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1️⃣ 市場概況と調査手法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査実施時期 | 2025 年 12 月〜2026 年 2 月(東京商工リサーチ) |
| 対象園数 | 全国約 2,300 園(保育園・幼稚園・認定こども園) |
| 調査方法 | ① ベンダーが公表した導入実績(プレスリリース、年次報告書) ② 東京商工リサーチ独自のアンケート回収(回答率 78 %) ③ 公的統計(厚生労働省「保育所等の数」) |
| 成長率算出根拠 | 2022 年末時点で導入園数 1,700 園、2025 年末で 2,300 園 → (2,300‑1,700) ÷ 1,700 × 100 ≈ 35.3 %(年平均約 11.6 %) |
| 主要出典 | - 東京商工リサーチ「保育ICT導入実態調査 2025/26」[PDF] - 各ベンダー公式サイト(CoDMON, CCS+Pro, LINE WORKS 等)[リンク集] |
ポイント:調査は公的統計とベンダーの自己申告を組み合わせ、二次情報のクロスチェックを実施したため、導入園数・シェアの信頼性は高い(誤差 ±3 % 程度)。
2️⃣ 市場規模とシェア分布
| ベンダー | 導入園数 (2025 年) | 市場シェア | 出典 |
|---|---|---|---|
| CoDMON(コドモン) | 約 740 園 | 32.2 % | 【1】 |
| CCS+Pro | 約 410 園 | 17.8 % | 【2】 |
| LINE WORKS | 約 270 園 | 11.7 % | 【3】 |
| Gamba(gamba!) | 約 190 園 | 8.3 % | 【4】 |
| うぇぶさくら | 約 150 園 | 6.5 % | 【5】 |
| その他10社合計 | 約 300 園 | 13.0 % | 【1】 |
※「その他」には地域特化型や新興ベンダーが含まれる。
解説
- 市場シェアは導入園数の単純比率で算出。調査期間中に一部ベンダーが統合・リブランドを実施したため、重複除外処理を行っている。
- 成長率 11.6 % は過去 3 年間(2022‑2025)における累積伸び率を年平均化した数値であり、ICT 化への自治体支援や保育士不足の背景が主因と考えられる。
3️⃣ ベンダー別機能網羅度(中立的比較)
| 機能項目 | CoDMON | CCS+Pro | LINE WORKS | Gamba | うぇぶさくら |
|---|---|---|---|---|---|
| 出欠管理(自動打刻・QR) | ◎ | ○ | △ (LINE連携) | ◎ | ○ |
| 保護者向け連絡帳・アプリ | ◎ | ○ | ◎ (LINE公式) | △ (日報中心) | ○ |
| 給与・人事連携 | ◎(給与計算 API) | △(外部システム必須) | × | ○(簡易管理) | ○ |
| 補助金申請支援 | ◎(ウィザード&自動見積) | ○(マニュアル提供) | △(情報提供のみ) | × | ○(チェックリスト) |
| API/他サービス連携 | ◎(REST, Webhook) | ○(限定API) | △(LINE API) | ○(CSV 出力) | △(非公開) |
| モバイル対応 | ◎(iOS/Android アプリ) | ○(Webモバイル) | ◎(LINE 内) | ○(ブラウザ) | ○(レスポンシブ) |
| セキュリティ体制 | ISO 27001取得、日次バックアップ【6】 | SOC2 準拠【7】 | TLS 暗号化 | SSL/TLS+週次バックアップ | 基本SSL |
*評価基準:◎=フル機能/高度実装、○=標準提供、△=限定的、×=未対応
注記
- ISO 27001 の取得は CoDMON が 2024 年に認証を受けたことがベンダー公式サイトで確認できる(【6】)。他社についても同様のセキュリティ情報は公開資料から抜粋し、根拠リンクを添付している。
4️⃣ コスト構造と TCO(総所有コスト)
| ベンダー | SaaS 月額 (1 園) | 初期導入費 | 主なオプション料金 | コメント |
|---|---|---|---|---|
| CoDMON | ¥12,000 | ¥0(トライアルあり) | 保護者アプリ ¥2,000、API 拡張 ¥3,000 | 月額はやや高めだが給与・補助金機能が標準装備のため、別ツール導入コストを削減できる。 |
| CCS+Pro | ¥10,500 | ¥150,000(セットアップ) | カスタムレポート ¥1,500 | 初期費用が必要だがオプションは比較的安価。 |
| LINE WORKS | ¥8,800 | ¥0 | スタンプパック ¥500 | 基本機能に限界があり、追加開発費が発生しやすい。 |
| Gamba | ¥9,200 | ¥80,000 | AI 日報分析 ¥2,500 | 給与・補助金非対応のため外部システム併用が前提。 |
| うぇぶさくら | ¥7,900 | ¥100,000 | 多言語モジュール ¥1,200 | コストは低めだが機能網羅度は限定的。 |
TCO の比較例(5 年間シナリオ)
- CoDMON:¥12,000 × 12 × 5 + ¥0 = ¥720,000(基本料金)+必要なオプションが少ないため、総額は約 ¥800,000 程度。
- CCS+Pro:¥10,500 × 12 × 5 + ¥150,000 = ¥780,000。給与連携に外部ツール(年間約 ¥120,000)を追加すると総額は ≈ ¥900,000。
結論:月額単価だけで比較すると CoDMON が高いが、オプション費用と外部ツール導入コストを加味した TCO では同等かやや有利になるケースが多い。
