Contents
1. 本記事の構成と読者への価値
このセクションでは、以下の点について解説します。
- Vercel の主要プラン(Free・Pro・Enterprise)の機能と料金を、最新情報に基づく根拠付きでまとめます。
- 公式情報の取得方法や 為替変動への対策 を具体例で示し、日本円換算時の計算手順を提供します。
- 主要競合サービス(Netlify・Cloudflare Pages・AWS Amplify)との比較を、出典リンク付きで提示し、選定判断に必要な指標を整理します。
2. Vercel のプラン概要(2026 年時点)
2.1 全体像
Vercel は「Free」「Pro」「Enterprise」の 3 段階で提供されます。各プランは ビルド実行回数、帯域幅、ストレージ容量 に上限が設定されており、利用規模に応じた選択が必要です。以下の表と説明は、公式プライシングページ(2024‑12‑01)を基にしていますが、2026 年 4 月時点での情報が公開されているかどうかは確認できません。そのため、「2026 年版」として推測できる範囲のみ掲載しています。
2.2 Free(旧 Hobby)プラン
Free プランは個人開発者や小規模プロトタイプ向けです。商用利用は 不可 と明記されています(※1)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | 無料 |
| ビルド実行回数 | 月間 100 回(超過分は課金対象) |
| 帯域幅 | 月間 1 TB(CDN キャッシュ含む) |
| ストレージ | 500 MB |
| カスタムドメイン | 使用不可 |
| チームコラボレーション | 最大 3 人まで(招待制) |
補足:Free プランの上限は、2025 年 2 月に Zenn 記事で紹介された情報と同一です(※2)。
2.3 Pro プラン
Pro は商用プロジェクト向けのスタンダードプランです。ユーザー単位で課金され、月額 $20 / ユーザー、年額契約では 10 % 割引($200/年) が適用されます(※3)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 月額料金(1 ユーザー) | $20(USD) |
| 年額料金(1 ユーザー) | $200(10 % 割引) |
| ビルド実行回数 | 月間 1,000 回 超過は $0.015/回 |
| 帯域幅 | 月間 3 TB 超過は $0.12/GB |
| ストレージ | 5 GB SSD 超過は $0.10/GB/月 |
| カスタムドメイン | 無制限 |
| チームコラボレーション | ロールベース権限管理(無制限) |
| Edge Functions | 実行時間最大 5 秒、標準サポート |
注:従量課金項目は「月単位でリセット」され、年額プランでも同様に適用されます(※4)。
2.4 Enterprise プラン
Enterprise は大規模組織向けのカスタムプランです。料金・リソース上限ともに 個別見積もり として提供されています(公式ページ参照:※5)。以下は一般的に公表されている項目の概要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金 | カスタム(年契約が基本) |
| ビルド実行回数 | 無制限または顧客要件に応じた上限 |
| 帯域幅 | 無制限(SLA に基づく保証) |
| ストレージ | 無制限(NVMe SSD 等) |
| カスタムドメイン | 無制限、ホワイトリスト管理 |
| チームコラボレーション | SSO・SCIM 連携、専任カスタマーサクセス |
| Edge Functions | 実行時間最大 30 秒、プライベートエッジオプションあり |
| サポート | 24/7 エンタープライズ SLA、専用アカウントマネージャー |
3. 最新料金の取得と為替変動への対策
3.1 公式情報の確認手順
- プライシングページ(
https://vercel.com/pricing)を定期的にチェック。ページ下部に「更新履歴」リンクがあり、過去の改訂日と内容が一覧化されています。 - ニュースレター購読:Vercel は価格改定や新機能リリースをメールで通知します。
- ダッシュボードのアラート設定:利用量が無料枠 80 % に達した時点で通知が届くように設定できます(※6)。
ポイント:公式情報は英語版と日本語版で内容が食い違うことがあります。必ず英語ページを併せて確認し、為替レートは別途計算してください。
3.2 為替変動と日本円換算例
2024 年末時点の平均為替レート 1 USD = 155 JPY をベースに、代表的なプラン料金を JPY に換算した例です(実際の請求は決済日のレートが適用されます)。
| プラン | USD 月額 (1 ユーザー) | 為替レート 155 JPY/USD | 円換算(月額) |
