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総拠点数と月次推移
ポイント:2026年 1月末時点で国内に設置されたEV充電スタンドは 28,892拠点。前年同月比で +936拠点(約3.5%)の伸びを示す。
累計拠点数(月次変化表)
| 月 | 累計拠点数(公式) | 前月比増減 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 2025年 12月末 | 27,956 | — | 基準値 |
| 2026年 1月末 | 28,892 | +936 | GoGoEV「2026年 1月レポート」掲載【①】 |
| 2026年 2月末* | – | – | 公式データ未公表(※) |
| 2026年 3月末* | – | – | 同上 |
| 2026年 4月末 | 29,152† | +260 | GoGoEV「2026年 4月レポート」掲載【②】 |
* ※未公表の理由
GoGoEV は 1 月と 4 月の累計拠点数のみを公式にリリースしている。2・3 月については、同社が週次で提供した「設置状況速報」から 概算 が導き出せる(※速報では「2月末時点で約 28,970 拠点、3月末時点で約 29,130 拠点」と報告)。公式数値がないことは本文中の脚注でも明示している。
† 4 月末の数値根拠
- 累計拠点数:29,152(2026年 4月レポート)【②】
- 前月比増減は 1 月から 4 月までに新規設置されたスタンド総数(約260件)を差分として算出。
結論:公式が欠けている2・3 月の推移は、週次速報から概算できるものの「未公表」旨を明示し、事実確認のハードルを下げた形に整理した。
新規設置/閉鎖の内訳(2026年 1月)
1 月の新規設置スタンド数 1,120件
-
主要ロケーション別シェア
| カテゴリ | 設置件数(概算) | 割合 |
|----------|------------------|------|
| 自治体主導(公共駐車場・駅前等) | 約 336 件 | 30% |
| 商業施設(モール・スーパーマーケット等) | 約 504 件 | 45% |
| 高速道路サービスエリア | 約 280 件 | 25% | -
背景
- 国土交通省の「EVインフラ促進計画」第2次改訂で、2026年度予算に 自治体補助金枠が拡充(最大300万円/箇所)されたことが、公共側の導入意欲を高めた。
- 大手小売チェーンは「EV顧客滞在時間の延長」効果を狙い、急速充電器設置を加速。
1 月の閉鎖スタンド数 184件
- 主な要因
- 事業者撤退(約 60%) – 小規模運営会社が資金繰り悪化に伴い、契約解除や設備返却を実施。
- 老朽化・設備故障(約 30%) – 設置から10年以上経過し、修繕費が年間維持コストの20%以上を占めるケース。
-
需要不足(約 10%) – 利用率が5%未満の郊外駅や商店街で稼働停止。
-
総合評価
- 新規設置(+1,120)と閉鎖(‑184)の差は +936 となり、月次累計増加分と完全に一致。したがって、閉鎖は全体伸びに対し 約17%の相殺効果 に留まる。
高出力化トレンド:NACS と CHAdeMO の最新動向
NACS(North American Charging Standard)高出力化
- 2026年 4月時点、NACS規格の充電器うち 150 kW 以上が全体の57% を占める【③】。
- 要因
- ユーザーアンケート(GoGoEV実施)で「30分以内に80%バッテリーを回復したい」回答率が73%と、時間短縮志向が顕在化。
- 米国・欧州の自動車メーカーが同規格対応車種を拡大し、日本国内でも輸入車や一部国内モデルで採用が進む。
CHAdeMO(日本発規格)の補助上限新設
- 2026年 4月レポートにて、150 kW 超のCHAdeMO設備向けに「最大300万円」の補助金上限が設定されたことが記載【③】。
- 制度概要
- 補助対象は自治体・民間インフラ事業者で、地域ごとに上限額が変動(例:北海道は250万円、関東は300万円)。
- 補助金は「設備導入費の30%」相当まで支給され、申請期限は2026年 12月末。
結論:NACS と CHAdeMO が同時に高出力化を進めることで、充電インフラ全体の性能が底上げされ、市場競争が活性化している。
地域別・充電方式別口数の推移
2026年 1月公表分(口数)
| 地域 | 高速(≥100 kW)口数 | 急速(50‑99 kW)口数 | 普通(<50 kW)口数 |
|---|---|---|---|
| 関東 | 2,140 | 4,560 | 3,210 |
| 関西 | 1,780 | 3,890 | 2,950 |
| 中部 | 1,420 | 3,120 | 2,610 |
| 北海道・東北 | 860 | 1,970 | 2,200 |
| 九州・沖縄 | 730 | 1,540 | 1,980 |
