Contents
1. アカウント作成と基本情報・ドメイン認証
1‑1. アカウント登録の流れ
| 手順 | 操作内容 | 補足 |
|---|---|---|
| ① | 公式サイト https://www.hubspot.jp の 「無料で始める」 ボタンをクリック | メールアドレスは社内で管理されているものを使用(例: yourname@yourcompany.co.jp) |
| ② | 氏名・パスワードを入力し、メール認証リンクをクリック | パスワードは 12 文字以上、英数字+記号の組み合わせが推奨 |
| ③ | 初回ログイン後に表示される 会社情報入力画面 に必須項目を入力 | 必須項目は「会社名」「所在地(都道府県まで)」「業種」 ※売上・従業員数は任意だが、レポートで自動集計されるので可能な限り入力 |
1‑2. ドメイン所有権の認証手順
HubSpot の全機能(メール送信、トラッキング、CTA)を利用するには 自社ドメイン を HubSpot に紐付け、所有権を確認する必要があります。以下は一般的な DNS プロバイダー(例: Cloudflare、さくらのレンタルサーバ)での手順です。
- HubSpot 側設定
- メニュー → 「設定」>「ドメインと URL」 を開く。
-
「接続するドメイン」欄に
example.co.jp(自社サイトのルートドメイン)またはサブドメイン(例:marketing.example.co.jp)を入力し 「次へ」。 -
HubSpot が提示する CNAME レコード
- ホスト名:
hubspot.example.co.jp(※実際にはexample.comではなく、任意のサブドメイン) -
値(ポイント先):
hs-sites.comまたは HubSpot が表示する専用エンドポイント(例:xxxxxx.hubspotusercontent.com) -
DNS に CNAME を追加(プロバイダーごとの手順例)
text
Type : CNAME
Name : hubspot.example.co.jp ← ここは「ホスト名」または「サブドメイン」と表記されることがあります
Content/Value : xxxx.hubspotusercontent.com
TTL : 300 秒(5 分) ← 変更がすぐに反映されやすくするため推奨 -
注意点
- 同一ホスト名で別の CNAME が設定済みの場合は削除または統合してください。重複すると所有権確認が失敗します。
- 既に
www用に CNAME がある場合、サブドメインを変えるか ALIAS/ANAME レコードの利用も検討してください。
-
DNS 変更の反映確認
-
変更後、数分〜最大 48 時間(プロバイダーによる)で DNS が全世界に伝搬します。
nslookupやdigコマンドで CNAME が正しく解決できているか確認してください。 -
HubSpot で所有権を検証
- HubSpot の設定画面に戻り 「所有権を確認」 ボタンをクリック。緑のチェックマークが表示されれば完了です。
外部リンクの注記:本稿中で参照した
turbine.co.jp系記事は、執筆時点では実在が未確認です。公式ガイド(https://knowledge.hubspot.com/ja/)を優先的にご参照ください。
2. 権限セット・ユーザー追加・チーム構成
2‑1. 標準ロールとカスタムロールの設計指針
| ロール名 | 主な権限範囲 | 推奨利用シーン |
|---|---|---|
| スーパーユーザー(管理者) | 全機能の閲覧・編集・設定変更 | システム全体の管理、外部ベンダー連携 |
| マーケティングマネージャー | メール・リスト・ワークフロー作成・レポート閲覧 | キャンペーン設計・実行 |
| 営業担当者 | 取引・コンタクトの閲覧・編集、カスタムプロパティ更新 | 商談管理 |
| データアナリスト(読み取り専用) | レポート・ダッシュボードのみ閲覧 | データ分析・KPI 監視 |
カスタムロールは上記をベースに、部署固有の業務フローに合わせてチェック項目を追加します。権限が過剰になると情報漏洩リスクが高まるため、最小権限の原則(Principle of Least Privilege) を必ず守りましょう。
2‑2. 権限セット作成手順
- 設定 > ユーザーとチーム → 「権限セット」タブを開く。
- 「新しい権限セットを作成」 をクリックし、ロール名と説明文を入力。
-
機能ごとのチェックボックスで以下のように設定(例:マーケティング管理者)
-
CRM → 連絡先・取引の閲覧・編集(※削除は不可)
- マーケティング → メール作成、リスト管理、ワークフロー作成権限をオンにする
- レポート → ダッシュボード閲覧+エクスポート許可
-
設定 → 「ドメインと URL」や「メール送信設定」へのアクセスはオフ
-
設定完了後 保存。作成したロールはユーザー招待時に割り当て可能です。
2‑3. ユーザー招待とチーム編成
| 手順 | 操作ポイント |
|---|---|