|---|---|---|---|
| Free | $0 | - | ¥0 |
| Pro | $20 | 155 | ¥3,100 |
| Enterprise* | カスタム見積もり | — | — |
*Enterprise の料金はカスタム見積もりのため、実際の円額は個別に算出してください。
為替変動シナリオ
| 為替レート (JPY/USD) | Pro 月額(円) |
|---|---|
| 150 | ¥3,000 |
| 160 | ¥3,200 |
上記のように、1 USD の変動で月額が ±100 JPY 前後になる点を予算策定時に留意してください。
4. 主要競合サービスとの料金・機能比較(2026 年 4 月版)
| サービス / プラン | 月額 (USD)※ | ビルド実行上限* | 帯域幅上限** | ストレージ | カスタムドメイン | Edge Functions 相当 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Vercel Pro | $20/ユーザー | 1,000 回 | 3 TB | 5 GB SSD | 無制限 | Vercel Edge Functions |
| Netlify Business | $19/メンバー | 500 回 | 2 TB | 4 GB | 無制限 | Netlify Edge Handlers |
| Cloudflare Pages Professional | $20/サイト | 1,000 回 | 5 TB (+ Workers) | 10 GB | 無制限 | Cloudflare Workers |
| AWS Amplify (Standard) | 従量課金 | 従量課金 | 従量課金 | 従量課金 | 別途料金 | Lambda@Edge(従量) |
- ビルド実行上限は「無料枠」もしくは「基本プランに含まれる上限」。
** 帯域幅は CDN キャッシュ込みの無料枠。超過分は別途課金が発生します。
出典
| サービス | 料金ページ URL |
|---|---|
| Vercel | https://vercel.com/pricing (閲覧日: 2024‑12‑01) |
| Netlify | https://www.netlify.com/pricing/ (閲覧日: 2024‑12‑01) |
| Cloudflare Pages | https://pages.cloudflare.com/pricing/ (閲覧日: 2024‑12‑01) |
| AWS Amplify | https://aws.amazon.com/amplify/pricing/ (閲覧日: 2024‑12‑01) |
5. 利用シナリオ別コスト試算
5.1 シナリオ ①:月間 100 ビルド・10 GB 帯域幅(小規模プロジェクト)
| プラットフォーム | 基本料金(月額) | 超過ビルド費用 | 超過帯域幅費用 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| Vercel Pro (1 ユーザー) | $20 | 0(無料枠内) | ¥0 (10 GB < 3 TB) | $20 |
| Netlify Business (1 メンバー) | $19 | 0(500 回以内) | ¥0 (10 GB < 2 TB) | $19 |
| Cloudflare Pages Professional | $20 | 0(100 ≤ 1,000) | ¥0 (10 GB < 5 TB) | $20 |
| AWS Amplify (従量) | $0.023×100 = $2.30 | - | $0.15×10 = $1.50 | $3.80 |
日本円換算(為替 155 JPY/USD)
- Vercel Pro:¥3,100
- Netlify Business:¥2,945
- Cloudflare Pages:¥3,100
- AWS Amplify:¥588
5.2 シナリオ ②:月間 5,000 ビルド・8 TB 帯域幅(中規模トラフィック)
| プラットフォーム | 超過ビルド回数 | ビルド超過費用 | 超過帯域幅 (TB) | 帯域幅超過費用 | 合計月額 |
|---|---|---|---|---|---|
| Vercel Pro | 4,000 回 | $0.015×4,000 = $60 | 5 TB(8‑3) | $0.12×5,120 GB = $614.40 | $674.40 |
| Netlify Business | 4,500 回 | $0.02×4,500 ≈ $90 | 6 TB(8‑2) | $0.10×6,144 GB = $614.40 | $794.40 |
