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React 19 の新フック use() と非同期データ取得ガイド

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use() の概要と現状

React 19 では、非同期データ取得を宣言的に扱うことを目的に、use() という新しいフックが提案されました[^2]。このフックは Promise を直接受け取り、内部でサスペンド(中断)しながら結果が得られるまでコンポーネントのレンダリングを保留します。

特徴 説明
入力 任意の Promise<T>(React がサスペンド可能なもの)
戻り値 解決された T (型情報はそのまま引き継がれる)
連携先 <Suspense> と組み合わせてローディング UI を自動表示
状態管理 React が内部キャッシュを保持し、同一 Promise は再利用される
安定性 現在は experimental(α)段階。将来の API 変更や削除の可能性あり

公式ドキュメントでは「実験的機能として提供」されている旨が明記されています[^1]。そのため、以下のガイドラインは 開発・プロトタイプ 向けであることをご留意ください。


シンプルな非同期取得例

上記コンポーネントは fetchUser が解決するまで サスペンド 状態となり、親に配置した <Suspense>fallback が自動的に表示されます。


Loading と Error のハンドリング

エラーバウンダリの基本形

use() がサスペンド中に例外をスローすると、React は自動的に Error Boundary にエラーを転送します。下記は最小構成です。

リトライ UI の実装例


実装上の注意点とベストプラクティス

  1. 実験的であることを明示
  2. package.jsondependencies"react": "19.0.0-alpha" を記載し、README などに「α版」旨を書いておく。

  3. キャッシュ戦略の検討

  4. 同一 Promise は React が内部で再利用しますが、HTTP キャッシュヘッダーSWR / TanStack Query と併用すると、データの鮮度管理が容易になります。use() のみで高度なキャッシュ制御はできません。

  5. AbortController との組み合わせ

  6. 長時間実行されるフェッチは AbortController を使用し、コンポーネントがアンマウントされたときに中止させる。use() 自体はキャンセルを認識しないため、エラーバウンダリで AbortError を捕捉する必要があります。

tsx
const controller = new AbortController();
use(fetch(url, { signal: controller.signal }));
// コンポーネントがアンマウントされたら:
// return () => controller.abort();

  1. 粒度の小さな ErrorBoundary
  2. 大きな UI 全体を 1 つのエラーバウンダリで包むと、1 部分だけ失敗しても全体が白紙になる恐れがあります。データ取得単位ごとに小さめの境界を設けると UX が向上します。

  3. 代替手段としてのクエリライブラリ

  4. プロダクションで安定した非同期管理が必要な場合は、react-query(現 TanStack Query)や SWR の方が成熟度・機能面で有利です。use()概念実証(Proof‑of‑Concept) としての位置付けを意識してください。

カスタムフックで永続化ロジックを抽象化する

React では「状態管理はフックに切り出す」というパターンが推奨されています。use()非同期取得 に特化しているのに対し、ローカルストレージへの永続化 は全く別の関心事です。そのため、以下では useLocalStorageuseFormPersist の 2 つのカスタムフックを例示します。これらは React 19 に依存しない 完全な汎用フックです。


useLocalStorage の実装例

使用例:テーマ切替

テストポイント

項目 方法
初期化時にローカルストレージが読み込まれるか jest.spyOn(window.localStorage, "getItem") をモックし、期待値を検証
更新時に正しい JSON が保存されるか setValue 後の localStorage.setItem 呼び出し回数と引数をチェック
window が未定義の場合(SSR)でも例外が起きないか Node 環境でフックを呼び出し、エラーが投げられないことを確認

useFormPersist の実装例

使用例:お問い合わせフォーム

テスト戦略

  • ユニットテスト@testing-library/react-hooks(または react-hooks-testing-library)で localStorage をモックし、handleChange が state と storage の両方に反映されるか検証。
  • 統合テスト:実際のコンポーネントをレンダリングし、window.location.reload() 後に入力内容が復元されていることを確認。

フック選択ガイドライン

シナリオ 推奨フック / パターン 理由
単一 API 呼び出し(結果が UI に直結) use(fetch…) + <Suspense>(実験的) Promise がサスペンドされ、ローディングコード不要
複数リクエストや条件分岐がある場合 カスタムフック内で useEffect + fetch または TanStack Query 依存関係管理とキャッシュ戦略を柔軟にコントロールできる
データ取得後の加工・バリデーション カスタムフック(内部で use()useState を併用) use() が提供する「取得」部分だけを抽象化し、残りは通常の状態ロジックで処理
ローカルストレージへの永続化 useLocalStorage, useFormPersist など独立したカスタムフック UI ロジックから永続化ロジックを分離し、再利用性とテスト容易性を向上
リアルタイム通信(WebSocket, SSE) useEffect + useRef サスペンドは不要で、クリーンアップが必須になるため

