Contents
Java 8 を選ぶ理由と主要ディストリビューション
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| LTS(長期サポート) | Java 8 は最も広く使われている LTS バージョンで、2029 年まで公式のセキュリティ更新が提供されます。 |
| レガシーアプリとの互換性 | 多くの社内業務系システムや古い Android SDK が Java 8 しかサポートしません。 |
| 主要ディストリビューション | - Eclipse Temurin(旧 Eclipse Adoptium / AdoptOpenJDK) - Amazon Corretto 両方とも OpenJDK のバイナリを無償で提供しています。 |
※本稿では 「Eclipse Temurin」 という名称に統一します(配布元は Eclipse Adoptium、旧名 AdoptOpenJDK)。
インストール前の事前チェック
1. 既存 Java の有無を確認
| 手順 | 操作 |
|---|---|
| ① | Windowsキー + R → 「cmd」 と入力し Enter |
| ② | 以下コマンドを実行 |
|
1 2 3 |
java -version javac -version |
- Java がインストールされていない場合 → エラーメッセージが表示されます(例:
'java' は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されません)。 - インストール済みの場合 → 例えば次のように出力されます(※Java 8 の例)
|
1 2 3 4 |
java version "1.8.0_352" Java(TM) SE Runtime Environment (build 1.8.0_352-b08) Java HotSpot(TM) 64-Bit Server VM (build 25.352-b08, mixed mode) |
ポイント
- バージョンが11やそれ以上であれば、後述の手順でアンインストールまたは上書きインストールを検討してください。
- 「プログラムと機能」でもJava/JDKのエントリが残っていないか確認します。
2. アーキテクチャの把握(64bit or 32bit)
- システム情報 →
設定 > システム > バージョン情報に「システムの種類」が表示されます。 - 64bit Windows が圧倒的に多いですが、古いツールが 32bit JDK を要求するケースもあります(例: 特定の JDBC ドライバ)。
公式ダウンロードページと取得手順
| 配布元 | ダウンロード形式 | 推奨 URL(公式) | 64bit サイズ目安 | 32bit サイズ目安 |
|---|---|---|---|---|
| Eclipse Temurin | Installer (.msi / .exe) と ZIP アーカイブ |
https://adoptium.net/temurin/releases/?version=8 | 約 140 MB(インストーラ)/約 115 MB(ZIP) | 約 130 MB(インストーラ)/約 110 MB(ZIP) |
| Amazon Corretto | Installer と ZIP アーカイブ | https://aws.amazon.com/jp/corretto/ | 約 150 MB(インストーラ)/約 120 MB(ZIP) | 約 145 MB(インストーラ)/約 115 MB(ZIP) |
ダウンロード手順(共通)
- 上記 URL にアクセスし、「Windows」 タブ → 「x64 (64bit)」 または 「x86 (32bit)」 を選択。
- 「Installer」(拡張子
.msiまたは.exe) と「ZIP アーカイブ」の両方を取得すると、後でカスタムパスに展開でき便利です。 - ダウンロードしたファイルの SHA‑256 ハッシュを公式ページが示す値と比較します(PowerShell 例)
|
1 2 3 |
Get-FileHash .\OpenJDK8U-jdk_x64_windows_hotspot_8u352b08.msi -Algorithm SHA256 | Select-Object -ExpandProperty Hash |
ハッシュが一致しない場合 → 再ダウンロードしてください。
64bit と 32bit の違い、どちらを選ぶべきか
| 項目 | 64bit JDK | 32bit JDK |
|---|---|---|
| 対象 OS | Windows 10/11(64bit)※推奨 | Windows 7/8/10 の 32bit 環境、または 64bit 上で 32bit アプリが必要な場合 |
| メモリ上限 | 理論的に 4GB 超のヒープが使用可能 | 最大約 1.5GB(プロセス単位) |
| 互換性 | 現代の IDE・ビルドツールはすべて 64bit に最適化 | 古いツールや一部デバイスドライバでしか動作しないことがある |
| インストール先例 | C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8u |
C:\Program Files (x86)\Eclipse Temurin\jdk8u |
結論:特に理由がなければ 64bit を選択してください。32bit が必要になるケースは「古い Windows アプリ」や「32bit のネイティブライブラリを使用するツール」のみです。
インストーラ方式でのインストール手順
※ 管理者権限が必須です(右クリック → 「管理者として実行」)
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | ダウンロードした jdk8u‑windows‑x64.msi(または x86)を 右クリック → 管理者として実行 |
