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tl;dv の概要と主な機能
tl;dv は Zoom(および Google Meet)向けに提供されている AI 録画・文字起こし・要約ツールです。会議中の映像と音声を自動で保存し、数分以内にテキスト化された書き起こしと重要ポイントのサマリーを生成します。この機能により、議事録作成や情報共有の工数が大幅に削減できるほか、会議に参加できなかったメンバーも要点だけを素早く把握できます。
自動録画・文字起こし・要約の流れ
本セクションでは、録画開始から要約完成までの標準的な処理手順を解説します。
- 録画取得 – Zoom のクラウド録画 API が会議終了後に動画ファイルと音声ストリームを tl;dv に転送します(Zoom Cloud Recording API)。
- 文字起こし – tl;dv の内部音声認識エンジン(Whisper ベース)で音声をテキスト化。日本語・英語は 99 % 以上の精度が報告されています(tl;dv Docs – Transcription)。
- 要約生成 – OpenAI GPT‑4 系列モデルに要点抽出を委任し、数行から数段落までのサマリーを自動作成します。
ポイント:会議が終了すると同時にバックエンドで処理が走り、5 分程度でダッシュボード上に書き起こしと要約が表示されます。
Zoom と tl;dv の連携設定手順
Zoom と tl;dv を組み合わせるだけで自動文字起こしが利用できます。本章では管理者向けに、アプリのインストールから認証設定までを段階的に説明します。
アプリのインストール方法
まずは Zoom Marketplace から tl;dv アプリを追加します。最新 UI に合わせた手順です。
- Zoom 管理者としてサインイン – https://zoom.us/signin に管理者アカウントでログインします。
- Marketplace を開く – 左メニューの「Marketplace」→「Apps」へ遷移し、検索バーに
tl;dvと入力します。 - アプリを選択 – 「tl;dv for Zoom」のカードが表示されたら「Add」ボタンをクリックします。
- 権限リクエストの確認 – 録画データへのアクセス、ミーティング情報取得、参加者名取得などのスコープが求められます。内容を確認し「Authorize」を選択してください。
注意:OAuth スコープは将来的に変更される可能性があります。最新情報は公式 Marketplace ページで随時確認しましょう(tl;dv on Zoom Marketplace)。
OAuth 2.0 を用いた認証設定
以前は JWT が一部サポートされていましたが、現在の主流は OAuth 2.0 です。OAuth はトークンの有効期限管理やスコープ制御が容易で、セキュリティ面でも推奨されています。
- Zoom 管理コンソールでアプリ作成 – 「Develop」→「Build App」から「OAuth」タイプを選択し、「Create」ボタンで新規作成します。
- 必要情報の入力
- アプリ名、会社名、リダイレクト URL(例:
https://app.tldv.io/oauth/callback)を設定。 - 要求するスコープは
recording:read,meeting:read,user:readなどです。 - クライアント ID/シークレット取得 – 作成後に表示される「Client ID」と「Client Secret」をコピーします。
- tl;dv 側への登録 – tl;dv の管理画面 (https://app.tldv.io) にログインし、
Settings → Zoom Integrationで「Add OAuth App」ボタンをクリック。取得した Client ID と Secret を貼り付けて保存します。 - 認証フローの完了 – 初回連携時にブラウザが Zoom の同意画面を表示するので、管理者権限で許可してください。
補足:JWT キーはレガシーモードとして残っていますが、2025 年以降は非推奨になる見込みです(Zoom JWT Deprecation Notice)。新規導入は必ず OAuth を選択してください。
会議開始時に自動録画・文字起こしを有効化する方法
設定が完了したら、実際のミーティングで自動録画と文字起こしをオンにします。ここでは事前設定とリアルタイム確認手順を紹介します。
会議前設定:自動録画と文字起こしの有効化
Zoom のスケジュール画面から tl;dv オプションを有効にすると、会議開始と同時に録画が走ります。
- Zoom ウェブポータルで「Schedule a Meeting」をクリック。
- 「Recording」タブを開き Cloud Recording をオンにします。
- 同じタブ内の Auto Transcription (tl;dv) チェックボックスを有効化。
- 必要に応じて「Allow participants to start recording」を ON にし、ホスト以外でも録画開始が可能です。
ポイント:この設定はミーティングごとに保存されるため、テンプレートとして使うと次回から自動適用できます。
リアルタイム文字起こしの確認手順
会議中に tl;dv のサイドパネルで文字起こし結果をリアルタイムに閲覧できます。
- 会議画面右上の Apps アイコン → tl;dv を選択。
- ポップアップが開き、左側に数秒遅れでテキストが流れます。発話者ごとに自動タグ(例:
[John])が付与され、検索ボックスでキーワード検索も可能です。
プライバシー注意:リアルタイム文字起こしは音声データを外部サーバへ送信します。参加者全員に事前に録音・文字起こしの旨を通知し、必要なら同意を取得してください(GDPR/CCPA に準拠)。
