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1. サービス終了スケジュールと重要デッドライン
Meta は公式ブログで 2026 年 2 月 16 日 (JST) に Horizon Workrooms の提供を終了すると発表しています【[1]】。この日以降は全会議データが自動的に削除されるため、利用者は 2026‑02‑15 23:59 UTC(日本時間 2026‑02‑16 08:59) までにバックアップを完了させる必要があります。本セクションでは、タイムゾーンの換算方法と主要マイルストーンを整理し、期限遅れがもたらすリスクを把握できるようにします。
1.1 期限とタイムゾーンの換算
UTC と JST の差は +9 時間です。以下の表は重要な締切を両方の表記で示し、混乱を防ぐために変換手順も併記しています。
| 締切(UTC) | 締切(JST) | 備考 |
|---|---|---|
| 2026‑02‑15 23:59 UTC | 2026‑02‑16 08:59 JST | データエクスポートの最終期限 |
| 2025‑11‑01 00:00 UTC | 2025‑11‑01 09:00 JST | テスト開始日 |
| 2026‑01‑31 23:59 UTC | 2026‑02‑01 08:59 JST | 組織全体の権限設定期限 |
変換手順:UTC 時刻に 9 を足すだけで JST が求められます。Excel の
=A1+"9:00"や Google カレンダーの「タイムゾーン」機能を活用すると便利です。
1.2 主要マイルストーン
以下はサービス終了までに実施すべきタスクを時系列でまとめたものです。各項目は 「完了基準」 と 「リスク」 を明示しています。
| 時期 | タスク | 完了基準 | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| 2025‑11‑01 〜 2025‑12‑31 | データエクスポート機能のテスト実施 | 小規模部屋で CSV/PNG が正常取得できること | テスト不足による本番失敗 |
| 2026‑01‑01 〜 2026‑01‑31 | 組織全体のエクスポート権限設定 | Data Exporter ロールが全担当者に付与済み |
権限欠如で API が 403 エラー |
| 2026‑02‑01 〜 2026‑02‑14 | バックアップの暗号化・二重保存 | AES‑256 暗号化+2 カ所保管が完了 | 鍵管理不備で復元不可 |
| 2026‑02‑15 23:59 UTC 前 | 最終チェックとリカバリ確認 | 全ファイルのハッシュ値が一致、ダウンロードリンクが有効 | データ欠損 → 永久削除 |
ポイント:マイルストーンは Google カレンダーや Outlook にインポートし、リマインダーを設定しておくと漏れ防止に効果的です。
2. エクスポート対象データ一覧
Horizon Workrooms は会議ごとに多種多様なメタ情報を保存しています。ここではエクスポート可能な項目と、推奨されるファイル形式・文字コードを示します。
2.1 データ項目と推奨フォーマット
| 項目 | 推奨形式 | 文字コード・備考 |
|---|---|---|
| 会議開始・終了時刻 | CSV(ISO 8601) | UTF‑8、タイムゾーンは UTC |
| 参加者リスト | CSV(ユーザー ID、表示名、所属組織) | UTF‑8 |
| チャット履歴 | CSV(送信時間、送信者、テキスト) | UTF‑8、改行コードは LF |
| 共有ファイル・リンク | CSV(URL、アップロード日時、所有者) | UTF‑8 |
| ホワイトボード画像 | PNG(部屋ごとに 1 ファイル) | 無圧縮推奨 |
| 音声トランスクリプト | JSON または TXT | UTF‑8、transcript_enabled が true の場合のみ |
2.3 API エンドポイントの概要
Meta が提供する Graph API(Facebook/Meta の統合 REST API)は、Workrooms データをプログラムから取得できる公式手段です。
- Graph API の説明:HTTP ベースのエンドポイント群で、アクセストークンと適切なスコープがあれば組織全体・個人単位のデータにアクセスできます【[2]】。
- 利用可能エンドポイント(例)
|
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GET https://graph.facebook.com/v18.0/{business_id}/workrooms/export? start_date=2025-01-01&end_date=2026-02-15& fields=start_time,end_time,participants,chat,whiteboard,transcript Authorization: Bearer {ACCESS_TOKEN} |
| パラメータ | 説明 |
|---|---|
business_id |
Meta Business Manager の ID(管理者画面で確認) |
start_date / end_date |
エクスポート対象期間(ISO 8601) |
fields |
取得したい項目をカンマ区切りで指定 |
Authorization |
Bearer トークン+business_management と read_workrooms スコープ |
注:API 呼び出しは HTTPS のみ許可され、返却データは自動的に ZIP 圧縮されます。
