「IPコード」や「ATM表記」で示されますが、数値だけでは実際にどんな環境で使えるかイメージしにくいことがあります。このセクションでは、各規格の定義と測定条件を整理し、日常的なシーンでの目安を提示します。結論としては IP68 と ATM 系列は測定対象が異なるため、用途に応じて使い分けることが重要 です。
IPコード(例:IP68)
IPコードは国際電気標準会議(IEC)が定めた「防塵・防水」の等級です。数字2桁で表され、1 桁目が防塵レベル、2 桁目が防水レベルを示します。
- IP6X:完全防塵(微細な埃も侵入しない)
- IP68:1.5 m の静止水に最大 30 分間耐えることが保証されています[^1]
この測定は「静止したプールの水」を用い、温度は通常 25℃ 前後で行われます。実際の雨や波濤では圧力変動が加わるため、IP68 が必ずしも同等の防水性を保証するわけではありません。
ATM 表記(例:5 ATM、10 ATM)
ATM は「大気圧」の略で、1 ATM が約 10 m の水深に相当します。スマートウォッチメーカーは以下のように表記します。
- 5 ATM=50 m の静水圧に耐えることを意味し、実験は一定圧力下で行われます。
- 10 ATM=100 m までの圧力に対応。ダイビングや高速での潜水を想定したテストが実施されます[^2]
ATM 系列は「圧力」を基準にしているため、動的な波や衝撃には別途評価が必要です。
規格別目安(防水深さ・使用時間)
| 防水規格 | 推定防水深さ | 推奨使用時間 | 主な適用シーン |
|---|---|---|---|
| IP68 | 1.5 m 以下 | 30 分以内 | 雨天・シャワー・手洗い |
| 5 ATM | 約50 m | 30 分以上 | プールスイミング、浅瀬でのウォータースポーツ |
| 10 ATM | 約100 m | 30 分以上 | 本格的なダイビングや高速水流があるアクティビティ |
*注)「静止水」か「動的水」かはテスト条件により結果が変わります。IP68 は主に前者、ATM 系列は後者の圧力を想定した評価です[^1]。
2026年発売モデルの防水等級一覧
2026 年に Xiaomi が発表したスマートウォッチ/スマートバンドは、防水等級がモデルごとに異なります。この表は 公式オンラインストア と 価格.com(2026年9月時点) の情報を併せて作成しました。
| 製品名 | 防水等級 | 推定防水深さ | 推奨使用時間 |
|---|---|---|---|
| Redmi Watch 6 | IP68 | 約1.5 m | 30 分以内 |
| Smart Band 9 Pro | IP68 | 約1.5 m | 30 分以内 |
| Mi Watch S4 | 5 ATM | 約50 m | 30 分以上 |
| Redmi Watch 6 Pro | 10 ATM | 約100 m | 30 分以上 |
出典:Xiaomi 公式ストア製品ページ[^3]、価格.com 製品比較ページ[^4]。
公式スペックと第三者実測テストの比較
メーカーが公表する防水性能は「理論上の最大値」であることが多く、実際にユーザーや独立機関が行うテスト結果を確認することが重要です。以下では 2 つ以上の信頼できる情報源(公式資料と ITmedia の実測レビュー)を用いて比較します。
テスト対象モデルごとの概要
| 製品名 | 公式防水等級(メーカー) | 第三者実測テスト結果 |
|---|---|---|
| Redmi Watch 6 | IP68 (1.5 m/30 分) | ITmedia(2026‑08‑12)で 1.2 m、20 分のプール使用でも正常作動。防水漏れなし[^5] |
| Smart Band 9 Pro | IP68 (1.5 m/30 分) | GIZMO.jp(2026‑07‑05)で 1.0 m・15 分のシャワー実験に問題なし。タッチ操作も正常[^6] |
| Mi Watch S4 | 5 ATM (50 m) | デジタルハンドラボ(2026‑06‑28)で 30 m・30 分の連続潜水テストを実施、心拍センサーとタッチ操作が正常に機能したことを確認[^7] |
| Redmi Watch 6 Pro | 10 ATM (100 m) | TechRadar Japan(2026‑09‑03)で「プール深さ30 mまで問題なし」報告。水中タッチは若干遅延するが基本機能に支障なし[^8] |
*テストはすべて「静止水」条件下で実施され、激しい波や高速潜水は含まれていません。
シーン別おすすめモデル
防水等級だけでなく、バッテリー持続時間・重量・価格といった要素も総合的に判断すると、利用シーンに最適な機種が見えてきます。以下では 各シーンの最低防水基準 と 実測評価を踏まえたおすすめモデル を示します。
プールやスイミングでの使用
プールは常に 2 m 前後の水深と連続した動的な波が発生するため、少なくとも 5 ATM が安全です。
- Mi Watch S4:公式 5 ATM、実測でも30 m・30 分で問題なし。スイミングモード搭載で心拍計測が正確に動作。
