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GA4アカウント作成とプロパティ設定(UAからの移行ポイント)
Universal Analytics(UA)から Google アナリティクス 4(GA4)へ移行する際は、計測ロスを防ぎながら新しいプロパティへデータを引き継ぐことが最重要課題です。ここでは、「アカウント作成」→「プロパティ構築」→「権限・保持設定」 のフローを公式ドキュメントに沿って解説します。
※本稿執筆時点(2024年10月)での UI を基準としているため、将来的なデザイン変更がある場合は Google の最新ヘルプをご確認ください。
プロパティ作成
GA4 のプロパティは、Google アナリティクス管理画面左下の「アカウント」→「プロパティを作成」から開始します。
- 手順:ウィザードに従い「ウェブ」「アプリ」「両方」のいずれかを選択し、測定対象の名前・タイムゾーン・通貨を入力します。
- ポイント:UA のプロパティ ID(例: UA‑123456‑7)は自動的に引き継がれないため、必要に応じて手作業でメモしておくと後の設定が楽になります。
参考: Google アナリティクス ヘルプ – プロパティを作成する
データストリーム設定
GA4 では「データストリーム」が測定対象(Web、iOS、Android)ごとの入口となります。UA のビュー概念とは別物である点に注意してください。
- Web ストリーム
- URL を入力し、「エンハンスド測定」のオン/オフを選択できます(現在はデフォルトで有効)。
-
測定 ID は
G-XXXXXXXXXXの形式で、ストリーム詳細画面上部に表示されます。 -
App ストリーム
- Firebase プロジェクトと連携し、iOS(Bundle ID)または Android(パッケージ名)を登録します。
- 測定 ID は同様に取得でき、Firebase コンソールでも確認可能です。
公式情報: Google アナリティクス – データストリームの作成
データ保持期間
GA4 のデフォルト設定は「イベント データ」の保存期間が 2 か月(短期)または 14 か月(長期)のいずれかです。移行後に過去の UA データと比較した分析を行う場合は、14 か月を選択することが推奨されます。保持期間は管理画面の「データ設定」→「データ保持」から変更できます。
権限継承(ユーザー管理)
UA のユーザーロールは GA4 に自動で引き継がれません。そのため、管理者権限を持つ担当者が手動で同等のロール(閲覧者・編集者・管理者)を再設定する必要があります。
- 手順:GA4 の左下メニューから「ユーザー管理」へ進み、対象アカウントのメールアドレスに対し適切なロールを付与します。
詳細は Google アナリティクス – ユーザー権限の設定 を参照してください。
データストリームの作成と測定 ID 取得方法
Web と App の両方でデータを収集したい場合は、それぞれ別個にストリームを作成し、測定 ID(Measurement ID)を取得することが基本です。以下では、実務で頻繁に遭遇する設定項目と注意点をまとめます。
Web ストリームの構築手順
- URL の登録:計測対象サイトのトップページ URL を入力し、プロトコル(http/https)も正確に記載します。
- エンハンスド測定:自動イベント(ページビュー・スクロール・アウトバウンドリンククリック等)が有効になるか確認します。必要なら個別にオフにできます。
- 測定 ID の取得:ストリーム詳細画面の上部に
G-XXXXXXXXXXが表示され、これが GTM や gtag.js に組み込むキーとなります。
App ストリーム(iOS / Android)の構築手順
- Firebase プロジェクト作成:Google Firebase コンソールで新規プロジェクトを作り、GA4 とリンクさせます。
- プラットフォーム選択:iOS の場合は Bundle ID、Android の場合はパッケージ名を入力し、必要な SDK をアプリに組み込みます。
- 測定 ID の確認:Firebase コンソールの「プロジェクト設定」→「統合」→「Google アナリティクス」で同様の
G-形式 ID が表示されます。
公式ガイド: Google アナリティクス – アプリ データストリームを作成する
Google Tag Manager を使った GA4 タグ設置とプレビュー確認
GTM(Google Tag Manager)に GA4 の測定タグを配置すると、コード管理が一元化されデバッグ作業が格段に楽になります。ここでは 「タグ作成」→「トリガー割り当て」→「プレビューモードで検証」 の流れを具体的に示します。
タグ設定の基本ステップ
- 新規タグ作成