ローカル開発環境での検証手順

  1. React 19 α プロジェクトを作成

bash
npx create-react-app my-app --template typescript
cd my-app
# React 19 alpha をインストール(2026‑04 時点ではまだ α と仮定)
npm install react@19.0.0-alpha react-dom@19.0.0-alpha

  1. src/App.tsx にサンプルコードを貼り付け
  2. UserProfile(use() デモ)
  3. ThemeSwitcher(useLocalStorage デモ)
  4. 必要に応じて ErrorBoundary, RetryButton も同梱

  5. エントリポイントでラップ

tsx
// src/index.tsx
import React, { Suspense } from "react";
import ReactDOM from "react-dom/client";
import App from "./App";
import { ErrorBoundary } from "./components/ErrorBoundary";

ReactDOM.createRoot(document.getElementById("root")!).render(

エラーが発生しました。\

}>
Loading…\

}>




);

  1. アプリ起動

bash
npm start

  1. プロファイラでサスペンドを確認
  2. Chrome DevTools → Profiler タブを開く。
  3. use() が「Suspend」イベントとして記録されることを確認。
  4. もし大量のサスペンドが連続して起きている場合は、キャッシュ戦略や依存関係の見直しを行う。

  5. テスト実装(例: useLocalStorage のユニットテスト)

tsx
// src/hooks/tests/useLocalStorage.test.tsx
import { renderHook, act } from "@testing-library/react-hooks";
import { useLocalStorage } from "../useLocalStorage";

beforeEach(() => {
window.localStorage.clear();
});

test("初期値がローカルストレージに保存される", () => {
const { result } = renderHook(() => useLocalStorage("key", "default"));
expect(result.current[0]).toBe("default");
expect(window.localStorage.getItem("key")).toBe(JSON.stringify("default"));
});

test("setValue が呼ばれるとローカルストレージが更新される", () => {
const { result } = renderHook(() => useLocalStorage("count", 0));
act(() => {
const [, setCount] = result.current;
setCount(5);
});
expect(result.current[0]).toBe(5);
expect(window.localStorage.getItem("count")).toBe(JSON.stringify(5));
});


まとめ

  • use()Promise を直接受け取り、Suspense と連携して非同期 UI を簡潔に記述できる 実験的フックです。
  • 現在は α バージョンであり、プロダクション利用は慎重に判断してください。
  • キャッシュやキャンセル、エラーハンドリングの基本は従来通り ErrorBoundaryAbortController と組み合わせて実装します。

  • カスタムフック(例: useLocalStorage, useFormPersist)は React のコア機能に依存せず、状態永続化やロジックの再利用を目的に作ります。

  • テストしやすく、SSR 環境でも安全に動作させるために typeof window === "undefined" のガードを入れることがベストプラクティスです。

  • フック選択は 「何を管理したいか」 に基づいて決めます。

  • データ取得 → use()(実験) or クエリライブラリ
  • UI ローカル状態 → useState / useReducer
  • 永続化や複雑ロジック → カスタムフック

  • 開発時は React ProfilerErrorBoundary の粒度 を意識し、サスペンドが頻繁に起きる場合はキャッシュ層を見直すか、成熟したデータフェッチライブラリへの切り替えを検討してください。

以上のポイントを踏まえてプロジェクトに組み込めば、React 19 の最新実験機能と従来の安定機能をバランスよく活用し、保守性・可読性の高いフロントエンドコードが実現できます。


参考リンク

[^1]: React 19 (alpha) – Experimental Hookshttps://react.dev/learn/concurrent-mode#experimental-hooks
[^2]: RFC #292 – use() Hookhttps://github.com/reactjs/rfcs/pull/292
[^3]: TanStack Query – https://tanstack.com/query/v5/ (代替案)
[^4]: React Docs – Error Boundarieshttps://react.dev/reference/react/ErrorBoundary
[^5]: MDN – AbortControllerhttps://developer.mozilla.org/en-US/docs/Web/API/AbortController

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