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準備と基本チェック
このセクションでは、無線印刷を開始する前に必ず行うべき2つの確認項目(電源状態とネットワーク環境)について解説します。
プリンタ本体やルータの設定が不適切だと、後続の接続手順でエラーが頻発し、トラブルシューティングに余計な時間がかかります。まずはここで「正常」かどうかを判定しましょう。
プリンタ電源確認とステータスランプの意味
プリンタ本体のランプは、現在の動作状態を即座に示す重要な指標です。以下の表は Canon 公式マニュアル(リンク先が正しいかご確認ください)で定義されている代表的な表示です。
| ランプ | 意味(公式マニュアル参照) |
|---|---|
| 緑灯が点灯 | 電源オン、待機モード。印刷可能な状態です。 |
| 緑灯が点滅 | Wi‑Fi 設定中またはアクセスポイント待機中です。 |
| 赤灯が点灯/点滅 | エラー発生(紙詰まり・インク切れ等)。マニュアルに従って対処してください。 |
| 青灯が点灯 | USB 接続モード(USB アシスタント使用時)です。 |
ポイント:緑灯が安定していることを確認したら、次はネットワーク側の設定へ進みます。
Wi‑Fi ネットワークのセキュリティ要件と SSID 設定
無線 LAN でプリンタを利用する場合、WPA または WPA2(個人モード) の暗号化が必須です。以下の手順は一般的な家庭用/オフィス用ルータに共通します。
- ルータ管理画面へアクセスし、SSID とパスフレーズを設定
- SSID は半角英数字のみ(日本語・記号は避ける)
- パスフレーズは 8 文字以上で、大文字・小文字・数字・記号を組み合わせた強固なものにする
- ゲストネットワークや AP 隔離が有効になっている場合は、一時的に無効化するとプリンタの検出が容易になります。
注意:セキュリティ要件は機種ごとに若干異なることがありますので、必ず対象プリンタの取扱説明書をご確認ください。
無線接続の最速設定手順(Wireless Connect / WPS)
この章では、「Wireless Connect」ボタン(またはルータ側の WPS ボタン)を利用した 3 分以内で完了する最短手順 を紹介します。自動検出が成功すれば、追加ソフトウェアのインストールは不要です。
Wireless Connect / WPS ボタンを長押しして待機モードにする
要点まとめ
- 長押し時間は機種により 2〜5 秒程度で差があります。マニュアルで推奨される時間を優先してください。
- 本手順では「約 3 秒」を目安として記載していますが、実際には 「長押ししてランプが点滅するまで」 が確実です。
手順概要
- プリンタの電源が入っていること(緑灯が点灯)を確認。
- 本体上部または側面にある Wireless Connect / WPS ボタン を ランプが点滅するまで長押し(機種によって 2〜5 秒程度)。
- ランプが点滅したら、プリンタは WPS 待機状態 に入り、近隣の WPA/WPA2 対応アクセスポイントを検索します。
補足:一部機種ではボタン押下後に「Wi‑Fi 設定中」の文字が液晶に表示されます。この表示が出たら次のステップへ進みます。
Windows 11 の自動検出手順
Windows 11 はネットワーク上の Bonjour と WS‑Discovery をリアルタイムで監視し、WPS 待機中のデバイスを「プリンターとスキャナー」一覧に表示するとされています(Microsoft の公式ドキュメント[^1])。ただし、環境やファイアウォール設定によっては検出が遅れることがあります。
手順概要
- 設定 アプリを開く(
Win + I) - 左メニュー → 「Bluetooth とデバイス」 → 「プリンターとスキャナー」 を選択
- 「デバイスの追加」ボタンをクリックし、一覧に表示された Canon プリンタ名(例:
PIXMA MG3650)を選ぶ - 画面指示に従いインストールが完了すると「使用可能」と表示されます
ポイント:検出できない場合は、以下の点を再確認してください。
- プリンタと PC が同一 SSID に接続しているか
- Windows Defender ファイアウォールでmDNSResponder.exe(Bonjour)やwsdapi.dll(WS‑Discovery)がブロックされていないか
手動設定と最新ドライバーのインストール
自動検出が失敗したケースでも、USB アシスタントを使った IP 手動指定 と 公式サイトからの最新版ドライバ取得 で確実に接続できます。
NW Device Setup Utility を用いた IP 手動指定(USB アシスト含む)
要点まとめ
- USB 接続でユーティリティを起動すれば、プリンタの IP アドレスを手動で設定可能です。
- 固定 IP にすると DHCP の競合や再割り当てによる接続不良を防げます。
手順詳細
- USB Type‑B ケーブルでプリンタと PC を接続。
- Canon が提供する NW Device Setup Utility(以下「ユーティリティ」)がインストールされていなければ、公式ダウンロードページから取得(リンク先の正確性をご確認ください)。
- ユーティリティ起動後、左上メニューの 「表示」→「USB」 を選択し、接続中のプリンタを一覧から選ぶ。
- 「Wi‑Fi 設定」タブで 「手動設定」 を選び、以下の情報を入力
- IP アドレス(例:
192.168.1.45) - サブネットマスク(例:
255.255.255.0) - デフォルトゲートウェイ(例:
192.168.1.1) - 「適用」ボタンをクリック。緑灯に変われば設定完了です。
ヒント:IP を固定する際は、ルータの DHCP 予約機能で同一アドレスが別デバイスに割り当てられないようにすると安全です。
公式サイトから Windows 11 用ドライバーをダウンロード
要点まとめ
- 最新ドライバーは Windows 11 のセキュリティ機構(Driver Signer、Smart App Control)に対応しています。
