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サービス終了スケジュールと影響範囲
Meta は 2026 年 2 月 16 日をもって Horizon Workrooms の全機能を停止することを公式に発表しています。これに伴い、会議録画やホワイトボード画像・PDF、3D アセット、チャットログ、参加者リストといった、Workrooms で生成されたすべてのデータが Meta のサーバーから削除されます。個人ユーザーだけでなく、企業や教育機関など組織アカウントでも同様にアクセスできなくなるため、サービス停止前に必ずバックアップを取得することが不可欠です。
ポイント:データのエクスポート期限は公式ヘルプに記載されており、期限を過ぎたデータは復元不可能となります。したがって、計画的なエクスポート作業がリスク回避の鍵になります。
個人ユーザー向けデータエクスポート手順
エクスポートリクエストの流れ
個人アカウントでデータを取得する際は、Meta が提供している「ダウンロードをリクエスト」機能を利用します。以下は公式ヘルプに基づく一般的な手順です。
- 設定 メニューを開く
- プライバシーと公開範囲 を選択
- データのダウンロード(または「ダウンロードをリクエスト」)をクリックし、画面の指示に従ってエクスポートを作成
エクスポート処理はリクエストから 24〜48 時間以内に完了し、登録メールアドレスへ通知が届きます。
エクスポート対象データ一覧(個人)
エクスポートされるファイルには次のような情報が含まれます。各形式は標準的なツールで閲覧・変換可能です。
- 会議録画(MP4)
- ホワイトボード画像/PDF
- 3D オブジェクト(GLB/FBX)
- チャットログ(JSON)
- 参加者リスト(CSV)
実務上の留意点
- エクスポートファイルは ZIP 圧縮されて配布されます。容量が大きい場合は分割ダウンロードになることがあります。
- ダウンロード後は 暗号化 と 二重保存(ローカル+クラウド)を推奨します。
組織管理者向け一括エクスポート
必要な権限と確認ポイント
組織全体のデータを一括取得するには、管理者アカウントに以下の権限が付与されていることを確認してください。
- Business Suite(旧 Meta Business Manager) の「データエクスポート」権限
- Graph API で Workrooms データにアクセスできる権限(正確なスコープ名は公式ドキュメントをご参照ください)
権限が不足しているとエクスポート処理が失敗するだけでなく、API 呼び出し制限にも抵触します。
Business Suite での操作手順
- 管理者アカウントで Meta Business Suite にログイン
- 左メニューから 「レポート」 > 「データエクスポート」 を選択
- エクスポート対象を 「全 Workrooms データ」 に設定し、期間(例:2024‑01‑01〜2026‑02‑15)を指定
- 出力形式は ZIP(内部は JSON・MP4・PDF)を選び、エクスポート開始 をクリック
エクスポートが完了すると、登録された管理者メールにダウンロードリンクが届きます。失敗した場合は権限設定や API 呼び出し上限を再確認してください。
Graph API を利用したバッチ取得(概要)
大量データの自動化取得が必要な組織向けに、Graph API でバッチリクエストを送る方法があります。基本的な流れは次の通りです。
- アクセストークン を取得(Business Manager アプリに適切な権限を付与)
- バッチエンドポイントに対し、ユーザーごとの Workrooms データ取得リクエストをまとめて送信
- 返却されたジョブ ID をポーリングし、完了したら結果ファイル(ZIP)をダウンロード
※ スコープ名やエンドポイントは随時更新されるため、実装前に必ず最新の公式リファレンスをご確認ください。
エクスポートデータの保管・暗号化ベストプラクティス
推奨ファイル形式と容量目安
| 形式 | 主な内容 | 容量目安(例) |
|---|---|---|
| ZIP(内部 JSON) | メタ情報、チャットログ、ユーザーデータ全般 | 1 TB データで約 800 GB |
| MP4 | 会議録画(1080p 推奨) | 1 時間 ≈ 2 GB |
| PDF / PNG | ホワイトボード画像・スライド | 1 MB〜5 MB/枚 |
まとめ:汎用性と検索しやすさの点で、ZIP 内 JSON が最も適しています。
保存先の選択肢と比較
| 保存先 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ローカル HDD/SSD | コスト低、即時アクセス可能 | ハードウェア障害リスク |
| 社内 NAS(RAID5 以上) | 冗長化で可用性向上、LAN 内高速転送 | 初期導入コストが必要 |
| パブリッククラウド(AWS S3・Azure Blob・Google Cloud Storage) | スケーラビリティと地域冗長化、アクセス制御が細かく設定可能 | 月額費用が発生し、外部依存度が上がる |
ベストプラクティス:重要データは「ローカル保存+クラウド二重保存」の形で保管し、いずれかが障害となっても復旧できる体制を構築します。
暗号化およびアクセス制御例
- 暗号化方式:AES‑256 で ZIP ファイル全体を暗号化。パスフレーズは別途パスワードマネージャーで管理。
- クラウド側 IAM 設定(AWS S3 の例)
s3:PutObject/s3:GetObjectを特定ロールに限定- アクセス元 IP を社内ネットワークに絞り、MFA 必須とするポリシーを適用
- 社内ポリシー:最小権限の原則に基づき、閲覧権限はバックアップ担当者のみ付与し、操作ログは 90 日以上保持
代替ツールへの移行とチェックリスト
主なVRコラボレーションツール比較
| ツール | インポート可能データ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| Microsoft Mesh | 3D オブジェクト(GLB/FBX)、テキストチャット | Azure AD 統合、エンタープライズ向けの高度な管理機能 |
| Spatial.io | ホワイトボード画像・PDF、3D モデル | ブラウザベースでデバイス依存が低く、チーム共有が容易 |
| Rumii | 会議録画(MP4)+音声文字起こし | 教育機関向けプランが充実、シンプルな UI |
結論:ホワイトボードや 3D アセットの互換性が高い Spatial.io が、短期間での移行に最も適しています。
データ活用事例
- ホワイトボード画像 → PDF 化して社内ナレッジベースへ自動登録:PDF を Confluence に API でアップロードするスクリプトを組むだけで、情報共有が即時化します。
- 3D オブジェクト(GLB) → Mesh の Asset Library にインポート:既存の素材として再利用できるため、新規プロジェクトの立ち上げコストを削減できます。
移行作業チェックリスト(最終確認用)
- 全ユーザー分のエクスポートリクエスト を 2026‑01‑31 までに完了させる。
- ダウンロードした ZIP ファイルを AES‑256 で暗号化し、ローカルとクラウドに二重保存する。
- 保存先の アクセス権限 を最小化し、監査ログが有効か確認する。
- 代替ツール(例:Spatial.io)へインポートテスト を実施し、データ欠損やフォーマットエラーがないことを検証する。
- エクスポート失敗・容量超過時は Business Suite の再試行 または Graph API バッチ処理 を利用してリトライする。
まとめ
- サービス停止までに個人・組織ともデータエクスポートを計画的に実施し、暗号化と二重保存で保護してください。
- 管理者は Business Suite の権限設定と、必要に応じた Graph API バッチ取得を活用すると作業負荷が大幅に削減できます。
- エクスポートデータは標準形式(ZIP/JSON/MP4)で保存し、クラウドとローカルの両方に保管することで可用性とセキュリティを確保します。
- 移行先ツールは機能要件と互換性を比較検討し、テストを通じて本番環境へスムーズに切り替えられるよう準備しましょう。
以上の手順とベストプラクティスに従えば、2026 年 2 月 16 日以降も重要な業務資産を失うことなく、次世代のコラボレーション環境へ円滑に移行できます。