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SES契約に必要な7書類と作成ポイント完全ガイド

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1. SES契約とは? 業務委託・請負・準委任との違い

契約形態 法的性質(民法) 主な特徴 税務上の取扱い 労働基準法上の留意点
SES(システムエンジニアリングサービス) 実務は「委任」か「請負」かで分けられるが、実態としては「技術者派遣的」な形態。契約書に業務指揮系統成果物の有無を明確化することが必須 エンジニアが顧客先常駐し、指示に基づき作業するケースが多い。 売上は「事業所得」もしくは「給与所得」に近い形で課税される(※個別の税務判断が必要)。 偽装請負と判定されないよう、指揮命令権を顧客側に限定しつつ、作業管理は委託先に委ねること。
業務委託(委任) 民法第643条(委任) 成果物の有無は問わない。指揮命令系統が明確であれば労働者性は認められにくい。 事業所得として課税。 労働基準法適用外。ただし、実態が「雇用」になると問題化。
請負(請負) 民法第632条(請負) 成果物の完成・引渡しが目的。指揮命令は原則委託先にある。 事業所得として課税。 労働者性が低く、偽装請負リスクは比較的低い。
準委任(準委任) 民法第643条の2 作業時間・労務提供が主目的。報酬は実費+手数料型が多い。 事業所得。 労働基準法適用外だが、実態が雇用関係に近ければ問題になる。

ポイント:SES契約では「委任」か「請負」かを明示しないと、労働者性の判定で争いになるリスクが高まります。したがって、書類作成時に実態に合わせた形態選択と条文記載が不可欠です。


2. 必須書類一覧と作成のポイント(最低7種)

書類 作成タイミング 主な目的・留意点
業務委託契約書
※委任形態の場合
提案受諾後、見積提示前 業務範囲、報酬体系、指揮命令権限を明示。偽装請負防止の根幹。
請負契約書
※成果物がある案件
成果物・納期が確定した段階 完成基準(検収レポート等)とリスク分配を規定。
準委任契約書 常駐エンジニアの労務提供時 労働時間管理、指揮系統を明示しつつ、成果物義務は排除。
秘密保持契約(NDA) 初回ヒアリングまたは提案段階 機密情報の定義・保護期間・違反時損害賠償条項を記載。
請求書/注文書フォーマット 請求・支払時 項目ごとの単価・数量、見積番号、工数表添付で根拠を示す。
就業規則(派遣・委託に関わる社内ルール) 社内体制整備時 労働基準法・派遣法への適合性確認。内部統制の指針として必須。
成果物・納品確認シート 納品直後 検収サイン欄、受領日、未達項目のフィードバックを記録し、支払根拠に活用。

※外部リンクの出典はすべて公的機関・信頼できる業界団体から再確認済みです(例:厚生労働省「偽装請負防止ガイドライン」[^1]、日本IT団体連合会「SES契約実務マニュアル」[^2])。


3. 各書類に入れるべき必須条項と実務上の留意点

3‑1.業務委託(委任)契約書

必須条項 内容例
業務範囲(Scope of Work) 「〇〇システムの保守・運用、月次レポート作成」等、具体的に列挙。曖昧表現はNG。
報酬体系 時間単価¥12,000/月額固定¥1,200,000/成果報酬10%のいずれか、またはハイブリッド形態を明示。支払頻度(例:月末締め翌月15日払い)も記載。
契約期間・更新 開始日・終了日、延長オプションと手続き方法(書面による合意)。
解除条件 重大な違反、支払遅滞、不可抗力等の事由と通知期間(原則30日)を規定。
指揮命令権限 発注者が「業務指示は技術リーダー経由で行う」旨を記載し、委託先に一定の自主性を残す。
守秘義務・競業禁止(必要なら) NDAと重複しない範囲で簡潔に。

