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1. AI 自動分類とは何か、プラン別にどんな違いがあるか
Inoreader の AI 自動分類は、記事本文から抽出したキーワードや文脈情報をもとに LLM(大規模言語モデル) がタグ候補を生成し、それを自動付与する仕組みです。AI による提案は「スマートフィルター」の条件として利用でき、手作業でのタグ付けを大幅に削減します。
1‑1. 機能の主なポイント
- リアルタイム提案:記事が取得された瞬間に AI がタグ候補を算出。
- カスタマイズ性:Pro プランでは外部 LLM(OpenAI、Hugging Face 等)と連携し、独自の分類ロジックを構築可能。
- フィードバックループ:ユーザーが手動で修正したタグは学習データとして蓄積され、次回以降の提案精度向上に寄与します。
1‑2. プラン比較(公式情報:2024年10月版【参考①】)
| 項目 | 無料プラン | Pro(有料) |
|---|---|---|
| 登録可能なフィード数 | 最大 150 件(公式ドキュメントに記載) | 無制限 |
| 更新間隔 | 標準 5 分ごと | 高速取得 1 分ごと |
| AI モデルの種類 | キーワードベースの簡易モデル | カスタム LLM + 外部 API 連携 |
| スマートフィルター上限 | 最大 20 条件 | 無制限 |
| Webhook/自動化機能 | 利用不可 | 標準装備(Webhook、Zapier/Make 連携) |
| サポート | コミュニティフォーラム | 優先メールサポート |
※上記は執筆時点の情報です。プラン内容は予告なく変更されることがありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。
1‑3. 注意すべき点
- 無料プランでも AI 提案機能 は利用可能ですが、提案精度は限定的で「サンプルベース」の簡易アルゴリズムに留まります。
- 外部 LLM を使用する場合は別途 API キーが必要となり、利用料金は各プロバイダーの課金体系に従います。
2. スマートフィルターとタグ付けの基本設定手順
以下では、初心者でも迷わず実行できるよう 「RSS の取り込み → AI 自動タグ付与 → スマートフィルターで自動振り分け」 の流れをステップ別に解説します。
2‑1. フィードの登録と初期タグ作成
- 画面右上の 「Add subscription」 をクリックし、対象 RSS URL を入力して
Enter。 - 左サイドバーの 「Tags」 欄で
+ New Tag→ 「業界ニュース」「技術トレンド」など目的別にタグを作成します。
ポイント:タグは階層構造(例:
技術/AI)でも管理できるので、後からの整理が楽になります。
2‑2. AI 自動分類機能の有効化
- 設定画面(右上の歯車アイコン) → 「Preferences」 → 「AI & Automation」 を開く。
- 「Enable AI auto‑tagging」 にチェックし、プランが Pro であることを確認します。
- 「自動タグ提案」欄に表示された候補は 「Accept(全件適用)」 または 「Review(個別確認)」 のいずれかで確定します。
2‑3. スマートフィルターの作成
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 左メニューの 「Smart Filters」 → + Add filter をクリック |
| 2 | 条件例:tag:業界ニュース AND title contains "AI" |
| 3 | アクション例:add tag:AI最新情報 |
| 4 | 「Save」で完了。対象記事が自動的に指定タグへ振り分けられます |
コツ:フィルターは「AND」だけでなく「OR」や正規表現も利用可能です。条件が多くなる場合は 「グループ化」 機能で見通しを良くしましょう。
3. 外部 AI(OpenAI・Hugging Face)との連携フロー
Pro プランでは Webhook を使って取得した記事データを外部 LLM に送信し、カスタムタグを返すことができます。以下は 概要 と 最小構成の実装例(Python + Flask) です。
3‑1. フロー全体像
- Inoreader が記事取得 → Webhook で自社サーバへ JSON ペイロード送信
- サーバ側で LLM API(OpenAI / Hugging Face)にリクエスト → タグ文字列を取得
- Inoreader の edit‑tag API を呼び出し、記事にタグ付与
このサイクルは数秒以内に完了するため、リアルタイムでの自動分類が実現します。
3‑2. 必要な準備
| 項目 | 手順 |
|---|---|
| API キー取得 | OpenAI は https://platform.openai.com/account/api-keys、Hugging Face は https://huggingface.co/settings/tokens から生成し、環境変数 OPENAI_API_KEY / HF_TOKEN に格納 |
| Webhook 設定 | Inoreader の設定 → Automation → Webhooks → エンドポイント URL(例:https://your-domain.com/inoreader-webhook)を登録 |
| サーバ環境 | Python 3.9+、Flask、requests がインストールされた任意のホスティング(Heroku / Cloud Run 等) |
3‑3. 実装例(コメントは日本語で記述)
