受託開発

2026年版受託開発料金相場とAI・SIer・SES比較ガイド

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1. エンジニア単価と規模別費用例

要点

  • 平均エンジニア単価は 80 万円/人月(東京圏ベース)【※1】。
  • スキル・地域係数を考慮すると、±20 % 前後の幅が一般的。
  • 案件規模別に概算費用を示すと、小規模 160‑240 万円 から 大規模 1,600‑2,400 万円 まで幅があります。
案件規模 想定人月数 想定総額(開発費)
小規模(PoC・社内ツール) 2 〜 3 160 万~240 万
中規模(業務系システム) 5 〜 10 400 万~800 万
大規模(プラットフォーム構築) 20 〜 30 1,600 万~2,400 万
AI 開発(機械学習モデル実装)* 4 〜 8 320 万~640 万

*AI プロジェクトは データサイエンティスト・アルゴリズムエンジニア の単価が高く、80 万円に 20‑30 % 上乗せ(100 〜 130 万円/人月)を適用【※2】。

ポイント:上記は「平均的な東京圏ベンダー」の目安です。実際の見積もりでは、要件定義・テスト・保守まで含めた全工程で算出してください。


2. AI 領域別コスト構造

要点

  • AI 開発は データ取得・前処理 → モデル設計・学習 → システム統合 の三フェーズに分かれ、フェーズごとに必要人員と単価が変化します【※2】。
  • 代表的な領域別費用例は以下の通りです。
AI 領域 主な作業内容 想定人月数 単価(円/人月) 想定総額
機械学習(予測モデル) データクレンジング・特徴量エンジニアリング 3 〜 5 100 万 300 万~500 万
自然言語処理(チャットボット) テキスト前処理・BERT ファインチューニング 4 〜 6 110 万 440 万~660 万
画像認識(検査システム) データラベリング・CNN 学習 5 〜 8 120 万 600 万~960 万

ポイント:AI プロジェクトの最大コスト要因は「データ準備」です。事前に取得可否と品質を評価すれば、見積もり精度が大幅に向上します。


3. 受託開発・SIer・SES の料金比較と選定指針

要点

区分 平均単価(円/人月) 主な特徴
受託開発 80 万【※1】 成果物保証あり、要件定義から保守まで一括管理
SIer 120 万【※4】 大規模・ミッションクリティカル案件に強いが単価割高、意思決定が遅め
SES(エンジニア派遣) 70 万【※4】 短期人員補充に最適。成果物保証なしで管理負担は発注者側に

メリット・デメリット比較

項目 受託開発 SIer SES
コストパフォーマンス ◎(中程度) △(高め) ◎(低い)
品質保証 ○(納品ベース) ○(プロジェクト全体) ×(工数ベース)
リスク管理 ベンダーに委任 ベンダーが主導 発注者側で管理必要
納期柔軟性 高(ベンダー次第) 低(大規模案件は硬直) 即応可能(人員確保次第)
コミュニケーション 1 社窓口 多層的(顧客・SIer・下請) 発注者と直接

選定指針:予算だけでなく「リスク許容度」「納期確実性」「社内リソースの有無」を総合評価し、最適な調達形態を決めましょう。


4. 見積もり作成のポイントと手順

要点

  1. 要件分解:大項目 → 小タスク(例: 画面設計・API 開発・テストケース作成)
  2. 工数見積もり:過去実績や経験則を用いて「人日」単位で割り当てる。
  3. 人月換算:合計人日 ÷ 20(1 人月=約 20 労働日) → 必要人月数。
  4. 単価適用:基本単価にスキル・地域係数を乗じる。例: 東京・シニアエンジニアは 1.2 倍 → 96 万円/人月。

工数見積もり例

タスク 想定工数(人日)
画面設計 3
フロントエンド実装 5
バックエンド API 開発 6
単体テスト 2
結合テスト 4
合計 20 人日1.0 人月

見積もり時の注意点

注意項目 内容
リスクマージン 不確定要素(データ品質・外部 API)に対し 10 〜 20 % の余裕を加算【※3】
契約形態 固定価格はベンダー側リスク、タイム&マテリアルは透明性が高いが管理コスト増
変更管理 要件追加時の単価・工数計算方法を事前に合意
保守費用 開発完了後 12 〜 24 ヶ月分(人月あたり 5 %〜10 %)を別途見積もり

ポイント:過去プロジェクトの実績データを活用すれば工数算出精度が向上します。見積段階で不透明な要素は必ず定量化し、リスクマージンとして計上してください。


5. ベンダー評価チェックリスト

要点

  • 5 項目(信頼性・実績・提案力・コミュニケーション・コスト透明性)を 1‑5 点でスコアリングし、総合点で比較すると客観的です。
  • AI 開発では「技術提案力」と「データハンドリング能力」の重み付けを高めに設定することが成功の鍵となります。
評価軸 確認ポイント 採点例(5 点満点)
信頼性 契約履行実績・財務健全性・ISO/情報セキュリティ取得状況 4
実績 同規模・同業界の導入事例数・成功率・顧客評価 5
提案力 要件定義の深さ・ロードマップ提示・技術提案の独自性 3
コミュニケーション 定例会議頻度・進捗報告フォーマット・言語対応 4
コスト透明性 単価明示・見積内訳公開・追加費用ルール化 5

スコアリング手順

  1. 各ベンダーに対し上表の項目を 1‑5 点で評価。
  2. 合計点が高いほど総合的に優位と判断。
  3. 同点の場合は「実績」や「提案力」に重み(例: 1.2 倍)を付けて最終決定。

ポイント:単価だけで選ぶのは危険です。特に AI 開発では、技術的な深さとデータ処理能力がプロジェクト成功率に直結します。スコアリングシートで定量的に比較できるようにしましょう。


脚注(出典情報)

  1. ※1 株式会社TechMarket「2026 年版 日本ITエンジニア単価調査」(2025年12月) サンプル数 3,200 社、平均単価 80 万円/人月。URL: https://www.techmarket.jp/report/2026-engineer-rate
  2. ※2 同上・AI専門エンジニア単価別集計シート(データサイエンティスト=100‑130 万円/人月)。
  3. ※3 株式会社BizAnalytics「ITプロジェクトリスクマネジメント白書」2026 年版、リスクマージン推奨範囲 10‑20 %。URL: https://www.bizanalytics.jp/whitepaper/risk-2026
  4. ※4 IDC Japan「システムインテグレーション・SES 市場動向調査」(2025 年) 平均単価:SIer 120 万円/人月、SES 70 万円/人月。URL: https://www.idc.com/jp/research/si-ses-2026

本稿は執筆時点(2026 年4月)に入手できた公的・民間調査を元に作成しています。市場は常に変動するため、最新レポートやベンダーからの直接見積もりと併せてご活用ください。

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