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1. リリース時期と機能概要
1‑1. 公開日と公式根拠
Miro は 2025 年 7 月 11 日 に、以下の 2 つの生成 AI 機能を同時に提供開始しました。
| 機能 | 主な役割 | 参考(公式) |
|---|---|---|
| Miro AI(Diagram AI) | テキストプロンプトからフローチャート、ER 図、UML などを自動生成する汎用作図支援 | https://miro.com/ja/ai/diagram-ai/ |
| Miro アシスト | ブレインストーミング時のアイデア創出・グルーピング、会議録音からの要約と次ステップ提案などタスク支援に特化 | 同上 |
両機能は Enterprise / Business プラン のみで有効化できます。
1‑2. 役割の違い
- Miro AI は「図を描く」ことに特化し、生成された要素は Miro 上の編集可能オブジェクトとして扱える。
- Miro アシスト は「業務フロー全体をサポート」するタスク指向 AI で、テキストや音声データから洞察を抽出する。
2. AI 機能の有効化手順とプラン要件
2‑1. 管理コンソールでのオン/オフ操作
- 管理者アカウントで Miro にログイン。
- 左サイドバー → 「組織設定」 > 「機能管理」 を開く。
- 「AI 機能」スイッチ を ON にし、表示されるポップアップで Miro AI と Miro アシスト のいずれか(または両方)を選択する。
詳細手順は公式ヘルプセンターに掲載されています。
https://help.miro.com/hc/ja/articles/360018823214-Enable-Miro-AI
2‑2. 必要なサブスクリプションと権限
| プラン | AI 機能利用可否 | 主な制限 |
|---|---|---|
| Enterprise | ○(全ユーザー) | 月間トークン上限 10,000 トークン(約 1,500 回生成)。超過時は追加購入が必要。 |
| Business | △(一部機能のみ) | Diagram AI は有料アドオンとして別途購入。 |
| Free / Team | × | 利用不可 |
- 権限:Editor 以上のロールを持つユーザーのみが AI 機能を呼び出せます。管理者は「Roles & Permissions」から対象ユーザーに Editor 権限を付与してください。
3. ブレインストーミングと会議要約での活用例
3‑1. アイデア自動生成・グルーピング
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| 1 | ボード上で 「ブレインストーミング」テンプレート を開く。 |
| 2 | ツールバーの AI アシスト アイコン → 「アイデア生成」を選択。 |
| 3 | テーマや制約条件(例:予算 ≤ 500 万円)を日本語で入力し「生成」ボタンをクリック。 |
AI は 5〜10 件の候補と自動グルーピング結果を提示し、色分けまで行います。
3‑2. 会議録音からの要約と次ステップ提案
- 会議中に取得した 音声ファイル または チャットログ をボードへドラッグ&ドロップ。
- AI アシストメニュー → 「要約生成」を選択し、出力形式(箇条書き・表)を指示。
- 要約が表示されたら「次のアクション提案」オプションで担当者割り当てや期限設定など具体的なタスクを自動提示。
このフローにより、会議後のドキュメント作成時間が 30 %以上 短縮されます(公式ベンチマーク参照)。
ベンチマークレポート: https://miro.com/ja/ai/benchmark/
4. Diagram AI で作成できる図と生成手順
4‑1. フローチャート
|
1 2 3 |
プロンプト例: 「新規顧客獲得プロセスを、開始→リード取得→商談→契約の流れでフローチャート化してください。各ステップに担当者と所要日数も記載」 |
生成後は Miro のオブジェクトとしてノードや矢印を直接編集可能です。
4‑2. ER 図・マインドマップ
| 図種 | プロンプト例 |
|---|---|
| ER 図 | 「顧客(Customer)と注文(Order)の関係を 1 対 多で示し、主キーは CustomerID と OrderID にしてください」 |
| マインドマップ | 「プロジェクト立ち上げの課題を中心テーマに、リスク・スケジュール・予算の3カテゴリで枝分かれさせたマインドマップを作成」 |
4‑3. UML シーケンス図・クラス図
- シーケンス図:
「ユーザーがログインし、商品検索→カートに追加→決済までの流れを示すシーケンス図」 - クラス図:
「注文(Order) と顧客(Customer) の属性・メソッドを含むクラス図を生成」
生成された要素は個別にドラッグやテキスト編集ができ、設計段階での修正コストを大幅に削減します。
5. 効果的なプロンプト作成のポイント
5‑1. 言語と詳細度の明示
- 言語指定:
「日本語で」または「In English」を先頭に付ける。 - 出力形式指示:例)
「以下の形式(Markdown 表)で出力してください」
5‑2. 悪い例と改善例
| 悪い例 | 改善例 |
|---|---|
フローを書いて |
日本語で、開始→承認→完了の3ステップを含む業務フローチャートを作成してください。各ステップに所要時間(分)と担当部署を表形式で出力してください。 |
diagram (英語) |
Please generate a UML class diagram in English. Include attributes, methods, and visibility modifiers for the classes "User" and "Product". Output as Miro objects. |
5‑3. エラーハンドリング
生成結果が期待と異なる場合は、再生成 ボタンの横に「前回の結果で不足していた○○」と追記すると改善しやすくなります。
6. リアルタイム共同編集時の AI サイドキック
6‑1. 提案機能の流れ
- ユーザーが図形をドラッグ、テキスト入力中に右側ウィンドウで 「AI が提案」 メッセージが表示。
- 提案例:
「この分岐条件は冗長です。‘A > B’ か ‘B > C’ のいずれかに統合できます」 - 「適用」ボタンで即座に変更が反映され、操作履歴にも残ります。
6‑2. シナリオ別活用例
| シナリオ | AI の役割 | 想定効果 |
|---|---|---|
| デザインスプリント(5日) | Day 1 の課題抽出・Day 2 のアイデア自動グルーピング | 課題把握時間‑30 %、アイデア数+20 % |
| アジャイルスプリントプランニング | バックログの優先度タグ付けとリリースフロー図生成 | 会議時間‑15 分、可視化精度向上 |
| 部署横断業務フロー可視化 | SOP 文書から主要ステップ抽出 → フローチャート自動作成 | 手作業‑80 %削減、ドキュメント整合性向上 |
| データベース設計(ER 図) | CSV からテーブル定義を解析し ER 図と正規化提案を提示 | 設計レビュー時間‑40 %、ミス削減 |
6‑3. 制限事項・エラーハンドリング
- トークン上限:Enterprise プランで月間 10,000 トークン(約 1,500 回生成)まで。超過時はコンソールから追加購入が可能です。
-
公式トークン情報: https://miro.com/ja/legal/token-limits/
-
エラー対処:再生成が失敗した場合は、プロンプトを簡潔にし不要な制約条件(例:文字数指定)を除くと改善します。
7. セキュリティ・プライバシー
7‑1. データ保護の基本方針
Miro は 入力データを暗号化保存し、AI 学習目的での再利用は行わないことを公式に宣言しています(2025 年 7 月リリース時点)。
- プライバシーポリシー: https://miro.com/privacy/
- 組織内機密情報は 「社外送信禁止」設定で制限可能です。
7‑2. 管理者向けチェックリスト
| 項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| データ暗号化 | Miro の TLS/HTTPS が有効か |
| 学習データ利用停止 | 「AI 学習への使用をオプトアウト」設定がオンか |
| アクセス権限 | 必要最小限のロールのみが AI 機能にアクセスできるか |
8. まとめ
- リリースは 2025 年 7 月 11 日。Miro AI(Diagram AI)と Miro アシストの 2 種類が提供開始。
- 有効化は管理コンソールから数クリックで完了し、Enterprise/Business プランが必須。
- 活用例はブレインストーミング・会議要約・各種図表生成と幅広く、リアルタイムの AI サイドキックにより作業負荷を大幅に削減できる。
- 運用上の留意点はトークン上限、エラーハンドリング、そしてプライバシー設定。公式ドキュメントで最新情報を随時確認してください。
詳細な導入手順やベストプラクティスは Miro のヘルプセンターと製品ロードマップをご参照ください。
https://help.miro.com/ | https://miro.com/ja/roadmap/