| 2 | ライセンス条項が表示されたら 「I accept the agreement」 にチェックし [Next] |
| 3 | インストール先 がデフォルトで C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8u(64bit) または C:\Program Files (x86)\Eclipse Temurin\jdk8u(32bit)。必要なら変更し [Next] |
| 4 | 「Feature Selection」画面で 「Add to PATH」 にチェックを入れると自動的に環境変数が設定されます。 ※ 手動で設定したい場合は後述の手順を参照してください。 |
| 5 | [Install] をクリックし、インストール完了まで待つ。 |
| 6 | 完了画面で [Finish] を押すとインストーラが終了します。 |
確認ポイント
C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8u(または(x86))フォルダが作成されていること- 「Java(TM) Platform SE binary」などのショートカットがデスクトップに生成された場合は不要なら削除
Chocolatey(CLI)でのインストール比較
| 項目 | インストーラ方式 | Chocolatey 方式 |
|---|---|---|
| 導入手順 | GUI ダウンロード → 手動実行 | 1 行コマンドで完了 |
| 管理者権限 | 必要(インストーラ起動時) | 必要(choco 実行は admin) |
| カスタムパス | インストール画面で自由に設定可能 | デフォルト C:\ProgramData\Chocolatey\lib\temurin8\tools に固定 |
| 自動更新 | 手動で新バージョンを取得 | choco upgrade temurin8 -y で自動化 |
| アンインストール | コントロールパネル → プログラム削除 | choco uninstall temurin8 -y |
| メリット | GUI があるので初心者向き、細かいオプション選択が可能 | スクリプト化しやすく CI/CD に組み込み可 |
| デメリット | 手順が多く UI 操作が必要 | カスタムパス変更が難しい |
Chocolatey での実行例
|
1 2 3 4 5 6 7 |
# 1. Chocolatey が未インストールなら導入 Set-ExecutionPolicy Bypass -Scope Process -Force; ` [System.Net.WebClient]::new().DownloadString('https://community.chocolatey.org/install.ps1') | Invoke-Expression # 2. Temurin の JDK8 をインストール(64bit がデフォルト) choco install temurin8 -y |
注意:32bit バージョンが必要な場合は
temurin8 --x86オプションを付与してください(パッケージによっては提供されていないことがあります)。
環境変数 JAVA_HOME と PATH の設定(初心者向け)
ポイント:インストーラで「Add to PATH」にチェックした場合でも、手動で確認・修正しておくとトラブルが減ります。
手順
-
システム環境変数画面を開く
Win + X→ 「システム」 → 右側の「詳細情報」→「システムの詳細設定」→「環境変数(N)…」 -
JAVA_HOME を追加
-
「新規」ボタンで
- 変数名:
JAVA_HOME - 変数値:インストール先ディレクトリ(例:
C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8uまたはC:\Program Files (x86)\Eclipse Temurin\jdk8u)
- 変数名:
-
PATH に
%JAVA_HOME%\binを追加 - 「システム環境変数」欄の
Pathを選択 →「編集」→「新規」で%JAVA_HOME%\binを入力。 -
既に古い JDK のパス(例:
C:\Program Files\Java\jdk1.8.0_231\bin)が残っている場合は削除します。 -
設定を反映
- OK → OK → OK の順で閉じ、コマンドプロンプトまたは PowerShell を新しく起動 してから確認してください。
「レジストリへの影響」について(初心者向けに簡潔化)
- インストーラは Windows の レジストリ に
HKLM\SOFTWARE\JavaSoft\JDKとして JDK の情報を書き込みます。 - これにより「コントロールパネル → プログラムと機能」からも JDK が認識されますが、手動で環境変数を設定すればレジストリの内容は意識しなくても問題ありません。
インストール後の動作確認
|
1 2 3 4 |
# PowerShell かコマンドプロンプトで実行 java -version javac -version |
期待される出力例(Java 8)
|
1 2 3 4 5 6 |
openjdk version "1.8.0_352" OpenJDK Runtime Environment (Temurin)(build 1.8.0_352-b08) OpenJDK 64-Bit Server VM (Temurin)(build 25.352-b08, mixed mode) javac 1.8.0_352 |
javaとjavacの両方が 同一バージョン を示せば完了です。- バージョン番号の前に
openjdk version "1.8.0_xxx"が表示されることを確認してください。
