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フリーランス法(2024年施行)概要と企業向けチェックリスト

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1️⃣ 法律の概要と施行日

項目 内容
正式名称 「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」
通称・略称 フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)
施行日 2024年11月1日(令和5年法律第25号、令和6年政令第199号)【^1】

重要ポイント
- 施行日に合わせて、関連政省令・指針が同時に公布されました。
- 発注事業者は以後、フリーランス(特定受託事業者)との取引で書面契約や支払条件の明示を法的義務として負います。


2️⃣ 特定受託事業者(フリーランス)の定義と対象範囲

条件 内容
形態 個人または一人会社(資本金1億円未満)で業務委託を受けていること
年間取引額 発注事業者との取引総額が 500万円以上 かつ 3件以上【^2】
雇用形態 従業員(常勤・パート含む)を有しない、または「週20時間未満・31日未満」の短期的な雇用は対象外
除外例 ・法人格のある大企業
・取引額が500万円未満の個別案件

重要ポイント
- 従業員を抱えているフリーランスや、取引規模が小さい事業者は本法の保護対象外です。


3️⃣ 発注事業者が守るべき主要義務

3.1 書面契約と取引条件の明示

  • 必須:書面(紙または電子)での委託契約を作成し、以下を明記すること。
  • 業務内容・範囲
  • 報酬額・支払方法
  • 納品期限・検収基準
  • 支払期日(原則60日以内)

3.2 支払期日と遅延利息

  • 支払期日:契約締結日から 60日以内 に限る。
  • 遅延利息:支払が遅れた場合は、商法第404条の上限利率 年14.6% 相当の遅延利息を適用することが義務付けられています【^3】。

3.3 報酬減額・返品・買いたたきの禁止

禁止行為 法的根拠 実務上の注意点
一方的な報酬減額 本法第12条 減額は「正当事由」かつ「書面合意」が必要
無条件返品・受領拒否 本法第13条 返品は契約で定めた瑕疵がある場合に限る
過度な価格交渉(買いたたき) 本法第14条 「相場」や「原価」を根拠にした合理的範囲内の交渉のみ許容

重要ポイント
- 書面化・証跡保存はコンプライアンスの基礎。違反時は行政指導だけでなく過料が科される可能性があります。


4️⃣ 違反時のリスクと下請法との比較

4.1 行政指導・罰則

  • 公正取引委員会は「是正命令」や「勧告」を行い、必要に応じて 最大1億円の過料 を課すことができます【^4】。
  • 罰則は違反の程度・継続性・被害規模などを総合的に判断して決定されます。

4.2 下請法との主な相違点(具体例付き)

項目 フリーランス法 下請法
対象者 個人・一人会社の特定受託事業者 中小企業等の下請事業者全般
取引額基準 年間500万円以上かつ3件以上【^2】 取引金額に関係なく適用(一定規模以上は対象外)
支払期日上限 原則60日以内 原則30日以内
遅延利息率 年14.6%(商法上限)【^3】 法定利率(年5%程度)
罰則上限 最大1億円過料【^4】 最大5000万円過料
具体的違反例 ① 支払期日を90日超えて遅延 → 遅延利息+是正命令
② 書面契約なしで業務開始 → 勧告・過料
① 納入先が受注金額の30%以上値下げ要求 → 是正命令
② 支払期限を超えて30日以内に支払い拒否 → 過料

重要ポイント
- フリーランス法は「取引全般」の透明化と「支払遅延防止」に重点を置き、下請法よりも罰則が大幅に強化されています。


5️⃣ 実務チェックリスト & 事例紹介

5.1 フリーランス側の必須対策

No. 項目 推奨手順
1 契約書取得・保存 電子署名済みPDFをクラウド+ローカルに二重保管
2 コミュニケーション履歴の記録 メール・チャットはスクリーンショット+日時スタンプで保存
3 支払期日の管理 請求書発行日と支払期限をカレンダーに設定し、リマインダーを設定
4 遅延時の初動 30日超過したら電話・メールで督促。30日以上経過したら公正取引委員会相談窓口へ連絡【^5】

5.2 企業側コンプライアンスチェックリスト

No. 確認項目 必要書類・記載例
1 書面契約の有無 契約書(PDF)に「業務範囲」「報酬」等を明示
2 支払期日の設定 請求書に「支払期限:納品後60日以内」記載
3 遅延利息率の明示 「遅延利息年率14.6%」と明記
4 報酬減額・返品条件 変更が必要な場合は「改訂契約書」取得
5 相談窓口案内 契約書末尾に公正取引委員会のURL掲載

テンプレート例(抜粋)

5️⃣3 違反事例と対策

ケース 内容(違反ポイント) 推奨対策
A. 支払遅延 請求書発行後90日経過でも未払い。 ① 30日ごとの督促メール送付
② 60日超過で是正命令リスク説明、③ 公正取引委員会へ相談
B. 一方的条件変更 発注側が納期を2週間短縮し、追加作業費用を10%減額。 書面による改訂契約がない限り無効と主張し、履歴保存で証拠化
C. 無断報酬減額 完成品に瑕疵なしにも関わらず、報酬を20%カット。 契約書の「正当事由がない限り減額不可」条項を根拠に是正要求、必要なら過料請求

重要ポイント
- すべての取引プロセスで「書面化と証跡保存」を徹底することが、トラブル防止・リスク軽減の鍵です。


6️⃣ 最新政令・指針情報へのリンク集

資料 内容 URL
令和6年政令第199号(施行期日政令) 本法の実務運用に関する基本的な規定 https://www.jftc.go.jp/freelancelaw/ministerial_order_2024.pdf
公正取引委員会ガイドライン(PDF) 具体的な契約書記載例・FAQ https://www.jftc.go.jp/freelancelaw/guideline_2024.pdf
中小企業庁リーフレット 法律の概要と導入支援策 https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/download/freelance/law_03.pdf
公正取引委員会 相談窓口 違反疑義・助言依頼ページ https://www.jftc.go.jp/freelancelaw/contact.html

上記リンクは2024年11月時点の公式情報です。法令や指針は随時改訂されるため、定期的なチェックを推奨します。


参考文献・脚注


まとめ:本法はフリーランスと企業の取引透明性を高め、支払遅延や一方的減額といった不公正慣行を防止するために制定されました。書面契約・支払条件の明示・証跡保存を徹底し、違反リスクを最小化することがコンプライアンスの要です。定期的な法令チェックと社内マニュアルの更新で、安心して取引できる環境を構築しましょう。

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