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AIエージェント利用可能プランと必要権限
Jira Service Management で Atlassian Intelligence(AI エージェント) を使用できるのは、Premium プランと Enterprise プランだけです。これらのプランに加入している組織は、AI による自動応答や課題割り当て機能を有効化できます。また、設定変更にはシステム管理者またはプロジェクト管理者の権限が必須となります。本節では対象プランと必要ロールを整理し、導入前に確認すべきポイントを示します。
対応プラン一覧
| プラン | AI エージェント利用可否 | 必要な権限 |
|---|---|---|
| Free | ❌ | - |
| Standard | ❌ | - |
| Premium | ✅ | システム管理者、プロジェクト管理者 |
| Enterprise | ✅ | システム管理者、プロジェクト管理者 |
- Premium/Enterprise のみが AI 機能を提供し、他プランでは設定項目自体が表示されません。
必要な管理者ロール
- システム管理者
- 組織全体の AI 設定(有効化スイッチやデータ保持ポリシー)を変更できる。
- プロジェクト管理者
- 個別プロジェクトで VSA の作成・チャンネル割り当てなど、プロジェクト単位の設定が可能。
管理コンソールでの AI 機能有効化手順
AI エージェントを本番環境で利用開始するには、管理コンソールから機能をオンにする必要があります。本節では、画面遷移と操作ポイントを段階的に解説します。
手順1: 管理コンソールへログイン
Jira Cloud にシステム管理者権限でサインインし、対象プロジェクトの管理ページへアクセスします。
- ① Jira Cloud のトップ画面右上から自分のアカウントを選択 → 「サイト管理」 をクリック
- ② 左側メニューの 「製品」 > 「Jira Service Management」 を開く
- ③ 対象プロジェクト名をクリックし、プロジェクト設定画面へ遷移
手順2: AI エージェント設定ページへ移動
管理コンソール内の AI 機能は「AI & Automation」セクションに集約されています。
- ① 上部メニューの 「設定」 を選択
- ② サブメニューから 「AI & Automation」 → 「AI エージェント」 をクリック
- ③ ページ上部に表示される 「AI 機能を有効化」 スイッチが操作対象です
手順3: 有効化スイッチとオプション選択
| 操作 | 内容 |
|---|---|
| スイッチON | 利用規約とデータ保持ポリシーの確認ダイアログが表示されます。 |
| オプションチェック | 「自動要約」「JQL アシスト」など、利用したい機能にチェックを入れます。 |
| 保存 | 「保存」 をクリックすると設定が反映され、数分で AI 機能が有効化します。 |
詳細な手順は Atlassian 公式ドキュメントをご参照ください → https://support.atlassian.com/jira-service-management-cloud/docs/enable-atlassian-intelligence/
仮想サービスエージェント(VSA)とマルチチャネル連携
仮想サービスエージェントは、AI が一次問い合わせを自動で処理し、Slack・Microsoft Teams などの外部ツールへシームレスに橋渡しします。本節では主要チャネルとの接続手順を示します。
Slack・Microsoft Teams との統合手順
- VSA 作成
- 「AI エージェント」 > 「仮想サービスエージェント」画面で 「新規作成」 をクリックし、名前と説明を入力して保存。
- 接続先選択
- 作成した VSA の設定タブで 「接続先」 に Slack または Teams を選択し、表示される OAuth 認証 URL をコピー。
- 認証実行
- 組織の Slack/Teams 管理者が認証画面でアプリを承認すると、連携が完了します。
- チャネルマッピング
- 対象の Slack チャンネルや Teams のチーム/チャットを VSA に割り当て、以降のメッセージは自動的に Jira 課題へ変換されます。
メール・埋め込みウィジェットの接続設定
- メール
- VSA 作成画面の 「メール」 タブで専用受信用アドレス(例:
support@yourdomain.com)を取得し、社内外からの問い合わせが自動的に Jira Service Management に取り込まれます。 - 埋め込みウィジェット
- ヘルプセンター設定の 「ウィジェット」 → 「コード生成」 で取得したスクリプトを自社サイトへ貼り付けるだけで、訪問者はリアルタイムに AI が回答する窓口を利用できます。
公式ガイド(英語): https://support.atlassian.com/jira-service-management-cloud/docs/virtual-agents/
