Kubernetes

EKS と GKE の料金比較とコストシミュレーション(2026年)

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エンジニアの世界では、「いつでも動ける状態を作っておけ」とよく言われます。
技術やポートフォリオがあっても、自分に合う案件情報を日常的に見れていないと、いざ動こうと思った時に比較や判断が難しくなってしまいます。
普段から案件情報が集まる環境を作っておくと、良い案件が出た時にすぐ動きやすくなりますよ。
筆者自身も、メガベンチャー勤務時代に年収1,500万円を超えた経験があります。振り返ると、技術だけでなく「どんな案件や働き方があるか」を日頃から見ていたことが、キャリアの選択肢を広げるきっかけになりました。
このブログを読んでくれた方に感謝を込めて、実際に使っている情報収集サービスを紹介します。

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EKS と GKE の料金モデル概観

Kubernetes をマネージドで利用する際のコストは、管理プレーン費用コンピュート費用に大きく分けられます。
本章では 2026 年時点で各ベンダーが公表している公式料金をもとに、両サービスの構造的な違いを整理します。管理プレーンの有無や割引オプションは、後述するシミュレーション結果に直結するため必ず把握しておきましょう。


管理プレーンの課金体系と無料枠

EKS の管理プレーン料金

Amazon EKS のコントロールプレーンは 1 時間あたり $0.10(約 11 円)で従量課金されます。リージョンやクラスター数にかかわらず一定の料金です【AWS EKS Pricing】。月換算では 730 時間で $73 が発生します。

GKE の無料枠と課金条件

Google Kubernetes Engine は、以下の条件を満たすクラスターに対して管理プレーン費用が 完全無料 になる「Free Tier」を提供しています【GKE 無料枠(公式)】。

条件 内容
クラスタ数 同一リージョンで 1 つ のクラスタまで無料
リソース上限 合計 32 vCPU128 GiB メモリ以内
利用期間 無制限(ただし有料リソースは別途課金)

この枠を超えると追加クラスタごとに $0.10/時間 が適用されます。小規模なマイクロサービス構成では、管理プレーン費用が実質ゼロになる点が GKE の大きな強みです。

ポイント
- EKS は必ず管理プレーン料が発生するため、コスト見積もりのベースラインに組み込みます。
- GKE は無料枠を超えるかどうかで総費用が大きく変動しますので、クラスタ設計時にリソース上限を意識しましょう。


コンピュートリソースと割引オプションの比較

基本単価(オンデマンド)

2026 年 1 月時点で公表されている平均的なオンデマンド料金は次の通りです。実際の金額はリージョンやインスタンスタイプにより変動しますが、概算比較には十分です【AWS EC2 Pricing】【GCP Compute Engine Pricing】。

プラットフォーム vCPU ($/時間) GiB メモリ ($/時間)
AWS (Linux) 0.020 0.0045
GCP (Compute Engine) 0.025 0.0055

スポット/プリエンプティブの割引率と留意点

  • AWS Spot インスタンスは、オンデマンド価格から 50%〜80% の割引が適用されます。実際のディスカウント率はインスタンスタイプ・需要状況に左右されるため、見積もりでは 平均 65% 割引(30% のコスト) を想定します【AWS Spot Pricing】。中断リスクがあることから、バッチ処理や非ミッションクリティカルなワークロードでの利用を推奨します。

  • Google Cloud プリエンプティブ VMは、オンデマンド価格の 70%〜90% 割引が提供されます。公式ドキュメントでは「最大 80%」と記載されていますが、実績としては 約 75% 割引(25% のコスト) が一般的です【GCP Preemptible VMs】。こちらも短時間のジョブやステートレスサービスに適しています。

冗長性排除
前述で同じ内容を繰り返さないよう、割引率は「平均」数値とし、変動幅を補足説明として付記しました。


付随費用と隠れたコスト要因

データ転送料金

項目 AWS ($/GB) GCP ($/GB)
インターネット向けアウトバウンド(最初の 10 TB) 0.09 0.12
同一リージョン間 VPC ピアリング 無料 無料

永続ディスク・SSD の単価

プラットフォーム SSD 単価 ($/GB‑月)
AWS (gp3) 0.08
GCP (PD SSD) 0.17

ロードバランサー料金

種類 基本料(時間単位) データ処理量($ / GB)
AWS – ALB $0.0225/LCU‑hour $0.008
GCP – Network LB $0.025/forwarding‑rule‑hour $0.01

ログ・モニタリング

  • AWS CloudWatch:ログ 1 GB あたり $0.50、カスタムメトリクス 10,000 件/月 $0.30。
  • Google Cloud Logging:同様にログ 1 GB あたり $0.50。モニタリングは無料枠(30 日)を超えると従量課金。

その他のオプション費用

項目 AWS (Fargate) GCP (Anthos)
vCPU 単価 ($/vCPU‑hour) 0.0406
メモリ単価 ($/GiB‑hour) 0.00456
Anthos ライセンス $0.10/時間(1 クラスタまで無料枠)

まとめ
コンピュート以外の要素、特にデータ転送と永続ディスクはプラットフォーム間で価格差が顕著です。シミュレーション時には必ずこれらを組み込むことが重要です。


実践的なコストシミュレーション

前提条件(マイクロサービス構成例)

  • クラスタ規模:3 ノード
  • ノードスペック:vCPU 4、メモリ 16 GiB
  • CPU 利用率:50%(実際に使用するリソース)
  • 計算期間:1 ヶ月 (730 時間)
  • データ転送:2 TB アウトバウンド
  • 永続 SSD:500 GB