- ダウンロード後は必ず再起動し、デバイスマネージャで正しく認識されているか確認してください。
手順概要
- ブラウザで Canon ダウンロードページ(
https://www.canon.jp/support/など、正確な URL をご確認ください)にアクセス。 - 検索ボックスに機種名(例:
PIXMA TS8350)を入力し、「セットアップを行う」ボタンをクリック。 - 「OS 選択」で 「Windows 11 (64 ビット)」 を選び、表示される 「ドライバー」 と 「NW Device Setup Utility」 の最新版をダウンロード。
- ダウンロードした
exeファイルを実行し、画面指示に従ってインストール。インストール中に USB アシスタントが自動起動した場合は、そのまま手順どおり進めます。
注意:古いドライバーが残っていると署名エラーになることがありますので、必要に応じて「プログラムの追加と削除」から旧バージョンをアンインストールしてください。
印刷テストとモバイルからの Wi‑Fi 印刷
接続設定が完了したら、実際に印刷できるかどうか を検証します。また、スマートフォンやタブレットからも簡単に印刷できるよう設定方法を補足します。
テスト印刷の具体的な操作
要点まとめ
- Windows の「テストページ」機能で、接続状態とドライバー動作を一目で確認できます。
手順
- 「設定」→「Bluetooth とデバイス」→「プリンターとスキャナー」を開く。
- 設定した Canon プリンタを選択し 「管理」 → 「テストページの印刷」 をクリック。
- 数秒後に紙が出力されれば接続成功です。
トラブル時:テストページでエラーが表示されたら、前述の「手動 IP 設定」や「最新ドライバーインストール」を再度確認してください。
スマートフォン・タブレットからの印刷設定概要
要点まとめ
- iOS は AirPrint が利用可能(iOS 限定)。Android では AirPrint が使えないため、Canon PRINT Inkjet/Photo アプリを使用します。
iOS(AirPrint 対応機種)
- 同一 Wi‑Fi ネットワークに端末を接続。
- 印刷したい画像や文書を開き、共有メニューから 「印刷」 を選択。
- プリンタ一覧に Canon が表示されたら選び、印刷ボタンをタップ。
Android / iOS(Canon PRINT Inkjet/Photo アプリ)
- App Store または Google Play から 「Canon PRINT Inkjet/Photo」 をインストールし起動。
- 初回起動時に同一ネットワーク上の Canon プリンタが自動検出されます。手動で追加したい場合は 「プリンタ追加」 から検索。
- アプリ内で印刷したいファイルを開き、「印刷」 ボタンで送信。
補足:どちらのプラットフォームでも 同一 SSID と WPA2-Personal の暗号化 が必要です。端末側でプロキシや VPN が有効になっていると検出できないことがありますので、設定を確認してください。
トラブルシューティングと次のアクション
この章では、よくある障害と具体的な対処法 を表形式でまとめます。問題が発生したらまずこのチェックリストを参照し、手順どおりに修正してください。
よくあるトラブルと対処法
| 症状 | 原因の可能性 | 推奨対策 |
|---|---|---|
| プリンタが「プリンターとスキャナー」に表示されない | Wi‑Fi 信号が弱い、WPS 待機モード未実行、ファイアウォールで Bonjour/WS‑Discovery がブロック | 1. Wireless Connect を再度長押し(ランプが点滅するまで) 2. ルータの ポート 9100/631 が開放されているか確認 3. Windows Defender ファイアウォールで mDNSResponder.exe と wsdapi.dll を許可 |
| IP アドレスが重複してエラーになる | DHCP で同一 IP が割り当てられた | 手動設定時に 別の固定 IP(例:192.168.1.50)を使用し、ルータ側でも予約リストに追加 |
| 印刷ジョブが「保留」またはエラーになる | ドライバーバージョン不一致、古いユーティリティ使用 | 公式サイトから 最新 Windows 11 用ドライバー と NW Device Setup Utility を再インストール |
| モバイル端末からプリンタが見つからない | SSID が非表示、WPA2‑Enterprise 設定、プロキシ有効 | ルータの SSID を ブロードキャスト にし、暗号化方式を WPA/WPA2-Personal に変更 |
| プリンタランプが赤く点滅 | インク切れ・紙詰まり・ヘッドエラー等ハードウェア不具合 | 本体ディスプレイまたはマニュアルに従い、インク補充・紙補充後にリセット |
次のステップ
- 全チェック項目を実施し、テスト印刷が正常に完了したことを確認。
- 最新ドライバーとユーティリティがインストール済みか最終確認(デバイスマネージャで「Canon」行が緑色のチェックマーク付き)。
- モバイル端末でも印刷できるかテストし、AirPrint(iOS)または Canon PRINT アプリ(Android/iOS)の動作を確認。
これらの手順を踏めば、Windows 11 環境で Canon プリンタの 無線印刷 が安定して利用できるはずです。どうしても解決しない場合は、Canon カスタマーサポートへ問い合わせましょう。
参考文献・リンク
[^1]: Microsoft Docs, “Discover printers on the network (WS‑Discovery)”, https://learn.microsoft.com/windows-server/networking/technologies/ws-discovery(閲覧日:2026 年 5 月)
※外部リンクは執筆時点での URL を記載していますが、将来的に変更される可能性があります。必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。