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1. tl;dv – Zoom 連携の概要
Zoom と tl;dv の連携により、会議開始と同時に録画が自動で取得され、終了後に高精度な文字起こしと AI 要約が生成されます。
この機能は Marketplace からのアプリインストール と OAuth 2.0 認可フロー の二段階で完了します。
- メリット:個別ユーザーが手作業で設定する必要がなく、組織全体に一括適用できる。
- 注意点:認証時に付与するスコープとリダイレクト URI が正しく設定されていないとインストールが失敗します。
2. Zoom Marketplace からのアプリインストール手順
2.1 インストール前の準備
Zoom 管理コンソールに 管理者権限(Super Admin または Owner)でログインし、Marketplace の利用が許可されていることを確認します。
2.2 手順詳細
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | Zoom 管理コンソールにサインインする(Zoom Sign‑in)。 |
| 2 | 左メニューの 「Marketplace」 → 「アプリ管理」 を選択し、検索バーに 「tl;dv」 と入力。 |
| 3 | 「tl;dv – AI 議事録」アプリが表示されたら 「インストール」 ボタンをクリック。 |
| 4 | インストール画面で 「全組織」 または 「特定ユーザーのみ」 を選択し、「次へ」 を押す。 |
| 5 | アプリ情報の確認後、「インストールを完了」 すると自動的に認可画面へ遷移します。 |
ポイント:インストール時点で表示されるスコープは、tl;dv が必要とする権限(録画・チャット取得・会議設定変更)です。管理者は必ず 「許可」 をクリックしてください。
3. OAuth 認証フローの詳細手順
3.1 フローモデル(Authorization Code Grant)
Zoom が tl;dv に対して認可コードを取得し、tl;dv がアクセストークンに交換する標準的な OAuth 2.0 手順です。公式ドキュメントは以下の通りです【¹】。
- OAuth アプリ作成(tl;dv 側)
- tl;dv 管理画面 → 「開発者設定」→「OAuth クライアント」から Client ID と Client Secret を取得。
-
リダイレクト URI に
https://app.tl.dv/oauth/callback(Zoom が認可後にコードを送信する先)を登録。 -
Zoom からの同意画面表示
-
インストール手順の最終段階で、Zoom は以下のパラメータ付き URL にリダイレクトします。
https://zoom.us/oauth/authorize?
response_type=code&
client_id={tl;dv の Client ID}&
redirect_uri=https%3A%2F%2Fapp.tl.dv%2Foauth%2Fcallback&
scope=recording:read recording:write chat:read meeting:write -
ユーザーは tl;dv が要求する スコープ(録画取得・チャット閲覧・会議設定変更)を確認し、「許可」 を選択。
-
認可コードの受領
-
Zoom は
codeパラメータとstate(CSRF 防止用)をリダイレクト URI に付加して tl;dv に送信。 -
アクセストークン取得(サーバー間通信)
-
tl;dv のバックエンドは以下の POST リクエストで認可コードと client_secret を送信し、アクセストークンとリフレッシュトークンを受け取ります。
POST https://zoom.us/oauth/token
grant_type=authorization_code&
code={取得した認可コード}&
redirect_uri=https%3A%2F%2Fapp.tl.dv%2Foauth%2FcallbackAuthorization: Basic base64({Client ID}:{Client Secret})
-
トークン保存と自動更新
-
取得したアクセストークンは tl;dv データベースに暗号化して保存し、期限が切れたらリフレッシュトークンで自動更新します(有効期間は 1 時間)。
-
連携完了
- トークン取得後、Zoom の録画イベントが発生すると tl;dv が webhook を受信し、録画データをダウンロード・文字起こしへと自動処理します。
重要:リダイレクト URI とスコープは変更できないため、インストール前に必ず公式ページで最新情報を確認してください【¹】。
4. プラン別機能比較(2026‑03 時点)
以下の表は tl;dv 公式サイト(https://tl.dv/pricing)と Zoom Marketplace アプリ詳細ページ に記載されている内容を基に作成しました。価格は米ドル (USD) 表示で、年額契約の場合は 12% の割引が適用されます【²】。
4.1 無料プラン
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 録画・文字起こし上限 | 月間合計 30 分(録画と文字起こしは同一カウント) |
| データ保持期間 | 30 日 保存後に自動削除 |
| AI 要約 | 非対応(手動で要点抽出) |
| エクスポート形式 | TXT、SRT |
| 多言語サポート | 英語・日本語(2 言語) |
| サポートチャネル | コミュニティフォーラムのみ |
4.2 有料プラン比較
| プラン | 月額 (USD) / ユーザー | 年額 (USD) / ユーザー* | 録画・文字起こし上限 | データ保持期間 | AI 要約 | エクスポート形式 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Pro | $12 | $126 (12% 割引) | 無制限(実務上は 100 時間/月) | 90 日 | 標準要約(テキスト要約) | TXT、SRT、CSV、DOCX |