実務で活用できるユースケースと新機能例
AI エージェントは単なるチャットボットではなく、課題管理全体に組み込める汎用ツールです。ここではすぐに導入可能な代表的シナリオを紹介します。
一次対応自動化(サンプルワークフロー)
- 問い合わせ受信 → VSA がメッセージ内容を解析
- 自動要約・回答 → 「自動要約」アクションで要点をコメントに投稿し、ナレッジベース記事へのリンクを付与
- 自動割り当て → Automation for Jira の「課題作成時」トリガーで 「AI が推奨するチーム」 に課題を自動転送
このフローにより、定型的な質問は即座に解決し、担当者の負荷が大幅に削減されます。
チケット要約と JQL アシスト
- 目的:長文説明や添付ファイルから重要情報を抽出し、検索クエリ作成を支援
- 実装例
- Automation の「課題更新時」トリガーで AI 「要約生成」アクションを呼び出す
- 要約結果に基づき、
project = XYZ AND created >= -30dのような JQL を自動提案し、検索画面へ表示
ナレッジベース自動生成
- プロセス
- 課題が「解決済み」ステータスに遷移したタイミングで AI 「コンテンツ生成」アクションを実行
- 生成されたドラフト記事を Confluence の指定スペースへ自動保存
- 編集者がレビュー後、公開すれば次回以降の同様問い合わせに即座に活用可能
オンボーディングフローへの組み込み
新入社員向けの IT サポート要求(アカウント作成・デバイス設定)を VSA が受領し、Agents in Jira 機能で AI エージェント自体を課題に割り当てます。AI が進捗管理やリマインダー送信まで行うため、担当者は手作業を減らせます。
Atlassian Intelligence の詳細は公式ページをご確認ください → https://support.atlassian.com/jira-service-management-cloud/docs/atlassian-intelligence-overview/
運用・ベストプラクティス
AI エージェントは高い利便性を提供しますが、誤応答やデータ保護リスクに備える運用体制が不可欠です。本節では安全かつ効果的に活用するための指針をまとめます。
提案レビューとエスカレーション設定
- レビュー工程
- Automation で「AI が生成したコメント → 承認待ちステータス」へ遷移させ、担当者が手動で承認後に公開するフローを構築。
- エスカレーション基準
- AI の自信度(Confidence Score)が 70 % 未満 と判定された場合は、自動的に人間のエージェントへ割り当て、優先度を「高」に設定するルールを追加。
データプライバシーとコンプライアンス
| 項目 | 内容(Atlassian 公式) |
|---|---|
| データ保持期間 | AI リクエストログは最大 90 日 保存され、その後自動削除されます。 |
| 学習利用の可否 | デフォルトでは顧客データはモデル学習に使用されません(オプトイン制)。必要に応じて管理コンソールで設定変更可能です。 |
| 権限管理 | AI 機能の有効化・無効化はシステム管理者のみが実行でき、監査ログを有効化して操作履歴を記録します。 |
| リージョン対応(Enterprise) | データセンター所在地を選択できるため、地域別法規制(例: GDPR)に合わせた設定が可能です。 |
定期メンテナンスとモニタリング
- 月次レポート
- AI 提案精度や利用頻度のダッシュボードを確認し、改善ポイントを洗い出す。 |
- ナレッジベース同期
- ナレジベース記事の更新と同時に AI 学習データもリフレッシュし、最新情報が反映されるようにする。 |
- 新機能パイロット
- 新リリース(例: 「Agents in Jira」)はまず限定プロジェクトでテストし、問題が無いことを確認してから全社展開する。
まとめ
- 対象プランと権限:AI エージェントは Premium/Enterprise が利用対象。設定変更にはシステム管理者またはプロジェクト管理者の権限が必須です。
- 有効化手順:管理コンソールでスイッチをオンにし、必要なオプションを選択すれば数分で機能が使用可能になります。
- マルチチャネル連携:VSA を通じて Slack・Teams・メール・埋め込みウィジェットと統合でき、一次対応の自動化が実現します。
- 実務ユースケース:一次応答、要約&JQL アシスト、ナレッジベース自動生成、オンボーディング支援など、多彩な活用例があります。
- 運用ベストプラクティス:AI の提案は必ず人間がレビューし、エスカレーション基準とデータ保持ポリシーを遵守することで信頼性とコンプライアンスを確保します。
これらのポイントを踏まえて Jira Service Management の AI エージェント を導入すれば、サポート業務の効率化と顧客満足度向上を同時に実現できます。
参考リンク(公式)
- Atlassian Intelligence の概要
- AI 機能の有効化手順
- 仮想サービスエージェント(Virtual Agents)ガイド