IDE への JDK 設定方法
| IDE | 手順概要 |
|---|---|
| Eclipse | ① Window → Preferences ② Java → Installed JREs → Add... → Standard VM を選択 ③ JRE home に JAVA_HOME(例: C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8u)を参照 ④ 追加した JRE にチェックを入れて Apply and Close |
| IntelliJ IDEA | ① File → Project Structure (Ctrl+Alt+Shift+S) ② 左ペインの SDKs → + → JDK を選択 ③ JAVA_HOME ディレクトリを指定し OK ④ Project タブで Project SDK に先ほど追加した JDK を設定 |
| VS Code (Java Extension Pack) | settings.json に "java.home": "C:\\Program Files\\Eclipse Temurin\\jdk8u" を追記 |
よくあるトラブルと対処法
| エラー | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 「'java' は内部コマンドまたは外部コマンドとして認識されません」 | PATH に JDK の bin が未登録、もしくは古いパスが残る |
環境変数 Path を確認し、%JAVA_HOME%\bin が先頭にあるかチェック |
| IDE が 32bit JDK を要求する | プラグインやビルドツールが 32bit バイナリしか認識できない | 32bit の Temurin ZIP(x86)を展開し、JAVA_HOME と PATH をそのディレクトリに切り替える |
| Windows Defender がブロック | ダウンロードした MSI が「不明な発行元」と判定された | 「詳細情報」→「実行」を選択。公式サイトの SHA‑256 ハッシュで安全性を確認 |
パスが長すぎて java.lang.NoClassDefFoundError |
JDK を深い階層に展開した(例: C:\Users\Me\Documents\tools\jdk8u\...) |
ルート直下(例: C:\jdk8u)へ再配置し、環境変数も更新 |
| 複数バージョンが混在してコンパイルエラー | 古い JDK が残り、java と javac が別々の場所を指す |
旧版は「プログラムと機能」からアンインストールし、レジストリ HKLM\SOFTWARE\JavaSoft を手動でクリア(バックアップ必須) |
安全なアンインストール手順
- コントロールパネル → 「プログラムの追加と削除」から 「Eclipse Temurin JDK 8」(または Amazon Corretto 8)を選択し 「アンインストール」。
- インストーラが残すフォルダ(例:
C:\Program Files\Eclipse Temurin\jdk8u)があれば手動で削除。 - 環境変数
JAVA_HOMEと%JAVA_HOME%\binを Path から除去。 - (任意)レジストリクリーナー(例: CCleaner 無料版)で
HKLM\SOFTWARE\JavaSoft配下の残存キーを削除(※実行前にレジストリのエクスポートでバックアップ)。
注意:他のアプリが同じレジストリ領域を使用している場合は手動削除で問題になることがあります。必ず「アンインストール」後に残っているか確認してください。
付録:チェックリスト & FAQ
✅ インストール前チェックリスト
- [ ] Windows が 64bit か 32bit かを確認
- [ ] 既存の Java がないか
java -versionで確認 - [ ] ダウンロード元(Eclipse Temurin / Amazon Corretto)が公式ページであることを確認
- [ ] SHA‑256 ハッシュを検証
📚 FAQ
Q1. JDK と JRE の違いは?
A: JDK は開発ツール(コンパイラ javac など)を含むフルセット。JRE は実行環境だけで、開発には不向きです。Java 8 開発では必ず JDK をインストールしてください。
Q2. 32bit と 64bit のどちらが速い?
A: 同一ハードウェア上では 64bit がメモリ空間を広く使えるため、特に大規模ビルドやサーバー向けには高速です。小さなツールだけであれば差はほとんどありません。
Q3. 複数バージョンの Java を同時に使いたい
A: JAVA_HOME と PATH をプロジェクトごとに bat / ps1 スクリプト で切り替えるか、[jEnv(Linux/macOS)] のようなツールを Windows 向けに自作する方法があります。Chocolatey の chocolatey install jdk8 と jdk11 を併用し、スイッチングバッチを書くのが手軽です。
Q4. インストール後に Visual Studio Code で Java が認識されません
A: VS Code の Java Extension Pack は java.home 設定を参照します。settings.json に正しいパス(例: "java.home": "C:\\Program Files\\Eclipse Temurin\\jdk8u")が書かれているか確認してください。
この記事の手順に沿って作業すれば、Windows 上で初心者でも確実に Java 8 開発環境を構築できます。何か不明点やエラーが出た場合は、まず本稿の「よくあるトラブル」セクションを確認し、それでも解決しないときは公式フォーラムや Stack Overflow で質問するとスムーズです。 Happy coding!