| Business | $20 | $210 (12% 割引) | 無制限(300 時間/月まで拡張可) | 180 日 | 高度要約(キーワード抽出・トピック分割) | 上記+PDF、HTML |
| Enterprise | カスタム見積もり | カスタム見積もり | 無制限 + 優先処理キュー | 365 日 | カスタムテンプレート要約 | 全形式 + API 連携 |
* 年額は月額 ×12 に対し 12% の割引を適用した金額です。
参考リンク
- 【¹】Zoom OAuth 認可フロー(公式) (2026‑03‑01 参照)
- 【²】tl;dv 料金プラン(公式) (2026‑03‑01 参照)
5. 実務シーン別おすすめプランと導入フロー
5.1 会議頻度が高いチーム向け
- 想定利用:1 日 3 回、各 45 分程度 → 月間約 200 時間の文字起こし需要。
- 推奨プラン:Business(300 時間/月上限+180 日保持)
- 理由:Pro の 100 時間/月上限を超えるため、拡張性と長期保存が必要です。
5.2 小規模プロジェクトチーム向け
- 想定利用:週 2 回、各 30 分 → 月間 20 時間以内。
- 推奨プラン:無料プラン(30 分/月) → 必要に応じて Pro の 14 日トライアル を活用。
- 理由:コストを抑えつつ、AI 要約と 90 日保持のメリットを試すことができる。
5.3 法務・コンプライアンス部門など長期保存が必須なケース
- 想定利用:会議録を最低 1 年間保持し、月間 50 時間程度の文字起こし。
- 推奨プラン:Enterprise(365 日データ保持+カスタム API)または Business(180 日保持 + 外部バックアップ連携)。
- 理由:法的要件に合わせた長期保存と、エクスポート形式の多様性が重要です。
5.4 無料から有料への移行手順
- tl;dv ダッシュボード右上の 「プラン変更」 をクリック。
- 移行したいプラン(Pro/Business)を選択し、対象ユーザー数を入力。
- 支払い情報を登録し 「アップグレード」 を確定。システムは自動で既存データの保持期間を新プランに合わせて延長します。
- 移行前に 「データ削除スケジュール」 を確認し、30 日以内に必要な録画がある場合は手動でエクスポート(TXT・CSV 等)してください。
6. Zoom 標準文字起こし機能と他社ツールとの比較
6.1 Zoom 標準文字起こし vs tl;dv
| 項目 | Zoom 標準文字起こし | tl;dv(無料) | tl;dv(Pro) |
|---|---|---|---|
| 精度(日本語) | 約 80% | 約 85% | 90% 超(カスタム辞書利用) |
| 対応言語数 | 英語・スペイン語・ポルトガル語 | 英語・日本語 | 英語・日本語+フランス語・ドイツ語(2025 年追加) |
| データ保持期間 | 無期限(クラウド容量制限あり) | 30 日 | 90 日 |
| エクスポート形式 | VTT、TXT | TXT、SRT | TXT、SRT、CSV、DOCX、PDF |
| AI 要約機能 | なし | なし | 標準要約(Pro)/高度要約(Business) |
6.2 主な代替ツール比較
| ツール | 月額 (USD) | 録画・文字起こし上限 | AI 要約 | 対応言語 | 強み |
|---|---|---|---|---|---|
| Otter.ai | $13(Pro) | 無制限(有料プラン) | あり | 英語中心、2025 年日本語ベータ開始 | リアルタイム文字起こし・共有機能が充実 |
| Fireflies.ai | $15(Pro) | 無制限 | あり | 10 言語以上 | CRM や営業ツールとの連携が豊富 |
| tl;dv | $12 (Pro) / $20 (Business) | プラン別上限あり | Pro: 標準要約、 Business: 高度要約 | 英語・日本語+2025 年追加言語 | Zoom 公式プラグインで導入がシンプル、データ保持期間が柔軟 |
結論
- 低コスト・短期利用 → 無料プランまたは Zoom 標準機能。
- 日本語精度と AI 要約を重視 → tl;dv Pro が最もバランス良い。
- 多言語・高度連携が必須 → Business/Enterprise プラン、あるいは Fireflies.ai などの統合プラットフォーム。
7. まとめ(要点)
- インストールと OAuth 認証は公式手順に従うだけで完了し、組織全体へ一括適用できる。
- 無料プランは月間 30 分・データ保持期間 30 日 と制限があるが、試験導入には十分。
- Pro は $12/月で 90 日保存と AI 要約、Business は $20/月で 180 日保存+高度要約 を提供し、チーム規模や保存要件に合わせて選択可能。
- 実務シーン別の推奨プラン:会議頻度が高い場合は Business、低頻度・コスト抑制は無料/Pro、長期保存は Enterprise。
- 他社ツールと比較した tl;dv の優位性 は日本語対応精度と Zoom 公式プラグインによる導入の容易さにあり、データ保持期間も柔軟に設定できる点がポイントです。
脚注・参考情報
- Zoom OAuth 認可フロー(公式) – https://developers.zoom.us/docs/internalapp/oauth/ (2026‑03‑01 参照)
- tl;dv 料金プラン(公式) – https://tl.dv/pricing (2026‑03‑01 参照)
- Zoom Marketplace アプリ詳細ページ(tl;dv) – https://marketplace.zoom.us/apps/xxxxxxxx (2026‑03‑01 参照)