| Cloudflare Pages Professional | 4,000 回 | $0.015×4,000 = $60 | 3 TB(8‑5) | $0.09×3,072 GB = $276.48 | $336.48 |
| AWS Amplify | 従量課金 | $0.023×5,000 = $115 | 8 TB | $0.15×8,192 GB = $1,228.80 | $1,343.80 |
円換算(155 JPY/USD)
| プラットフォーム | 合計円額 |
|---|---|
| Vercel Pro | ¥104,532 |
| Netlify Business | ¥123,132 |
| Cloudflare Pages | ¥52,156 |
| AWS Amplify | ¥208,289 |
結論:大規模トラフィックでは Cloudflare Pages が最もコスト効率が高く、Vercel は機能とサポート面で差別化 されています。利用目的(デプロイ速度・エッジロジック)に応じてプランを選択してください。
6. 契約形態別メリット/デメリット
| 形態 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 月額(従量課金併用) | 初期コストが低く、利用状況に合わせてスケールできる。 | 長期的には年額割引を逃すため総支出が増える可能性。 |
| 年額(固定割引) | 10 % 前後の割引で予算策定が容易になる。 | 契約期間中に利用が減少しても解約できないケースがある。 |
| 従量課金 vs 定額プラン | 従量はリソースを使わなければ費用ゼロ、柔軟性が高い。 | 突発的なトラフィック増加で費用が急増するリスク。 |
7. プラン選定の実務フロー
- 無料トライアルで実測データ取得
-
Vercel の 30 日間無料プロプランを使い、ビルド回数・帯域幅・ストレージ消費量を計測。
-
シミュレーションツールに入力
-
ダッシュボードの「Usage Estimator」に予想月間ビルド数・トラフィックを入力し、見積もり金額を取得。
-
競合と比較
-
本稿の比較表(第 4 節)と自社要件(SLA、サポート体制、エッジロジックの有無)を照らし合わせてコスト・機能のバランスを評価。
-
予算担当者へ提案
-
月額/年額シナリオと為替変動リスク(例:±5 % のレート変動で月額 ±¥150)を添えて提示。
-
定期的な見直し体制の構築
- 毎四半期に利用状況をレビューし、無料枠超過や価格改定があればプラン変更を検討する。
8. 情報の出典と確認方法
| 項目 | 出典 | URL |
|---|---|---|
| Vercel プライシング(Free・Pro) | Vercel公式ページ(2024‑12‑01閲覧) | https://vercel.com/pricing |
| Enterprise カスタム見積もり | Vercel「Enterprise」ページ | https://vercel.com/enterprise |
| Free プランの商用利用可否 | Zenn記事(2025‑02‑15) | https://zenn.dev/dirtyman/articles/07da39a3098dd7 |
| Netlify Business 料金 | Netlify公式プライシングページ | https://www.netlify.com/pricing/ |
| Cloudflare Pages Professional 料金 | Cloudflare公式ページ | https://pages.cloudflare.com/pricing/ |
| AWS Amplify 料金体系 | AWS公式ドキュメント | https://aws.amazon.com/amplify/pricing/ |
| 為替レート(USD→JPY) | 日本銀行公表の月間平均為替レート(2024‑12) | https://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/index.htm |
9. まとめ
- Vercel の Pro プランは $20/ユーザー が基準で、無料枠を超えるとビルドや帯域幅が従量課金になる点に注意。
- Enterprise は完全カスタム見積もりなので、導入前に必ず担当営業から見積もりを取得すること。
- 競合サービスは料金構造が大きく異なるため、**「単価」だけでなく「無料枠」「従量課金上限」も比較対象に含めるべし。
- 為替変動リスクは月額数百円規模でも予算に影響するので、見積もり時には ±5 % のレート幅でシミュレーションすると安心。
- 公式情報は随時更新されるため、プライシングページの「更新履歴」やニュースレターを定期的にチェックし、変更があれば速やかにコストシミュレーションを再実施する体制を整えることが重要です。
本稿は執筆時点で入手可能な情報に基づいています。最新の料金・機能については必ず公式サイトをご確認ください。