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概要と対象プラン
| プラン | 共有期限機能の提供有無 |
|---|---|
| Google Workspace Business Starter / Standard / Plus | ✅ フルサポート(個別ユーザーへの共有に限定) |
| Google Workspace Enterprise (Essentials・Standard・Plus) | ✅ フルサポート |
| Google Workspace Education (Fundamentals / Standard / Plus) | ✅ フルサポート |
| 個人 Gmail アカウント(@gmail.com) | ❌ 期限設定は不可(リンク共有はもちろん、個別ユーザーへの招待でも対象外) |
※2026 年 3 月時点の公式情報に基づく(Google Workspace ヘルプセンター「共有ファイルの有効期限を設定する」参照)。
なぜ共有期限が重要か
- 自動失効で情報漏洩リスクを低減
期間終了と同時にアクセス権が取り消されるため、手作業での解除忘れがなくなります。 - プロジェクトごとのライフサイクル管理
短期的な共同作業やベンダーへの一時的なファイル提供に最適です。 - 監査証跡として活用可能
期限切れの履歴は Google Workspace 管理コンソールで確認でき、コンプライアンス対応に役立ちます。
共有期限が設定できるシナリオ
| 共有対象 | 有効期限設定可否 | 補足 |
|---|---|---|
| 個別ユーザー(メール招待) | ✅ 可 | 編集者・閲覧者どちらにも設定可能。最大 365 日(1 年以内)。 |
| リンク共有(Anyone with the link) | ❌ 不可 | 現行 UI では期限を付与できません。代替策は「組織内限定リンク」や「アクセスリクエスト」機能の利用。 |
| 組織内限定リンク(Domain only) | ✅ 可(個別ユーザーに限る) | リンク自体には期限設定不可ですが、招待された個別ユーザーへは期限を付与できます。 |
| Shared Drive のファイル/フォルダ | ✅ 可(個別ユーザー単位) | フォルダ全体への一括適用は UI ではできません。個別に設定するか、API で自動化します。 |
2020 年版情報との差分
- 当初は「個人 Gmail」でも限定的に期限が付けられると誤認されていましたが、2026 年の最新仕様では対象外です。
Web UI(デスクトップ)での設定手順
※本手順は Chrome・Edge などのモダンブラウザを想定しています。
※2023 年に UI が大幅リニューアルされ、現在は「権限変更」→「有効期限」の流れです。
1. ファイル/フォルダの共有設定画面を開く
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | Google ドライブにログインし、対象アイテムを右クリック → 「共有」 を選択 |
| ② | 共有相手一覧が表示されたら、期限を設定したいユーザー名の横にある 鉛筆(編集)アイコン をクリック |
2. 有効期限を指定する
- ポップアップ内で 「権限」 が「閲覧者」「コメント可」「編集者」のいずれかになっていることを確認。
- 権限欄の右側に表示される 「有効期限」 リンク(または「設定」ボタン)をクリック。
- カレンダーが開くので、本日から 365 日以内 の期日を選択。時間単位の指定はできません。
- 「保存」をクリックして完了。
ポイント:期限は最大 365 日までしか選べません(「1 年超は選択不可」エラーが表示されます)。この上限は Google の公式制限です。
3. 既存の期限を確認・変更・解除
| 操作 | 手順 |
|---|---|
| 確認 | 共有設定画面で対象ユーザー横に「有効期限:YYYY/MM/DD」が表示されます。 |
| 変更 | 表示された日付をクリックし、再度カレンダーから新しい日付を選択 → 「保存」。 |
| 解除 | 有効期限行の右端にある ✕(削除) アイコンをクリックすると「無期限」に戻ります。 |
モバイルアプリ(Android / iOS)での操作方法
Android アプリ
- Google Drive アプリを起動し、対象ファイル/フォルダを長押し → 「共有」 アイコン
- 共有相手一覧から期限設定したいユーザー名をタップ
- 表示された権限メニューで 「有効期限」 を選択
- カレンダーが表示されるので、本日+365 日以内 の期日を指定 → 「完了」
UI がシンプル化されているため、日付入力欄は直接タップで開きます。設定できない場合は、対象アカウントが「個人 Gmail」またはプラン非対応か確認してください。
iOS アプリ
- Google Drive アプリを起動し、対象アイテムを左スワイプ → 「共有」
- 共有相手の横にある情報(ℹ️)ボタンをタップ
- 「アクセス権の有効期限」セクションで日付を選択 → 「保存」
iOS はカレンダー表示が中心です。Android と同様、最大 365 日までしか設定できません。
管理者向け:一括設定・API 活用法
現状の UI 制限
- Web UI では複数ユーザーへの有効期限を同時に設定する機能はありません。
- 「複数選択 → 一括設定」の表記が過去にドキュメントで見られましたが、2026 年現在は実装されていないため 誤解の元 です。
推奨手段:Google Workspace Admin SDK(Drive API)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| API エンドポイント | permissions.update(PATCH)に expirationTime パラメータを付与 |
| 一括処理例 | Google Apps Script、Python (google‑api‑python‑client) などで対象ユーザーリストをループし、1 件ずつ更新 |
| 権限要件 | 管理者ロールの 「Drive の管理」 権限が必要 |
| 実装上の注意点 | - expirationTime は RFC3339 形式(例:2026-12-31T23:59:59Z)- 365 日超はエラーになるので、スクリプト側で日数チェックを組み込む |
サンプル Apps Script(概略)
|
