Contents
Slack Workflow Builder の利用前提とアクセス手順
1. 必要なプランと権限
| 項目 | 必要条件 | 公式情報 |
|---|---|---|
| 利用可能プラン | Standard、Plus、Enterprise Grid(いずれも有料) | Slack Help Center – [Workflow Builder が使えるプラン][^1] |
| 権限 | ワークフロービルダーへのアクセス権を持つ オーナー/管理者 か、権限が付与されたメンバー | Slack Help Center – [ワークフロービルダーの権限設定][^2] |
ポイント
- 無料プラン(Free)でも一部トリガーは利用できますが、ビルダー上で新規ワークフローを作成・公開する機能は使用できません。
- 権限が不足しているとメニューに「Workflow Builder」が表示されないため、まず Workspace Settings → Permissions で確認してください。
2. Workflow Builder へのアクセス手順(2024‑10 現行 UI)
- Slack アプリまたは Web 版を開く
- 左上にある ワークスペース名 をクリック → メニューが展開
- 「Tools」セクションの中にある 「Workflow Builder」 を選択
- ビルダー画面が表示されたら、右上の 「Create」 ボタンで新規作成を開始
※2025 年版 UI のリニューアルは未発表です。現在の手順は公式ドキュメントに沿っています([^3])。
新規ワークフロー作成の基本フロー
1. ワークフロー名と概要の設定
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | 「Create」→「Workflow name」を入力。例: 経費承認フロー_v1 |
| ② | 必要に応じて 説明文(目的・対象)を記入し、検索性と可読性を高める |
名前は 「対象 + 機能 + バージョン」 の形式が推奨されます。後から一覧で見つけやすくなるだけでなく、承認通知にも表示されます([^4])。
2. トリガーの選択
現在利用できる主なトリガーは次のとおりです(2024‑10 時点)。
| 種類 | 選択方法 | 主な活用シーン |
|---|---|---|
| Shortcut (ショートカット) | 左サイドバー下部の「Shortcuts」から選択 | 手動起動型アンケートや即時報告 |
| Scheduled (スケジュール) | 「Trigger」画面左上の時計アイコン → 時間・周期を設定 | 定期リマインダー、週次レポート送信 |
| Webhook (外部から呼び出し) | 「External」→「Incoming Webhook」を選択 | 他システム(GitHub、Jenkins 等)との連携 |
| Form submission (フォーム送信) | 「Forms」タブ → 新規作成 | ユーザー入力ベースの承認フロー |
それぞれの設定画面は「Trigger」→「Add trigger」からアクセスできます。最新 UI のスクリーンショットは公式ヘルプに掲載([^5])しています。
ステップ追加と活用できる機能
1. フォーム作成
- 目的:ユーザーから必要情報を取得し、次工程へ渡す。
- 手順
- 「Add step」→「Form」→「Create new form」
- 項目(テキスト・数値・日付等)をドラッグ&ドロップで配置
- 必須項目はスイッチ On、プレースホルダーやヘルプテキストも設定可能
| フィールド例 | 説明 |
|---|---|
requester (自動取得) |
申請者のユーザーID |
amount (数値) |
金額(¥) |
purpose (長文) |
使用目的 |
2. メッセージ送信
- 用途:承認依頼・通知・結果報告など。
- ポイント
- 変数は
{{form.response.field_name}}の形で埋め込む([^6])。 - メンション (
@here,@channel) は必要に応じて付与し、重要度を調整。
|
1 2 3 4 5 |
:moneybag:*経費申請が届きました* 申請者: {{form.response.requester}} 金額: ¥{{form.response.amount}} 目的: {{form.response.purpose}} |
3. カスタム関数(Custom Functions)
Slack が 2023 年 6 月 に正式リリースした機能です。JavaScript(Node.js)でロジックを記述し、外部 API 呼び出しやデータ加工が可能です。
- 公式ドキュメント:[Custom Functions – Slack Platform][^7]
- 利用例:金額が 100,000 円以上の場合にエスカレーションフラグを立てる
|
1 2 3 4 5 6 |
// custom_function.js export default async ({ inputs }) => { const amount = Number(inputs.amount); return { escalated: amount > 100000 }; }; |
- 設定手順
- 「Add step」→「Custom Function」→「Create new function」
- 上記コードを貼り付け、
amountを入力変数としてマッピング - 出力変数
escalatedを次の条件分岐で使用
4. 条件分岐(If/Else)
- 目的:フローを二股に分岐させ、ケースごとに異なる処理を実行。
- 設定例
| 条件 | 真の場合のステップ | 偽の場合のステップ |
|---|---|---|
{{outputs.escalated}} == true |
上長へエスカレーション通知 | 経理チャンネルへ通常承認依頼 |
5. テンプレート活用とカスタマイズ比較
| 項目 | 標準テンプレート(例) | カスタマイズ例 |
|---|---|---|
| 対象 | 承認フロー、オンボーディング | 部署コード・プロジェクトID 追加 |
| トリガー | Form submission | Webhook + Custom Function |
| ステップ数 | 3〜4 歩 | 6 歩以上(分岐+外部 API 呼び出し) |
| 保守性 | 高(変更が少ない) | 中程度(コード管理が必要) |
プレビュー・テスト・公開フロー
1. プレビューモードでの動作確認
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 権限 | ビルダー利用者に「Workflow Builder」権限が付与されているか |
| トリガー実行 | テスト用アカウントで手動またはスケジュール起動 |
| メッセージ送信先 | 正しいチャンネル/DM へ届くか |
| Custom Function エラー | コンソールにエラーログが出ていないか |
プレビューは画面右上の 「Preview」 ボタンから実行できます。テスト用データは「Run with sample data」を利用すると便利です([^8])。
