Contents
1️⃣ カスタムフィールドとは?
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 定義 | カードに独自のデータ項目(テキスト・数値・日付・チェックボックス・ドロップダウン)を追加できる機能。 |
| 目的 | プロジェクト全体で情報を構造化し、検索・レポート作成や自動化(Butler)とシームレスに連携させること。 |
| 効果 | - データの一元管理 - 可視性向上 - 手作業削減と意思決定スピードの向上 |
ポイント
従来はラベルやコメントで情報を追っていましたが、項目ごとの統一感がなく検索が困難でした。カスタムフィールドを導入すれば、型が決まったデータとして扱えるため、後続の集計・自動化が格段に楽になります。
2️⃣ カスタムフィールドはどのプランで使える?
| プラン | カスタムフィールド利用可否 |
|---|---|
| Free | 利用可能(1 ボードにつき 1 つの Power‑Up に制限)。複数ボードで同時に使用したい場合は有料プランへ移行が必要。 |
| Standard | 制限なしで利用可。Power‑Ups の上限は 1 つ(カスタムフィールドはこの枠内)。 |
| Premium / Business Class / Enterprise | Power‑Ups が多数追加でき、カスタムフィールドはその中の標準機能として提供されます。ただしプランごとの上限数は公式サイトで随時確認してください。 |
※注意
「Business Class 以上では Power‑Ups が無制限に利用できる」という記述は、2026 年 5 月現在の仕様と合致しません。実際には「多数の Power‑Ups を追加可能」ですが、プランごとの上限は公式ドキュメントで最新情報を確認してください。
3️⃣ カスタムフィールドの有効化手順
3.1 ボード単位で Power‑Up をオンにする
- ボード右上メニュー → 「Power‑Ups」
- 検索バーに「Custom Fields」と入力し、表示された 「Custom Fields」 を 追加
- 画面の指示に従い 有効化 完了
公式ガイド: https://support.atlassian.com/ja/trello/docs/using-custom-fields/
3.2 カードへフィールドを設定する
- 任意のカードを開く
- 右側メニューの 「カスタムフィールドを編集」 をクリック
- 「+ フィールドを追加」から以下を選択
- タイプ(テキスト・数値・日付・チェックボックス・ドロップダウン)
- ラベル名(例:
見積もり金額) - 必要に応じて デフォルト値 を入力
- 保存 → カード上にフィールドが表示されます
ボードで定義したフィールドは、同一ボード内の全カードに自動的に適用されます。個別カードで追加・削除することはできません。
4️⃣ フィールドタイプとベストプラクティス
| タイプ | 主な特徴 | 推奨シーン |
|---|---|---|
| テキスト | 任意文字列。長文は非推奨(表示が崩れやすい)。 | 製品名、担当者コメント |
| 数値 | 整数・小数。Butler で算術演算が可能。 | 見積もり金額、工数時間 |
| 日付 | カレンダー選択。期限管理に最適。 | 納期、次回ミーティング日 |
| チェックボックス | 真偽値のオン/オフ。シンプルな完了判定に便利。 | 完了確認、承認フラグ |
| ドロップダウン | 予め選択肢を設定し、一貫性ある入力が可能。 | ステータス、優先度、顧客区分 |
命名・表示のコツ
- 命名規則
- 簡潔かつ一意(例:
予算_上限) -
日本語は全角で統一し、英数字・記号は必要最小限に抑える。
-
表示順序
-
重要度の高いフィールドを左側に配置。ドラッグ&ドロップで並び替え可能です。
-
使用上限
- 無料プランでは Power‑Ups が 1 つまでという制約があるため、カスタムフィールドと他の連携アプリ(例:Slack)を同時に利用したい場合は有料プランへアップグレードしてください。
5️⃣ Butler とカスタムフィールドの連携
5.1 基本的な自動化例
| トリガー | アクション |
|---|---|
| カードが 「Done」 リストに移動 | チェックボックス 完了フラグ を ON に設定 |
日付フィールド 納期 が過ぎた |
ドロップダウン ステータス を 「遅延」 に変更 |
数値フィールド 実績金額 が更新された |
予算上限 (1000000) 超えならカードを 「予算超過」 リストへ移動 |
5.2 算術演算と集計の制約
- 利用できる関数
sum(),average(),max(),min()(すべてボードレベルで実行)-
四則演算 (
+ - * /) と括弧を組み合わせた式 -
集計対象
- Butler の集計は ボード全体 または 特定リスト/ラベルに絞ったカード集合 に対して実行可能です。
-
カード単体で「このフィールドの合計」を自動的に表示させる機能はありません(代替策として別カードに集計結果を出力するルールを作成します)。
-
制限事項
- 集計結果は Butler のアクション(例:コメント追加、別カードのカスタムフィールド更新)でしか可視化できません。
- 大規模ボード(数千枚以上)の場合、集計実行に時間がかかることがあります。
実装サンプル(予算超過通知)
yaml
when a card is updated and customField "実績金額" changes,
if sum(board.customField("実績金額")) > board.customField("予算上限"),
then post comment "⚠️ 予算が上限を超えました!"
