Contents
1. カスタムオブジェクト作成へのアクセス手順
このセクションでは、Lightning Experience の設定メニューからカスタムオブジェクト作成画面へたどり着くまでの流れを解説します。手順を正しく把握しておくと、誤操作や権限エラーによる作業停止を防げます。
1‑1. Setup に入る
導入文:右上の歯車アイコンから設定画面へ移動します。
- 右上の ⚙️(歯車) をクリックし、メニューから 「設定」 を選択。
- 設定画面左側のナビゲーションで 「プラットフォームツール」 > 「オブジェクトと項目」 > 「オブジェクトマネージャ」 を順に開く。
1‑2. カスタムオブジェクト作成ボタンをクリック
導入文:Object Manager の上部にある「作成」ボタンから新規オブジェクトの作成画面へ遷移します。
- Object Manager の右上に表示されている 「作成」 ボタン(緑色)をクリックし、ドロップダウンメニューから 「カスタムオブジェクト」 を選択する。
- 以下のような新規カスタムオブジェクト設定画面が表示されます。

2. 必須項目の入力とデータ型選択
このセクションでは、オブジェクト作成時に必ず入力が求められる 表示ラベル・API 名・レコード名 の設定方法と、レコード名に使用できるデータ型(テキスト/自動採番)の選び方を解説します。
2‑1. 基本情報の入力
導入文:オブジェクトの可読性と統合時の安定性は、ラベル・API 名の付け方で大きく変わります。
| 項目 | 設定例 | ポイント |
|---|---|---|
| 表示ラベル | 案件情報 |
日本語で分かりやすく、ユーザが UI 上で目にする名前 |
| オブジェクト名 (API 名) | Project_Info__c (自動的に __c が付与) |
英字+アンダースコアのみ。パッケージ化時は名前空間接頭辞が追加される点に注意 |
| レコード名 | データ型:テキスト または 自動採番 | 以降の項目で選択したデータ型に応じて、ラベルやプレフィックスを設定 |
2‑2. テキスト vs 自動採番 の選択ポイント
導入文:レコード名は検索性と外部システム連携の両面で重要です。用途に合わせて適切な型を選びます。
| データ型 | 主な特徴 | 推奨利用シーン |
|---|---|---|
| テキスト | 任意文字列を入力可能。ユーザが直接編集できる。 | 商品名、案件タイトルなど、人が読んで意味を把握しやすい項目 |
| 自動採番 | 作成時に連番(桁数・プレフィックス可)を自動付与。重複防止に有効。 | 請求書番号、注文 ID など、一意性が必須な管理番号 |
参考リンク:
- テキストと自動採番の詳細 – https://help.salesforce.com/articleView?id=customize_fields_text_auto_number.htm&type=5
3. オブジェクトの基本機能フラグ設定(ベストプラクティス)
ここでは、検索・レポート・タブ表示に関する主要フラグと、その公式ヘルプへのリンクを併記します。フラグ設定は組織全体の業務効率に直結します。
3‑1. 検索可能 & レポート作成可
導入文:検索やレポートでオブジェクトが見えるかどうかは、以下のフラグで制御されます。
| フラグ | 説明 | 推奨設定 | 公式ヘルプ |
|---|---|---|---|
| 検索可能 | グローバル検索にオブジェクトが含まれるか | 組織横断で情報共有が必要な場合は ON | https://help.salesforce.com/articleView?id=customize_search.htm&type=5 |
| レポート作成可 | レポートビルダーにオブジェクトを表示できるか | データ分析・ダッシュボードの元になるので ON | https://help.salesforce.com/articleView?id=reports_custom_objects.htm&type=5 |
3‑2. タブ作成とデフォルトレイアウト
導入文:ユーザがアプリケーション内でオブジェクトにアクセスしやすくするための設定です。
- タブ作成:チェックを入れると「App Launcher」やカスタムアプリにタブが自動追加されます。不要な場合は後から非表示化可能です。
- デフォルトレイアウト:標準レイアウトは最小構成です。作成直後は ページレイアウトエディタ で必須項目や関連リストを配置し、業務フローに合わせて調整しましょう。
4. 制限事項と最新の数値(2024 年版)
このセクションでは、組織タイプ別のカスタムオブジェクト上限および項目数制限を正確に示します。設計段階で余裕を持たせることが重要です。
4‑1. カスタムオブジェクト上限
導入文:組織のエディションと追加購入した「Custom Object」パックにより、作成できるカスタムオブジェクト数は変わります。
| エディション / 追加パック | 上限(個) |
|---|---|
| Developer Edition | 200 |
| Enterprise Edition | 2,000 |
| Unlimited & Performance Edition | 5,000 – 10,000(購入した「Custom Object」パックに応じて上限が拡張可能) |
出典: Salesforce ヘルプ 「[組織の制限]」https://help.salesforce.com/articleView?id=limits_custom_objects.htm&type=5(2024‑12‑01)
4‑2. 項目数(フィールド)制限
導入文:オブジェクトごとに作成できるカスタム項目の上限は、エディションと「Custom Field」パックで決まります。
| オブジェクト種別 | 標準オブジェクト(カスタムフィールド) | カスタムオブジェクト |
|---|---|---|
| Enterprise 以上 | 800 | 500(Unlimited/Performance は 800) |
