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Lightning Experience におけるカスタムオブジェクト作成の全体像
Lightning Experience の UI は 2024 年時点で「設定 (Setup)」へは右上の歯車アイコンからアクセスできます。今回の記事では、この標準的な画面構成を前提に カスタムオブジェクトを作成し、実務で安全に運用できるまでの手順と注意点を体系的に解説します。初心者でも迷わず操作できるよう、ポイントごとにチェックリスト形式でまとめています。
カスタムオブジェクトを新規作成する手順
このセクションでは、Lightning Experience でカスタムオブジェクトを一から作り上げる具体的な流れを示します。全体像は「Setup → オブジェクトマネージャー → 作成 > カスタムオブジェクト」の3ステップです。
Setup(設定)画面へ遷移する方法
右上の歯車アイコンをクリックし、表示されたメニューから 「設定」 を選択します。左側ナビゲーションにある 「プラットフォームツール」→「オブジェクトと項目」→「オブジェクトマネージャー」 を順にたどると、組織内のすべてのオブジェクト一覧が表示されます。
カスタムオブジェクト作成画面を開く
オブジェクトマネージャー上部にある 「作成」 ボタン(プルダウン)から 「カスタムオブジェクト」 を選択します。これで新規オブジェクトの設定画面が表示され、必要項目を順次入力できます。
基本情報の入力とデータ型の選択
| 項目 | 設定例 | 記入時のポイント |
|---|---|---|
| 表示ラベル | 「取引先案件」 | ユーザーが画面上で目にする日本語名。直感的に分かりやすい名称を付けることが重要です。 |
| オブジェクト名 (API 名) | Deal__c |
末尾は必ず「__c」。他のカスタムオブジェクトと重複しないユニークな名前にします(後述のエラーハンドリング参照)。 |
| レコード名 | 「案件番号」 | データ型は テキスト または 自動採番 のどちらかを選択。自動採番は連番が自動付与され、検索性が向上します。 |
参考: Salesforce ヘルプの公式ガイド「カスタムオブジェクトの作成」でも同様の設定項目が示されています。
必須設定とベストプラクティス
カスタムオブジェクトを単に作るだけでは業務で活用できません。ここでは必ずオンにすべきフラグと、運用上有益な ベストプラクティス を分けて解説します。
必須設定(チェックボックス系)
以下の3つはデフォルトでオフになることがあります。作成直後に必ず確認し、必要に応じてチェックしてください。
- 検索可能 – グローバル検索で対象オブジェクトがヒットするようになります。
- レポート対象 – レポートビルダーのデータソースとして利用できるようになるフラグです。
- アクティビティ許可 – タスクやイベントをレコードに関連付けられるようにします。
オプション設定:タブ作成とページレイアウトのカスタマイズ
カスタムタブの作成手順
- オブジェクトマネージャーで対象オブジェクトの詳細画面を開く。
- 左側メニューから 「タブ」 を選択し、「新規カスタムタブ」 ボタンをクリック。
- 表示ラベルとアイコン(標準または独自画像)を設定し、保存します。
ページレイアウトへの項目追加
- オブジェクト詳細画面左メニューの 「ページレイアウト」 を選択。
- 任意のレイアウトを開き、ドラッグ&ドロップで必要な項目や関連リストを配置。
- プロファイル別にレイアウトをコピーし、権限や業務フローに合わせて微調整します。
ベストプラクティスとしては、タブ作成と同時に Lightning アプリケーションビルダー でナビゲーションメニューへ追加することです。ユーザーがホーム画面から直接オブジェクトにアクセスできるようになるため、導入初期の混乱を防げます。
公開設定と権限付与
作成したカスタムオブジェクトは デプロイ(有効化) し、適切な権限セットやプロファイルにアクセス許可を付与しないと組織全体で利用できません。
デプロイ(有効化)の流れ
- 「保存」ボタンでオブジェクトは 非公開 状態で保持されます。
- オブジェクト詳細ページ上部の 「デプロイ」 ボタンをクリックすると、全ユーザーが参照可能な状態になります。
プロファイルと権限セットでのアクセス付与手順
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | 設定 → ユーザ → プロファイル を開き、対象プロファイルを選択。 |
| 2 | 「オブジェクト設定」セクションで作成したオブジェクト(例:Deal__c)を見つけ、「参照」「作成」「編集」「削除」 の各権限にチェックを入れる。 |
| 3 | 権限セットで細かく管理したい場合は 「権限セット」 → 「オブジェクト設定」 でも同様に権限を付与し、対象ユーザーへ割り当てる。 |
これらの手順は Salesforce ヘルプの公式ドキュメント(カスタムオブジェクト作成時の考慮事項)と一致しています。
Sandbox でのテスト方法
本番環境へデプロイする前に、Sandbox にて機能確認を行うことが推奨されます。以下のチェックリストを参考にしてください。
レコード作成・一覧表示の検証
- アプリランチャー から対象オブジェクトのタブを開く。
- 「新規」ボタンでレコードを1件入力し、保存する。
- 保存後に遷移したリストビューで作成したレコードが正しく表示されるか確認。
検索・レポート対象の動作確認
| 項目 | 確認手順 |
|---|---|
| グローバル検索 | オブジェクト名またはレコード名で検索し、ヒットすることを確認。 |
| レポートビルダー | 「新規レポート」作成画面で対象オブジェクトが選択肢に表示されるかチェック。 |
テストは必ず Sandbox 環境で実施し、本番データへの影響を避けてください。
よくある失敗例と対処法
初心者が陥りやすいエラーと、迅速に解決できる手順をまとめました。事前にチェックリスト化しておくとトラブル回避に役立ちます。
API 名の重複エラー
| 症状 | 原因 | 解消ステップ |
|---|---|---|
| 「API 名が既に使用されています」 | 同一組織内で同名オブジェクトが存在する、または標準オブジェクトと衝突している | 1. オブジェクトマネージャー検索バーで該当 API 名を検索 2. 必要に応じてサフィックス(例: Deal_JP__c)を付与3. 再度保存しエラーが解消されたことを確認 |
レコード名のデータ型選択ミス
| 症状 | 原因 | 修正手順 |
|---|---|---|
| 自動採番を選んだはずがテキストとして保存され、手入力が必要になる | 作成時に「レコード名」のデータ型を誤って「テキスト」に設定したまま保存した | 1. オブジェクトマネージャーで対象オブジェクトを開く 2. 左メニューの 「項目とリレーション」 → 該当レコード名項目を選択 3. 「編集」をクリックし、データ型を 「自動採番」 に変更して保存 |
まとめ
- Lightning Experience の標準 UI を前提に、Setup → オブジェクトマネージャー → 作成 > カスタムオブジェクト の手順で作業します。
- 表示ラベル・API 名・レコード名の入力は正確に行い、検索可能・レポート対象・アクティビティ許可を必ずオンにします。
- タブ作成とページレイアウトのカスタマイズはオプションですが、ユーザー導線を統一するために実施すると運用が楽になります。
- デプロイ後はプロファイル/権限セットで 参照・作成・編集・削除 権限を付与し、全員が利用できるようにします。
- Sandbox でレコード作成・検索・レポート対象のテストを実施し、機能確認を徹底してください。
- API 名重複やデータ型選択ミスといった典型的なエラーは、事前チェックリストと公式ドキュメントに沿った手順で回避できます。
上記のフローとポイントをチェックリスト化して実行すれば、2024 年現在の Salesforce Lightning でも確実にカスタムオブジェクトを作成・運用できる はずです。ぜひ本稿を参考に、組織固有の業務要件に合わせたオブジェクト設計に活かしてください。