6️⃣ 業務シナリオ別活用例
6.1 プロジェクト進捗管理
| フィールド | 用途 |
|---|---|
完了率(数値) |
0〜100% を入力し、100% 時に自動で Done リストへ移動 |
期日(日付) |
Butler の期限リマインダーと連携 |
優先度(ドロップダウン: 高・中・低) |
カードの色分けやフィルタリングに活用 |
自動化:完了率が 100% になると、チェックボックス
完了フラグをオンにし、担当者へ Slack 通知を送る。
6.2 予算・工数管理
| フィールド | 用途 |
|---|---|
見積もり金額(数値) |
初期見積もり入力 |
実績金額(数値) |
請求確定後に更新 |
工数(数値) |
作業時間の累計 |
予算上限(数値・ボードレベル) |
Butler が参照する基準値 |
自動化例:
実績金額の合計が予算上限を超えると、カードを「予算警告」リストへ移動し、担当者にメール通知。
6.3 CRM(顧客情報管理)
| フィールド | 用途 |
|---|---|
顧客ステータス(ドロップダウン: 見込み・商談中・受注・失注) |
営業パイプラインの可視化 |
最終コンタクト日(日付) |
フォローアップリマインダー |
担当者(テキスト) |
案件所有者の明示 |
自動化:ステータスが「商談中」に変わったら、次回アクションカードを自動作成し、期日を 7 日後に設定。
6.4 コンテンツカレンダー
| フィールド | 用途 |
|---|---|
公開予定日(日付) |
スケジュール管理 |
完了チェック(チェックボックス) |
完成確認 |
担当チーム(テキスト) |
所属部署の表示 |
自動化:公開予定日の前日にカードを「準備中」リストへ移し、Slack に投稿通知。完了チェックがオンになると「公開済み」リストへ自動転送。
7️⃣ カスタムフィールドの削除・アーカイブ手順
- ボード右上メニュー → 「設定」 → 「カスタムフィールド」 を選択
- 対象フィールド横の 「…」 メニューから 「削除」 または 「非表示」 をクリック
- 削除:カード上から項目が消え、データも失われます(復元不可)
- 非表示:ボード設定画面では隠れますが、過去カードのデータは保持され、再表示可能です
運用上のヒント
- 大規模プロジェクト終了後は不要フィールドを「非表示」にしておくと、レポートや自動化ルールに影響を与えずに管理が楽になります。
- 完全削除は本当にデータが不要なことを確認した上で実施してください。
8️⃣ まとめ
- カスタムフィールドは情報の構造化と自動化の土台となり、チーム全体の可視性と意思決定速度を向上させます。
- プラン別利用条件を把握し、必要に応じて有料プランへアップグレードすると Power‑Ups の制限なく活用できます。
- Butler との連携では算術演算・ボードレベル集計が可能ですが、カード単体の自動集計表示はサポート外です。制約を踏まえてルール設計を行いましょう。
- ベストプラクティス(命名規則、表示順序、定期的なフィールド整理)を守ることで、長期的にスムーズな運用が実現します。
Trello の公式ドキュメントは随時更新されます。最新情報は必ず [Atlassian Support – Trello カスタムフィールド] を確認してください。
この記事は 2026 年 5 月現在の情報を基に作成しています。プラン仕様や Butler の機能は予告なく変更される可能性がありますので、導入前に公式サイトで最終確認を行ってください。