| ① | 「ユーザー」タブで 「ユーザーを招待」 → 社内メールアドレス入力。 |
| ② | 招待メール送信後、受取人はリンクから HubSpot にサインアップし、個人用パスワードを設定。 |
| ③ | 招待完了後、対象ユーザーの 「権限セット」 を先ほど作成したロールに割り当てる。 |
| ④ | 同画面の 「チーム」 タブで部門ごとに 新しいチーム(例:コンテンツ制作部)を作成し、メンバーをドラッグ&ドロップで追加。 |
| ⑤ | チーム設定画面で 「デフォルト権限セット」 を指定できるので、同一部署の新規ユーザーに自動適用させると運用が楽です。 |
ベストプラクティス:管理者は定期(例:半年)に権限レビューを実施し、不要になったロールや過剰な権限は速やかに削除・修正する。
3. トラッキングコード取得とサイト埋め込み、送信ドメイン認証
3‑1. HubSpot トラッキングスニペットの取得
- 設定 > トラッキング & アナリティクス > トラッキングコード を開く。
- 表示される JavaScript スニペットをコピーし、全ページ共通の
<head>タグに貼り付けます。
|
1 2 3 |
<script type="text/javascript" id="hs-script-loader" async defer src="//js.hs-scripts.com/YOUR_HUB_ID.js"></script> |
YOUR_HUB_IDは HubSpot アカウント固有の数値です(例:1234567)。- 設置回数は 1 回だけ に限定し、重複するとデータが二重計測されます。
3‑2. 主な CMS 別埋め込み手順
| CMS | 設置箇所と具体的操作 |
|---|---|
| WordPress (Classic) | 外観 → テーマエディター → header.php の </head> 直前に貼り付け。 |
| WordPress (ブロック/テーマカスタマイザー) | 「外観」→「カスタマイズ」→「追加 CSS/HTML」→ヘッダー用スクリプト領域へ貼り付け。 |
| Shopify | 管理画面 → Online Store → Themes → Edit code → layout/theme.liquid の <head> 内に貼り付け。 |
| カスタム HTML | 直接 index.html、_includes/head.html 等のヘッド部に挿入。 |
注意:CMS によってはキャッシュプラグインや CDN がスニペットを除外することがあります。導入後は Chrome の DevTools → Network タブで
hs-script-loaderが 200 OK で取得できているか必ず確認してください。
3‑3. 送信ドメイン認証(SPF / DKIM)— 詳細 DNS 設定
HubSpot からメールを配信する際は、SPF と DKIM の両方を設定し、受信側での DMARC 判定に引っかからないようにします。
| 種別 | 推奨レコード例 | 説明 |
|---|---|---|
| CNAME (DKIM) | email.example.co.jp CNAME dkim.hubspot.com |
HubSpot が提供する DKIM キー(ホスト名は画面で提示) |
| TXT (SPF) | example.co.jp TXT "v=spf1 include:mail.hubspot.com ~all" |
既存の SPF に include:mail.hubspot.com を追加。すでに別のレコードがある場合は 1 行に統合してください。 |
| TXT (DKIM)(オプション) | hubspot._domainkey.example.co.jp TXT "k=rsa; p=PUBLIC_KEY" |
HubSpot が提供する公開鍵を貼り付ける方式。一部環境では CNAME だけで完結します。 |
設定時のポイント
- TTL は 300 秒(5 分) に設定し、変更後すぐに反映させやすくする。
- 既存レコードとの競合を回避:同一ホスト名で複数の TXT があると SPF/DKIM が無効になるので、
dig txt example.co.jpで事前確認。 - Propagation(伝搬)時間は DNS プロバイダーにより異なるが、通常 30 分〜2 時間 以内に反映されます。HubSpot の「認証」ボタンを押す前に
nslookup -type=TXT example.co.jp等でレコードが正しく設定されたか確認してください。
外部リンクの注記:本稿では HubSpot 公式ナレッジベース(https://knowledge.hubspot.com/)を参照しています。サードパーティサイトへのリンクは、情報の信頼性が不明なため削除しました。
4. コンタクトデータの CSV インポートとプロパティマッピング
4‑1. インポート前に行うべき準備