2. 公開と下書き保存の違い
| 状態 | 説明 |
|---|---|
| Publish | 全メンバーが即座に使用可能。変更時は再度 Publish が必要 |
| Save as draft | 編集途中状態で保存。リンク共有で限定的にテストできる(管理者のみ閲覧可) |
3. 編集・複製・削除の手順
- ビルダー左側メニューの 「My workflows」 → 対象ワークフローを選択
- Edit アイコンで変更、完了後は Save → 必要に応じて Publish
- Duplicate ボタンでテンプレート化し、別プロジェクト用に名前変更
- Delete は右上のゴミ箱アイコン → 確認ダイアログで確定
実務活用シナリオとトラブルシューティング
1. 経費承認フロー(社内)
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| Trigger | フォーム送信 |
| Step 1 | メッセージ送信 → #finance-requests |
| Step 2 | Custom Function:金額が 100k 円超か判定 |
| Step 3 | 条件分岐 → 超過の場合は上長へエスカレーション、そうでなければ経理のみ承認 |
2. 新入社員オンボーディング
- Trigger: Webhook(HR システムから自動通知)
- Step 1: ウェルカムメッセージ →
#general - Step 2: 必要書類リンク送付(Form)
- Step 3: 人事担当へタスク割当(Message + @mention)
3. インシデント報告フロー
| トリガー | ショートカット |
|---|---|
| Step 1 | フォームで障害内容入力 |
| Step 2 | メッセージ送信 → #incident-alerts |
| Step 3 | Custom Function で優先度判定 |
| Step 4 | 条件分岐で対応チーム(SRE / Dev)へ自動割当 |
4. 定期リマインダー
- Trigger: Scheduled(毎月第1営業日 09:00)
- Step: メッセージ送信 →
#reportingにレポート提出依頼と完了ボタン付き
よくあるトラブルと対処法
| トラブル | 主な原因 | 推奨解決策 |
|---|---|---|
| トリガーが表示されない | 管理者が Workflow Builder の利用を制限している | Settings → Permissions → “Workflow Builder” を ON([^2]) |
| Webhook が届かない | URL 誤記、または外部サービス側の認証エラー | Webhook 設定画面で 「Copy URL」 を再取得し、テスト送信でステータスコード 200 を確認 |
| Custom Function がエラーになる | JavaScript 文法ミス、未許可 API の呼び出し | コンソールログ (console.log) でデバッグし、使用可能な API は公式リファレンス([^7])を参照 |
| メッセージ送信が失敗 | ボットに対象チャンネルへの投稿権限が無い | Workspace Settings → Permissions → “Post messages” を対象チャンネルで許可、またはパブリックチャンネルへ変更 |
| プレビュー時に権限エラー | テストユーザーが「Workflow Builder」権限を持っていない | 該当ユーザーに “Can create and edit workflows” 権限を付与([^2]) |
まとめ
- 有料プランと管理者権限 が揃って初めて Workflow Builder が利用可能です。
- 現行 UI(2024‑10 時点)では左上メニュー → Workflow Builder → Create の順で開始します。
- トリガーは Shortcut / Scheduled / Webhook / Form の 4 種類が主流で、用途に合わせて選択してください。
- フォーム・メッセージ送信・Custom Function(2023 年正式提供)・条件分岐を組み合わせることで、ほとんどの業務フローを自動化できます。
- プレビューで必ずテスト し、権限や外部連携のエラーを事前に洗い出すことが成功の鍵です。
- 公開は Publish、変更途中は Save as draft を活用し、ステークホルダーとレビューサイクルを回しましょう。
これらの手順とベストプラクティスに沿って設定すれば、Slack Workflow Builder で実務に即した堅牢な自動化フローを構築できます。
脚注・参考リンク
[^1]: Slack Help Center – [Which plans include Workflow Builder?] https://slack.com/help/articles/360043427673-which-plans-include-workflow-builder
[^2]: Slack Help Center – [Manage permissions for Workflow Builder] https://slack.com/help/articles/360059927113-manage-permissions-for-workflow-builder
[^3]: Slack Official Blog – [Introducing the new Slack UI (2025) – not yet released] (情報は未公開のため、現行 UI の手順を記載)
[^4]: Slack Help Center – [Best practices for naming workflows] https://slack.com/help/articles/360050945713-best-practices-for-naming-workflows
[^5]: Slack Help Center – [Workflow Builder triggers overview] https://slack.com/help/articles/360058927313-overview-of-triggers-in-workflow-builder
[^6]: Slack API Docs – [Variables in Workflow Builder messages] https://api.slack.com/reference/workflows/variables
[^7]: Slack Platform Documentation – [Custom Functions] https://api.slack.com/workflows/custom-functions
[^8]: Slack Help Center – [Preview and test a workflow] https://slack.com/help/articles/360058927713-preview-and-test-a-workflow