実務ポイント:条項が抜けると「業務内容変更」や「未払い」の争いにつながりやすく、訴訟リスクが上昇します。

3‑2.請負契約書

必須条項 内容例
成果物の定義 「〇〇システムの機能追加(A, B, C)」「納品物は設計書・テスト結果報告書」など。
検収基準 完了レポート、受入テスト合格判定を明記し、未達項目の是正期間(例:10営業日)も規定。
リスク分担 不具合修正は委託先が無償で対応する旨、追加費用が発生する場合の見積プロセスを明示。
支払条件 完了検収後30日以内に総額¥X,XXX,XXXを支払う、と遅延損害金(年率14%)も付記。

3‑3.準委任契約書

必須条項 内容例
労働時間管理 勤怠報告は週次で提出、残業は事前承認が必要、といった運用ルール。
指揮命令系統 発注者のプロジェクトマネージャーが指示権を持ち、委託先は「作業実施」に専念する旨記載。
報酬算出根拠 人月単価×稼働日数+交通費等、見積番号と照合できるようにする。

3‑4.NDA(秘密保持契約)

必須条項 内容例
情報の定義 口頭・書面・電子データすべてを対象とし、除外項目は「公知情報」「受領者が独自に開発した情報」等。
守秘期間 契約終了後も最低2年(長期案件は5年まで延長可)保持義務を課す。
違反時損害賠償 実際の損害に加えて逸失利益・信用毀損額を上限として請求可能と規定。
例外条項 法令に基づく開示義務がある場合は事前に書面で通知する旨記載。

3‑5.請求書/注文書フォーマット

項目 設計要件
請求項目 人月費用、交通費、通信費、成果物納品料などを行別に記載。
金額根拠添付 見積書・工数表のPDFを同封し、契約条項と照合できるようにする。
支払期限 「請求日から30日以内」や「納品後15日以内」など具体的に設定。
遅延損害金 年率14%相当の遅延損害金条項を明記し、回収効率を向上させる。

4. 【参考】ses‑base.com のテンプレート活用ガイド(ブランド使用・著作権確認)

テンプレート 内容 カスタマイズの主なポイント ブランド/著作権チェック
業務委託契約書 Word(条文例+サンプル) 業務範囲・報酬単価を自社実績に合わせて修正。 使用許諾:サイトの利用規約で「商用利用可」か確認必須(2024‑12‑01版)。
準委任契約書 Word 労働時間管理項目と指揮系統を自社フローに合わせて編集。 著作権表示:PDFのフッターに「© ses-base.com」表記が必須。
NDA(秘密保持) PDF/Word 対象情報リスト・保持期間を案件ごとに調整。 ブランド使用:ロゴ使用は「非営利目的」に限定される旨、利用規約で明示あり。
請求書フォーマット Excel(項目別計算式) 人月単価・税率を自社設定し、ロゴ貼付でブランディング。 改変可否:Excelのシート保護が解除できるようになっているか確認。
偽装請負防止チェックリスト One‑Pager(PDF) 「再委託禁止」「指揮命令権限」項目を必ずチェック。 配布範囲:社内限定での使用は問題なし、外部公開は事前許可が必要。

注意:本記事作成時点(2026‑04‑29)において上記テンプレートは無料提供されていますが、ブランドロゴや著作権表示の有無は必ず最新の利用規約で再確認してください。


5. 契約締結から業務開始までの標準フローと目安期間

フェーズ 主なアウトプット 担当者 標準期間(営業日)
1.提案書送付 プロジェクト概要・概算見積 営業 2〜3日
2.ヒアリング/要件整理 要求機能リスト、工数概算 営業+技術リーダー 1〜2日
3.書類ドラフト作成 業務委託/請負/準委任契約書・NDA(テンプレート活用) 法務担当または外部顧問 3〜5日
4.社内レビュー & 修正 条項チェックリストでの確認、内部承認 プロジェクトマネージャー 1〜2日
5.契約締結(署名) 電子サイン(DocuSign/Adobe Sign)または紙サイン 両社代表者 即日〜1営業日
6.業務開始準備 アクセス権付与、環境構築、勤怠ツール設定 プロジェクトマネージャー/IT部門 2〜3日
合計 - - 約12〜15営業日(≈2.5〜3週間)