3. 個人ユーザー向けエクスポート手順
個別利用者でも Meta Data Export ポータルから簡単に自身の会議データを取得できます。本セクションでは操作フローと、音声トランスクリプト取得に必要な事前設定について説明します。
3.1 ポータル操作フロー
- Meta アカウントでログインし、Data Export Portal にアクセス。
- 「Horizon Workrooms」カテゴリを選択し、エクスポートしたいデータ種別(会議履歴・チャット・ホワイトボード等)にチェックを入れる。
- エクスポート形式は自動的に CSV/PNG が割り当てられ、必要に応じて ZIP 圧縮 を有効化できる。
- 「エクスポートリクエスト」ボタンをクリックすると、処理完了後にメールでダウンロードリンクが届く(通常 24 時間以内)。
ポイント:メールが迷惑フォルダーに振り分けられることがあります。必ず「Meta」からのドメインをホワイトリストに登録してください。
3.2 トランスクリプト取得条件
- 自動文字起こし(Transcription) が会議開始前にオンになっているユーザーのみ、音声トランスクリプトがエクスポート対象になります。
- 設定は Workrooms アプリ内の [Settings] → [Transcription] → Enable で確認・変更できます。
注意:オフ状態のまま会議を開催した場合、後から文字起こしデータを取得することはできません。そのため、事前に全ユーザーへ設定確認メールを送付しておくと安心です。
4. 組織管理者向け一括エクスポート手順
多数の部屋・ユーザーを抱える企業や教育機関では、Meta Admin Center と Graph API を併用した自動化が最も効率的です。以下では権限付与から実際のスクリプト実行までを具体例とともに示します。
4.1 Admin Center の設定手順
- Meta Admin Center に Super admin アカウントでログイン。
- 「Roles」メニュー → 「Create Role」で
Data Exporterロールを作成し、権限項目に workrooms_export を追加。 - 作成したロールを対象ユーザー/部屋に割り当てる(画面右上の「Assign」ボタン)。
- 左側ナビゲーションの「Data Export」から 全組織エクスポート を選択し、期間(例:2025‑01‑01〜2026‑02‑15)を入力。
- 「Generate Export」ボタンでバックグラウンドジョブが開始され、完了後に管理者メールへダウンロードリンクが送信される。
補足:ロール付与は即時反映されません。最大 15 分程度待機してから API 呼び出しを行ってください。
4.2 API 利用例と権限設定
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GET https://graph.facebook.com/v18.0/123456789/workrooms/export? start_date=2025-01-01&end_date=2026-02-15& fields=start_time,end_time,participants,chat,whiteboard,transcript Authorization: Bearer EAAGm0PX... (expires 2026‑03‑01) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要ロール | Super admin またはカスタム Data Exporter(workrooms_export が必須) |
| アクセストークン取得方法 | Meta for Developers の「Access Token Tool」から、business_management と read_workrooms スコープを付与した長期トークンを生成 |
| ジョブステータス確認エンドポイント | GET /{job_id}/export_status(返却は COMPLETED, IN_PROGRESS, FAILED) |
KMS の説明:Key Management Service(AWS KMS、Azure Key Vault など)は暗号鍵の生成・ローテーション・廃棄を一元管理するサービスです。バックアップデータの暗号化に利用すると、鍵漏洩リスクを大幅に低減できます【[3]】。
5. 取得データの安全な保管とコンプライアンス
バックアップが完了しても、保存先のセキュリティや法令遵守が不十分だと情報漏洩リスクは残ります。本節では暗号化ストレージのベストプラクティスと、日本・EU の主要規制に合わせた保存期間の設定方法を解説します。
5.1 暗号化ストレージ推奨設定
| 項目 | 推奨設定 | 理由 |
|---|---|---|
| 暗号方式 | AES‑256 ビット | 業界標準であり、Meta のデータ保護ポリシーと合致 |
| キー管理 | KMS(AWS KMS / Azure Key Vault)で 90 日ごとのローテーション | 鍵の寿命を短くすることで漏洩時の被害範囲が限定 |
| 保存場所 | 地理的に分散したクラウドストレージ + オンプレミス NAS の二重保管 | 災害復旧(DR)と可用性確保 |
| アクセス制御 | IAM ロールで「読み取りのみ」権限を付与、IP アドレスホワイトリストを設定 | 不正アクセスの防止 |
実装例(AWS S3 + KMS)
bash
aws s3 cp backup.zip s3://my-workrooms-backup/ \