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| カスタムプロパティ作成 | HubSpot の 設定 > プロパティ で、インポート予定の列(例:Lead Source、契約開始日)を事前に定義。文字列・数値・日付などデータ型を正しく選択。 |
| CSV フォーマット統一 | UTF‑8 エンコード、BOM なし、カンマ区切り(Excel の「名前を付けて保存」→CSV (UTF-8))。ヘッダーは HubSpot のプロパティ API 名と完全一致させる。 |
| 重複除外ポリシー決定 | 「スキップ」か「上書き」のどちらが適切か、事前に社内で合意。多くの場合は スキップ が安全です。 |
| テストインポート | 1,000 件未満のサンプルデータでまず試行し、エラーログを確認。 |
4‑2. インポート手順(画面操作)
- コンタクト > すべての連絡先 → 右上の 「インポート」 をクリック。
- 「ファイルからインポート」→「CSV ファイル」を選択し、作成した CSV をアップロード。
- マッピング画面で自動マッピングが失敗した列は手動でドロップダウンから正しいプロパティを選択。ヘッダー名と HubSpot の内部 ID が一致すれば自動的に紐付くはずです。
- 「重複除外設定」画面で 「メールアドレスが同一の場合はインポート対象から除外(スキップ)」 を選択し、次へ進む。
- インポート開始 → 完了後に表示されるレポートでエラー件数と原因を確認。
4‑3. エラーハンドリング例
| エラー種別 | 主な原因 | 解決策 |
|---|---|---|
| 必須項目が空 | Email が未入力、またはヘッダー名不一致 |
CSV の該当列を必ず埋め、ヘッダーを正しく修正。 |
| データ型不整合 | 日付列に 2023/12/31 ではなく 31-12-2023 が入っている |
HubSpot の日付フォーマット(ISO 8601: YYYY-MM-DD)へ統一。 |
| 文字数超過 | テキストプロパティの上限(例:255 文字)を超えている | 列をトリム、または長文用の「マルチラインテキスト」プロパティに変更。 |
4‑4. 大量データ向けベストプラクティス
- バッチサイズ:5 万件以上になる場合は 10,000 件ずつに分割してインポートすると、タイムアウトやロックのリスクが低減します。
- API 連携:定期的なデータ同期が必要ならば、HubSpot の Import API(/crm/v3/imports)を利用し、スクリプトで自動化することも検討してください。
5. ハウスリスト・スマートリストの作成と活用シーン
5‑1. リストタイプの違い
| タイプ | 特徴 | 主な利用ケース |
|---|---|---|
| ハウスリスト(静的) | 手動でコンタクトを追加・削除。インポート後やキャンペーン終了時に保存しておくと便利。 | イベント参加者名簿、過去の顧客データベース |
| スマートリスト(動的) | 条件が変わるたびに自動で再評価。リアルタイムで最新セグメントを保持できる。 | リードナーチャリングフロー、AB テスト対象抽出 |
5‑2. スマートリスト構築例(具体的な条件設定)
- コンタクト > リスト → 「新しいリスト」 → 「スマートリスト(動的)」を選択。
-
条件ビルダーで以下のロジックを作成
-
ライフサイクルステージ = LeadAND メール開封数 > 0AND-
最終クリック日 が 過去 7 日以内OR (ページ閲覧回数 >= 3AND訪問回数が過去30日以内) -
複雑な条件は 「グループ」 ボタンで括り、AND / OR の優先順位を明示。
- 「保存」するとリアルタイムに対象コンタクト数が表示され、画面右上の 「エクスポート」 から CSV 出力も可能(権限次第)。
5‑3. リスト活用シーンベストプラクティス
| シナリオ | 使用リスト | 主なアクション |
|---|---|---|
| 新規リード育成 | スマートリスト「メール開封 → クリック」 | ワークフローでウェルカムメール→2日後フォローアップを自動送信 |
| イベント参加者の追跡 | ハウスリスト「2026 Q1 ウェビナー参加者」 | アンケート配信用に手動でメール送付、別途リードスコアリングへ反映 |
| 離脱ユーザー再エンゲージ | スマートリスト「30日以上サイト未訪問」 | 再接触キャンペーン用テンプレートで一斉配信し、クリック率を測定 |
ポイント:スマートリストは 条件が追加・変更された瞬間に再評価 されます。頻繁に条件を変える場合は、リストの保存数上限(デフォルト 1,000) に注意してください。
6. マーケティングオートメーションワークフロー設計・メールテンプレート作成・テスト公開チェックリスト
6‑1. ワークフローデザインの基本構造
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| トリガー | ワークフロー開始条件(例:コンタクトが「Lead」ステージに変更) |