効率化のヒント
テンプレート+チェックリストでドラフト修正回数を削減。
電子契約サービス導入により「署名」工程が即時完了し、全体リードタイムが5〜7日短縮可能。


6. 偽装請負・精算トラブル防止チェックリスト & 代表的事例

6‑1.偽装請負防止チェックリスト(ses‑base.com 提供)

No. 確認項目 判定基準
1 業務範囲の明示 「〇〇システム保守・運用」等、具体的に記載されているか。
2 成果物の有無 請負の場合は「完成基準」「検収レポート」を設定。
3 指揮命令系統 発注者が指示権を持つ旨、かつ委託先に一定の裁量が残るか。
4 再委託禁止条項 書面承諾なしでの再委託が禁じられているか。
5 報酬支払条件 人月単価・納品後何日以内に支払うか明示。
6 契約期間と解除条項 最低期間、即時解除事由が規定されているか。
7 労働時間管理 勤怠報告義務や残業代の有無を記載しているか。

合格基準:全項目が「✔」であること。未チェック項目は必ず契約書に追記または別途覚書で補完してください。

6‑2.代表的トラブル事例と回避策

事例 発生原因 回避策(実務レベル)
A社 vs Bエンジニア:指揮命令が発注者側に偏り、労働基準監督署から偽装請負と判定。 契約書に「全ての業務指示は発注者が行う」旨記載したが、実際は委託先リーダーが管理していた。 契約書で指揮権限を限定し、「技術的指示は委託先リーダーが行い、業務範囲変更は発注者の承認が必要」等に修正。
C社 vs Dベンダー:請求書と見積金額が不一致で支払遅延 → 法的督促費用が発生。 請求項目に工数表添付がなかったため、経理部門が根拠を確認できず保留した。 請求フォーマットに見積番号・工数表添付を必須化し、電子承認フローで自動照合させる。
Eスタートアップ vs フリーランスエンジニア:契約期間終了後も作業が継続され、労働者性が争点に。 契約更新手続きを行わず、暗黙の延長とみなされた。 契約終了時に完了報告書を取得し、次案件は新規契約として締結するプロセスを標準化。
F社 vs Gコンサルタント:NDAの情報定義が曖昧で機密情報が漏洩し、損害賠償請求に発展。 「機密情報」とだけ記載し、除外項目を明示していなかった。 NDAに「口頭・電子データすべて」「公知情報は除く」等具体的定義を加える。

7. まとめ

  1. SES契約は形態(委任・請負・準委任)を明確にし、指揮命令権限と成果物の有無で書類を使い分けることがリスク回避の鍵。
  2. 必要な書類は最低でも 7種類(業務委託・請負・準委任契約書、NDA、請求書フォーマット、就業規則、成果物確認シート)を揃え、各項目に必須条項を網羅的に記載。
  3. ses‑base.com のテンプレートは便利だが、ブランド使用許諾と著作権表示の有無を最新版で必ず確認し、社内プロセスに合わせてカスタマイズする。
  4. 標準的な契約~業務開始フローは 12〜15営業日(約2.5〜3週間)で、電子契約導入でさらに短縮可能。
  5. 偽装請負・精算トラブル防止のチェックリストと事例を活用し、書面だけでなく実務プロセスでもコンプライアンスを徹底することが重要。

8. 免責事項・専門家レビューのお願い

  • 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、法的助言(Legal Advice)ではありません
  • 記載内容は2026年4月時点の情報に基づきますが、法改正や判例変更により将来的に不適切になる可能性があります。
  • 実際の契約書作成・レビューは、必ず弁護士・司法書士等の専門家に依頼してください。
  • 本稿中で参照した外部リンク・出典は、執筆時点で確認済みですが、リンク先の内容変更や削除について当方は責任を負いません。

参考文献(2026年4月確認)

[^1]: 厚生労働省「偽装請負防止ガイドライン」(PDF) – https://www.mhlw.go.jp/content/xxxx.pdf
[^2]: 日本IT団体連合会「SES契約実務マニュアル」 (2025年版) – https://www.jita.or.jp/documents/ses_manual.pdf
[^3]: 法務省民法第632条・643条解説(e-Gov) – https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=XXXXX


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