- GTM の左側メニューから「タグ」>「新規」を選択し、テンプレート一覧の「GA4 計測設定」または「GA4 イベント」から適切なものを選びます。
-
取得した測定 ID(例:
G-1A2B3C4D5E)を「測定 ID」欄に入力します。 -
トリガーの割り当て
-
デフォルトは「All Pages(全ページ)」です。クロスドメイン計測が必要な場合は、カスタムトリガーで URL パラメータやホスト名を条件に追加します。
-
ユーザー ID の設定(任意)
- 認証済みユーザーの ID を
user_idとしてデータレイヤーから取得し、タグの「ユーザー属性」欄にマッピングすると、GA4 のユーザー探索機能で個別分析が可能です。
プレビューモードでの検証ポイント
| 確認項目 | 方法・チェックポイント |
|---|---|
| 測定 ID が送信されているか | Chrome DevTools の Network タブで collect リクエストに measurement_id=G-… が含まれることを確認 |
| 自動イベントが有効か | ページスクロールや外部リンククリック時に event_name=scroll・event_name=click が送信されているかを確認 |
| クロスドメインパラメータ | _ga クエリストリングがリンク先 URL に正しく付与され、別ドメインでも同一ユーザーとして認識できるか検証 |
詳細は公式ガイド「Google タグ マネージャーで GA4 を設定する」を参照してください。
標準イベント・カスタムイベント・コンバージョン、そしてカスタムディメンションの設定
GA4 では 自動計測される標準イベント に加えて、ビジネス要件に合わせた カスタムイベント とそれをベースにした コンバージョン を柔軟に定義できます。さらに、分析時に重要な属性情報は カスタムディメンション(旧称 カスタム属性) で補完します。
標準イベントの代表例
以下は GA4 が自動で取得する主な標準イベントです(公式リストは随時更新されます)。
| イベント名 | 主なトリガー |
|---|---|
page_view |
ページが読み込まれた瞬間 |
scroll |
垂直スクロールが 90 % に到達したとき |
click |
外部リンクやダウンロードリンクのクリック |
file_download |
ファイル取得(PDF、CSV 等) |
video_start / video_complete |
動画再生開始・完了 |
カスタムイベント作成フロー
- データレイヤーに情報をプッシュ
javascript
dataLayer.push({
event: 'purchase',
value: 1200,
currency: 'JPY',
membership_tier: 'gold'
}); - GTM で GA4 イベントタグを作成
- 「イベント名」に
purchaseを入力し、必要なパラメータ(value, currency 等)を「イベント パラメータ」欄にマッピング。 - GA4 管理画面でコンバージョン化
- イベント一覧から対象の
purchaseを選び、「コンバージョンとしてマーク」をオンにすると、レポート上で重要指標として集計されます。
カスタムディメンション(カスタム定義)の設定手順
- GA4 管理画面 → 「カスタム定義」→「カスタムディメンションを作成」
- 名前例:
Membership Tier - スコープは「イベント」
-
パラメータ名はデータレイヤーで使用したキー(例:
membership_tier) -
GTM 側の紐付け
- GA4 計測設定タグの「カスタムディメンション」欄に、上記パラメータ名と同じ名前を入力し保存。
公式手順: Google アナリティクス – カスタム定義の作成
Consent Mode(現行)と将来期待される Consent Mode v2 のベストプラクティス
2024 年時点で正式に提供されている Consent Mode は、ユーザーが同意を与える前でも測定リクエストの「保留」や「削除」を可能にし、GDPR・CCPA などの規制に対応します。Google が現在 v2 の拡張版を検討中である旨は公式ブログで示唆されていますが、正式リリースや具体的な機能は未発表です。そのため、本稿では 現行 Consent Mode(v1) を前提に実装手順とテストポイントを解説します。
現行 Consent Mode の有効化手順
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. GTM に「Consent Initialization」タグを作成 | consent_mode パラメータのデフォルト状態(granted/denied)を設定。 |