| 分岐 (IF/THEN) | 条件別に異なるパスへ振り分け(例:メール開封の有無) |
| アクション | メール送信、タスク作成、プロパティ更新、待機時間設定など |
実装例:リードナーチャリング 3 ステップ
- トリガー →
ライフサイクルステージ = Lead(コンタクトが「Lead」になった瞬間) - アクション① → ウェルカムメール送信(即時)
- 待機 → 2 日間の遅延
- 分岐 →
メール開封数 > 0? - Yes → フォローアップメール A を送信、
Lead Score +10 - No → リマインドメール B を送信(3 日後)
6‑2. メールテンプレート作成と認証フロー
- マーケティング > 電子メール → 「新しいメール」→「ドラッグ&ドロップ」または「カスタム HTML」
- 件名・プレビュー文を入力し、必ず パーソナライズトークン(例:
{{ contact.firstName }})で受取人感覚を向上。 - 送信ドメイン認証が完了しているか確認 → 設定画面の緑マークが表示されていれば OK。未認証の場合は前述の DNS 手順に戻る。
- テスト送信 → 自社メールアカウントへ 2 通以上(HTML とプレーンテキスト)を送り、リンク・画像・トラッキングコードが正しく表示されているかチェック。
6‑3. テスト実行とエラーログ確認
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| ① | ワークフロー画面右上の 「テスト」 → 「テストコンタクトでシミュレーション」ボタンをクリック。 |
| ② | テスト用に事前に作成したデモコンタクト(メールアドレスは実在しないダミー可)を選択。 |
| ③ | 「開始」を押すと、設定された順序でアクションが仮想的に実行され、履歴タブにステップごとの結果が表示。 |
| ④ | エラーログは 「履歴」 > 「エラー」 に一覧化されるので、失敗したメール送信やプロパティ更新の原因を確認。 |
6‑4. 本番公開前チェックリスト(全体版)
| # | 項目 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 1 | トリガー設定 | 正しいオブジェクトとステータスが選択されているか |
| 2 | 分岐ロジック | AND/OR の意図した優先順位が正しく表現されているか(テストで期待通りに振り分けられる) |
| 3 | メールテンプレート認証 | 送信ドメインの緑マークが表示、SPF/DKIM が有効 |
| 4 | テスト送信結果 | テストコンタクトへ全てのメールが届き、リンク・画像が正しく表示されるか |
| 5 | 遅延設定 | 待機時間(例:2日、3日)が意図した通りに設定され、タイムゾーンはデフォルトで問題ないか |
| 6 | 重複防止 | 「同一コンタクトが 24 時間以内に再度フローへ入らない」設定が有効化されているか |
| 7 | エラーログ | テスト実行時にエラーが 0 件、もしくは許容範囲内であること |
| 8 | 権限確認 | ワークフロー編集者と実行者のロールが適切(例:マーケティングマネージャーのみ公開可) |
| 9 | バックアップ | 重要なワークフローは「コピー」機能で別名保存し、万一に備える |
最終確認:上記チェックリストをすべてクリアしたら、画面右上の 「公開」 ボタンを押して本番稼働させます。公開後は 24 時間以内に実際のコンタクトで動作検証し、想定外の挙動があれば即座に 一時停止→修正→再公開 のサイクルを回してください。
まとめ(全体要点)
| カテゴリ | キーアクション |
|---|---|
| アカウント・ドメイン | アカウント作成 → 必須会社情報入力 → CNAME による所有権認証 |
| 権限設計 | 標準ロールをベースに最小権限でカスタムロールを作成、チーム単位でデフォルト割り当て |
| トラッキング & メール送信 | スニペットは全ページ 1 回だけ埋め込む → SPF/DKIM 設定でドメイン認証完了 |
| データインポート | カスタムプロパティ先行作成 → UTF‑8 CSV → 重複除外は「スキップ」推奨 |
| リスト活用 | ハウスリストは一次的名簿、スマートリストはリアルタイム条件分岐に利用 |
| ワークフロー自動化 | トリガー・IF/THEN・アクションの 3 要素で設計 → テンプレート認証・テスト実行 → チェックリストで本番公開 |
今すぐできること
1. HubSpot にログインし、設定 > ドメインと URL へ移動。CNAME の追加指示を取得し DNS に反映させる。
2. 権限セット画面で「マーケティング管理者」ロールを作成し、自分と上長に割り当てる。
3. トラッキングコードを自社サイトの<head>に貼り付け、Chrome の DevTools でロード確認。
これらを完了すれば、HubSpot の全機能が使える土台が整います。以降はリードナーチャリングやレポート作成に集中できるようになりますので、ぜひ実践してください。