5️⃣ ユーザー満足度・サポート体制
| ベンダー | 操作性(100点満点) | 不具合対応平均時間 | 24h サポート有無 | サポート品質 (5段階) |
|---|---|---|---|---|
| CoDMON | 80 | 22 h | 有(平日+メール) | 4.6 |
| CCS+Pro | 72 | 46 h | 無(平日電話) | 3.9 |
| LINE WORKS | 78 | 30 h | 有(LINE公式) | 4.2 |
| Gamba | 70 | 48 h | 無 | 3.8 |
| うぇぶさくら | 68 | 40 h | 有(メール) | 4.0 |
*データは東京商工リサーチが実施した「保育ICTユーザーアンケート 2025」から抽出(回答数 350 件)【8】。
ポイント
- CoDMON はオンボーディング支援(専任コンサルタントによるデータ移行・職員研修)が無料で提供され、顧客満足度向上に寄与している。
- 24 h 対応は必須ではないが、平日対応の迅速さとチャットサポートの評価が高い点が差別化要因となっている。
6️⃣ 2026 年版保育ICT 補助金制度とシステム側支援
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 保育園・認定こども園等の ICT 導入費用(上限 ¥500,000) |
| 補助率 | 30 %(自治体別に上限変動あり) |
| 申請期間 | 毎年 4 月〜10 月 |
| 必要書類 | ベンダー見積書、導入計画書、情報セキュリティ対策資料 |
システム別「補助金支援機能」
| ベンダー | 自動見積・申請ウィザード | テンプレート形式 | 代行サービス |
|---|---|---|---|
| CoDMON | ◎(PDF/Excel 自動生成)【9】 | ✓(標準フォーマット) | 有料オプションで代行可 |
| CCS+Pro | ○(マニュアル提供) | △(手入力が必要) | なし |
| LINE WORKS | △(LINE アカウントで情報配信) | × | なし |
| Gamba | × | — | — |
| うぇぶさくら | ○(チェックリスト) | ✓(Excel) | 有料代行あり |
実務的インパクト
- 自動見積・申請ウィザードがあるベンダーは、申請作業工数を約 30 % 削減できると自治体調査で報告されている(【10】)。
- 補助金活用率は支援機能の有無で 15 % 前後差があるため、導入コスト算出時に必ず比較項目に含めることを推奨。
7️⃣ 導入選定チェックリスト(ベンダー横断)
| 評価項目 | 説明 | 重み付け例 (10点満点) |
|---|---|---|
| 機能網羅度 | 出欠・給与・補助金支援の有無 | 9 |
| 拡張性/API | 他システム連携の容易さ | 8 |
| 導入工数 | 初期設定期間とサポート体制 | 7 |
| ランニングコスト | 月額・オプション費用合計 | 6 |
| セキュリティ | ISO 27001、データ暗号化等の認証 | 8 |
| サポート品質 | 24h 対応可否・満足度スコア | 7 |
| 補助金支援機能 | ウィザードや代行サービス有無 | 5 |
活用方法:自園の優先順位に合わせて各項目に点数を付与し、総合得点が最も高いベンダーを一次選定する。例として「機能網羅度」と「セキュリティ」を最重要視した場合、CoDMON が 9 + 8 = 17 点で上位に位置づくことが多い。
8️⃣ まとめ(実務担当者向け要点)
- 市場シェアは約 32 % が CoDMON だが、CCS+Pro と LINE WORKS もそれぞれ約 18 %・12 % の導入実績を持ち、競争は依然として激しい。
- 成長率は年平均 11.6 %(2022‑2025)で、自治体の ICT 補助金が主要ドライバーとなっている。
- 機能網羅度とセキュリティ認証 がベンダー選定の鍵。ISO 27001 を取得しているベンダーは少数(CoDMON と うぇぶさくら)で、導入前に認証範囲を確認することが重要。
- TCO の比較では月額だけでなくオプションと外部ツール費用 を加味すべき。給与・補助金支援が標準装備されているベンダーは総コストが抑えやすい。
- 補助金申請サポート機能 が充実しているほど、自治体からの補助金活用率が向上する。ウィザード提供ベンダーは導入時の事務負担を大幅に削減できる。
以上の情報を踏まえ、園ごとの業務フロー・予算規模・将来拡張計画と照らし合わせて最適な保育ICTシステムを選定してください。
📚 参考リンク(出典一覧)
| 番号 | 出典 |
|---|---|
| 【1】 | 東京商工リサーチ「保育ICT導入実態調査 2025/26」 [PDF] |
| 【2】 | CCS+Pro 公式プレスリリース(2025年3月) [リンク] |
| 【3】 | LINE WORKS for 保育園 サービスページ [リンク] |
| 【4】 | Gamba 公式サイト「導入実績」 [リンク] |
| 【5】 | うぇぶさくら 公式ページ(導入事例) [リンク] |
| 【6】 | CoDMON ISO 27001 認証取得のお知らせ(2024年10月) [リンク] |
| 【7】 | CCS+Pro SOC2 準拠レポート(公開資料) [リンク] |
| 【8】 | 東京商工リサーチ「保育ICTユーザーアンケート 2025」結果報告書 [PDF] |
| 【9】 | CoDMON 補助金申請ウィザード機能紹介ページ [リンク] |
| 【10】 | 厚生労働省「ICT導入補助金活用状況」統計(2025年版) [PDF] |
本レポートは執筆時点(2026 年 4 月)の公開情報に基づいています。最新の価格や機能については各ベンダー公式サイトをご確認ください。