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# ------------------------------------------------------------ # Inoreader Webhook 受信サーバ(Flask) # ------------------------------------------------------------ import os import json import requests from flask import Flask, request, jsonify app = Flask(__name__) # 環境変数から API キーを取得 OPENAI_API_KEY = os.getenv("OPENAI_API_KEY") HF_TOKEN = os.getenv("HF_TOKEN") def classify_with_openai(text: str) -> str: """ OpenAI の GPT‑4o mini にテキスト分類を依頼し、タグ文字列だけを返す。 """ headers = { "Authorization": f"Bearer {OPENAI_API_KEY}", "Content-Type": "application/json" } payload = { "model": "gpt-4o-mini", "messages": [ {"role": "system", "content": "以下のテキストを 1 つだけ適切なタグに分類してください。"}, {"role": "user", "content": text} ], "max_tokens": 20 } resp = requests.post( "https://api.openai.com/v1/chat/completions", headers=headers, json=payload, timeout=10 ) resp.raise_for_status() tag = resp.json()["choices"][0]["message"]["content"].strip() return tag @app.route("/inoreader-webhook", methods=["POST"]) def webhook(): # Inoreader から送られた JSON を取得 payload = request.get_json(silent=True) or {} article_id = payload.get("id") title = payload.get("title", "") summary = payload.get("summary", "") # タイトル+要約を LLM に渡す(シンプルに結合) tag = classify_with_openai(f"{title}\n{summary}") # Inoreader の edit-tag API で取得したタグを付与 edit_url = "https://api.inoreader.com/reader/api/0/edit-tag" params = { "T": f"user/-/label/{tag}", "i": article_id, "a": "user/-/state/com.google/read" # 任意で既読にする例 } headers = {"Authorization": f"Bearer {payload.get('access_token')}"} requests.post(edit_url, params=params, headers=headers, timeout=5) return jsonify({"status": "ok", "tag": tag}) if __name__ == "__main__": # 本番環境では gunicorn 等の WSGI サーバを推奨 app.run(host="0.0.0.0", port=5000, debug=False) |
コードのポイント
classify_with_openaiだけを書き換えれば、Hugging Face のエンドポイントに置き換えることも可能です。- Webhook 受信時は必ず
access_token(ユーザー認証トークン)を利用して Inoreader API を呼び出す必要があります。 - エラーハンドリングやリトライ処理は省略していますが、実運用では 例外捕捉 と ログ出力 を必ず追加してください。
4. 分類結果を Google スプレッドシートへ自動連携(Zapier / Make)
AI が付与したタグ情報は、チーム全体で共有しやすいようにスプレッドシートへ保存すると便利です。ここでは Zapier と Make (旧 Integromat) の設定例を簡潔に比較します。
4‑1. 共通前提
- Inoreader 側で「New Tagged Item」イベントがトリガーになることを利用します(Pro プラン必須)。
- Google Sheets に書き込む際の列は [日時, タイトル, URL, タグ] と統一しています。
4‑2. Zapier の構成例
- Trigger:
Inoreader – New Tagged Itemを選択。対象タグは「AI自動分類」など共通ラベルに設定。 - Action:
Google Sheets – Create Spreadsheet Row。シート名AI_Classification_Log、列マッピングを以下のように設定
| Zapier フィールド | Google Sheets 列 |
|---|---|
| Trigger → Timestamp | A (日時) |
| Trigger → Title | B (タイトル) |
| Trigger → Link | C (URL) |
| Trigger → Tag | D (タグ) |
- テスト:Zap を有効化し、Inoreader で新規記事にタグ付与するとシートへ自動追加されることを確認。
ヒント:Zapier の無料プランでも月間 100 タスクまで利用可能です。大量件数が予想される場合は有料プランへのアップグレードをご検討ください。
4‑3. Make(Integromat)の構成例