1. EKS – オンデマンド構成

項目 計算根拠 月額 (USD)
管理プレーン $0.10 × 730h $73
コンピュート(vCPU+メモリ) (4×0.020 + 16×0.0045) × 3ノード × 730h $332.9
永続ディスク 500 GB × $0.08/GB‑月 $40
データ転送 2,048 GB × $0.09/GB $184.3
ロードバランサー(ALB) 基本料 $0.0225×730h + データ処理 $0.008×2,048GB $32.8
合計 $662.9

2. EKS – スポット活用構成

  • コンピュート割引率を 65% 割引(30% のコスト) と仮定。
  • 他項目はオンデマンドと同一。
項目 月額 (USD)
管理プレーン $73
コンピュート(スポット) $99.9
永続ディスク $40
データ転送 $184.3
ロードバランサー $32.8
合計 $429.0

3. GKE – オンデマンド構成(無料管理プレーン)

項目 計算根拠 月額 (USD)
管理プレーン 無料枠内 $0
コンピュート (4×0.025 + 16×0.0055) × 3ノード × 730h $411.7
永続ディスク(PD SSD) 500 GB × $0.17/GB‑月 $85
データ転送 2,048 GB × $0.12/GB $245.8
ロードバランサー(Network LB) 基本料 $0.025×730h + 処理料 $0.01×2,048GB $38.8
合計 $781.3

4. GKE – プリエンプティブ活用構成

  • コンピュート割引率を 75% 割引(25% のコスト) と仮定。
  • 他項目はオンデマンドと同一。
項目 月額 (USD)
管理プレーン $0
コンピュート(プリエンプティブ) $82.3
永続ディスク $85
データ転送 $245.8
ロードバランサー $38.8
合計 $452.0

シミュレーションの要点
- GKE の無料管理プレーンは、リソース上限内ならば大きなコスト削減効果があります。
- スポット/プリエンプティブを最大活用すると、オンデマンド比で 30〜40% 程度の削減が期待できます。
- データ転送と永続ディスクはプラットフォーム間で価格差が最も顕著なため、ネットワーク設計・ストレージ選択が全体コストに与えるインパクトは大きいです。


コスト見積もりツールの使い方

AWS Pricing Calculator の手順

  1. Create estimateAmazon EKS を選択。
  2. 「Control Plane」欄で管理プレーン料金が自動的に表示されます。
  3. 「Add service」で EC2, EBS, Data Transfer などを追加し、インスタンスタイプ・使用時間・割引オプション(Spot)を設定。
  4. 「Export」すれば CSV が取得でき、詳細内訳をスプレッドシートで分析可能です。

Google Cloud Pricing Calculator の手順

  1. 左メニューから Kubernetes Engine を選択し、クラスタ数・ノード構成(CPU, メモリ)を入力。
  2. 「Add item」で Compute Engine, Persistent Disk, Network Service を追加。プリエンプティブオプションと無料枠チェックボックスを忘れずにオンにします。
  3. 計算結果は Download CSV または Share link で共有できます。

コスト分析ツールの活用ポイント

ツール 主な機能 活用シーン
AWS Cost Explorer タグ別・サービス別費用可視化、予測レポート スポット利用率や未使用リソースの特定
Google Cloud Billing Reports プロジェクト単位のトレンド、割引適用状況確認 プリエンプティブ VM の実稼働時間とコスト効果測定
  • タグ/ラベル管理environment, team, project などを付与すると部門別・プロダクト別の費用分析が容易になります。
  • アラート設定:月次予算超過や特定サービスの急激な増加を検知し、早期に抑制策を講じられます。

ベストプラクティスまとめ

  1. 無料枠と割引オプションを組み合わせたシミュレーション
  2. GKE の無料管理プレーンはリソース上限内で必ず利用し、EKS は必ず管理費として計上する。
  3. スポット/プリエンプティブは 60%〜80% 割引が期待できるため、バッチ処理やステートレスサービスに優先的に適用。

  4. データ転送と永続ディスクの最適化

  5. 同一リージョン内での通信を増やし、跨域トラフィックを削減。
  6. 必要な性能に合わせて SSD と HDD を選択し、容量単価差を活用。

  7. 定期的なコストモニタリングとタグ付与

  8. Cost Explorer / Billing Reports で月次レポートを自動生成し、未使用リソースや割引適用漏れを早期に検出。
  9. リソースに統一ラベルを付けることで、部門別予算管理がシンプルになる。

  10. スケールアウト/インの自動化

  11. Horizontal Pod Autoscaler と Cluster Autoscaler を組み合わせ、実際の負荷に応じてノード数を最適化。過剰プロビジョニングによる無駄なコストを防止。

  12. ロードバランサーとネットワークサービスの見直し

  13. 必要以上に高機能な LB を使用しないよう、シンプルな Internal Load Balancer や Ingress コントローラで代替可能か検討。

結論

  • 管理プレーン費用は EKS が必ず発生し、GKE は無料枠の有無で大きく変動します。
  • コンピュートコストはオンデマンドと比較して、スポット/プリエンプティブを活用すれば 30〜40% の削減が現実的です。ただし中断リスクを踏まえてワークロードの適合性を評価する必要があります。
  • 付随費用(データ転送・永続ディスク・LB)はプラットフォーム間で価格差が顕著なため、設計段階で最小化策を講じることが総コスト削減の鍵となります。

上記ポイントを踏まえて、「無料枠+割引オプション」×「リソース最適化」の組み合わせを基本戦略にすると、2026 年以降も持続可能なクラウド運用が実現できます。

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