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概要
Windows 10/11 に VS Code(正式名称は Visual Studio Code) を導入したいとき、主に次の二つの方法があります。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| Microsoft Store 版 | ユーザー権限だけでインストール可能。Store が自動的に最新版へ置き換えるので手動更新が不要です。 |
| 公式サイト版(.exe インストーラ) | カスタムインストールオプションやポータブル版、企業環境での配布がしやすい。インストーラは Microsoft のサーバから直接取得します。 |
本稿では「VS Code のインストール」→「自動更新の確認」→「Python 開発に必要な最低限の設定」の流れを 初心者でも手順通りに進められるよう、図解・コマンド例付きでまとめます。
Microsoft Store 版と公式サイト版のインストール手順
1. Microsoft Store 版(おすすめ初心者向け)
- Microsoft Store アプリを起動
-
タスクバーの検索ボックスに「Store」と入力し、表示されたアプリを開く。
-
「Visual Studio Code」を検索
-
検索結果の中から 「Visual Studio Code」(Microsoft が提供) を選択。
-
「取得」→「インストール」 をクリック
-
インターネット接続があれば自動でダウンロード&インストールが完了します。
-
インストール完了後に起動
- 初回起動時に「VS Code が更新されています」と表示されたら、最新バージョンです。
ポイント:Store 版は
%LocalAppData%\Microsoft\WindowsAppsにショートカットが作成されます。インストール先は内部で管理され、通常のプログラム一覧(「設定」→「アプリと機能」)にも表示されます。
2. 公式サイト版(高度な設定やポータブル利用をしたい方向け)
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① ダウンロード | https://code.visualstudio.com/ にアクセスし、画面右上の 「Download for Windows」 をクリック。VSCodeUserSetup-x64-*.exe が取得されます。 |
| ② 実行 | ダウンロードした .exe をダブルクリック → 「次へ」を数回クリックしてインストールを進める。※「Add to PATH」にチェックを入れると、コマンドプロンプトや PowerShell から code コマンドが使えるようになります。 |
| ③ カスタムオプション | 「Create a desktop icon」、「Register code as an editor for supported file types」 など必要に応じて選択。 ※企業環境では管理者権限でインストールし、 %ProgramFiles%\Microsoft VS Code に配置することが一般的です。 |
| ④ 完了 | インストーラの指示に従い「完了」ボタンを押すと、スタートメニューに Visual Studio Code が登録されます。 |
自動更新設定の確認・変更方法
VS Code は起動時に自動で最新リリース情報(GitHub の Microsoft/vscode リポジトリ)を取得し、利用可能な場合はバックグラウンドでダウンロードします。この機能は デフォルトで有効 ですが、万が一オフになっているケースに備えて確認手順を示します。
- VS Code を起動 → 左下の歯車アイコン(⚙)→ 「Settings」
- 設定検索欄に
updateと入力 - 表示される項目 「Update: Mode」 が
defaultになっているか確認
| 値 | 動作 |
|---|---|
default |
自動的にバックグラウンドで更新をダウンロードし、再起動時に適用 |
manual |
更新は通知のみ。手動で「Help → Check for Updates」から適用 |
手動で更新を確認したいとき
- メニューバー 「Help → Check for Updates」 を選択
- またはコマンドパレット (
Ctrl+Shift+P) で “Check for VS Code Updates” と入力
注意:Microsoft Store 版の場合、Store アプリ側の自動更新設定が優先されます。
Settings → Apps → Automatic updatesが有効かどうかも併せて確認してください。
Python(3.12 系)を VS Code に組み込む流れ
1. Python 本体のインストール(公式サイト版)
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| ① ダウンロード | https://www.python.org/downloads/windows/ → 「Download Windows installer (64-bit)」をクリック。 |
| ② インストーラ実行 | python-3.12.x-amd64.exe を起動。必ず最初の画面で 「Add Python 3.12 to PATH」 にチェックを入れる。 |
| ③ カスタムインストール(任意) | 「Customize installation」を選択 → pip, tcl/tk, IDLE など必要なオプションはすべてオンにしておく。※「Install for all users」にするとシステム全体で利用可能になりますが、管理者権限が必要です。 |
| ④ 完了 | 「Close」ボタンでインストーラを終了し、python --version でバージョン確認(PowerShell/コマンドプロンプト) |
2. VS Code 側の設定
- Python 拡張機能のインストール
-
左側サイドバーの「Extensions」 (
Ctrl+Shift+X) → 検索ボックスに@tag:pythonと入力し、Microsoft が提供する 「Python」 をインストール。 -
インタプリタ選択
- ステータスバー左下に表示される Python バージョン(例:
Select Interpreter)をクリック →Python 3.12.xが一覧に出てくればそれを選択。
ポイント:拡張機能はインタプリタが見つからないと自動的に「Python がインストールされていません」と通知します。その場合は上記手順で PATH が正しく設定されたか再確認してください。
仮想環境の作り方 ― venv と Poetry の比較・実装例
対象:初心者が「プロジェクトごとに依存関係を分離」したいケースを想定しています。
1. 標準ライブラリ venv を使う(最もシンプル)
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# (A) プロジェクトディレクトリ作成 & 移動 mkdir myproject && cd myproject # (B) 仮想環境作成 (.venv ディレクトリに格納) python -m venv .venv # (C) 仮想環境を有効化 # PowerShell の場合 .\.venv\Scripts\Activate.ps1 # コマンドプロンプトの場合 .\.venv\Scripts\activate.bat # Git Bash / WSL の場合 source .venv/Scripts/activate # (D) 必要なパッケージをインストール(例:requests) pip install requests # (E) VS Code でフォルダーを開く → 左下ステータスバーに「.venv」表示が出たらクリックしてインタプリタとして選択完了 code . |