文字起こし結果の確認とエクスポート
会議終了後は tl;dv のダッシュボードから書き起こしデータを閲覧・加工できます。代表的なエクスポート形式と手順を示します。
エクスポート形式と手順
以下のステップで任意のフォーマットに保存できます(最新版 UI に合わせています)。
- tl;dv ダッシュボードの Meetings タブから対象ミーティングを選択。
- 詳細画面の上部にある Transcription セクションで全文が表示されます。右上の Export ボタンをクリック。
- メニューから Plain Text (.txt)、PDF, Google Docs, CSV のいずれかを選択し、指示に従って保存またはリンク生成します。
| 形式 | 主な利用シーン |
|---|---|
| .txt | テキストエディタや社内チャットへ貼り付け |
| 書式保持が必要な公式議事録 | |
| Google Docs | 共同編集・コメント機能を活用したい場合 |
| CSV | データ分析ツールへのインポート |
データ保護:エクスポートしたファイルはローカルに保存されるため、暗号化やアクセス制御を施すことが推奨されます(ISO/IEC 27001 参照)。
プラン比較・精度向上テクニック・トラブルシューティング
利用目的に合わせて最適なプランを選び、文字起こしの品質を保ちつつ障害発生時に迅速に対処できるようにします。
プランと料金体系(2026 年 5 月時点)
tl;dv は Free・Pro・Business の 3 段階で提供されています。価格は月額 USD で、年払いプランもあります。
| プラン | 月額 (USD) | 録画上限 | 文字起こし上限 | 要約機能 | エクスポート形式 |
|---|---|---|---|---|---|
| Free | 0 | 5 時間 | 5 時間 | 基本要約(≈100語) | Text, PDF |
| Pro | 12 (年払いは10%割引) | 無制限 | 無制限 | カスタム長さ・ハイライト | Text, PDF, Google Docs, CSV |
| Business | 30 (年払いは15%割引) | 無制限 | 無制限 | チーム共有・権限管理 + API 連携 | 全形式 + Webhook |
選択指針:月間録画時間が 10 時間未満であれば Free → Pro の移行を検討。大規模組織や外部クライアントと共有する場合は Business が最適です。
精度を高めるポイント
音声品質の改善は文字起こし精度向上に直結します。実務で効果的な対策をまとめました。
- マイク選定:指向性コンデンサーマイクやヘッドセットを使用し、発話者に近づける。
- ノイズ除去:会議室のエアコン・外部音は事前に停止し、Zoom の「Background Noise Suppression」を「High」に設定。
- 話者タグ付与:Zoom の「Display Name」機能をオンにすると tl;dv が自動で
[名前]タグを付けられる。必要に応じて手動で修正可能。
これらの対策により、誤認識率は約 10 % 前後に抑えられ、要約の信頼性が向上します(tl;dv Accuracy Report, Q1 2026)。
よくある障害と対処法
以下は導入企業で頻出するトラブルとその解決手順です。
| 障害 | 主な原因 | 推奨対策 |
|---|---|---|
| 認証エラー | OAuth クライアントシークレットの変更、スコープ不足 | Zoom 管理コンソールでクライアント情報を再確認し、tl;dv 側に再入力。必要スコープが足りない場合は追加承認。 |
| 録画未保存 | クラウド録画容量上限超過、ローカルストレージ不足 | Zoom の Recording 設定で使用可能容量を確認し、不要な録画を削除または有料プランへアップグレード。 |
| 文字起こし遅延 | ネットワーク帯域不足、HD ビデオ設定の過負荷 | 会議中は最低 5 Mbps の上り速度を確保し、Zoom の HD Video を OFF にする。必要なら有線接続へ切替。 |
緊急時の連絡先:tl;dv カスタマーサポート(support@tldv.io)と Zoom テクニカルサポート(https://support.zoom.us/hc/ja)を同時に利用すると、障害解決までの時間が短縮されます。
プライバシー・データ保護に関する留意点
- データ処理場所 – tl;dv の文字起こしは米国リージョンのサーバで実行されます。欧州連合(EU)内で利用する場合は、Standard Contractual Clauses (SCC) に基づく追加契約が必要です。
- 同意取得 – 会議参加者全員に録音・文字起こしの目的と保存期間(原則 30 日)を通知し、明示的な同意を得ることが法的リスク低減につながります。
- アクセス制御 – tl;dv の管理画面でユーザーごとの閲覧権限を設定し、機密情報への不必要なアクセスを防止してください(ISO 27001 Access Control)。
参考情報・出典
- tl;dv 公式ドキュメント – https://docs.tldv.io
- Zoom Marketplace アプリページ – https://marketplace.zoom.us/apps/tldv
- Zoom OAuth 認証ガイド – https://marketplace.zoom.us/docs/guides/auth/oauth
- GDPR ガイダンス – https://gdpr.eu/
- ISO/IEC 27001 情報セキュリティ管理 – https://www.iso.org/standard/54534.html
以上が、最新情報に基づき改善・拡充した tl;dv の導入ガイドです。各手順を実施しながら、プライバシー保護とデータ品質の両立を図ってください。