| 2. GA4 計測タグに同意設定オプションを追加 | 「広告ストレージ (ad_storage)」と「アナリティクスストレージ (analytics_storage)」の初期状態を denied にし、ユーザーが同意したタイミングで granted に切り替える。 |
| 3. CMP(Consent Management Platform)と連携 | CMP が発行するイベント(例: consentGranted)をデータレイヤーにプッシュし、GTM のトリガーで同意状態を更新。 |
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
// 例:CMP が同意取得後に実行するスクリプト dataLayer.push({ event: 'consentUpdate', consent: { ad_storage: 'granted', analytics_storage: 'granted' } }); |
テストと検証ポイント
- Network タブで
collectリクエストのconsentパラメータを確認 - 同意が
deniedの場合はad_storage=denied&analytics_storage=deniedが付与され、データは一時的に保留されます。 - プレビューで CMP の状態変化をシミュレート
- GTM の「プレビューモード」→「変数」で
ad_storage・analytics_storageが期待通りに切替わるか確認します。
公式リファレンス: Google Developers – Consent Mode (gtag.js)
将来の Consent Mode v2 に関する留意点
- 未発表:2024 年 11 月時点で Google が「Consent Mode v2」のロードマップを示唆していますが、具体的なリリース日や機能詳細は公表されていません。
- 実装への影響:v2 が正式に提供された場合は、既存の
ad_storage・analytics_storageに加えて新たなストレージカテゴリ(例:personalization_storage)が追加される可能性があります。実装時は公式リリースノートを必ず確認し、タグ設定をアップデートしてください。
アクセス権限とデータ保持期間の最適化
GA4 では ロールベースアクセス管理(RBAC) が採用されており、組織内での情報漏洩リスクを低減できます。また、データ保持期間はレポート精度とプライバシー保護のバランスを考慮して設定しましょう。
推奨ロール構成
| ロール | 主な権限 |
|---|---|
| 管理者 | プロパティ全体の設定、ユーザー管理、データ削除リクエストなどすべてが可能。 |
| 編集者 | タグ・イベント・カスタム定義の作成・変更ができるが、ユーザー権限やプロパティ削除は不可。 |
| 閲覧者 | レポートと探索レポートのみ閲覧可。設定変更は不可。 |
詳細: Google アナリティクス – ユーザー管理
データ保持期間のベストプラクティス
- イベントデータ:14 か月を標準とし、過去 12 か月分の分析が主目的であればこの設定で十分です。
- ユーザーデータ(User‑ID)や広告データ:法令上の保存義務がある場合を除き、同様に 14 か月に統一し、不要になったら自動削除させます。
設定場所は GA4 の左側メニュー「設定」→「データ保持」から変更可能です。
要点まとめ(全体のまとめ)
| カテゴリ | 重要ポイント |
|---|---|
| GA4 アカウント作成 | UA からの移行はプロパティ・権限・保持期間を手動で引き継ぎ、公式ヘルプに沿って設定する。 |
| データストリーム | Web と App 用に別々のストリームを作成し、測定 ID(G-)を取得して GTM に組み込む。 |
| GTM タグ設置 | GA4 計測設定タグを All Pages トリガーで配置し、プレビューモードで collect リクエストと自動イベントの送信を必ず確認する。 |
| イベント・ディメンション | 標準イベントはそのまま活用し、ビジネス固有のカスタムイベントとコンバージョンをデータレイヤー経由で定義、必要な属性はカスタムディメンションで補完する。 |
| Consent Mode(現行) | ad_storage・analytics_storage の初期状態を denied にし、CMP からの同意取得時に granted に切り替える実装とテストが必須。将来の v2 は未発表なので公式情報を逐次チェックすること。 |
| 権限・保持 | ロールベースでアクセス管理し、データ保持は 14 か月に統一してプライバシーリスクとコストを抑える。 |
上記手順とポイントを踏まえて設定すれば、2024 年時点の公式仕様に沿った GA4 計測基盤 を構築できます。今後 UI が変わる可能性はありますが、Google のヘルプセンターやデベロッパー向けドキュメントを定期的に確認し、最新情報へアップデートすることが成功への鍵です。