--sse aws:kms --sse-kms-key-id alias/workrooms-key \
--metadata-directive REPLACE
5.2 保存期間・法令遵守ポイント
| 法規制 | 最低保存期間 | 推奨上限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| GDPR(EU) | データ処理目的が終了したら速やかに削除 | 2 年以内に定期レビュー | 「データ最小化」の原則に基づく |
| 個人情報保護法(日本) | 業務上必要な期間(例:契約書は 7 年) | 会議記録は 1〜5 年 が目安 | 社内規程で「重要案件」かどうかを判定 |
- 暗号化データの削除:ファイルだけでなく、使用した暗号鍵も同時に無効化(キー廃棄)することで復元不可能にします。
6. トラブルシューティングとチェックリスト
エクスポート作業中に遭遇しやすいエラーとその対処法、そして実施すべきタスクを時系列でまとめました。表だけで完結せず、各項目の背景説明も付記しています。
6.1 よくあるエラーと対処法
| エラーコード | 発生条件 | 推奨解決策 |
|---|---|---|
| 403 Forbidden (権限不足) | Data Exporter ロール未付与、またはトークンに workrooms_export スコープが欠如 |
Admin Center でロールを再確認し、Access Token Tool から新しいトークンを取得 |
| 429 Too Many Requests | 短時間に多数の API 呼び出しを実行 | リクエスト間隔を最低 5 秒以上確保し、指数バックオフ(exponential backoff)を実装 |
| 400 Bad Request (期限切れ) | エクスポートリクエストが締切後に送信された | 締切前(2026‑02‑15 23:59 UTC)までにジョブ作成を完了させる |
| 404 Not Found (ファイル未生成) | ジョブステータス確認をせずにダウンロードリンクへアクセス | /export_status/{job_id} で COMPLETED を取得後、再度ダウンロード |
ヒント:API のエラーレスポンスは JSON 形式で返るため、
error.messageフィールドをログに残すと原因追跡が容易です。
6.2 実践的チェックリスト
| フェーズ | タスク | 完了期限 |
|---|---|---|
| 今すぐ実施 | Super admin アカウントで Admin Center にログインし、Data Exporter ロールを作成・割当て |
2025‑11‑15 |
| テスト実施 | 小規模部屋で手動エクスポート(CSV/PNG)を試行し、ファイルが正常に取得できることを確認 | 2025‑12‑10 |
| 本番一括取得 | Admin Center から全組織エクスポートジョブ作成、または Graph API スクリプトで自動取得 | 2026‑01‑20 |
| データ保管 | AES‑256 暗号化+KMS キー管理を設定し、クラウドとオンプレミスの二重保存を完了 | 2026‑02‑05 |
| 最終確認 | 全ファイルの SHA‑256 ハッシュで整合性チェック、バックアップリストと実際の保管先を照合 | 2026‑02‑14 23:00 JST |
| 締切完了 | Admin Center の「Export Completed」ステータスを確認し、削除対象データが残っていないか最終検証 | 2026‑02‑15 23:59 UTC 前 |
まとめ:上記チェックリストを期限ごとに実行すれば、サービス停止前に全データの安全なバックアップが完了します。エラーが発生した場合は「よくあるエラー」表を参照し、権限やリクエスト条件を速やかに見直してください。
7. まとめと次のアクション
Meta の公式発表に基づき、2026‑02‑15 23:59 UTC(JST 2026‑02‑16 08:59) が最終エクスポート締切です。本ガイドで示した タイムゾーン換算、マイルストーン、API 利用手順、暗号化保管、法令遵守 の5つの柱を順守すれば、データ消失リスクは回避できます。
- 今すぐ:Admin Center で
Data Exporterロールを作成し、担当者へ割り当てる。 - 12 月まで:テストエクスポートとトランスクリプト設定の確認を完了させる。
- 1 月末:全組織一括エクスポートジョブまたは API スクリプトを実行し、暗号化バックアップを二重保存する。
- 最終週:ハッシュ値で整合性チェック、キーのローテーション設定と期限前削除計画を確定する。
この手順をカレンダーに登録し、リマインダーで進捗管理すれば、サービス終了後も安心してデータを活用できます。
参考文献
- Meta Official Blog – Horizon Workrooms Service Termination Announcement (2025年10月). https://about.meta.com/blog/2025/10/horizon-workrooms-termination
- Meta for Developers – Graph API Overview. https://developers.facebook.com/docs/graph-api/overview/
- Amazon Web Services – Key Management Service (KMS) Documentation. https://docs.aws.amazon.com/kms/latest/developerguide/what-is-kms.html