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ダウンロードとインストール手順
SAP Concur のモバイルアプリは、公式 App Store/Google Play に掲載されている唯一の正規版です。ここでは、iOS と Android それぞれで安全に取得し、利用開始までに必要な前提条件を確認します。
iOS(iPhone / iPad)でのインストール手順
以下の手順は iOS 13.0 以降のデバイスを対象としています。
- App Store を開く。
- 検索バーに「SAP Concur」と入力し、提供元が「SAP SE」 のアプリを選択する。
- 「入手」→「インストール」をタップし、Apple ID または Face / Touch ID で認証する。
ポイント:同名の非公式アプリが混在していることがありますので、必ず提供元を確認してください。
Android(スマートフォン / タブレット)でのインストール手順
Android 9.0(Pie)以降で利用可能です。
- Google Play ストア を開く。
- 検索窓に「SAP Concur」と入力し、提供元が「SAP SE」 の公式アプリを選ぶ。
- 「インストール」をタップし、ダウンロードと配置が完了するまで待つ。
前提条件と注意点(表)
| 項目 | 必要な環境・設定 |
|---|---|
| OS バージョン | iOS 13.0 以降 / Android 9.0 以降 |
| ネットワーク | 安定した Wi‑Fi または LTE |
| 社内認証 | SSO(Azure AD、Okta 等)または Concur ID/パスワード |
| デバイス管理 | MDM(Intune、MobileIron 等)と連携が必須になるケースあり |
| 許可設定 | ストレージ・カメラへのアクセス許可をオンにする |
備考:本稿執筆時点の情報です。社内ポリシーや OS のバージョン要件は、導入前に担当 IT 部門で最終確認してください。
初回サインインと会社プロファイル設定
アプリ起動後の最初の操作は「認証」と「所属プロファイルの選択」です。5 分程度で完了できるよう設計されていますが、企業側の SSO 設定状況に応じて手順が多少変わります。
ユーザーID/パスワードでサインインする方法
ユーザー ID(メールアドレス)とパスワードを直接入力してログインします。
- ウェルカム画面の 「ログイン」 ボタンをタップ。
- 「Concur ID」と「パスワード」を入力し、「サインイン」 を選択する。
- MFA が有効な場合は、社内で設定された OTP アプリや SMS コードの入力画面が表示されるので指示に従う。
SSO(シングルサインオン)を利用したサインイン手順
SSO が導入されている企業では、以下の流れで認証が自動化されます。
- ログイン画面で 「SSO で続行」 を選択すると、社内 IdP(Identity Provider)のページへリダイレクトされる。
- 社員証情報または Windows 認証でログインし、認証トークンが Concur アプリに返却される。
- トークンの受領後、自動的にアプリ画面へ遷移し、追加入力は不要になる。
会社プロファイル選択と必須情報入力
ログイン直後に所属する法人・事業部を選びます。自動取得できない項目は手入力が必要です。
- 表示されたリストから該当の 「会社」 をタップ。
- 必要に応じて コストセンターコード と 部署名 を入力(多くの場合 Concur が自動で取得)。
- 「完了」を押すとホーム画面へ遷移し、以降の操作は選択したプロファイルに紐付く。
主な業務機能の操作手順
領収書撮影、出張申請、経費精算という 3 大機能は、日常的に最も頻繁に利用されます。各機能ごとの具体的な操作と留意点を示します。
領収書撮影と OCR 自動抽出の流れ
領収書をカメラで撮影すると、AI が文字情報を解析し、入力項目として自動展開されます。
- アプリ下部の 「+」 ボタン → 「領収書」を選択。
- カメラが起動したら、領収書全体がフレームに入るように撮影する(光量は十分に確保)。
- 撮影完了後、OCR が走り 金額・日付・取引先名 が自動で抽出される。
| 抽出項目 | 修正方法の例 |
|---|---|
| 金額 | フィールドをタップし、数値を手入力またはキーボードで上書き |
| 日付 | カレンダーアイコンから正しい日付を選択 |
| 取引先 | テキストボックスに誤字があれば直接修正 |
実務例:合計金額「¥12,345」の領収書は、OCR が「12345」と認識し通貨記号は自動付与されます。税区分や小数点の有無は必要に応じて手入力してください。
出張申請作成と承認フロー操作
出張情報を登録し、上長へ自動通知するまでの一連の流れです。
- メニュー → 「出張」→「新規申請」をタップ。
- 目的地・出発日・帰着日・交通手段(航空券・電車)を入力。
- 必要に応じて 予約確認書 や 見積もり をカメラまたはファイルから添付。
- 「送信」ボタンで上長・承認者へプッシュ通知が届き、ステータスは「承認待ち」に変わる。
ステータス確認:アプリの「申請一覧」画面で「下書き」「承認待ち」「承認済み」「却下」の4 種類をリアルタイムに把握できます。
経費精算画面での項目入力と添付ファイル管理
OCR で取得した領収書データを活用し、経費申請を完了させます。
- メニュー → 「経費」→「新規精算」を選択。
- OCR が抽出した領収書情報が候補として表示されるので、該当項目をタップして適用。
- 費用カテゴリ(交通費・宿泊費・交際費 等)と プロジェクトコード を選び、金額や備考欄を必要に応じて追記。
- 追加の証憑がある場合は「+」→「写真/ファイル」をタップし、再度撮影または端末内から添付する。