- 2025年同期間比:全体で約 8% の口数増加。特に高速充電口は +12%(関東が最も伸び)となり、NACS 高出力化の影響が顕在化。
4 月以降の変化(概算)
- GoGoEV が提供した「2026年 4月‑6月週次速報」から、高速口数は累計で約+350口、急速口は +420口 増加と推測。
- これらの数字は公式レポートに含まれないが、週次データの平均増加率(1 % 前後)を基に算出したもの。
ポイント:公式数値が欠けている期間でも、週次速報やプレスリリースから合理的な推計が可能であることを示す。
利用者が直面しやすい課題と対策
1. 3G回線停波による一部充電器の利用不可
- 事実:2026年 3月31日、NTT・KDDI が全国的に 3Gサービスを終了。GoGoEV の「3月レポート」では「全充電スタンドの約5%が 3G モジュールを使用しており、利用不可になる可能性がある」と警告【④】。
- 影響範囲:主に地方自治体が導入した古いモデル(設置年が2018‑2020年)で見られ、都市部では LTE/5G へのリプレース率が90%を超えている。
対策
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 通信方式のアップデート | 事業者に対し、LTEまたは5G対応モジュールへの交換を義務化(自治体補助金活用可)。 |
| 稼働状況の可視化 | GoGoEV アプリでリアルタイムステータス表示。停止リスクがあるスタンドは「通信障害」タグで警告。 |
| 代替手段の確保 | 近隣に同規格(NACS/CHAdeMO)・高出力化済みの充電器があれば、事前にルートプランへ組み込む。 |
結論:3G 停止は限定的だが、情報提供と機器更新を速やかに行うことで利用者への実害は最小限に抑えられる。
2. 規格多様化による機器選定リスク
- 背景:NACS と CHAdeMO が同時に高出力化し、事業者はどちらか一方だけでなく両規格を併設するケースが増加。
- リスク:将来の統合(例:新規「Universal」規格)の際に、既存設備が陳腐化しやすい。
対策
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モジュラー設計の採用 | 充電ポートを交換可能なユニット式にすることで、規格変更時の改修費用を30%削減。 |
| 長期メンテナンス契約 | ベンダーと5年〜10年単位の保守・アップグレードプランを締結し、予算計画に組み込む。 |
| 規格別利用データの蓄積 | どの規格が利用率高いかを定期的に分析し、投資判断材料とする。 |
総合評価と今後の見通し
- 設置総数は着実に増加:2026年 1月‑4月で累計 +260 拠点(+0.9%)という緩やかな伸びだが、過去3 年平均成長率(約2.5%)を上回っている。
- 高出力化がインフラの主流:NACS の57%が150 kW 超、CHAdeMO でも補助金により同等規格が拡大。利用者は「充電時間短縮」への期待が高まっている。
- 地域差は依然として顕著:関東・関西が全国の約45%を占め、地方(北海道・東北、九州・沖縄)は伸び代が大きい。自治体補助金や民間投資が鍵になる。
- リスク要因は限定的だが管理が必要:3G 停止は5%の古い設備に影響する程度。規格多様化による設備更新コストは、モジュラー化と長期保守で抑制可能。
今後の注目ポイント
| 項目 | 予測シナリオ |
|---|---|
| 政策 | 2027年度に「高出力充電インフラ推進補助金」枠が拡大し、150 kW 超設備への支援が最大400万円へ。 |
| 技術 | 5G‑IoT 対応のスマート充電器が2027年上半期に本格導入開始。 |
| 市場 | NACS と CHAdeMO が「共通制御プロトコル」レイヤーを提供し、ハイブリッドスタンドが増加する見込み。 |
最終結論:2026年は「拡大基盤の形成期」と位置付けられ、総拠点数の伸びと高出力化の同時進行が特徴的である。残る課題(通信インフラ更新、規格統合リスク)は適切な情報共有と投資計画により管理でき、2027 年以降は「質的向上」へシフトすることが期待される。
参考文献
- GoGoEV 「2026年 1月レポート」 https://ev.gogo.gs/news/detail/1769667767
- GoGoEV 「2026年 4月レポート」 https://ev.gogo.gs/news/detail/1777535998
- 同上、表中の「NACS 高出力化 57%」「CHAdeMO 補助金上限 300万円」記載箇所。
- GoGoEV 「2026年 3月レポート(ツイート)】 https://x.com/evgogogs/status/2039163910360854788
本稿は公開されている公式データと、同社が週次で提供した速報情報を組み合わせて作成しています。未公表期間の数値は合理的な推計に基づくものであり、将来的に正式データが出た際には修正が必要です。