| モジュール | 主な設定 |
|---|---|
| Watch Items(Inoreader) | 「タグが付いたアイテム」を取得。フィルタで tag = "AI自動分類" を指定 |
| Add a Row(Google Sheets) | 対象シートと列マッピングを同様に設定 |
| Iterator (オプション) | 同時に複数記事が来た場合でも 1 件ずつ処理できるように設定 |
Make はビジュアルフローが分かりやすく、エラーハンドリング(リトライや Slack 通知)も直感的に組み込めます。
4‑4. 選択のポイント
| 項目 | Zapier の特徴 | Make の特徴 |
|---|---|---|
| UI のシンプルさ | ★★★★★(初心者向け) | ★★★★☆(ドラッグ&ドロップで柔軟) |
| カスタムリクエスト | 標準アクションが豊富 | HTTP モジュールで自由度高い |
| エラーログ・通知 | 有料プランで詳細ログ | 無料でもシナリオ実行履歴が見える |
| 価格 | 無料枠あり、月額 $20〜 | 無料枠あり、使用量に応じた従量課金 |
どちらも Pro プランの Inoreader が前提になる点は共通です。業務フローや予算に合わせて選択してください。
5. 運用・メンテナンスのベストプラクティスと2026年最新アップデート
AI 自動分類を長期的に活用するには、定期的なルール見直し と エラーモニタリング が不可欠です。加えて 2026 年 4 月にリリースされた公式アップデート(【参考②】)が提供する新機能を組み込むことで、運用効率がさらに向上します。
5‑1. 定期的なルールメンテナンス
| タイミング | 実施内容 |
|---|---|
| 月初 | Smart Filter の一覧エクスポート → 「タグ付与件数 > 500」のフィルターは条件緩和またはキーワード追加で再設定 |
| 週次(オプション) | 誤分類が多いタグを抽出し、手動修正と同時に Webhook 経由で /feedback エンドポイントへ送信(外部 LLM のファインチューニング素材として活用) |
| 年1回 | 全フィード・タグ構造の見直し。不要なフィードは削除し、フォルダー階層を整理 |
ポイント:Inoreader の「Automation → Stats」ページでは、自動分類件数 と エラー率 をグラフで確認できます。エラー率が 2 % 超える場合は直ちにスクリプトやフィルター条件をレビューしましょう。
5‑2. 誤分類への対処と学習データの活用
- 誤タグを手動修正 → 同時に「フィードバック送信」ボタン(Webhook 設定で有効化)で外部 LLM に送る。
- ファインチューニング:OpenAI の fine‑tuning や Hugging Face の LoRA などで、社内ドメイン固有の分類モデルを作成。
このサイクルにより、AI が「学習」し続けて精度が向上します。
5‑3. 2026 年 4 月アップデートの主な新機能(公式リリースノート【参考②】)
| 機能 | 内容・利用シーン |
|---|---|
| カスタムモデル選択 | Pro ユーザーは UI 上で任意の Hugging Face Transformers モデルを切り替え可能。社内データに合わせた最適なモデルを即座にテストできる。 |
| リアルタイムエラーログ | Webhook 失敗時に自動で Slack / Teams に通知し、失敗原因(ステータスコード・例外メッセージ)を可視化。迅速なトラブルシューティングが可能に。 |
| /bulk-update-tags API | 複数記事へのタグ付与/削除を 1 回のリクエストで実行でき、API 呼び出し回数とレイテンシが大幅に削減。 |
活用例:大量の記事を一括で「AI_レビュー待ち」ラベルへ変更する際は
/bulk-update-tagsを利用すると、1,000 件でも数秒で完了します。
5‑4. 今すぐできる改善アクション
| アクション | 手順 |
|---|---|
| フィルター条件の見直し | 「Smart Filters」画面で「条件を編集」→ キーワード追加や正規表現導入 |
| エラーログ通知設定 | Automation → Webhooks → Add webhook で Slack の Incoming Webhook URL を登録し、失敗時に通知させる |
| カスタムモデルのテスト | Preferences → AI & Automation → 「Custom Model」から Hugging Face の公開モデルを選び、一部フィードで試験運用 |
参考情報
- Inoreader 公式ドキュメント(2024年10月版)「プランと機能比較」
- Inoreader ブログ記事「2026年4月アップデート – カスタムモデルとリアルタイムエラーログ」
- OpenAI API リファレンス(2024年11月更新)
- Hugging Face Model Hub 利用ガイド(2024年9月版)
- Inoreader Automation ダッシュボード – 統計とログ機能
まとめ
- AI 自動分類は Pro プランで最大の効果 を発揮し、外部 LLM と組み合わせることで独自ルールも実装可能。
- 設定手順は「フィード登録 → タグ作成 → AI 有効化 → スマートフィルター」の 4 ステップで完結。
- Webhook と Python スクリプトの最小構成例を参考に、社内サーバやクラウド関数へ拡張すれば高度な分類が実現できる。
- Zapier / Make による スプレッドシート連携 で結果を可視化し、チーム全体で共有可能。
- 定期的なルールメンテナンスと 2026 年アップデートの新機能活用で、分類精度・運用安定性を継続的に向上させましょう。
次の一手:まずは無料プランで AI タグ提案を体験し、必要に応じて Pro へアップグレード。プロジェクトごとにカスタムモデルを試すことで、最適なワークフローが見えてきます。