venv のメリット・デメリット
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | - Python 本体だけで完結 - 追加ツール不要、学習コストが低い |
| デメリット | - パッケージ管理は pip のみ- ビルド・パブリッシュ機能がない |
2. Poetry を使う(依存関係とビルドを一括管理)
(1) Poetry 本体のインストール
2024 年時点で公式推奨されている手順です。
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# 推奨:PowerShell / bash で以下を実行(管理者権限は不要) (Invoke-WebRequest -Uri https://install.python-poetry.org -UseBasicParsing).Content | python - |
- インストール後、
$HOME\.poetry\binが自動的に PATH に追加されます。 - 確認:
poetry --versionと入力しバージョンが表示されれば成功です。
(2) プロジェクトの初期化と仮想環境作成
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# (A) 新規プロジェクト作成(myproject ディレクトリが自動生成される) poetry new myproject cd myproject # (B) 依存パッケージを追加(例:requests) poetry add requests # (C) 仮想環境をプロジェクト内部に配置(推奨設定) poetry config virtualenvs.in-project true # .venv がプロジェクト直下に作られる poetry install # 必要パッケージと仮想環境の生成 # (D) 仮想環境を有効化(VS Code で自動検出されるので手順は省略可) poetry shell # 一時的にシェルが仮想環境へ切り替わる |
Poetry のメリット・デメリット
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メリット | - pyproject.toml に依存関係とビルド設定を一元管理- 依存解決が高速で衝突が起きにくい - poetry publish でパッケージ公開までサポート |
| デメリット | - 初回インストールに少し手間(公式スクリプトの実行) - venv に比べて学習コストが高め |
VS Code と Poetry の連携ポイント
- プロジェクトフォルダーを 「File → Open Folder」 で開くと、ステータスバー左下に
.venvが自動表示されます。 - 表示されたインタプリタをクリックし、「Python: Select Interpreter」で選択すると、以降の実行・デバッグは Poetry の仮想環境が使われます。
おすすめ拡張機能(最低限)
| 拡張名 | 主な機能 | インストール手順 |
|---|---|---|
| Python (Microsoft) | 実行、デバッグ、Lint、IntelliSense | Extensions (Ctrl+Shift+X) → Python → Install |
| Pylance | 高速型推論・補完(LSP) | 同上で Pylance 検索 |
| Jupyter | .ipynb ノートブックの編集・実行 |
Jupyter を検索してインストール |
| Black Formatter | PEP 8 準拠の自動整形 | Black Formatter → Install |
| isort | インポート文の自動並び替え | isort → Install |
日本語化は「Japanese Language Pack for VS Code」をインストールすると UI が日本語になります。
テーマ例:One Dark Pro(暗め背景)や Catppuccin Mocha(柔らかい配色)がおすすめです。
エディタ内でコードを走らせ、デバッグする手順
1. シンプルなスクリプトを書いて実行
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# hello.py print("Hello, VS Code!") |
- ファイルを保存 → ステータスバー左下の Python インタプリタが正しく選択されていることを確認。
- エディター右上に表示される Run ▶︎ ボタン(または
Ctrl+Alt+N)をクリックすると、統合ターミナルで実行結果が即座に表示されます。
2. デバッグの基本操作
- 行番号左側をクリックしてブレークポイント(赤丸)を設定。
- キーボードショートカット
F5を押すか、デバッグサイドバーの緑色再生ボタン → 「Run and Debug」→「Python File」選択。 - デバッグパネルに Variables, Watch, Call Stack, Breakpoints が表示され、変数の中身や実行経路をリアルタイムで確認できる。
3. ターミナルシェルの変更(PowerShell ↔ Windows Terminal)
Ctrl+,で Settings を開き → 「Terminal」→「Integrated」→「Default Profile」から希望のシェルを選択。- 設定後は統合ターミナルを再起動すると反映されます。
ポイント:VS Code のデバッグ実行は、あらかじめ設定した仮想環境(
.venvや Poetry の.venv)の Python が自動的に使用されます。手動でシェルを切り替える必要はありません。
まとめ
| 項目 | 主なポイント |
|---|---|
| インストール | Store 版はワンクリック、公式サイト版はカスタム設定が可能。どちらも自動更新がデフォルトで有効です。 |
| 自動更新の確認 | Settings → Update: Mode が default かチェックし、必要なら手動で「Check for Updates」実行。 |
| Python の導入 | 公式インストーラで Add Python to PATH を必ず有効化 → VS Code の Python 拡張でインタプリタ選択だけ完了。 |
| 仮想環境 | venv はシンプル、Poetry は依存管理・ビルドまで一括管理できる。どちらも VS Code が自動検出します。 |
| 必須拡張 | Python, Pylance, Jupyter, Black, isort の 5 つで開発環境はほぼ完成。日本語パックと好みのテーマで UI を整えるだけです。 |
| 実行・デバッグ | エディタ上部の Run ▶︎ ボタンまたは F5 デバッグキーだけで完結。統合ターミナルは PowerShell でも Windows Terminal でも好きな方を設定可能です。 |
これらの手順に沿って作業すれば、Windows 上で VS Code と Python の最新環境が数分で構築でき、以降はコードを書くだけのシンプルな開発フローが実現します。ぜひ試してみてください!