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function setExpirationForUsers(fileId, users) { const drive = DriveApp.getFileById(fileId); const now = new Date(); const maxDate = new Date(now.getTime() + 365 * 24 * 60 * 60 * 1000); // 365 日後 users.forEach(email => { const permission = Drive.Permissions.insert( { role: 'reader', type: 'user', emailAddress: email, expirationTime: maxDate.toISOString() }, fileId, { sendNotificationEmails: false }); Logger.log('Set expiry for %s → %s', email, permission.id); }); } |
メリット:数百・数千件の共有相手に対しても、スクリプト1 本で一括設定が可能です。
1. 個別ユーザーへの期限適用は可能だが フォルダ単位 の一括設定は不可
- 共有ドライブ内のファイルでも、個別ユーザーに対して
expirationTimeを付与できます。 - フォルダ全体に同じ期限を付けたい場合は、対象フォルダ配下のすべてのファイルに対してスクリプトで一括更新する必要があります。
2. 期限切れ時の権限遷移
| 状況 | アクセス結果 |
|---|---|
| 編集者が期限切れ | 編集権は即座に失効し、閲覧権が残っている場合は共有ドライブ全体の閲覧権が適用されます(PC Watch 2026‑02‑15 記事)。 |
| 閲覧者が期限切れ | 完全にアクセス不可となります。 |
参考:PC Watch「Google ドライブ、共有リンクの有効期限設定ができるようになった」(2026‑02‑15) https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2061856.html
3. ベストプラクティス
- 期限管理ポリシーを策定
- 「全ての外部委託先への共有は最大 90 日」など、社内ルールで上限日数を決める。
- 自動レポートの活用
- 管理コンソール → 「レポート」→「ドライブ」→「権限変更」の CSV 出力で期限が近いユーザーを抽出し、リマインダーを送付。
- スクリプト定期実行
- 毎日 00:00 に期限切れの権限を自動で削除する Apps Script をデプロイし、人的ミスを防止。
セキュリティ上のメリットと監査ログの活用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最小権限の原則(Principle of Least Privilege) | 期限が切れた瞬間に不要なアクセスが消えるため、常に「必要最低限」の権限だけが残ります。 |
| 監査証跡 | 管理コンソール → 「レポート」→「ドライブ」→「共有設定変更」から、expirationTime の追加・更新・削除がすべてログとして残ります(保持期間は 6 ヶ月)。 |
| 通知機能の代替 | 現行 UI では自動メール通知はありませんが、レポートを BigQuery にエクスポートし、Data Studio ダッシュボードで期限切れ予測アラートを作成できます。 |
| コンプライアンス対応 | ISO/IEC 27001、SOC 2 などの認証取得に向けた「アクセス権管理」の要件を満たす重要な機能です。 |
よくある質問(FAQ)とトラブルシューティング
Q1. 有効期限は最大何日まで設定できますか?
A: 365 日以内(1 年)。それ以上は UI・API 共にエラーとなります。
Q2. 複数ユーザーに同時に期限を付与したい場合、どうすればいいですか?
A: 現在の Web UI では一括設定はできません。管理者権限がある場合は Drive API または Google Apps Script を利用してスクリプトでバッチ処理してください。
Q3. 期限切れ前に自動リマインドメールを送ることはできますか?
A: 標準機能ではありませんが、管理コンソールのレポートを定期的に抽出し、Google Apps Script で Gmail 通知を自動化することが可能です。
Q4. 外部(フリー)アカウントでも期限設定はできますか?
A: できません。組織外のユーザーは「有効期限」オプションが非表示となります。代替策として、リンク共有を利用し、手動でアクセス権を解除してください。
Q5. 期限が切れた後に同じファイルへ再度共有したい場合の手順は?
A: 期限が切れたユーザーは「共有設定」画面から再度招待できます。新しい有効期限を設定すれば、以前とは別の権限として扱われます。
トラブルシューティング表
| エラー | 発生条件 | 推奨対処 |
|---|---|---|
| 「1 年超は選択不可」 | カレンダーで 365 日を超える日付を選んだ | 365 日以内に再設定 |
| 「対象外ユーザーへの適用不可」 | 招待相手が組織外フリーアカウント | 組織外向けはリンク共有を使用し、期限は手動で管理 |
| 「権限の変更ができません」 | ファイル所有者ではなく編集権のみの場合 | 所有者に権限変更(閲覧者またはコメント可)を依頼し、その後設定 |
参考情報・出典
- Google Workspace ヘルプセンター – 「共有ファイルの有効期限を設定する」 (2026‑03‑01 アクセス)。
- PC Watch – 「Google ドライブ、共有リンクの有効期限設定ができるようになった」, 2026‑02‑15. https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2061856.html。
- Google Workspace 管理コンソール ヘルプ – 「Drive のレポートをエクスポートする」 (2026‑02‑28 アクセス)。
- Google Apps Script ドキュメント –
Drive.Permissionsリファレンス, 2026‑04‑10 更新版。
本ガイドは 2026 年 4 月時点の公式情報と実際の UI 動作を元に作成しています。Google のサービスは随時アップデートされるため、最新情報は必ず公式ヘルプセンターをご確認ください。