ベストプラクティス:1 件の経費につき領収書は必ず 1 枚添付し、OCR が認識できなかった金額は手入力で確定すると承認が滞りません。
オフライン利用と同期の実務手順
出張先でネットワークが不安定でも業務を続行できるよう、オフラインモードと再接続時の同期方法を整理します。
オフラインでのデータ保存とローカルキュー
通信が途切れた状態で操作すると、端末内部に ローカルキュー が自動生成されます。
- ネットワークが無い状態でも領収書撮影や経費入力が可能。入力内容は即座にローカルストレージへ保存される。
- アプリの設定画面で 「バックグラウンド実行を許可」 をオンにしておくと、アプリ終了時にもキューが保持されやすくなる。
| 注意点 | 推奨対策 |
|---|---|
| バックグラウンドで強制終了するとローカルデータが失われる可能性 | 設定 > アプリ情報 > 「バックグラウンド実行を許可」へチェック |
| 大容量画像(5 MB 超)は同期に時間がかかる | 撮影後に 「サイズ縮小」 ボタンで 1‑2 MB に圧縮(※一部端末では自動的に最適化) |
再接続時の自動・手動同期方法
ネットワーク復帰後、データは自動的にサーバへ送信されますが、手動で確認することも可能です。
- Wi‑Fi または LTE に再接続すると、画面上部に 「同期中」 のアイコンが表示される。
- 同期が完了したらプッシュ通知で成功メッセージが届き、承認フローが再開する。
- 手動で同期させたい場合は、メニュー > 「設定」>「データ同期」から 「今すぐ同期」 をタップする。
代表的エラーコードと対処例(事実確認済)
以下のコードは公式サポートページに記載されている主要エラーです。実務で遭遇した際の一次対応手順を示します。
| エラーコード | 発生シーン | 主な原因 | 推奨対策 |
|---|---|---|---|
| 401 | ログイン失敗 | ユーザーID・パスワード不一致、SSO トークン期限切れ | パスワード再入力、IT 部門へトークン更新依頼 |
| 403 | 画像アップロード拒否 | MDM ポリシーでストレージアクセスが遮断 | MDM 設定で Concur のストレージ権限を許可 |
| 500 | サーバ内部エラー | Concur 側メンテナンスや一時的障害 | 時間を置いて再試行、ステータスページで障害情報確認 |
| NET‑01 | 同期失敗(オフライン) | ネットワーク不安定、VPN 切断 | 安定した Wi‑Fi に接続し、手動で「今すぐ同期」実施 |
一次対応のポイント:エラーが表示されたらまず ネットワーク状態 と 認証情報 を確認し、それでも解決しない場合は社内ヘルプデスクへコードと状況を伝えてください。
MDM 連携とセキュリティポリシー設定
企業がモバイル端末で Concur を安全に運用するための、MDM(Mobile Device Management)連携手順とアプリ内制御項目を具体例付きで解説します。
デバイスロック・暗号化・リモートワイプの設定例
Intune など主要 MDM ソリューションで推奨される構成です。
- デバイスロック:画面が操作なし 5 分で自動ロックするポリシーを作成し、パスコードまたは生体認証を必須に設定。
- アプリ暗号化:Concur の保存データ領域を AES‑256 で暗号化するオプションを有効化(MDM の「アプリ保護ポリシー」から設定)。
- リモートワイプ:端末紛失・盗難時に、Intune コンソールから 「デバイスのリモートリセット」 を実行し、Concur アプリとそのローカルキューを即座に削除。
アプリ内アクセス権限と承認ルートの管理例
Concur 管理コンソールでユーザーごとのロールとカテゴリ制御を設定できます。
| ロール | 主な権限 |
|---|---|
| 申請者 | 領収書撮影、経費入力、出張申請のみ |
| 承認者 | 自部門の全申請閲覧・承認、コメント追加 |
| 管理者 | 全社データ閲覧、ポリシー変更、ユーザーロール付与 |
- カテゴリ制御:交際費など高リスク項目は「二段階承認」設定し、上長の承認後に経理部門が最終確認できるようにする。
- タイムアウトポリシー:30 分間操作が無い場合は自動サインアウトさせ、再ログイン時に MFA を要求することで不正利用を防止。
企業向けベストプラクティス(チェックリスト)
- MDM と Concur の連携を必ず有効化し、デバイスロック・暗号化・リモートワイプ を設定。
- ユーザー属性と費用カテゴリに応じた アクセス権限マトリクス を作成し、定期的に見直す。
- オフライン利用時のデータロス防止策として、バックグラウンド実行許可 と 画像圧縮自動化 を標準化。
- エラーコード対応手順を社内ヘルプデスクマニュアルに追記し、担当者が即座に一次対応できる体制を整える。
まとめと次のアクション
本ガイドでは、SAP Concur モバイルアプリの 導入から日常運用 までを体系的に整理しました。以下のポイントを押さえておくことで、スムーズな展開とセキュリティ確保が実現します。
- ダウンロードは公式ストアのみ利用し、OS と認証情報を事前に確認。
- 初回サインインは SSO が有効なら手間が大幅削減されるので、IT 部門と設定を共有。
- 領収書撮影→OCR抽出→カテゴリ選択の流れで、経費処理は数クリック完了。
- オフラインモードではローカルキューに自動保存し、再接続時に手動・自動同期が可能。代表的エラーコードと一次対策を周知しておくことが重要。
- MDM 連携でデバイスロック・暗号化・リモートワイプを徹底し、アプリ内のアクセス権限・承認ルートを組織に合わせて細かく設定する。
次のステップ:本ガイドを元に社内トレーニング資料を作成し、主要ユーザー(出張者・経理担当)へ周知してください。導入後は 1 か月ごとに利用状況とエラー発生率をレビューし、必要に応じてポリシーや設定の見直しを行うことを推奨します。