| Developer Edition | 200 | 100 |
出典: Salesforce ヘルプ 「[項目の制限]」https://help.salesforce.com/articleView?id=limits_fields.htm&type=5(2024‑12‑01)
4‑3. 名前空間とマルチテナントへの影響
- 名前空間:パッケージ化する際は API 名に組織の名前空間が自動付与されます。衝突防止のため、命名規則(例:
NS_Project__c)を事前策定してください。 - マルチテナント負荷:大量のカスタムオブジェクトや項目はデータベースサイズとガバナ制限に影響します。作成後は「組織全体のパフォーマンス」レポートでストレージ使用率・SOQL 実行時間を定期的にモニタリングしましょう。
5. アクセス権とプロファイル/権限セットの設定手順
オブジェクトが作成できても、ユーザが操作できなければ意味がありません。ここでは 参照・作成・編集・削除 の4種権限を付与する具体的な手順を示します。
5‑1. プロファイルでのオブジェクト権限設定
導入文:プロファイルはベースライン権限として、組織全体に共通したアクセスレベルを定義します。
- 設定 → ユーザ → プロファイル を開く。
- 対象プロファイル(例:
Sales User)をクリックし、左側メニューの 「オブジェクト設定」 を選択。 - 作成したカスタムオブジェクト(
Project_Info__c)の行で、必要な権限にチェックを入れる。
ベストプラクティス:デフォルトは「参照のみ」。業務フローで必須となる権限だけを付与し、最小権限の原則(Principle of Least Privilege)を遵守します。
5‑2. 権限セットでの追加付与
導入文:例外的に特定ユーザだけに拡張権限が必要な場合は、権限セットで個別付与します。
- 設定 → ユーザ → 権限セット を開く。
- 「新規」ボタンで権限セットを作成し、名前と説明を入力。
- 作成した権限セットの 「オブジェクト設定」 から対象カスタムオブジェクトを選び、必要な権限(例: 作成・編集)にチェック。
- 権限セット割り当て画面で対象ユーザを検索し、「割り当て」 を実行。
参考リンク:https://help.salesforce.com/articleView?id=security_assign_perm_sets.htm&type=5
6. 作成後に必ず行う基本設定と設計上の注意点
カスタムオブジェクトを作っただけでは業務フローに組み込めません。以下のチェックリストを実施して、運用準備を整えましょう。
6‑1. タブ作成とページレイアウト調整
導入文:ユーザがオブジェクトへアクセスしやすくなるタブと、業務に合わせた項目配置の設定です。
- タブ作成
- Object Manager → 対象オブジェクト → 「タブ」 → 「新規タブ」ボタンをクリック。
-
表示ラベル・アイコン(例:
案件)を選択し、保存。 -
ページレイアウト
- Object Manager → 「ページレイアウト」 → デフォルトレイアウトをコピーしてカスタマイズ。
- 必須項目(例:案件名、開始日)、関連リスト(子オブジェクト)をドラッグ&ドロップで配置し、保存。
6‑2. リレーションシップの追加例
導入文:他オブジェクトと紐付けることでデータ統合とレポート作成が容易になります。
| 関係種別 | 用途例 | 設定手順概要 |
|---|---|---|
| Lookup(参照関係) | 案件 ↔ 顧客(1対多) | Object Manager → 「項目と関係」 → 「新規」 → 「参照関係」 → 対象オブジェクト選択 |
| Master‑Detail(主従関係) | 請求書 ↔ 明細行(親子構造) | 同上で「主従関係」を選択。ロールアップサマリ項目を必要に応じて作成 |
6‑3. バリデーションルールと自動化の基本
導入文:データ品質を保つために、簡易バリデーションやプロセスビルダー/フローで自動化を組み込みます。
-
バリデーション例
text
AND(
ISNEW(),
ISPICKVAL(Status__c, "完了"),
ISBLANK(Completion_Date__c)
)
説明: ステータスが「完了」の場合は必ずCompletion_Date__cを入力させる。 -
フロー例
- レコード作成時に自動採番フィールドを基に「案件番号」レコードを別オブジェクトへコピーするフローを構築。
詳細は公式ヘルプ https://help.salesforce.com/articleView?id=flow_overview.htm&type=5 を参照。
7. 完了チェックリスト & 次のステップ
| 項目 | 確認状態 |
|---|---|
| カスタムオブジェクト作成完了(ラベル・API 名・レコード名) | ☐ |
| 「検索可能」&「レポート作成可」フラグ ON | ☐ |
| タブ作成、ページレイアウトカスタマイズ | ☐ |
| 必要なリレーションシップ(Lookup / Master‑Detail)追加 | ☐ |
| プロファイル/権限セットで適切なオブジェクト権限付与 | ☐ |
| バリデーションルール・フロー等の自動化実装 | ☐ |
| 組織全体のカスタムオブジェクト数と項目数が上限以内か確認 | ☐ |
CTA:上記チェックリストをすべて ✅ にしたら、実運用環境(Sandbox もしくは Scratch Org)でテストデータを作成し、検索・レポート・権限の挙動を最終確認してください。疑問点やエラーが出た場合は、Salesforce Trailhead のモジュール「[カスタムオブジェクトの管理]」(https://trailhead.salesforce.com/content/learn/modules/customize-objects) を参照しながら再度設定を見直しましょう。
本稿は 2024 年 12 月 1 日時点の情報に基づき作成しています。Salesforce のリリースノートやヘルプ記事は随時更新されるため、最新情報は公式サイトをご確認ください。