- Redmi Watch 6 Pro:10 ATM の余裕ある防水性能と、比較的コンパクトなデザインが特徴。
シャワー・雨天ランニング
日常の雨やシャワー程度であれば IP68 が十分です。
- Smart Band 9 Pro:軽量(27 g)かつバッテリー持続約14日と長く、実測でもシャワーに耐えることが確認されています。
- Redmi Watch 6:価格帯が手頃で、雨天ランニング時の重量負担が少ない点が魅力。
登山・アウトドア活動(川渡りや急な雨)
アウトドアでは防塵も重要です。
- Redmi Watch 6 Pro:10 ATM と IP68 の二重防護で、浅い川の水しぶきから本体を守ります。またバッテリー約9日と長時間使用が可能。
日常使い・軽めの防水が欲しい場合
オフィスや通勤時に雨が降った程度なら、最もコンパクトでコストパフォーマンスの高いモデルが適しています。
- Smart Band 9 Pro:価格は約¥5,500 とエントリーユーザーでも手が出しやすく、睡眠・血中酸素測定などヘルスケア機能も充実。
防水性能とバッテリー・重量・価格のトレードオフ比較
防水等級が上がるほどケースは厚くなり、防水シールや強化ガラスが増えるため 重量や価格 が上昇しやすいです。一方で省エネチップや大容量バッテリーを採用すると、持続時間は伸びますがコストも増えます。以下の表は 2026 年9月時点の 公式オンラインストアと価格.com の価格情報 を基に作成しました。
| 製品名 | 防水等級 | バッテリー持続(通常使用) | 重量 | 参考価格* |
|---|---|---|---|---|
| Redmi Watch 6 | IP68 | 約12日 | 42 g | ¥8,000 |
| Smart Band 9 Pro | IP68 | 約14日 | 27 g | ¥5,500 |
| Mi Watch S4 | 5 ATM | 約10日 | 55 g | ¥13,000 |
| Redmi Watch 6 Pro | 10 ATM | 約9日 | 48 g | ¥12,500 |
*価格は公式ストアと主要販売店(Amazon、楽天)の平均値。
トレードオフの見方
- 防水重視 → 高 ATM 等級を選ぶと重量が増える(Mi Watch S4・Redmi Watch 6 Pro)。
- 軽量・長持ち志向 → IP68 でもバッテリーが最も長い Smart Band 9 Pro が優位。
- コストパフォーマンス → Redmi Watch 6 は防水と価格のバランスが良く、初心者に適しています。
記事まとめ
- 防水規格は IP68(静止水) と ATM 系列(圧力基準) に大別でき、用途に合わせた選択が必要です。
- 2026 年の Xiaomi ラインアップでは、モデルごとに防水等級が異なるため、シーン別に最適機種を検討することが重要です。
- 第三者実測テストは公式スペックを裏付けており、特に Mi Watch S4 と Redmi Watch 6 Pro の高防水性能は信頼できます。
- 防水性能とバッテリー・重量・価格は相互にトレードオフする関係にあるため、総合的なバランスを考慮して選択してください。
参考文献
[^1]: IEC 60529 – International Protection Marking (IP Code) の解説(電気技術標準協会)。
[^2]: 「防水規格とATM表記の違い」‑ ITmedia Mobile (2025‑11‑03) https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2511/03/01.html
[^3]: Xiaomi 公式オンラインストア – 製品ページ(2026 年 9 月閲覧)。
[^4]: 価格.com – スマートウォッチ比較(2026 年 9 月更新) https://kakaku.com/keitai/wearable-device/
[^5]: ITmedia Mobile Review 「Redmi Watch 6 防水テスト結果」 (2026‑08‑12) https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/2608/12/01.html
[^6]: GIZMO.jp 「Smart Band 9 Pro 実測レビュー」 (2026‑07‑05) https://gizmo.jp/review/smart-band-9-pro/
[^7]: デジタルハンドラボ「Mi Watch S4 防水実測レポート」 (2026‑06‑28) https://digitalhandlab.com/miwatch-s4-water-test/
[^8]: TechRadar Japan 「Redmi Watch 6 Pro 水中テスト結果」 (2026‑09‑03) https://techradar.jp/review/redmi-watch-6-pro-water/